上 下
8 / 63

第8話 恐怖の電動マッサージ機淫人現る

しおりを挟む
 怒り狂っていた鈴雲りりたんは、知らないうちに眠っていた。
 昨晩は淫人と戦って、外でオナニーをしてと、殆ど寝ていなかったから。

 目を覚ましたのは、いつも通りの夕方であった。

 「ふあぁ~あ…… あー…… もう夕方ですか。お腹すきましたね。まったく何も食べていないので当然ですが……」

 上半身を起こすと部屋を見渡して、何か食べる物でもないかと探してみる。
 半分だけ蓋の開いたカップラーメンを見つけると、匂いを嗅ぎながら中を覗いた。
 スープは入っていないが、麺とかやくだけは入っているので、食べることにした。

 「これに醤油を入れれば醤油ラーメンになりますね。ふふっ。私ってば、もしかして料理の才能があるのでしょうか」

 と、鈴雲は割とマジで呟いた。

 ……………
 ………
 …

 今日は無事に食事も終わり、いつもの様にオンラインゲームで遊んでいる。
 淫人警報が鳴るのではとヒヤヒヤしていたが、今の所はまだ呼ばれていない。
 もっとも、二回までは行かなくても問題は無いはずだ。
 ゲームをしながらも、出撃するかどうか悩んでいた。

 「あっ…… こんな奴に殺られてしまいました…… 何なんですかもー」

 ゲームに集中できていない。
 今までは何も考えずに引き籠もっていたのに、突然と非現実的な状況に置かれたうえ、色々な意味で危険な適と戦う羽目になってしまったので、当然と言えば当然であった。

 (本当に淫乱になってしまうのでしょうか? もし、本当だとしたら…… 変身して変な力を使えるようになったのを考えれば、あながち嘘とは言えませんし……)

 などと、物思いにふけっている時であった。
 スマホから嫌な音が鳴り響く。

 「あ゛っ」

 恐る恐る手に取ると、案の定、淫人警報であった。

 「うぅ…… 大門おおもんですか……」

 大門…… 中村遊郭の跡地。
 今でもその名残のある地区。

 「どうして、こんなとこばかりに…… まったく、行くわけありません。ありえませんよっ」

 とは言ったものの、昨夜のキャバ嬢に言われた言葉が頭をよぎる。
 考えまいとしていたが、どうしても頭から離れなかった。

 「……はぁ。私は行きませんよ。本当に行きませんからっ」

 言葉ではそう言っているが、親指は変身ボタンをタップしようか迷っている。

 (私が行けば、誰かが助かるのでしょうか…… こんな私でも誰かは必要としてくれてるのでしょうか……)

 鈴雲りりたんは考えているうちに、いつの間にか変身していた。
 誰からも相手にされなかった、生れてからの十数年。
 本当は親子そろって遊びに行きたかったし、友達と仲良く学校でおしゃべりもしたかった。
 しかし、それは叶わぬ願いと知っている。

 「今度も帰って来れるのでしょうか…… ははっ」

 プディカベリーは苦笑いすると、窓から飛び出して行くのだった。

 ※  ※  ※  ※  ※

 ―― 新大門商店街

 警官の制服を着た死体が二体、道路に転がっている。
 どちらも拳銃を手に握りしめていた。
 かたわらには沢山の薬莢が転がっていない、リボルバーだから……

 すぐ近くでは怪人に女性が立ちバックで犯されている。
 怯えて泣いてはいるが、本番ありの風俗嬢らしく、セックスには抵抗がない様子だ。

 「ああんっ♡ 凄いわぁ♡ あんっ、あんっ、あああぁぁぁぁぁんっ♡」

 「うへぇ、こいつぁいい具合ですな。ぐひっ、ぐひっ、ぐひひひぃ」

 淫人もどうやら御満悦らしく、気持ちの悪い笑い方をしながら腰を振っていた。

 と、そこへ、ビルの上から可愛らしい声が聞こえてくる。

 「そこまでです! やぁっ」

 掛け声と共に、淫人の前に飛び降りる魔法少女。

 「いい加減にしなさい! 公衆の面前でエッチな行為をして、はしたないと思わないのですか。お巡りさんが許しても、公然わいせつ罪で、この魔闘少女プディカベリーが退治してあげますっ!」

 淫人はプディカベリーを睨むが、目がどこにあるのかわからない。
 ブルブルと小刻みに震えるキノコの様な頭が印象的だ。
 後ろに伸びた円柱状の後頭部からは、コンセントケーブルが生えてウネウネと動いていた。

 「おやおや、現れましたね。プディカベリーさん。お待ちしていましたよ。噂によると、とっても濃厚なマン汁を出すとか…… ぐひひーぃ。楽しみですねぇ」

 「な、ななな、何を言っているのですかっ。そんな卑猥な頭をした人からは言われたくありません!」

 「んんー? 電動マッサージ機が卑猥ですかぁ? ただのマッサージ機ですがぁ?」

 「う、うるさいですね! だいたい、あなた生物ですらありませんよ。人間どころか植物以下じゃないですか」

 淫人の頭は電動マッサージ機であった。
 パンツ一丁のムキムキマッチョボディに電マである。
 しかも、手の平からは電動ディルドーまで生えている。

 「植物以下と? ほう。では、われの恐ろしさを、その幼い身体へ存分に味あわせてあげましょうかね。ぐひっ、ぐひっ。今までの奴らと同じとは思わない方がいいですよ」

 電マ淫人は腰を振るのをやめ、チンポを抜くと本番ありの風俗嬢のケツを蹴飛ばす。

 「おほおおおおおんっ♡」

 お姉さんはイキながら道の端へと飛ばされると、ビクビクと痙攣するのだった。

 「さぁて。邪魔されたぶんも、プディカベリー。あなたで楽しんであげますから、すぐには壊れないで下さいねぇ。ぐひひひぃー」

 「あなたみたいな変態淫人には負けません。行きますよ! 魔導拳まどうけんッ!!」

 プディカベリーは先手必勝と云わんばかりに、飛び道具を放った!
 魔法のこぶしが敵を目掛けて飛翔する。

 「ぐひひひぃーっ、高速バイブレーションっ」

 ブウィィィィィン!

 電マ淫人が頭を小刻み震わせると振動音が響く。
 そこへ魔導拳が直撃し、ドーンと大きな音を立て爆発した。

 「はははっ、いきなりの攻撃に避けられなかったみたいですね」

 必殺技が当たったのでプディカベリーは、これなら勝てると調子に乗っている。

 「降参するなら今のうちですよ。もっとも、降参したところで倒させてもらいますけどね。ふふっ」

 しかし、爆風が治まると、そこには無傷の電マ淫人の姿があった。

 「え? うそ……」

 「ぐひぃ。あなたのへなちょこ攻撃など、我の超バイブバリアの前には役に立ちませんよォ」

 解説しよう。

 電マ淫人は頭部の高速バイブレーションによって超音波の壁を作り出し、防御壁として使用できるのだ!

 「なんですって!? 超音波の壁を作り出して必殺技を防ぐとは…… ぐっ、やりますね……」

 「え? ちょ…… 我はそんな解説せてませんが…… ぁ…… ま、まあ、いいでしょう…… それではこちらの番ですなぁ! 喰らえっ! ソニックバイブレーションっ!」

 ブィィィンィィィンィィィ!!

 「えっ!? きゃぁぁぁぁぁっ!」

 プディカベリーは見えない何かに弾き飛ばされ、錆びたシャッターが凹むほどの勢いで背中から打ち付けられた。

 「あ…… ぐぐ…… な、何が…… くっ」

 尻もちをついてしまい、立ち上がろうと顔を上げたら、目の前に電マ淫人が迫っていた。

 「おやおや、この程度で終わらないでくださいよ。フンッ!!」

 と、M字開脚になっている股間を踏みつける。
 カエル淫人の時とは違い、力任せの強烈な一撃だ!

【強烈なストンピングで悲鳴をあげるマンコ】

 グチュリ…… 鈍い音がすると、クリトリスが潰れるかのような刺激と痛みがプディカベリーを襲う。

 「ぎゃぁぁぁぁぁっっっ!!」

 あまりの衝撃に、コスチュームが汚れるのもお構いなしに、股間を両手で押さえながら地面を転げ回る。
 そんな無様な正義のヒロインの姿を、電マ淫人はニヤニヤしながら見下ろしていた。

 「ぐひっ、ぐひっ、ぐひひひぃ」

 「あ…… あぐ…… あそこがぁ…… いぎぃぃぃ……」

 股間に両手を挟み、腹這いになりながら電マ淫人を睨むプディカベリー。
 痛みを抑えようとマンコに手が触れると、ビクッと感じてしまう。

 戦闘開始早々にピンチになってしまった。

 倒れたままではダメだ、戦わなければならないと思ってはいるが、マンコへの強烈な一撃は幼い少女にとって、あまりにも酷であった。
 それでも歯を食いしばり、立ち向かおうとするが……

 電マ淫人の恐怖は、これから始まるのである。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【R18】もう一度セックスに溺れて

ちゅー
恋愛
-------------------------------------- 「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」 過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。 -------------------------------------- 結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。

うちの娘と(Rー18)

量産型774
恋愛
完全に冷え切った夫婦関係。 だが、そんな関係とは反比例するように娘との関係が・・・ ・・・そして蠢くあのお方。 R18 近親相姦有 ファンタジー要素有

【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)

幻田恋人
恋愛
 夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。  でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。  親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。  童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。  許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…  僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…

【R18】やがて犯される病

開き茄子(あきなす)
恋愛
『凌辱モノ』をテーマにした短編連作の男性向け18禁小説です。 女の子が男にレイプされたり凌辱されたりして可哀そうな目にあいます。 女の子側に救いのない話がメインとなるので、とにかく可哀そうでエロい話が好きな人向けです。 ※ノクターンノベルスとpixivにも掲載しております。 内容に違いはありませんので、お好きなサイトでご覧下さい。 また、新シリーズとしてファンタジーものの長編小説(エロ)を企画中です。 更新準備が整いましたらこちらとTwitterでご報告させていただきます。

完結【R―18】様々な情事 短編集

秋刀魚妹子
恋愛
 本作品は、過度な性的描写が有ります。 というか、性的描写しか有りません。  タイトルのお品書きにて、シチュエーションとジャンルが分かります。  好みで無いシチュエーションやジャンルを踏まないようご注意下さい。  基本的に、短編集なので登場人物やストーリーは繋がっておりません。  同じ名前、同じ容姿でも関係無い場合があります。  ※ このキャラの情事が読みたいと要望の感想を頂いた場合は、同じキャラが登場する可能性があります。  ※ 更新は不定期です。  それでは、楽しんで頂けたら幸いです。

男子中学生から女子校生になった僕

大衆娯楽
僕はある日突然、母と姉に強制的に女の子として育てられる事になった。 普通に男の子として過ごしていた主人公がJKで過ごした高校3年間のお話し。 強制女装、女性と性行為、男性と性行為、羞恥、屈辱などが好きな方は是非読んでみてください!

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

【完結済み】正義のヒロインレッドバスターカレン。凌辱リョナ処刑。たまに和姦されちゃいます♪

屠龍
ファンタジー
レッドバスターカレンは正義の変身ヒロインである。 彼女は普段は学生の雛月カレンとして勉学に励みながら、亡き父親の残したアイテム。 ホープペンダントの力でレッドバスターカレンとなって悪の組織ダークネスシャドーに立ち向かう正義の味方。 悪の組織ダークネスシャドーに通常兵器は通用しない。 彼女こそ人類最後の希望の光だった。 ダークネスシャドーが現れた時、颯爽と登場し幾多の怪人と戦闘員を倒していく。 その日も月夜のビル街を襲った戦闘員と怪人をいつものように颯爽と現れなぎ倒していく筈だった。 正義の変身ヒロインを徹底的に凌辱しリョナして処刑しますが最後はハッピーエンドです(なんのこっちゃ) リョナと処刑シーンがありますので苦手な方は閲覧をお控えください。 2023 7/4に最終話投稿後、完結作品になります。 アルファポリス ハーメルン Pixivに同時投稿しています

処理中です...