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旅立ち前夜
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食事を終えて雷次郎は光に「当主様に何を伝えるつもりだったんだ?」と単刀直入に訊ねた。先ほど断られた問いだが、腹が満たされれば答えやすくなるだろうと彼は考えた。しかし光は「言えないわ」とにべもなく拒絶した。
「お粥の恩はあるけど、絶対に言えない」
「当主様に伝えることがお前の目的なのか?」
「……それ自体は目的じゃないってことしか言えないわ」
「なるほどな。だから当主様は公方様のところに連れて行けって言ったのか」
親父は何を考えているんだと声に出さずに雷次郎は思った。舌打ちしたい気分だったが、光の疑うような目を見て気持ちを切り替えた。
「あなたは雷次郎様の屋敷で狼藉を働いた。もし殿のご命令がなければ、牢に入れられてもおかしくなかったのですよ?」
雪秀が厳しいことを静かに言う。その表情も険しかった。雪秀は雷次郎に迷惑を被っているが、それ以上に尊敬をしていたので自然とそういう態度になってしまう。
光は口を尖らせつつ「それは悪かったわ」と謝罪した。
「私も余裕が無くて。気がついたら着物が寝巻きになっていて、知らない部屋に寝かされていたのよ」
「だからと言って――」
「やめろ雪秀。これから旅に出る仲間だぞ? 仲良くしろとは言わないが、その件に関しては責めるな」
雪秀は酷く驚いて「本当に大坂城に行くんですか?」と雷次郎を見つめた。白い肌がますます真っ白になっている。蒼白と言ってもいい。
「当主様の命令なんだ。従うしかねえだろ」
「そ、それは分かっていますが……でも、事情も教えてくれない、得体の知らない女と旅というのは……」
「あら。嫌ならいいのよ。私は一人でも大坂城に行くわ」
光が強気になって言った。雷次郎は強がりだなと思い、雪秀も同様にそう思った。
「ふん。あなた一人で大坂城まで行けるはずがない。路銀もないくせに」
「ろ、路銀くらいなんとかなるわよ!」
「行き倒れ寸前だった人が言っても、説得力がないですよ」
雪秀の皮肉を雷次郎はよく聞くが、初対面の光はやや面食らったようだった。
だからつい言ってしまった。
「あなた、背丈と同じくらい度量が小さいのね! 少しは――」
「――あぁん? てめえ、今なんて言った?」
「……えっ?」
雪秀の雰囲気が変わったことに、光は戸惑っている。
雷次郎は「落ち着け、雪秀」と立ち上がった雪秀を制した。
「この女、私の背丈を――」
「話が進まねえだろ。それに女に手をあげる気か?」
「うぬぬ……分かりましたよ……」
本日二回目の怒りだったので、少しだけ理性的で良かったと雷次郎は溜息をついた。
それから呆然としている光に「二度と言うなよ」と釘を刺した。
「雪秀が本気で怒ったら俺にも止められない」
「き、肝に銘じておくわ……」
雪秀が座り直すと雷次郎は「事情がどうであれ、既に決定していることなんだ」と二人に言う。
「光を公方様の元に送り届ける。俺と雪秀でな。これは俺たちの意思に関係なく決まったことなんだよ。光の抱えている秘密とかも関係なしにだ」
「……分かってはいますが」
「なら飲み込め。俺もこれ以上、事情は聞かない」
雪秀は納得いかないようだったが、雷次郎に言われたら頷く他なかった。
それから雷次郎は「東海道から京に上り、そこから摂津国の大坂城に向かう」と旅程を話した。
「とりあえず、小田原城に行くか。そこで旅の準備をしてゆっくり行こう」
「分かりました。家臣たちに伝えておきます」
「ああ、頼んだ――」
「ちょっと待って。小田原城? 相模国の?」
雪秀と違い、理解が追いつかない様子の光。二人が当然のように小田原城を宿所のように使っているのが不思議でならないようだ。
「あなたたち、何者なの? 小田原城って雨竜家の重臣の城じゃない。ええと真柄――」
そこまで言った後、光は素早く雪秀の顔を見た。
まるで突き刺すような視線だったので、雪秀は思わず怯んだ。
「な、なんですか? いきなりそんな穴が開くように見るなんて」
「……あなた、真柄雪秀って言っていたわね。まさか、城主の親類?」
雷次郎と雪秀は顔を見合わせた。
そして雪秀は「城主の親類ではないな」と返した。
光は安心したように「そうよね……」と呟く。
「そんなわけない――」
「私が城主だからな」
雪秀の言葉に光は「ええええ!?」と大声を上げた。
想像もしていなかったらしい。
「はあ!? 城主!?」
「そのとおりだ。私は真柄伊豆守雪秀。小田原城の城主だ」
「あ、あなた、歳は――」
「十五だ。私が生まれる前に父は死んだ。そのせいで去年から城主を務めている。それまでは母上と家臣が頑張ってくれた」
雪秀の言っていることが信じられない様子の光。
対して雷次郎は「事実だ」と短く答えた。
「真柄家は先代――伝説の内政官、雨竜秀昭様の代から仕えている。何でも初めての家臣だったらしい」
「ええ。雨竜家が織田家の陪臣だった頃からの主従です」
「……ちょっと待って。何かおかしくないかしら?」
光は雷次郎を手で示して「なんで小田原城の城主が、あなたを様付けで呼んでいるの?」と訊ねた。雪秀は雷次郎に「説明していないんですか?」と問う。
「てっきりお話になられたのかと」
「……敬語使っているのもおかしいわね」
「まああれだ。俺のことはどうでもいいじゃねえか」
どうやら答えたくないらしい雷次郎。
光は「どうでも良くないわよ!」と喚いた。
「何か隠しているのなら――」
「お前だって隠しているじゃないか」
雷次郎自身、ずるい論法だと思ったが光が言葉を飲み込んだ。
光は言葉に詰まりながら「それは、そうだけど……」と目を伏せた。
「そうね。自分だけ隠しているのに、教えてなんて言えないわね」
「言えるのは、雪秀は俺の弟分ってことだ。兄弟同然に育ってきた」
雷次郎はそれだけ言って「というわけだから明日は早いぞ」と二人に告げた。
雪秀は「今日はここに泊まっていいですか?」と訊ねる。
「ああ、いいぞ。光にも部屋を用意させた。風呂に入って寝ておけ」
「……ありがとう」
「なつめさん。光を案内してくれ」
障子ががらりと開いて「よくいるって分かるわね」と感心したようになつめは言う。
「余計なことは言うなよ」
「分かっているわよ。さ、行きましょう」
なつめに促されて、光は部屋の外に出る。
その前に小声で「おやすみなさい」と彼女は言った。
雷次郎も「ああ、おやすみ」と返した。
二人きりになるや否や、雪秀は「どうして言わないんですか?」と雷次郎に問う。
「別に知られても構わないじゃないですか」
「いつもの気まぐれだよ。気にすんな」
雷次郎は笑って誤魔化したが、実のところ素性を隠したのには理由があった。
目的が分からない光に対して、雨竜家の跡継ぎだと明かすのは無用心だと思ったし、自分の父親の思惑が分からない今、簡単に言える情報でもなかった。
それ以外にもいろいろ考えているが、ここで言わないほうがいいと直感で思っていたことが大きい。実際のところ、雪秀に言ったように気まぐれだったのかもしれない。
「そんなことよりも、東海道なんて久しぶりだよ俺。十六のとき以来だ」
「私は二年前ですね」
「美味しいもん食えればいいな」
「……そんなお気楽な旅にはなりませんよ」
雪秀はこの旅を雷次郎のように楽観的に考えていなかった。
何か大きな策謀が渦巻いているような気がしてならなかった。
「そんなことを言うなよ。お前の勘、よく当たるんだから」
「嫌なことしか当たりませんけどね……雷次郎様のように幸運に使えたらいいのですが」
「あはは。そうだ、酒でも飲むか?」
「少しだけですよ? 私は雷次郎様ほど強くないんですから」
下男に酒を用意させながら雷次郎は考える。
親父は何を企んでいる? 公方様も知っているのか?
雪秀の言うとおり、お気楽な旅にはならなそうだと思って、雷次郎は注がれた杯をあおった。
「お粥の恩はあるけど、絶対に言えない」
「当主様に伝えることがお前の目的なのか?」
「……それ自体は目的じゃないってことしか言えないわ」
「なるほどな。だから当主様は公方様のところに連れて行けって言ったのか」
親父は何を考えているんだと声に出さずに雷次郎は思った。舌打ちしたい気分だったが、光の疑うような目を見て気持ちを切り替えた。
「あなたは雷次郎様の屋敷で狼藉を働いた。もし殿のご命令がなければ、牢に入れられてもおかしくなかったのですよ?」
雪秀が厳しいことを静かに言う。その表情も険しかった。雪秀は雷次郎に迷惑を被っているが、それ以上に尊敬をしていたので自然とそういう態度になってしまう。
光は口を尖らせつつ「それは悪かったわ」と謝罪した。
「私も余裕が無くて。気がついたら着物が寝巻きになっていて、知らない部屋に寝かされていたのよ」
「だからと言って――」
「やめろ雪秀。これから旅に出る仲間だぞ? 仲良くしろとは言わないが、その件に関しては責めるな」
雪秀は酷く驚いて「本当に大坂城に行くんですか?」と雷次郎を見つめた。白い肌がますます真っ白になっている。蒼白と言ってもいい。
「当主様の命令なんだ。従うしかねえだろ」
「そ、それは分かっていますが……でも、事情も教えてくれない、得体の知らない女と旅というのは……」
「あら。嫌ならいいのよ。私は一人でも大坂城に行くわ」
光が強気になって言った。雷次郎は強がりだなと思い、雪秀も同様にそう思った。
「ふん。あなた一人で大坂城まで行けるはずがない。路銀もないくせに」
「ろ、路銀くらいなんとかなるわよ!」
「行き倒れ寸前だった人が言っても、説得力がないですよ」
雪秀の皮肉を雷次郎はよく聞くが、初対面の光はやや面食らったようだった。
だからつい言ってしまった。
「あなた、背丈と同じくらい度量が小さいのね! 少しは――」
「――あぁん? てめえ、今なんて言った?」
「……えっ?」
雪秀の雰囲気が変わったことに、光は戸惑っている。
雷次郎は「落ち着け、雪秀」と立ち上がった雪秀を制した。
「この女、私の背丈を――」
「話が進まねえだろ。それに女に手をあげる気か?」
「うぬぬ……分かりましたよ……」
本日二回目の怒りだったので、少しだけ理性的で良かったと雷次郎は溜息をついた。
それから呆然としている光に「二度と言うなよ」と釘を刺した。
「雪秀が本気で怒ったら俺にも止められない」
「き、肝に銘じておくわ……」
雪秀が座り直すと雷次郎は「事情がどうであれ、既に決定していることなんだ」と二人に言う。
「光を公方様の元に送り届ける。俺と雪秀でな。これは俺たちの意思に関係なく決まったことなんだよ。光の抱えている秘密とかも関係なしにだ」
「……分かってはいますが」
「なら飲み込め。俺もこれ以上、事情は聞かない」
雪秀は納得いかないようだったが、雷次郎に言われたら頷く他なかった。
それから雷次郎は「東海道から京に上り、そこから摂津国の大坂城に向かう」と旅程を話した。
「とりあえず、小田原城に行くか。そこで旅の準備をしてゆっくり行こう」
「分かりました。家臣たちに伝えておきます」
「ああ、頼んだ――」
「ちょっと待って。小田原城? 相模国の?」
雪秀と違い、理解が追いつかない様子の光。二人が当然のように小田原城を宿所のように使っているのが不思議でならないようだ。
「あなたたち、何者なの? 小田原城って雨竜家の重臣の城じゃない。ええと真柄――」
そこまで言った後、光は素早く雪秀の顔を見た。
まるで突き刺すような視線だったので、雪秀は思わず怯んだ。
「な、なんですか? いきなりそんな穴が開くように見るなんて」
「……あなた、真柄雪秀って言っていたわね。まさか、城主の親類?」
雷次郎と雪秀は顔を見合わせた。
そして雪秀は「城主の親類ではないな」と返した。
光は安心したように「そうよね……」と呟く。
「そんなわけない――」
「私が城主だからな」
雪秀の言葉に光は「ええええ!?」と大声を上げた。
想像もしていなかったらしい。
「はあ!? 城主!?」
「そのとおりだ。私は真柄伊豆守雪秀。小田原城の城主だ」
「あ、あなた、歳は――」
「十五だ。私が生まれる前に父は死んだ。そのせいで去年から城主を務めている。それまでは母上と家臣が頑張ってくれた」
雪秀の言っていることが信じられない様子の光。
対して雷次郎は「事実だ」と短く答えた。
「真柄家は先代――伝説の内政官、雨竜秀昭様の代から仕えている。何でも初めての家臣だったらしい」
「ええ。雨竜家が織田家の陪臣だった頃からの主従です」
「……ちょっと待って。何かおかしくないかしら?」
光は雷次郎を手で示して「なんで小田原城の城主が、あなたを様付けで呼んでいるの?」と訊ねた。雪秀は雷次郎に「説明していないんですか?」と問う。
「てっきりお話になられたのかと」
「……敬語使っているのもおかしいわね」
「まああれだ。俺のことはどうでもいいじゃねえか」
どうやら答えたくないらしい雷次郎。
光は「どうでも良くないわよ!」と喚いた。
「何か隠しているのなら――」
「お前だって隠しているじゃないか」
雷次郎自身、ずるい論法だと思ったが光が言葉を飲み込んだ。
光は言葉に詰まりながら「それは、そうだけど……」と目を伏せた。
「そうね。自分だけ隠しているのに、教えてなんて言えないわね」
「言えるのは、雪秀は俺の弟分ってことだ。兄弟同然に育ってきた」
雷次郎はそれだけ言って「というわけだから明日は早いぞ」と二人に告げた。
雪秀は「今日はここに泊まっていいですか?」と訊ねる。
「ああ、いいぞ。光にも部屋を用意させた。風呂に入って寝ておけ」
「……ありがとう」
「なつめさん。光を案内してくれ」
障子ががらりと開いて「よくいるって分かるわね」と感心したようになつめは言う。
「余計なことは言うなよ」
「分かっているわよ。さ、行きましょう」
なつめに促されて、光は部屋の外に出る。
その前に小声で「おやすみなさい」と彼女は言った。
雷次郎も「ああ、おやすみ」と返した。
二人きりになるや否や、雪秀は「どうして言わないんですか?」と雷次郎に問う。
「別に知られても構わないじゃないですか」
「いつもの気まぐれだよ。気にすんな」
雷次郎は笑って誤魔化したが、実のところ素性を隠したのには理由があった。
目的が分からない光に対して、雨竜家の跡継ぎだと明かすのは無用心だと思ったし、自分の父親の思惑が分からない今、簡単に言える情報でもなかった。
それ以外にもいろいろ考えているが、ここで言わないほうがいいと直感で思っていたことが大きい。実際のところ、雪秀に言ったように気まぐれだったのかもしれない。
「そんなことよりも、東海道なんて久しぶりだよ俺。十六のとき以来だ」
「私は二年前ですね」
「美味しいもん食えればいいな」
「……そんなお気楽な旅にはなりませんよ」
雪秀はこの旅を雷次郎のように楽観的に考えていなかった。
何か大きな策謀が渦巻いているような気がしてならなかった。
「そんなことを言うなよ。お前の勘、よく当たるんだから」
「嫌なことしか当たりませんけどね……雷次郎様のように幸運に使えたらいいのですが」
「あはは。そうだ、酒でも飲むか?」
「少しだけですよ? 私は雷次郎様ほど強くないんですから」
下男に酒を用意させながら雷次郎は考える。
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