上 下
54 / 79
【来訪者からの黒薔薇】

53話 デージー

しおりを挟む
 私は一部を除いて話した。


「お前はアシューとの会話に夢中になり子供らを迷子にさせた‥・・・という事か?」


「はい、全ては私の責任です」


「えっ!?・・・・いや」


 かまってさんが何かを話そうとしたが止めた。


 別にかまってさんに罪を着せようとしてるわけじゃないし、私の責任だ。


「ふむ、罪は追って決めよう。だが・・・・・おい、そこの鬼人の子供全てを話せ」


 ・・・・・・・む。


「ルイーズお前は黙って聞いてろ。お前は何をやっても何も言わないだろう?」


「魔王陛下!じ、実は俺禁止地区に入ってしまったんです・・・――――」


 かまってさんはぼそぼそと喋り始めた。


 他の子供に協力してもらったらしい。の魔術を使ってコッソリ違うの場所に行ったらしい。


 子供は大体騎士の訓練場を見たいと言って行ったらしい。


 別の場所も行ってたからかまってさんは禁止地区に行ったらしい。


 そして、私が来て転移で怪物から助けてもらった。



「どうだ?貴様は大体あってるか?・・・・・・」


「えぇ、まぁ大体あってますね。他の方たちもいなくなったので、ですが・・・・・えっと、かまってさん、とはどんな見た目をしていましたか?」


「なぜ、その者の事を聞く?」


「・・・・おかしいですよ。私も一応魔術の訓練をさせてもらって気配の訓練もしました。異常ではない気配は分かります。まぁ、始めたばかりなので少しですがアシュー副総長まで分からないのはおかしすぎます。魔術や魔力の事は敏感な人です。ですが気づかなかった・・・・・・つまり、種族のお子様ではなく・・・・・侵入者と見てもいいでしょう」


 私が説明し終わると魔王様はニヤニヤした。


「あぁ、今日、侵入者が入った。だ。分かるか?クックック、今から子供らがいる所にその子供連れて行け」


 ・・・・・・多分。かまってさんが狙われたと分かっていて・・・・・・・


 侵入者を捕まえろってことか?それとも、―――が入れた者を捕まえろってことか?


 いや、考え過ぎか。だが用心にこしたことはないな。


「魔王陛下のお心のままに・・・・・・では御前失礼いたします」


 私は魔王様に頭を下げた。


 かまってさんは真っ青になって立ち尽くしてた。


「ほら、行こう?」  


 私はかまってさんの手を掴んで歩き出した。



 周囲に誰もいなくなったら、足を止めた。


「大丈夫?すごい顔色が悪いよ?休む?」


 かまってさんの顔を覗き込んだ。


「いや、大丈夫だ。ほら?行こう。えっと、名前なに?」


「ん?あぁ、ルイーズだよ。えっと君は?」


「笑わないか?」


「ん?笑わないけど?」


「・・・・・・デージー」


 デージー・・・・・純潔・平和・希望・結構前向きな言葉だけど・・・・・・


 純真・有徳な者の死・・・・か。


「よろしくね。デージー!」


「あぁ、よろしく。ルイーズ」


「デージー?まずは一回休憩しようね?」


 私は顔色の悪いデージーを一回、庭に行く途中にあるベンチに座らせた。
 





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

誰も信じてくれないので、森の獣達と暮らすことにしました。その結果、国が大変なことになっているようですが、私には関係ありません。

木山楽斗
恋愛
エルドー王国の聖女ミレイナは、予知夢で王国が龍に襲われるという事実を知った。 それを国の人々に伝えるものの、誰にも信じられず、それ所か虚言癖と避難されることになってしまう。 誰にも信じてもらえず、罵倒される。 そんな状況に疲弊した彼女は、国から出て行くことを決意した。 実はミレイナはエルドー王国で生まれ育ったという訳ではなかった。 彼女は、精霊の森という森で生まれ育ったのである。 故郷に戻った彼女は、兄弟のような関係の狼シャルピードと再会した。 彼はミレイナを快く受け入れてくれた。 こうして、彼女はシャルピードを含む森の獣達と平和に暮らすようになった。 そんな彼女の元に、ある時知らせが入ってくる。エルドー王国が、予知夢の通りに龍に襲われていると。 しかし、彼女は王国を助けようという気にはならなかった。 むしろ、散々忠告したのに、何も準備をしていなかった王国への失望が、強まるばかりだったのだ。

姉妹同然に育った幼馴染に裏切られて悪役令嬢にされた私、地方領主の嫁からやり直します

しろいるか
恋愛
第一王子との婚約が決まり、王室で暮らしていた私。でも、幼馴染で姉妹同然に育ってきた使用人に裏切られ、私は王子から婚約解消を叩きつけられ、王室からも追い出されてしまった。 失意のうち、私は遠い縁戚の地方領主に引き取られる。 そこで知らされたのは、裏切った使用人についての真実だった……! 悪役令嬢にされた少女が挑む、やり直しストーリー。

神託を聞けた姉が聖女に選ばれました。私、女神様自体を見ることが出来るんですけど… (21話完結 作成済み)

京月
恋愛
両親がいない私達姉妹。 生きていくために身を粉にして働く妹マリン。 家事を全て妹の私に押し付けて、村の男の子たちと遊ぶ姉シーナ。 ある日、ゼラス教の大司祭様が我が家を訪ねてきて神託が聞けるかと質問してきた。 姉「あ、私聞けた!これから雨が降るって!!」  司祭「雨が降ってきた……!間違いない!彼女こそが聖女だ!!」 妹「…(このふわふわ浮いている女性誰だろう?)」 ※本日を持ちまして完結とさせていただきます。  更新が出来ない日があったり、時間が不定期など様々なご迷惑をおかけいたしましたが、この作品を読んでくださった皆様には感謝しかございません。  ありがとうございました。

異世界召喚されたけどヤバい国だったので逃げ出したら、イケメン騎士様に溺愛されました

平山和人
恋愛
平凡なOLの清水恭子は異世界に集団召喚されたが、見るからに怪しい匂いがプンプンしていた。 騎士団長のカイトの出引きで国を脱出することになったが、追っ手に追われる逃亡生活が始まった。 そうした生活を続けていくうちに二人は相思相愛の関係となり、やがて結婚を誓い合うのであった。

夫で王子の彼には想い人がいるようですので、私は失礼します

四季
恋愛
十五の頃に特別な力を持っていると告げられた平凡な女性のロテ・フレールは、王子と結婚することとなったのだけれど……。

そんなに聖女になりたいなら、譲ってあげますよ。私は疲れたので、やめさせてもらいます。

木山楽斗
恋愛
聖女であるシャルリナ・ラーファンは、その激務に嫌気が差していた。 朝早く起きて、日中必死に働いして、夜遅くに眠る。そんな大変な生活に、彼女は耐えられくなっていたのだ。 そんな彼女の元に、フェルムーナ・エルキアードという令嬢が訪ねて来た。彼女は、聖女になりたくて仕方ないらしい。 「そんなに聖女になりたいなら、譲ってあげると言っているんです」 「なっ……正気ですか?」 「正気ですよ」 最初は懐疑的だったフェルムーナを何とか説得して、シャルリナは無事に聖女をやめることができた。 こうして、自由の身になったシャルリナは、穏やかな生活を謳歌するのだった。 ※この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「アルファポリス」にも掲載しています。 ※下記の関連作品を読むと、より楽しめると思います。

リストラされた聖女 ~婚約破棄されたので結界維持を解除します

青の雀
恋愛
キャロラインは、王宮でのパーティで婚約者のジークフリク王太子殿下から婚約破棄されてしまい、王宮から追放されてしまう。 キャロラインは、国境を1歩でも出れば、自身が張っていた結界が消えてしまうのだ。 結界が消えた王国はいかに?

ボロボロになるまで働いたのに見た目が不快だと追放された聖女は隣国の皇子に溺愛される。……ちょっと待って、皇子が三つ子だなんて聞いてません!

沙寺絃
恋愛
ルイン王国の神殿で働く聖女アリーシャは、早朝から深夜まで一人で激務をこなしていた。 それなのに聖女の力を理解しない王太子コリンから理不尽に追放を言い渡されてしまう。 失意のアリーシャを迎えに来たのは、隣国アストラ帝国からの使者だった。 アリーシャはポーション作りの才能を買われ、アストラ帝国に招かれて病に臥せった皇帝を助ける。 帝国の皇子は感謝して、アリーシャに深い愛情と敬意を示すようになる。 そして帝国の皇子は十年前にアリーシャと出会った事のある初恋の男の子だった。 再会に胸を弾ませるアリーシャ。しかし、衝撃の事実が発覚する。 なんと、皇子は三つ子だった! アリーシャの幼馴染の男の子も、三人の皇子が入れ替わって接していたと判明。 しかも病から復活した皇帝は、アリーシャを皇子の妃に迎えると言い出す。アリーシャと結婚した皇子に、次の皇帝の座を譲ると宣言した。 アリーシャは個性的な三つ子の皇子に愛されながら、誰と結婚するか決める事になってしまう。 一方、アリーシャを追放したルイン王国では暗雲が立ち込め始めていた……。

処理中です...