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異世界編 2章

第98話 特訓その2

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 ガッキィィン!

 為次は咄嗟に下から上へと抜刀した。
 貞宗の放った横払を寸前で弾いたのだ。

 「あぶねぇっ!」

 「ほぅ、今のを止めたか」

 上へと弾かれた刀は即座に斬り下ろしへと変化し、続けざまに斬撃が襲いかかる。
 その連続攻撃を、斜めにした刀身で受け流す。
 一撃が強力な為に、鞘で峰を支えながらの必死な防御だ。

 それも柄の間……

 防いだ斬撃は直ぐに軌道を変え、再び襲いかかる!

 「くそっ……」

 為次は納刀すると、襲い来るやいばに目掛けて抜刀し弾く。
 止めどない斬撃を、ひたすらに弾くしかなかった。

 「うざ……(なんとか離れて、デザで……)」

 ガキィン! ガキィン! ガキィン!

 やいばが交錯する度に、火花の如く青白い光がほとばしる。
 互のやいばに纏った剣気がぶつかり合うと、謎の発光現象を起こしていた。

 そんな攻防を、他の3人は興味津々で眺めていた……

 「な、なんだか凄いんだよ、速くて全然見えないよ」

 「為次の奴、攻めあぐねいてるな」

 「だが、サダムネ氏の攻撃を捌ききるのも大した物だぞ」

 「え? お姉ちゃんも、マサヒデさんもアレが見えてるの……」

 戦士の力を得た者は、身体能力を飛躍的に向上させている。
 それは筋力だけでなく、動体視力も人並み外れたものを得ていた。
 それでも、目の前で繰り広げられている闘いは辛うじて見える程度であった。
 それ程、凄まじい速度で刀と刀がぶつかり合っているのだ。

 「山崎、中々やるじゃねーか、スピードは互角ってとこか?」

 「だったら、いい加減に諦めてほしいんスがぁ!」

 「ふっ(意外と速いな……)」

 貞宗は自分の攻撃に対処する為次を見て、速度は互角だと思っていた。

 しかし、気が付いてはいなかった……

 為次は逐一、納刀と言う無駄な動作を行っている。
 弾かれた刀をそのまま振り下ろす間に、一旦納刀してから抜刀斬りをしている。
 そんな無駄な刀の振り方をしていても、貞宗の攻撃に対処していた。

 「お前が初めから、本気でやってれば良かったんだぞ?」

 「まじめにはやってたでしょ! っと!」

 ガキィン!

 まじめには、やっていたつもりではあった……
 だが、確かに本気は出していなかった。

 「んも(本気とか下らないし……)」

 為次の考えによると、本気を出すことは愚かな行為らしい。

 本来、まじめと本気は同じ意味なのであろう。
 だが、それには大きな差がある。
 本気とはその意味に、真剣と言うニュアンスを含む。
 つまり、本人自身が物事へ対して全身全霊で取り組むのだ。

 それに対して、まじめとは周りからふざけていると見られなければそれで良い。
 重要な何かをするにしても、適当にやっていればOKである。
 「コイツはまじめにやってるな」と、思わせればそれでいいのだ。

 前者と後者、どちらが良いのだろうか?
 それは当然、後者である。
 何故なら、人間とは必ず失敗をする生き物なのだから。

 例えば大切な何かの行動を起こした時に、失敗したとしよう。
 もし本気で取り組んでいたならば、悔やんでも悔やみきれない。
 精神的ダメージが大き過ぎる。
 しかし、まじめにやっているだけならば、まだ言い訳が成り立つ。
 「俺はまだ本気を出していない」と。
 全力で真剣になどと、バカらしいことさえしなければ失敗しても大丈夫。

 と、そんなアホな考えが持論であった。

 だが今は違う……

 「んもっ、しつこいおっさんだ」

 「まだ、お喋りする余裕があるのか?」

 流石に命が賭かれば本気を出すしかない。
 死んでしまっては元も子もないのだから。

 「その余裕も何時まで持つか?」

 先程から同じことの繰り返しだ。
 貞宗が打ち込むと、為次がはじき返す。
 それは、為次が不利であることは誰の目にも明らかであった。
 どう見ても為次の方が体力が無いに決まっている。

 「くそ(仕方ないか)」

 それは、もちろん為次自身も分かっている。
 だから、勝負に出るしかなかった。

 「今だ!」

 貞宗が大きく上に振りかぶった、その時であった!

 ガキッ!

 「むっ!?」

 為次は更に高速で抜刀し、貞宗の刀が振り下ろされる前に刀を合わせた。

 「おお!」

 正秀は、ちょっと感心した。
 シャルも驚いた様子だ。

 「止めたか」

 ギリギリと刃が軋み合う。
 鍔迫り合い状態だ。
 だが、特売品には鍔が付いていない。
 しかも、為次の方が力負けしている。

 「良く止めたものだな」

 「ぬぐぐぐ」

 「少しは見直したぞ」

 押し込まれる刀を鞘で峰を支えながら為次は必死に堪える。
 何かと鞘が邪魔だ。
 それでも止めたは良いが、この状態からどうしていいのか分からない。

 「よし、褒美に俺の本気を見せてやろう」

 「な、何を…… うぐぐぐ」

 次の瞬間……

 刀を支える手が急に軽くなった。
 貞宗が後ろに飛び退いたのだ。

 「えっ!?」

 それは為次にとって最大のチャンスであった。
 腰にぶら下がったデザートイーグルで、一気にケリを付けられる。

 「ちゃーんす、だけど……(スライドと安全装置がぁ)」

 直ぐに射撃できる状態ではなかった。
 しかし、刀を腋に挟んで両手を空けると……
 一瞬でホルスターから銃を抜きつつ、スライドを引きながら安全装置を上にあげる。

 「っ!」

 「喰らえっ!」

 ドンッ!

 デザートイーグルの銃口から50口径の弾丸が撃ち放たれた。
 片手で撃ったせいで、必死に抑えようとする腕が跳ね上がる。

 バシィン!

 弾丸は明後日の方へと飛んで行ってしまった……
 確かに狙いを足に向け撃った。
 片手ではあるが、狙いは完璧なハズだったが。

 「嘘……」

 「そんな見え透いた攻撃で、俺が倒せるとでも?」

 焦った為次は更に2発撃ち込む。

 ドンッ! ドンッ!

 発砲に合わせて貞宗が剣を振ると弾丸は、狙いを逸れ命中しない。
 なんと電撃の盾が弾丸を防いでいた!

 「本気を見せると言ったろ?」

 貞宗の持つ刀は、いつの間にか電撃を纏っていた。
 弧を描くように刀を振ると、その軌跡に一瞬だけ電撃の盾が現れる。
 トリガーを引く指が見える貞宗にとって、弾丸を防ぐにはその一瞬でじゅうぶんであった。

 「マジで……」

 流石のシャル、これにはかなり驚いた様子である。

 「なんと!」

 「隊長…… すげぇ…… ぜ」

 「では、こちらの番だな」

 そう言いうと、上段に構える貞宗。

 「やべぇ」

 為次は銃が効かないのを理解し、なんだかヤバそうなのを感じ取った。
 咄嗟とっさにデザートイーグルをホルスターにしまい、刀を構え直す。

 「行くぞっ!」

 振り下ろされた刀から、為次目掛けていかずちが放たれた!
 空中放電される電気は凄まじい音と光を放っている。

 バシィィィンッ!

 だが、そのいかずちも弾丸同様に明後日の方へと飛んで行った。

 「危ねー」

 貞宗は驚いた表情で為次を見ていた。
 抜刀された特売品は炎を纏っている。
 炎でいかずちを弾いたのだ。

 「はーはっはっはっぁ、こいつはいい!」

 「なんすか?」

 「まさか属性まで使えたとはな!」

 「え……?」

 「山崎、お前は火の属性ってとこか」

 「属性?」

 「ああ、俺は見ての通り電撃が使える」

 「どうやら、気功士ってのは何かしらの属性攻撃ができるのは間違いなさそうだな」

 「じゃあもういいでしょ、やめようよこんなの」

 「やめる? 馬鹿を言うな、こんな楽しいことがやめれるか!」

 「ああもう、めんどくさ過ぎる」

 「では参る!」

 貞宗は刀を構え、為次向けて速攻で走り込む。
 そして、攻撃範囲に入るや否や、体制を低くして足を薙ぎ払って来た。

 「はぁぁっ!」

 為次は咄嗟に飛び上がり、それを避けた。

 「馬鹿め! 上に逃げてどうする?」

 「ちょ」

 貞宗は空中で身動きの取れない為次の下へと滑り込む。
 それと同時に斬り上げた!

 「終わりだ」

 「どうかなっと」

 為次は、あの時……
 スレイブと戦った時の技を使った。
 ベクトルを無視した空中での高速回転斬りだ!
 しかも、今回は刀身に炎纏っているオマケ付きである。

 ―― 炎斬 ――

 雷撃と炎が交錯する!
 そのさまを見ていた3人は驚きの声を上げる。

 「あっ!」

 「むっ!」

 「うわぁ」

 貞宗の背後に着地した為次は振り返る。

 「手応えはあったかも」

 「ふ、ふふっ……」

 そこには、楽しそうに笑う貞宗の姿があった。

 しかし……

 顔から腕にかけて右半分が焼けただれている。
 しかも、腕には大きな刀傷ができており、血が滴り落ちていた。

 「為次が勝った…… のか?」

 「まさか、あのサダムネ氏に傷を与えるとは」

 ひざまずく貞宗。

 「くっ、やるじゃねぇか、山崎……」

 「もういいでしょ?」

 貞宗はゆっくりと立ち上がると、もう片方の手に刀を持ち替える。

 「俺はお前を殺そうとしたんだぞ? 止めを刺さないのか?」

 「そんなこと……」

 「俺はまだ戦えるぞ?」

 と、その時だった……

 「あ、あれ……?」

 ビターン!

 「ぶへぇっ」

 突然、為次は顔面から地面に突っ伏してしまった。

 「あっ、為次」

 「どうしたのだ? タメツグ君」

 「タ、タメツグさん!?」

 貞宗は無言で為次に近づくと、切先を下にして刀を上げる。

 「気が尽きたか…… 形勢逆転だな」

 「あうぅ……」

 倒れた為次は、なんとか起き上がろうとするが、体が動かない様子だ。
 それを見た正秀は、慌てて止めに入ろうとするのだが……

 「隊長! もうやめて下さい!」

 ドスッ

 刀を突き刺した。

 「楽しかったぞ、山崎」

 「隊長……」

 刀は為次の直ぐ目の前の地面に刺さっていた。

 「気の使い方がなっとらんようだな」

 「動けにゃい」

 「剣術より、そちらの特訓が先だな」

 「もう勘弁なんスが」

 パチ パチ パチ パチ

 シャルが拍手をしながら近づいて来た。

 「いやぁ、2人共素晴らしかったぞ」

 「楽しんでもらえたか?」

 「ああ、存分にな」

 「タメツグさん大丈夫なのかな?」

 「心配するな怪我はしていない」

 「隊長の怪我の方が酷いですよ」

 「ふっ、そうだな」

 「帰ってヒールをかけてもらいましょう」

 「ああ」

 「もう寝ていい?」

 「ったく、お前は……」

 為次を見下ろす貞宗は、呆れながらも何処となく嬉しそうであった。

 「……仕方ない、帰るぞ」

 「はい隊長」

 こうして、1日目の特訓が終了した……

 「隊長は初めから知っていたのですか?」

 「ん?」

 「為次が実力を隠していたことを」

 「当たり前だ。荒治療でもせんことにはな、水谷だって分かるだろ?」

 「確かに」

 「酷いわ……」

 地面に転がる為次は一人嘆いているのだった。

 ※  ※  ※  ※  ※

 ―― 帰り道
 
 動けなくなった為次は、シャルにおんぶしてもらった。
 その際に、少しは動けるので何となく後ろから、おっぱいを揉んでみた。

 壁に投げつけられ、全身の骨が砕けた為次は思う……

 やっぱ本気は出すもんじゃないわ。

 と……
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