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異世界編 1章
第40話 狂人その5
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街中を爆走するレオパルト2を走って追いかけて来た正秀達の3人は、上級国民区画の手前にある階段の登り口へと来ていた。
しかし、そこでは門は無いが2人の門兵に足止めされていたのであった。
基本的に上級国民区画へは上級国民及び王族しか立ち入りが許可されていないのだ。
「お前達にも見えてるだろ! あの戦…… 陸上艇を止めるんだよ!」
正秀は兵士に向かって叫んでいた。
レオパルト2は階段の一番上で鎮座している。
街を狙っているようだが、俯角が取れないのだろう、階段の斜面を利用して車体を前方に傾けていた。
「さっさと、ここを通せよ!」
「ダメだ、ダメだ。ここから先はお前ら平民は通せん」
「あいつは街ごとサーサラさんを砲撃する気なんだよ! 早く止めないとマズいんだよ!」
「そんなことは知らん、第一あの陸上艇にはニクミ様が乗っておられる」
それを聞いたマヨーラは驚く。
「ええっ? ニクミ様が乗ってるの!?」
「誰だそれ?」
「……王族よ」
「王族?」
「まさか、本当にニクミ様に拾われてたなんて…… タメツグ……」
「王族は居ないんじゃなかったのか?」
「え? マサヒデ…… どうしてそれを……」
「あっ…… えっと、まあなんだ…… と、とにかく、今はそんなことよりアイツを止めるのが先だぜ!」
「……分かったわ。あなた達が、どこまで知ってるかは知らないけれど、とりあえずあのバカをなんとかしましょ」
「すまねぇ…… マヨーラ」
「うん……」
マヨーラは兵士達を向かって言う。
「あなた達、どうしてもここを通せないの?」
「さっきからそう言ってるだろ」
「何度言えば分かるんだ? さっさと失せろ」
「私はターナのパーティーメンバーなのよ? 知ってるでしょ?」
「そ、それは…… 知っているが……」
「ターナ様が居ないんじゃ……」
「分かってくれよ…… 俺達だって仕事なんだ」
「もう! 変なところで真面目なんだから!」
「仕方ないだろ……」
「どうしてもダメなの?」
「「ダメだ」」
2人の兵士が意地でも通してくれない様子を見る正秀は呟く。
「無理か……」
「どうしよう、マサヒデ」
「しょうがない、こっちは諦めて街の連中を避難させよう」
「ええ、分かったわ」
「ご主人様を回収しに行かないのですか?」
「それは後回しだ、スイちゃん」
「残念ですぅ」
「本当にタメツグは街を攻撃する気なのかしら?」
「そうじゃなきゃ、こんな所までレオで来ないだろ」
「確かにね」
「よし、行くぞ!」
仕方なく皆は元来た道を戻り、サーサラが暴れているであろう方へと再び向かうのであった。
しつこい連中が、やっと何処かへと行ったので兵士達は顔を見合わせる。
「ふー、やっと行ってくれたぜ」
「やれやれ……」
「それにしても、あの陸上艇は本当に街を攻撃する気なのか?」
「ニクミ様の考えてることは分からん」
「ああ…… そうだな」
※ ※ レオパルト2車内 ※ ※
―― その頃
為次はレオパルト2のFCSと格闘していた。
砲撃手席に座り、あちこちを弄り回しているのだ。
「くっそ、どうやるんだこれ?」
「どうしたのタメツグちゃん、早くリューダンを飛ばさないの?」
「距離の設定方法が分かんないんだお、おっ」
「タメツグちゃんが分かんないじゃ、どうしようもないわねぇ」
「いや、ちょっと待ってろ、何となく理解できるかもっぽい」
「なんだか知らないけど、頑張ってねぇん」
「説明書でも有ればな…… んま、あったとこで、どうせ英語かドイツ語だろうけど」
……………
………
…
しばらくFCSを弄っていた為次は、使い方が理解できた様子であった。
もっとも、なんとなくしか理解していないが……
「よし! だいたい分かったかも。多分おおむね良好っぽい」
「凄く不安ね……」
「うるさい! やるぞ。ニクはペリスコープでも覗いてろ」
「ペリスコープってどれかしら?」
「目の前にある横長の窓みたいなの」
言われてニクミはペリスコープを覗いてみた。
しかし、少し外側に向かって斜めに付いているので目標より視界がズレている。
「まあ、街が見えるわ。うふふ」
「そいじゃ、やるか」
為次は一旦、車長席に行くとパノラマサイトで街の様子を窺う。
「何処に行ったんだ、サーサラは……」
「広場の方じゃないかしら?」
「お前それで見えるのか…… スゲーな」
「うふふぅ」
為次もパノラマサイトを回し広場を確認する。
「あ、ほんとだ。居た居た」
標的が決まると、もう一度砲手席に戻り射撃準備に取り掛かる。
「えっと…… 何メートルくらいだったけ?」
「何がかしら?」
「ニクに聞いても分からんか…… 確か80メートル位だったかな……」
DM11HEの被害有効半径は爆発地点から約80メートル強です。
「どうしよっかな…… 近すぎるとミンチだろうし、遠いと避けられるかな? まあ、魔法が効けばいいから80メートルちょい手前にしとくか、なっと。よし! やるぜー…… ってあれ? マサかな?」
砲塔を旋回させ照準を付ける為次の目に、見知った3人もサーサラの近くに映っていた。
「うぉぉぉ! 大チャーンス! あいつらもまとめて仕返しじゃぁ!!」
「広場が見えなくなっちゃたわぁ」
「ひゃっはぁー!!」
「タメツグちゃん楽しそうね……」
為次は、いつにも無くご機嫌でした。
※ ※ 街中の噴水とかある感じの広場 ※ ※
「適当な背景説明の場所に着いたのです」
「すまねぇスイちゃん…… 今回のイベントは3話の予定だったんだ」
「マサヒデは何を言ってるの?」
「気にしないでくれマヨーラ」
「ついでに適当に説明すると、広場の中心辺りでサーサラ様を数名の冒険者が囲ってるのですよ。微妙に追い詰めたっぽいですが、返り討ちに会っている感じです。ですが、おかげ様で私たちもサーサラ様に追いつけました、です」
親切なスイは状況説明までしてくれた。
「ありがとう、スイちゃん」
「手抜きもいいとこね……」
そんな感じの場所で正秀は冒険者達に避難を呼び掛ける。
「おい! みんな! 今すぐここから離れるんだ!」
「あー? てめぇは何言ってんだよ! コイツを取っ捕まえないとだろ」
「もうすぐここに砲撃が来る! 巻き込まれるぜ!」
「砲撃だと? こんな街中に誰がそんなことするかよ」
別の冒険者も言った。
「あのバカよ!」
そう言いながら、マヨーラは階段に鎮座している戦車を指す。
「ああ? なんだありゃぁ?」
「遠くて分かり辛いな…… 陸上艇か? なんであんなとこに……」
見慣れない陸上艇を見た冒険者達は口々に言った。
「アレがこっちを狙ってるんだよ!」
「なんだと……」
「おい。あれって、まさかサダムネキャノンじゃ……」
「あ? 嘘だろ……」
その時だった……
レオパルト2の砲口が静かに光り、炎と煙を吐き出した。
それよりも先に、砲口からは砲弾が射出されている。
それは、何かをばら撒くと小さな翼を広げ、光りながら真っ直ぐに広場へと向かって飛んで来きた。
「ちきしょう!」
正秀は叫ぶも音速より速く飛来してくるソレが見えてからは、もはや為す術は無い。
狙われた者は、死を覚悟する暇すらないだろう……
正秀は咄嗟にマヨーラとスイを抱え、地面に伏せるのが精一杯であった。
ドカーン!!
周囲に轟音が轟く!
飛来した砲弾が空中で爆発したのだ。
ようやく届いた砲撃音は爆音に掻き消され、それと同時に小さな球が広範囲にばら撒かれる。
球は広場に居た人々を容赦なく襲った。
体を打ち付け激痛が走る……
かすめただけでも肉を抉られる……
広場にはタングステンの雨が降り注ぎ、まさに地獄絵図であった。
正秀はその時にようやく死の恐怖に怯えることができた。
「くっそ、本当に撃ちやがった! 痛ってーぇ…… ん?」
痛みは感じた…… だがそのケガは直ぐに治り、痛みもおさまる……
ニクミのかけた強力なヒールが効いていたのだ。
しかし、それと同時に体も動かなくなる。
バインドの魔法もバッチリ効いてる。
「うぐああ(なんだ、体が動かねぇ?)」
そして……
広場は静寂に包まれた……
※ ※ レオパルト2車内 ※ ※
「いゃー、上手く行ったわぁー。ふふん♪」
「ご機嫌ねぇ」
「当たり前っしょ、それより広場どっち?」
「次の角を左に曲がって、真っ直ぐに行けば着くわ」
「うい」
「…………」
砲撃の終わった為次達は、麻痺している奴らにイタズラをしようと広場に向かっていた。
戦車で。
上級国民区画の階段を降りる時に兵士が何か喚いていたが、軽くスルーしといた。
それより、降りる時にも砲身をぶつけそうになり、為次は「階段が急すぎんだよ」などと怒っていたのだ。
砲塔を回すのがめんどくさかったので、階段で信地旋回し後退で降りたら、ちょっとミステリーサークルっぽい跡ができたものだ。
「着いた」
広場に到着すると為次とニクミは降車した。
辺りには弾痕があちこちにあり破片榴弾の威力を物語っている。
そして、麻痺して動けない人々が倒れていた。
「全員無事みたいだし、ちゃんと麻痺してるようね。すばらしいわタメツグちゃん」
「おういえーい。ねぇ、バインドってどのくらい効果あんの?」
「耐性にもよるけど、この人達なら3時間位かしらねぇ」
「おお! それは凄い」
「うふふぅ」
「そ・れ・じゃ…… さーってと、どーしよっかなー♪ かなー?」
為次は3人固まって倒れている正秀達に近づくと、とりあえず全員仰向けにする。
それから『川』の字に並べた。
3人は目は見えているようで、為次を見ると何か言おうとしている。
「ぅぅぅ…… ぁぅぅ……」
正秀は必死に喋ろうとするがバインドが強すぎて喋れないようだ。
「タメツグちゃんは、サーサラを捕まえに来たんじゃないのかしら?」
「え? ああ、サーサラさんはどうでもいいや…… と、思ったけど」
為次はサーサラに近づくとしゃがみ込む。
「何色かなー?」
そう言いながら、ボロボロになっている長めのスカートをめくって確認してみた。
「ぐぉ! 純白ですよ! だいぶ汚れてるけど、それはそれで…… ゴクリ」
「タメツグちゃん……」
満足した為次は再び3人所に近づくと、同じようにしゃがみ込む。
「ではでは、マヨからねー」
「いぎぎぃ(こ、このバカツグ…… まさか私まで……)」
マヨーラのミニスカートに手を掛ける。
「あぁぁ(う、嘘でしょ……)」
めくった。
「おお! 大人ぶって黒のレースですか! あひゃひゃひゃ」
「うっぐぐぐ(タメツグ、後で絶対に殺す!)」
「ロリっ子のくせして、あーひゃひゃひゃ、おもしれー。うははは。せっかくだから、このままめくったままにしとくか……」
「ひぎぃ(ぎゃーー! 元に戻しなさいよバカツグ!)」
「えっとぉ、次はマサさんですねー♪」
「うが(俺もかよ……)」
「ズボンとパンツ下ろしとくかぁ」
「うがが(なんだと……)」
正秀のゾウさんを出しておき、それを指しながら言う。
「ニク! ご褒美にこれをいじらせてあげよう」
「まぁ、嬉しいわぁ、うふふ」
「うぎゃぁ(ぎゃぁぁぁぁぁ! よせ! よすんだ!)」
ニクミはゾウさんをいじるものの、大人のゾウにならないので直ぐに飽きた様子だ。
麻痺しているので仕方がない。
「後はスイか…… スイカだって、ぷぷぷ」
「はうう(はわ、スイはご主人様に弄ばれるのですね、ドキドキなのです)」
「スイはほっとくか……」
「むむむー(なんですと! 何故ですかご主人様! スイも弄って下さい。あんなことや、こんなことをするのですよ! ささ、早くするのです)」
そんな為次がバカをやっている時であった。
誰か来た。
「どうやら、終わったようですわね」
ターナとスレイブだった。
「タメツグが捕まえたのか?」
スレイブは訊いた。
「何を?」
「何って、バーサーカーだろ!」
「ああ、あれね。ニクに手伝ってもらったけど」
「ニクってニクミ様か? 王族に向かってなんて奴だ……」
「いいのよ、スレイブちゃん」
「は、はい」
「とにかくお手柄よ、よくやってくれたわね」
と、ターナは褒めてくれるが為次にとっては予想外の行動を始める。
「あなたのお仲間も助けてあげましょう」
「は?」
「ディスペルマジック!」
ターナは杖を掲げ呪文を唱えた。
呪文解除の魔法だ。
サーサラを除く人々のバインドが解ける……
「え? えっと……」
その様子を為次は唖然と見ていた。
皆が起き上がり始める。
当然、正秀達は服装を直し為次に詰め寄る……
「あら、タメツグさん、ご活躍だったみたいね」
マヨーラがわざとらしく言った。
「いやぁ、為次のおかげで無事にサーサラさんを捕まえられたぜ」
「むっふー、なのです」
為次は皆から目を逸らしながら言う。
「えーっと、みなさんご無事で何よりです…… はい、ははは」
ターナは1人とぼけた様子で見ている。
「あらあら、皆さんどうしたのかしら?」
「さあな……」
「じゃ、じゃあ帰るわ……」
そう言うと、為次は慌ててレオパルト2に逃げ込もうとする。
「らいとにんぐぼると~」
逃げようとする為次をマヨーラの放った電撃が襲う。
「にぎゃぁぁぁぁぁ!」
バタリッ
為次はレオパルト2の手前で無残にも倒れてしまった……
その後、サーサラはターナ達に回収され、転生の加護を受けることになった。
そんなこんなで、破壊された街は再び落ち着きを取り戻すのであった。
あと、為次はロープでグルグル巻きにされると、広場にある一本の木に吊るされた。
それは、巨大なミノムシにしか見えなかった……
しかし、そこでは門は無いが2人の門兵に足止めされていたのであった。
基本的に上級国民区画へは上級国民及び王族しか立ち入りが許可されていないのだ。
「お前達にも見えてるだろ! あの戦…… 陸上艇を止めるんだよ!」
正秀は兵士に向かって叫んでいた。
レオパルト2は階段の一番上で鎮座している。
街を狙っているようだが、俯角が取れないのだろう、階段の斜面を利用して車体を前方に傾けていた。
「さっさと、ここを通せよ!」
「ダメだ、ダメだ。ここから先はお前ら平民は通せん」
「あいつは街ごとサーサラさんを砲撃する気なんだよ! 早く止めないとマズいんだよ!」
「そんなことは知らん、第一あの陸上艇にはニクミ様が乗っておられる」
それを聞いたマヨーラは驚く。
「ええっ? ニクミ様が乗ってるの!?」
「誰だそれ?」
「……王族よ」
「王族?」
「まさか、本当にニクミ様に拾われてたなんて…… タメツグ……」
「王族は居ないんじゃなかったのか?」
「え? マサヒデ…… どうしてそれを……」
「あっ…… えっと、まあなんだ…… と、とにかく、今はそんなことよりアイツを止めるのが先だぜ!」
「……分かったわ。あなた達が、どこまで知ってるかは知らないけれど、とりあえずあのバカをなんとかしましょ」
「すまねぇ…… マヨーラ」
「うん……」
マヨーラは兵士達を向かって言う。
「あなた達、どうしてもここを通せないの?」
「さっきからそう言ってるだろ」
「何度言えば分かるんだ? さっさと失せろ」
「私はターナのパーティーメンバーなのよ? 知ってるでしょ?」
「そ、それは…… 知っているが……」
「ターナ様が居ないんじゃ……」
「分かってくれよ…… 俺達だって仕事なんだ」
「もう! 変なところで真面目なんだから!」
「仕方ないだろ……」
「どうしてもダメなの?」
「「ダメだ」」
2人の兵士が意地でも通してくれない様子を見る正秀は呟く。
「無理か……」
「どうしよう、マサヒデ」
「しょうがない、こっちは諦めて街の連中を避難させよう」
「ええ、分かったわ」
「ご主人様を回収しに行かないのですか?」
「それは後回しだ、スイちゃん」
「残念ですぅ」
「本当にタメツグは街を攻撃する気なのかしら?」
「そうじゃなきゃ、こんな所までレオで来ないだろ」
「確かにね」
「よし、行くぞ!」
仕方なく皆は元来た道を戻り、サーサラが暴れているであろう方へと再び向かうのであった。
しつこい連中が、やっと何処かへと行ったので兵士達は顔を見合わせる。
「ふー、やっと行ってくれたぜ」
「やれやれ……」
「それにしても、あの陸上艇は本当に街を攻撃する気なのか?」
「ニクミ様の考えてることは分からん」
「ああ…… そうだな」
※ ※ レオパルト2車内 ※ ※
―― その頃
為次はレオパルト2のFCSと格闘していた。
砲撃手席に座り、あちこちを弄り回しているのだ。
「くっそ、どうやるんだこれ?」
「どうしたのタメツグちゃん、早くリューダンを飛ばさないの?」
「距離の設定方法が分かんないんだお、おっ」
「タメツグちゃんが分かんないじゃ、どうしようもないわねぇ」
「いや、ちょっと待ってろ、何となく理解できるかもっぽい」
「なんだか知らないけど、頑張ってねぇん」
「説明書でも有ればな…… んま、あったとこで、どうせ英語かドイツ語だろうけど」
……………
………
…
しばらくFCSを弄っていた為次は、使い方が理解できた様子であった。
もっとも、なんとなくしか理解していないが……
「よし! だいたい分かったかも。多分おおむね良好っぽい」
「凄く不安ね……」
「うるさい! やるぞ。ニクはペリスコープでも覗いてろ」
「ペリスコープってどれかしら?」
「目の前にある横長の窓みたいなの」
言われてニクミはペリスコープを覗いてみた。
しかし、少し外側に向かって斜めに付いているので目標より視界がズレている。
「まあ、街が見えるわ。うふふ」
「そいじゃ、やるか」
為次は一旦、車長席に行くとパノラマサイトで街の様子を窺う。
「何処に行ったんだ、サーサラは……」
「広場の方じゃないかしら?」
「お前それで見えるのか…… スゲーな」
「うふふぅ」
為次もパノラマサイトを回し広場を確認する。
「あ、ほんとだ。居た居た」
標的が決まると、もう一度砲手席に戻り射撃準備に取り掛かる。
「えっと…… 何メートルくらいだったけ?」
「何がかしら?」
「ニクに聞いても分からんか…… 確か80メートル位だったかな……」
DM11HEの被害有効半径は爆発地点から約80メートル強です。
「どうしよっかな…… 近すぎるとミンチだろうし、遠いと避けられるかな? まあ、魔法が効けばいいから80メートルちょい手前にしとくか、なっと。よし! やるぜー…… ってあれ? マサかな?」
砲塔を旋回させ照準を付ける為次の目に、見知った3人もサーサラの近くに映っていた。
「うぉぉぉ! 大チャーンス! あいつらもまとめて仕返しじゃぁ!!」
「広場が見えなくなっちゃたわぁ」
「ひゃっはぁー!!」
「タメツグちゃん楽しそうね……」
為次は、いつにも無くご機嫌でした。
※ ※ 街中の噴水とかある感じの広場 ※ ※
「適当な背景説明の場所に着いたのです」
「すまねぇスイちゃん…… 今回のイベントは3話の予定だったんだ」
「マサヒデは何を言ってるの?」
「気にしないでくれマヨーラ」
「ついでに適当に説明すると、広場の中心辺りでサーサラ様を数名の冒険者が囲ってるのですよ。微妙に追い詰めたっぽいですが、返り討ちに会っている感じです。ですが、おかげ様で私たちもサーサラ様に追いつけました、です」
親切なスイは状況説明までしてくれた。
「ありがとう、スイちゃん」
「手抜きもいいとこね……」
そんな感じの場所で正秀は冒険者達に避難を呼び掛ける。
「おい! みんな! 今すぐここから離れるんだ!」
「あー? てめぇは何言ってんだよ! コイツを取っ捕まえないとだろ」
「もうすぐここに砲撃が来る! 巻き込まれるぜ!」
「砲撃だと? こんな街中に誰がそんなことするかよ」
別の冒険者も言った。
「あのバカよ!」
そう言いながら、マヨーラは階段に鎮座している戦車を指す。
「ああ? なんだありゃぁ?」
「遠くて分かり辛いな…… 陸上艇か? なんであんなとこに……」
見慣れない陸上艇を見た冒険者達は口々に言った。
「アレがこっちを狙ってるんだよ!」
「なんだと……」
「おい。あれって、まさかサダムネキャノンじゃ……」
「あ? 嘘だろ……」
その時だった……
レオパルト2の砲口が静かに光り、炎と煙を吐き出した。
それよりも先に、砲口からは砲弾が射出されている。
それは、何かをばら撒くと小さな翼を広げ、光りながら真っ直ぐに広場へと向かって飛んで来きた。
「ちきしょう!」
正秀は叫ぶも音速より速く飛来してくるソレが見えてからは、もはや為す術は無い。
狙われた者は、死を覚悟する暇すらないだろう……
正秀は咄嗟にマヨーラとスイを抱え、地面に伏せるのが精一杯であった。
ドカーン!!
周囲に轟音が轟く!
飛来した砲弾が空中で爆発したのだ。
ようやく届いた砲撃音は爆音に掻き消され、それと同時に小さな球が広範囲にばら撒かれる。
球は広場に居た人々を容赦なく襲った。
体を打ち付け激痛が走る……
かすめただけでも肉を抉られる……
広場にはタングステンの雨が降り注ぎ、まさに地獄絵図であった。
正秀はその時にようやく死の恐怖に怯えることができた。
「くっそ、本当に撃ちやがった! 痛ってーぇ…… ん?」
痛みは感じた…… だがそのケガは直ぐに治り、痛みもおさまる……
ニクミのかけた強力なヒールが効いていたのだ。
しかし、それと同時に体も動かなくなる。
バインドの魔法もバッチリ効いてる。
「うぐああ(なんだ、体が動かねぇ?)」
そして……
広場は静寂に包まれた……
※ ※ レオパルト2車内 ※ ※
「いゃー、上手く行ったわぁー。ふふん♪」
「ご機嫌ねぇ」
「当たり前っしょ、それより広場どっち?」
「次の角を左に曲がって、真っ直ぐに行けば着くわ」
「うい」
「…………」
砲撃の終わった為次達は、麻痺している奴らにイタズラをしようと広場に向かっていた。
戦車で。
上級国民区画の階段を降りる時に兵士が何か喚いていたが、軽くスルーしといた。
それより、降りる時にも砲身をぶつけそうになり、為次は「階段が急すぎんだよ」などと怒っていたのだ。
砲塔を回すのがめんどくさかったので、階段で信地旋回し後退で降りたら、ちょっとミステリーサークルっぽい跡ができたものだ。
「着いた」
広場に到着すると為次とニクミは降車した。
辺りには弾痕があちこちにあり破片榴弾の威力を物語っている。
そして、麻痺して動けない人々が倒れていた。
「全員無事みたいだし、ちゃんと麻痺してるようね。すばらしいわタメツグちゃん」
「おういえーい。ねぇ、バインドってどのくらい効果あんの?」
「耐性にもよるけど、この人達なら3時間位かしらねぇ」
「おお! それは凄い」
「うふふぅ」
「そ・れ・じゃ…… さーってと、どーしよっかなー♪ かなー?」
為次は3人固まって倒れている正秀達に近づくと、とりあえず全員仰向けにする。
それから『川』の字に並べた。
3人は目は見えているようで、為次を見ると何か言おうとしている。
「ぅぅぅ…… ぁぅぅ……」
正秀は必死に喋ろうとするがバインドが強すぎて喋れないようだ。
「タメツグちゃんは、サーサラを捕まえに来たんじゃないのかしら?」
「え? ああ、サーサラさんはどうでもいいや…… と、思ったけど」
為次はサーサラに近づくとしゃがみ込む。
「何色かなー?」
そう言いながら、ボロボロになっている長めのスカートをめくって確認してみた。
「ぐぉ! 純白ですよ! だいぶ汚れてるけど、それはそれで…… ゴクリ」
「タメツグちゃん……」
満足した為次は再び3人所に近づくと、同じようにしゃがみ込む。
「ではでは、マヨからねー」
「いぎぎぃ(こ、このバカツグ…… まさか私まで……)」
マヨーラのミニスカートに手を掛ける。
「あぁぁ(う、嘘でしょ……)」
めくった。
「おお! 大人ぶって黒のレースですか! あひゃひゃひゃ」
「うっぐぐぐ(タメツグ、後で絶対に殺す!)」
「ロリっ子のくせして、あーひゃひゃひゃ、おもしれー。うははは。せっかくだから、このままめくったままにしとくか……」
「ひぎぃ(ぎゃーー! 元に戻しなさいよバカツグ!)」
「えっとぉ、次はマサさんですねー♪」
「うが(俺もかよ……)」
「ズボンとパンツ下ろしとくかぁ」
「うがが(なんだと……)」
正秀のゾウさんを出しておき、それを指しながら言う。
「ニク! ご褒美にこれをいじらせてあげよう」
「まぁ、嬉しいわぁ、うふふ」
「うぎゃぁ(ぎゃぁぁぁぁぁ! よせ! よすんだ!)」
ニクミはゾウさんをいじるものの、大人のゾウにならないので直ぐに飽きた様子だ。
麻痺しているので仕方がない。
「後はスイか…… スイカだって、ぷぷぷ」
「はうう(はわ、スイはご主人様に弄ばれるのですね、ドキドキなのです)」
「スイはほっとくか……」
「むむむー(なんですと! 何故ですかご主人様! スイも弄って下さい。あんなことや、こんなことをするのですよ! ささ、早くするのです)」
そんな為次がバカをやっている時であった。
誰か来た。
「どうやら、終わったようですわね」
ターナとスレイブだった。
「タメツグが捕まえたのか?」
スレイブは訊いた。
「何を?」
「何って、バーサーカーだろ!」
「ああ、あれね。ニクに手伝ってもらったけど」
「ニクってニクミ様か? 王族に向かってなんて奴だ……」
「いいのよ、スレイブちゃん」
「は、はい」
「とにかくお手柄よ、よくやってくれたわね」
と、ターナは褒めてくれるが為次にとっては予想外の行動を始める。
「あなたのお仲間も助けてあげましょう」
「は?」
「ディスペルマジック!」
ターナは杖を掲げ呪文を唱えた。
呪文解除の魔法だ。
サーサラを除く人々のバインドが解ける……
「え? えっと……」
その様子を為次は唖然と見ていた。
皆が起き上がり始める。
当然、正秀達は服装を直し為次に詰め寄る……
「あら、タメツグさん、ご活躍だったみたいね」
マヨーラがわざとらしく言った。
「いやぁ、為次のおかげで無事にサーサラさんを捕まえられたぜ」
「むっふー、なのです」
為次は皆から目を逸らしながら言う。
「えーっと、みなさんご無事で何よりです…… はい、ははは」
ターナは1人とぼけた様子で見ている。
「あらあら、皆さんどうしたのかしら?」
「さあな……」
「じゃ、じゃあ帰るわ……」
そう言うと、為次は慌ててレオパルト2に逃げ込もうとする。
「らいとにんぐぼると~」
逃げようとする為次をマヨーラの放った電撃が襲う。
「にぎゃぁぁぁぁぁ!」
バタリッ
為次はレオパルト2の手前で無残にも倒れてしまった……
その後、サーサラはターナ達に回収され、転生の加護を受けることになった。
そんなこんなで、破壊された街は再び落ち着きを取り戻すのであった。
あと、為次はロープでグルグル巻きにされると、広場にある一本の木に吊るされた。
それは、巨大なミノムシにしか見えなかった……
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「カクヨム」に於ても投稿させて頂いております。
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日本VS異世界国家! ー政府が、自衛隊が、奮闘する。
スライム小説家
SF
令和5年3月6日、日本国は唐突に異世界へ転移してしまった。
地球の常識がなにもかも通用しない魔法と戦争だらけの異世界で日本国は生き延びていけるのか!?
異世界国家サバイバル、ここに爆誕!
えっ、じいちゃん昔勇者だったのっ!?〜祖父の遺品整理をしてたら異世界に飛ばされ、行方不明だった父に魔王の心臓を要求されたので逃げる事にした〜
楠ノ木雫
ファンタジー
まだ16歳の奥村留衣は、ずっと一人で育ててくれていた祖父を亡くした。親戚も両親もいないため、一人で遺品整理をしていた時に偶然見つけた腕輪。ふとそれを嵌めてみたら、いきなり違う世界に飛ばされてしまった。
目の前に浮かんでいた、よくあるシステムウィンドウというものに書かれていたものは『勇者の孫』。そう、亡くなった祖父はこの世界の勇者だったのだ。
そして、行方不明だと言われていた両親に会う事に。だが、祖父が以前討伐した魔王の心臓を渡すよう要求されたのでドラゴンを召喚して逃げた!
追われつつも、故郷らしい異世界での楽しい(?)セカンドライフが今始まる!
※他の投稿サイトにも掲載しています。
世界異世界転移
多門@21
ファンタジー
東京オリンピックを控えた2020年の春、突如地球上のすべての国家が位置関係を変え異世界の巨大な惑星に転移してしまう。
その惑星には様々な文化文明種族、果てには魔術なるものまで存在する。
その惑星では常に戦争が絶えず弱肉強食様相を呈していた。旧地球上国家も例外なく巻き込まれ、最初に戦争を吹っかけられた相手の文明レベルは中世。殲滅戦、民族浄化を宣言された日本とアメリカはこの暴挙に現代兵器の恩恵を受けた軍事力を行使して戦うことを決意する。
日本が転移するのも面白いけどアメリカやロシアの圧倒的ミリタリーパワーで異世界を戦う姿も見てみたい!そんなシーンをタップリ含んでます。
43話までは一日一話追加していきます!
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
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ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
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しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
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忘却の艦隊
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新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
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新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
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公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
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なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
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平和国家異世界へ―日本の受難―
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平和国家、日本。 東アジアの島国であるこの国は、厳しさを増す安全保障環境に対応するため、 政府は戦闘機搭載型護衛艦、DDV-712「しなの」を開発した。 「しなの」は第八護衛隊群に配属され、領海の警備を行なうことに。
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日本は異世界に転移した。
帝国主義のはびこるこの世界で、日本は生き残れるのか。
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何番煎じ蚊もわからない日本転移小説です。
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『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
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HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!
父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
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その他、多数投稿しています!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
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