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 ―― どこだろうか?

 ホワイトアリッサムは朦朧とする意識の中、手足に違和感を感じた。
 次第に意識が戻ってくると身動きが取れないことに気が付く。

 「ここ…… は……?」

 鼻をつくような生臭い臭いに不快感を覚える薄暗い場所。
 周囲を見渡すと、徐々に自分の置かれている状況が分かってきた。

 「私…… 気を失って……」

 巨大な肉塊の触手に拘束されていた。
 腕は上げた状態で縛られ、脚は左右に広げる格好で埋もれている。


 抜け出そうとしてもビクともせず不安だけが押し寄せて来た。

 「くっ、駄目だわ。まったく動けない……」

 部屋には扉が1つあるだけで、他は辺り一面が肉塊で満たされていた。

 (どうにかしてココから脱出したいけど…… 必殺技ならどうかしら?)

 右手に意識を集中しようとした時であった、触手が動きマンコを舐めるように動いた。

 「んあっ! な、何? やめなさい邪魔しないで」

 不発に終わる必殺技。
 何度か試したが結果は同じだった。

 「必殺技を使わせないつもりだわ。なんてイヤらしい触手なの……」

 どうやら妖術に反応して動くようになっているらしく、抜け出すのは不可能に思える。
 それでも諦めきれなかったが、不意に前方の扉が開いた。

 ガチャ

 すると一人の男性が入って来た。
 まだ若そう見た目にボサボサの髪をして、白いシャツと紺色のスラックスの上に白衣を羽織っている。

 「だ、誰…… なの?」

 「やあ。ようやく目を冷ましたようだねホワイトアリッサム」

 「答えなさいっ。あなたは誰? 私をどうする気なの?」

 「ふむ…… そうだね。僕は触手博士とでも名乗っておこうか」

 「ふざけてるの!?」

 「別にふざけてはないさ。自分の正体をやすやすと明かす分けないだろう?」

 「……く」

 「それに君にはもう関係の無いことだよ。僕の造った触手怪人…… 世間では婬怪とか呼ばれてたかな? とにかく負けた以上は、まともな精神で出られないと覚悟しといた方がいい」

 「くっ、私は負けないわ! 必ず逆転してみせるから!」

 「そうかい…… ああそそうだ、もう一つの質問にも答えといてあげよう。僕の目的は最強の触手怪人を造ることなんだ。その為に君の家系に代々伝わる妖術の力が欲しいんだよ」

 「妖術…… この力はあなたのような悪人が使えるものではないわ」

 「ふふ。大丈夫。もう研究は進んでるからね。後は君から直接妖力を取り出して触手怪人に与えるだけなんだ」

 「取り出す?」

 「そう、精神エネルギーを体液に混ぜて抽出して触手怪人に飲ませるんだ。もちろん体液とはエッチな汁のことだよ。今も股の間から流してるね。それと母乳もだよ」

 「…………」

 「君が気絶したり寝ていると精神エネルギーは抽出できない、気が狂ってもね。もう分かるよね? これから楽しい毎日を送ってもらうから。そうそうイかなければ抽出できないから精々頑張ってよ。じゃ」

 そう言い残して触手博士は出て行ってしまった。
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