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一章:魔族と聖女 

37話 魔術陣!て・ん・か・い!!

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「・・・・10歳??ウソだろ?」


 驚愕した顔で私をガン見してきた。


「嘘じゃないし!!」



 10歳だしっ!!


「何でそんな顔するの⁉本当に10歳だよ!??」



 騎士達は信じていないような顔をした。


「えっ?マジで?」


「嘘だろぉ??」


「その身長でっ⁉」




 なんでだ?


 そんな幼く見えるのか?



「あはははっ。嘘だぁ~、馬鹿言うなよー。そんなんで騙されないぞ」



 アシューが子馬鹿にしたような口調でしゃべった。



 ビキッ。



 ・・・・・そいえば、師匠んとこで読んだ本の中で書いてあったな。



 手のに魔術陣を展開して魔力を通すと・・・・・・


 
 魔術独特に発せられる光の矢が数本形成され、普通の魔術陣より威力が落ちるけれど、不意打ちなどに使うと有効になる・・・・・・・・・・


「・・うわぁぁぁぁ⁉」



 そして、‘‘錯乱にはもってこい‘‘と書いていたな。



 ふむふむ。確かにには持って来いだな。



 あははっ。


 
「おい!ルイーズ!!いきなり何、魔術使ってんだ!!」



 アシューが焦ったような口調で言った。



「別に当たっても大丈夫だよ。そもそも怪我しないように魔術陣形成したからね」



 安全だよ?


 怪我しないんだから。



「おい、おい。だったら先に言えよっ!!ていうか何で追いかけてきてんだよ!!」



 ん?あぁ、そういえば。


「魔力が続く限り近くにいる生物を追いかけまわし続けるようにしたんだっけ」



「うぉぉぉい。何してんじゃァ」


「うわぁぁぁ、追いかけてくるぅ」


「ぎゃあぁぁぁお前こっちくんなぁ!!」


「ああぁぁぁぁ、ぎゃぁぁぁ」


 騎士たち(アシュー含め)は光の矢から逃げ回ってる。


 別に大丈夫なのに・・・・・・
 

 鱗の人は逃げ回っていなかったから矢に刺さった。



「ぎゃぁぁぁ!!ハンスゥゥゥゥゥゥ!!」


「ハンスぅぅぅがぁ矢に刺さったぁぁ」



 騎士たちは驚愕した表情で鱗の人を見た。


 あの人、ハンスっていうんだ。



 うろこ・・・じゃなくて、ハンスさんに刺さった光矢はフワリと消えて光の粒がハンスさんの体に浸透した。



「フム、フム。三個魔術陣を合成しても全部効力はきくねぇ」


 私は懐に忍ばせていたエドに貰ったメモ帳にペンでかいた。



「ルイーズ、矢にどんな効力をきかせたんだ!!?」


 アシューがとまって私に聞いてきた。


「えっと、まずはさっき言った。魔力が続く限り近くに生き物を追い続ける。そして体の中で魔術陣を敷けるようにして、矢に当たったら回復効果が得られて睡眠不足、怪我、古傷も疲れも治せるようになるよ」



 私の答えを聞いた瞬間、騎士たち(アシュー含め)の目が変わった。


 そして、光の矢に突っ込んでいった。


 光の矢を掴んで自分の体に刺そうとしても仲間が矢を奪ったりして、矢から逃げることじゃなくなり、矢の奪い合いになった。



「むぅー、何で怖がらないのかな?」


 矢だよ?ふつう怖がらない?


「怖がらないだろ」


 いつの間にか後ろに来ていたハンスさんが言った。


「何で?」


「普通の矢だったら怪我をするから避けるだろ。だがあの矢は刺さっても無傷。しかも古傷とか直してくれるんだ。みんな欲しいに決まってる」


 フーン。


 とは言え矢が傷を治せるけど数本しかないから大半は殴り合いの傷が残ると思うんだけど・・・・・・・・




 

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