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娘の名
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父の秀晴の策略に引っかかったと分かっていても、主命である以上従わなければならない。いくら日の本一の遊び人だとしても、雨竜家の当主には逆らえない。しかし、雷次郎にもそれ以外に彼自身の思惑はあった。
送り届けるようにと言われた娘のことである。父の秀晴の名を呼んだのは聞き間違えではない。雷次郎はそれを不審に思っていた。着物などを見るとどこぞの武家の出であることは想像につく。だが武家の娘が衰弱しながら秀晴に伝えたいことはなんだったのだろうか?
他にも疑問はあった。秀晴の態度がそうだ。まるで全てを理解しているような口ぶりと態度をしていた。佐助や才蔵に探らせたとしても、すぐに分かるものではない。前々から知っていたようだった。
秀晴に訊ねてもはぐらかすか沈黙を貫き続けるだろうと雷次郎にも想像できた。先ほどのやりとりでも予想通りだった。ならば娘に訊くしかないなと思い直し、少々動揺している雪秀を連れて自分の屋敷に雷次郎は戻った――
「……騒がしいな。何かあったのか?」
夕方、屋敷に戻ると下男や侍女が騒ぐ声がした。煙が立ち昇っていないことから小火ではないと思うが、何やら混乱が起こっているみたいだった。雪秀と顔を見合わせてから屋敷の中に入ると、下男の一人が「御主人様!」と喚きながら近寄ってきた。
「どうした仁平。まるで祭りのような有り様だな」
「実は、あの娘が――立て篭もっております!」
その言葉に雪秀は一瞬遅れて「なんだってぇ!?」と驚いた。
まさかそんなに凶暴な娘だったとは思いも寄らなかったのである。
「そうか。どこに立て篭もっているんだ?」
「休ませていた部屋です! 侍女長を人質に――」
「はあ? あのばあさん、ふざけているのか?」
あからさまに面倒だなという顔をした雷次郎。
仕方なく「俺一人で行く」と雪秀と下男の仁平に言って、使用人たちが囲んでいる部屋に向かう。周囲が止めるのを無視して部屋に入る。
「……あなた、誰よ?」
寝巻き姿の娘が、初老の女を盾にして、部屋の隅で雷次郎を睨む。
手には何故か包丁を持っていて、侍女長に刃先を向けている。
娘は雪秀のように肌が白く、目が大きくて唇が少し厚い。鼻筋も通っていて誰もが美人と思う女だった。背丈は女性にしては大きい。おそらく雪秀より頭一つ分大きそうだ。しかし女性にしては痩せ気味で胸も小さそうだった。
雷次郎は「主の顔も知らずに狼藉を働いているのか」と立ったまま、やや呆れて言う。
「主? この屋敷の主ってこと? はっ。結構良い身分なようね」
「まあな。それで、お前何やっているのか分かっているのか?」
「……私を殺すつもりなんでしょう?」
雷次郎は意味が分からなかったが「殺すつもりはない」と両手を挙げて害がないことを示す。しかし娘は「嘘を言わないで!」と大声で怒鳴った。
「私は、一刻も早く、江戸に向かわなければならないのよ!」
「……お前、ここがどこだか分からないのか?」
「はあ? 下野国のどこかでしょう!」
雷次郎はどうやら勘違いしているようだと判断した。
だからなるべく丁寧な口調で説明する。
「ここは武蔵国の江戸だ。もっと言えば雨竜家家臣が暮らす武家屋敷だ」
「下手な嘘つかないでよ!」
「嘘じゃない。お前が雨竜家当主に用があることも知っている」
「……なんで知っているの?」
訝しげに訊ねる娘に雷次郎は「お前は江戸城近くの通りで倒れていた」と事実を述べた。
「倒れるときに、雨竜秀晴の名を呟いていた。だから俺はお前を保護した……いや、倒れていたから保護したというのが正しいな。あのまま見捨てられなかった」
「……信じられないわよ! 昨日まで下野国にいたのに!」
「昨日? 本当か? ……どういうことだ?」
雷次郎が考え込むと娘が「私のほうこそ知りたいわよ!」と叫んだ。それは悲鳴のように聞こえた。
「とにかく私は――」
「なんか面倒になったな。そろそろ遊んでないで本気になってくれないか?」
雷次郎がそれまで黙っていた侍女長に言う。
彼女が「そう? ならいいわね」と軽く答えたと思うと、素早い動きで娘を逆に組み伏せた。
「え? ええ、ええええ!?」
「お嬢ちゃん。刺すつもりがないのに、刃物使っちゃ駄目よ。そっちに神経使っちゃうから」
初老の女がそんな機敏な動きをするとは思わず、目を白黒させる娘。
女は「これは危ないから没収するわね」と包丁を取った。
「どうする? 適当に縛る?」
「そんなことしなくていい。二人で話すから、部屋から出てくれ」
「あら。冷たいわね。人質になった私に労いの言葉は無いの?」
「ねえよ。その気になれば人質にならないだろう。ま、他の侍女が人質になるのを防いだんだろうけど」
「ご明察。晩ご飯、作ってくるから」
「鯖の味噌煮がいいな――なつめさん」
雷次郎の言葉に侍女長のなつめはにっこりと笑って、そのまま出て行ってしまった。
二人きりになった部屋で娘はようやく「……何者なの?」と言えた。
「あの人は元忍びだ。何が楽しいのか分からないが、俺の世話をしてくれる」
「そうじゃないわ。あなたは、何者なの?」
娘の疑問は当然だった。侍女長が元忍びであるのは驚きだが、それを従えている雷次郎の正体が分からない。
雷次郎は胡座をかいて目線を娘と合わせる。
「俺の名前は雷次郎。日の本一の遊び人って言われているよ」
「さっき、ここが武家屋敷って言っていたわね? あなた武士なの?」
「そうだ。雨竜家に近しい武士だよ」
娘は半信半疑のまま「もし、雨竜家当主の秀晴様に会わせてと言ったら、会わせてくれる?」と申し出た。先ほどの騒動があったというのに、結構豪胆だなと雷次郎は思った。
「実はその件で、当主から俺に主命が下った」
「主命? 一体なによ?」
「お前を豊臣家の将軍の前に連れていくという命令だ」
それを聞いた娘は顔を引きつらせた。予想もしていなかったらしい。
「私は、雨竜様なら力を貸してくれると思ったのに……」
「……俺はお前の事情を知らない。当主様にも詳細は聞いていない」
雷次郎は娘の目をじっと見つめた。彼女は決して逸らさなかった。それは強気とか勝気とかではなく、一本通った芯がある証だった。
「事情を話してくれるか?」
「……もし断ったら?」
雷次郎はある程度予想していたらしく「言いたくなければそれでいい」と答えた。
逆に娘が拍子抜けしてしまう言葉だった。
「俺はお前を送り届けるだけだ。公方様に引き合わせれば、それでいい」
「……知りたくないの?」
「知りたいさ。だが言いたくない奴に無理矢理言わせるなんてことしたくねえ」
雷次郎は不意に「お腹空いていないか?」と問う。
娘はそれで自分が空腹であることを自覚した。一気に力が無くなる。
「……空いて、いるわ」
「なら飯だな。お前、身体が弱っていそうだから粥を用意させる」
「普通のご飯でも平気よ!」
「駄目だ。昔、親父とお祖父さんが酷いことしてな。飢えた人間に固い飯食わせると死んでしまうらしい」
昔聞いた鳥取城攻めのことを思い出しながら雷次郎は言った。
娘は不承不承に「分かったわよ」と答えた。
「ああ、そうだ。お前――」
「……私は、光よ」
雷次郎の言葉を遮って、娘――光は言う。
「あなたも名乗ったのだから、私も名乗らせてもらうわ」
「光というのか。ありがとな。名前を教えてくれて」
雷次郎が笑顔で応じると光は顔を赤くして「お前って言われるよりマシよ」と言った。照れているらしい。
雷次郎が部屋を出ようとすると、障子が開いて「食事の用意ができました」と侍女長のなつめが正座して言った。
「どうぞこちらへ」
「……光、行くぞ」
光は部屋を出るときに、なつめに「ごめんなさい」と謝った。
なつめは笑顔で「気にしなくていいわよ」と答えた。
膳の用意ができた部屋に行くと、雪秀が座って待っていた。
「結構かかりましたね、雷次郎様」
「まあな。ああ、紹介するぜ。こちら光だ。光、こいつは真柄雪秀だ」
「……よろしく」
雪秀は「こちらこそよろしく」と会釈した。
とりあえず、飯を食べたら光から事情を聞こう。
雷次郎は手を合わせて「いただきます」と言った。
送り届けるようにと言われた娘のことである。父の秀晴の名を呼んだのは聞き間違えではない。雷次郎はそれを不審に思っていた。着物などを見るとどこぞの武家の出であることは想像につく。だが武家の娘が衰弱しながら秀晴に伝えたいことはなんだったのだろうか?
他にも疑問はあった。秀晴の態度がそうだ。まるで全てを理解しているような口ぶりと態度をしていた。佐助や才蔵に探らせたとしても、すぐに分かるものではない。前々から知っていたようだった。
秀晴に訊ねてもはぐらかすか沈黙を貫き続けるだろうと雷次郎にも想像できた。先ほどのやりとりでも予想通りだった。ならば娘に訊くしかないなと思い直し、少々動揺している雪秀を連れて自分の屋敷に雷次郎は戻った――
「……騒がしいな。何かあったのか?」
夕方、屋敷に戻ると下男や侍女が騒ぐ声がした。煙が立ち昇っていないことから小火ではないと思うが、何やら混乱が起こっているみたいだった。雪秀と顔を見合わせてから屋敷の中に入ると、下男の一人が「御主人様!」と喚きながら近寄ってきた。
「どうした仁平。まるで祭りのような有り様だな」
「実は、あの娘が――立て篭もっております!」
その言葉に雪秀は一瞬遅れて「なんだってぇ!?」と驚いた。
まさかそんなに凶暴な娘だったとは思いも寄らなかったのである。
「そうか。どこに立て篭もっているんだ?」
「休ませていた部屋です! 侍女長を人質に――」
「はあ? あのばあさん、ふざけているのか?」
あからさまに面倒だなという顔をした雷次郎。
仕方なく「俺一人で行く」と雪秀と下男の仁平に言って、使用人たちが囲んでいる部屋に向かう。周囲が止めるのを無視して部屋に入る。
「……あなた、誰よ?」
寝巻き姿の娘が、初老の女を盾にして、部屋の隅で雷次郎を睨む。
手には何故か包丁を持っていて、侍女長に刃先を向けている。
娘は雪秀のように肌が白く、目が大きくて唇が少し厚い。鼻筋も通っていて誰もが美人と思う女だった。背丈は女性にしては大きい。おそらく雪秀より頭一つ分大きそうだ。しかし女性にしては痩せ気味で胸も小さそうだった。
雷次郎は「主の顔も知らずに狼藉を働いているのか」と立ったまま、やや呆れて言う。
「主? この屋敷の主ってこと? はっ。結構良い身分なようね」
「まあな。それで、お前何やっているのか分かっているのか?」
「……私を殺すつもりなんでしょう?」
雷次郎は意味が分からなかったが「殺すつもりはない」と両手を挙げて害がないことを示す。しかし娘は「嘘を言わないで!」と大声で怒鳴った。
「私は、一刻も早く、江戸に向かわなければならないのよ!」
「……お前、ここがどこだか分からないのか?」
「はあ? 下野国のどこかでしょう!」
雷次郎はどうやら勘違いしているようだと判断した。
だからなるべく丁寧な口調で説明する。
「ここは武蔵国の江戸だ。もっと言えば雨竜家家臣が暮らす武家屋敷だ」
「下手な嘘つかないでよ!」
「嘘じゃない。お前が雨竜家当主に用があることも知っている」
「……なんで知っているの?」
訝しげに訊ねる娘に雷次郎は「お前は江戸城近くの通りで倒れていた」と事実を述べた。
「倒れるときに、雨竜秀晴の名を呟いていた。だから俺はお前を保護した……いや、倒れていたから保護したというのが正しいな。あのまま見捨てられなかった」
「……信じられないわよ! 昨日まで下野国にいたのに!」
「昨日? 本当か? ……どういうことだ?」
雷次郎が考え込むと娘が「私のほうこそ知りたいわよ!」と叫んだ。それは悲鳴のように聞こえた。
「とにかく私は――」
「なんか面倒になったな。そろそろ遊んでないで本気になってくれないか?」
雷次郎がそれまで黙っていた侍女長に言う。
彼女が「そう? ならいいわね」と軽く答えたと思うと、素早い動きで娘を逆に組み伏せた。
「え? ええ、ええええ!?」
「お嬢ちゃん。刺すつもりがないのに、刃物使っちゃ駄目よ。そっちに神経使っちゃうから」
初老の女がそんな機敏な動きをするとは思わず、目を白黒させる娘。
女は「これは危ないから没収するわね」と包丁を取った。
「どうする? 適当に縛る?」
「そんなことしなくていい。二人で話すから、部屋から出てくれ」
「あら。冷たいわね。人質になった私に労いの言葉は無いの?」
「ねえよ。その気になれば人質にならないだろう。ま、他の侍女が人質になるのを防いだんだろうけど」
「ご明察。晩ご飯、作ってくるから」
「鯖の味噌煮がいいな――なつめさん」
雷次郎の言葉に侍女長のなつめはにっこりと笑って、そのまま出て行ってしまった。
二人きりになった部屋で娘はようやく「……何者なの?」と言えた。
「あの人は元忍びだ。何が楽しいのか分からないが、俺の世話をしてくれる」
「そうじゃないわ。あなたは、何者なの?」
娘の疑問は当然だった。侍女長が元忍びであるのは驚きだが、それを従えている雷次郎の正体が分からない。
雷次郎は胡座をかいて目線を娘と合わせる。
「俺の名前は雷次郎。日の本一の遊び人って言われているよ」
「さっき、ここが武家屋敷って言っていたわね? あなた武士なの?」
「そうだ。雨竜家に近しい武士だよ」
娘は半信半疑のまま「もし、雨竜家当主の秀晴様に会わせてと言ったら、会わせてくれる?」と申し出た。先ほどの騒動があったというのに、結構豪胆だなと雷次郎は思った。
「実はその件で、当主から俺に主命が下った」
「主命? 一体なによ?」
「お前を豊臣家の将軍の前に連れていくという命令だ」
それを聞いた娘は顔を引きつらせた。予想もしていなかったらしい。
「私は、雨竜様なら力を貸してくれると思ったのに……」
「……俺はお前の事情を知らない。当主様にも詳細は聞いていない」
雷次郎は娘の目をじっと見つめた。彼女は決して逸らさなかった。それは強気とか勝気とかではなく、一本通った芯がある証だった。
「事情を話してくれるか?」
「……もし断ったら?」
雷次郎はある程度予想していたらしく「言いたくなければそれでいい」と答えた。
逆に娘が拍子抜けしてしまう言葉だった。
「俺はお前を送り届けるだけだ。公方様に引き合わせれば、それでいい」
「……知りたくないの?」
「知りたいさ。だが言いたくない奴に無理矢理言わせるなんてことしたくねえ」
雷次郎は不意に「お腹空いていないか?」と問う。
娘はそれで自分が空腹であることを自覚した。一気に力が無くなる。
「……空いて、いるわ」
「なら飯だな。お前、身体が弱っていそうだから粥を用意させる」
「普通のご飯でも平気よ!」
「駄目だ。昔、親父とお祖父さんが酷いことしてな。飢えた人間に固い飯食わせると死んでしまうらしい」
昔聞いた鳥取城攻めのことを思い出しながら雷次郎は言った。
娘は不承不承に「分かったわよ」と答えた。
「ああ、そうだ。お前――」
「……私は、光よ」
雷次郎の言葉を遮って、娘――光は言う。
「あなたも名乗ったのだから、私も名乗らせてもらうわ」
「光というのか。ありがとな。名前を教えてくれて」
雷次郎が笑顔で応じると光は顔を赤くして「お前って言われるよりマシよ」と言った。照れているらしい。
雷次郎が部屋を出ようとすると、障子が開いて「食事の用意ができました」と侍女長のなつめが正座して言った。
「どうぞこちらへ」
「……光、行くぞ」
光は部屋を出るときに、なつめに「ごめんなさい」と謝った。
なつめは笑顔で「気にしなくていいわよ」と答えた。
膳の用意ができた部屋に行くと、雪秀が座って待っていた。
「結構かかりましたね、雷次郎様」
「まあな。ああ、紹介するぜ。こちら光だ。光、こいつは真柄雪秀だ」
「……よろしく」
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