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現代編 序章
第2話 突破
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―― 岐阜県関市、権現山付近
県道58号と津保川を挟んで並行する旧道を、二人を乗せた戦車は走っていた。
美濃市を迂回し、敵に見つからないように山の中を走行して来たのだ。
夜が明けて太陽の光が辺りを照らし始める。
「ねむい……」
為次はポツリと呟いた。
それもそのはずである。
郡上の戦闘から逃げ延び、今まで一睡もしていないのだから。
「なあマサ。おーい、正秀さーん……」
返事がない……
木の陰に戦車を隠すように停車させ、面倒臭そうに車長席を覗き込んで見る。
「あー寝てますねぇ、一人だけ気持ち良さそうに。はぁ…… よくもまあ見つからずに、ここまで来れたもんだよ」
起こすのは可哀想だが、これから先は戦闘区域のど真ん中だ。
流石に索敵無しでは、やばいよなと思う。
そもそも正秀が起きてくれないと、攻撃すらままならない。
戦車を停めて、狭い車内を装填しに行って。
また車長席に移動してようやく砲撃できる。
そんなバカなことはしたくない。
だから、正秀の足を揺らしながら起こそうとする。
「おーい、朝だぞーさん」
何となくジョーク交じりに声をかけた。
「お…… なんだ? 像がどうしたって?」
やっと起きた正秀は、寝ぼけている様子だ。
「いや、像はどうでもいいけど、そろそろ起きてくれないかなー。もうすぐ山を抜けてゴルフ場地帯なのですよ」
眠い目を擦りながら車内を見渡すと、自分達の状況を思い出した。
「あ、ああ、寝てしまったか…… 悪かったな」
「いやいや全然かまいませんよ。何とか、ここまでは無事に来れたんだから問題ないかもねー」
「ふぁ~ぁ…… そうだなぁ」
「でもね、ここから先は多分、激戦区っぽいかも。だから、この先に行っても…… 生きてかえ……」
「おい!」
言い終わるのを阻むように叫ぶ正秀。
為次は少し驚いた様子だ。
「寝ていたのは悪かった、そうだな、ここからは俺の仕事だ」
「あ、そう」
「敵を蹴散らして、お前一人くらい連れて帰ってやるさ」
「そっか…… そりゃどうも、じゃあ帰えろっか」
少し笑ってみる為次であった。
※ ※ ※ ※ ※
しばらく進むとゴルフ場が見えてきた。
その先は山間部も終わり、美濃加茂市の平野が広がっている。
ゴルフ場付近の高台に停車させ、周辺を確認することにした。
「ちょっと降車して状況確認だ」
一応は階級が上の正秀が指示を出した。
「あ、はい」
降車した二人は街を見ると、至る所から煙が立ち昇っている。
遠くでは銃撃音や爆発音も聞こえてきた。
どうやら自衛隊と敵部隊が激しい戦闘を繰り広げている様子だ。
眼下の戦闘規模や、今まで戦闘を見かけなかったことで、そこが最前線であるのは容易に想像できた。
為次はなんだか投げ槍に言う。
「あー、派手にやってるねぇ」
「そうだな、だいぶ押されてるようだがな」
「数が違い過ぎるよ、郡上もそうだったけど」
「ああ」
「しかも、わざわざ美濃を迂回しったてのに、こっちでやってるとはねぇ」
「この美濃加茂が前線となると、この付近に敵後方部隊が居る分けか」
「んじゃあ、俺たち完全に身動きとれんってことだね」
「いやそうでもないぜ、さっき言っただろ?」
「え?」
「帰してやるって、もう忘れたのか?」
「あ、えと…… 忘れた分けじゃないけど……」
「けど、なんだよ?」
「せっかくここまで見つからずに来れたのに、下手に動いちゃったらさー」
正秀は返答を待たずに車内に潜ってしまう。
すると中からタブレットを取り出して来た。
「これを見な」
「ん?」
タブレットで地図を開き為次に見せる。
「いいか、まず俺達が居るのはここだ」
ゴルフ場の南辺りにある山を指しながら正秀は言った。
「うん」
「そして、ここからすぐ南にある工業団地だが。ここを敵が制圧し、拠点としてるようだな。自衛隊はその更に南にある坂祝中学のある小さい山を拠点として、応戦してる分けだ」
「まあ、だいたそんな感じね、ドローンもその辺に結構集まってるし」
「そうだな、それでだ、俺達の戦力はこのレオが一両」
正秀は繰り返すように言う。
「分かるか? 俺達にはレオパルト2が一両だ」
「分かってるってば」
「ほんとか?」
「あ、俺様のデザートイーグルもあるけどね」
「まあいい、そのは銃しまっとけ」
「はいはい」
「ふん、分かってないようだな…… いいか? このレオパルト2はNATO仕様のものだ。そして、この戦車は多くの国がドイツから輸入やライセンス生産して使っている。ところが、だ、日本には無い。自衛隊には配備されちゃいないんだ」
コン コン
ニヤリとしながら戦車を小突き更に続ける。
「そして今攻めてきている敵国にもだ」
それを聞いていた為次は不安で仕方なかった。
正秀の言いたいことが何となく理解できたから。
否、それ以前に分かっていた。
それは自分で言ったことなのだから。
『どうせこのままだと直ぐ見つかって殺されちゃうんだから、今でも後でも同じでしょ』
と……
そう、あの時は戦車を見つけたことで少し生き残れる希望が湧いたから。
だから、少しだけ強気で言えただけだ。
決して自分は楽観主義なんかではない。
ただ、考えたくないだけなのだ。
今まで散って逝った仲間ようになることを……
そんなことを考えたが、ふと気が付いた。
あの時……
後先も考えずに戦車を動かしてしまったのは、希望なんてものじゃない。
只々、逃げ出したい。
少しでも恐怖から逃げ出したい一心だったと。
だから、為次は返答に困った。
このままでは、正秀は敵陣中央突破をしてしまう。
それは認めたくはなかった。
不安と恐怖が包み込んだから。
「そ、そうだね……」
「だろ?」
「このレオパルト2なら、あそこでやってる戦闘の敵でも味方でもないかも」
「ああ、それなら必ず敵に隙もできるし、チャンスもある」
正秀は得意げに言い放ち、満足そうであった。
「味方にも撃たれるよ」
「その時は、その時だ」
「んな、むちゃな」
「お前の言った通りここに居たら、殺されてしまう。今か後かの違いに過ぎないさ」
「それは……」
「だから、この状況を打開するには隙を突いて、あそこを突破するしかない!」
それを聞くと不安と恐怖で今にも逃げ出したい為次に、後悔すらも襲ってくる。
「ふざけるな! む、無理に決まってるだろ!」
思わず叫んでしまった。
「怖いのか?」
「……あぁ、悪いのかっ!? どうせ俺は臆病者だっ!」
死への恐怖から、口調が荒くなってしまう。
そんな為次の様子を見る正秀は、おもむろにタブレットを操作し画面を見せる。
そこには髪の長い美しい女性の写真が表示されていた。
「な、なんだよ…… 誰? もしかして彼女?」
「そうだ、綺麗だろ?」
そう言った正秀は嬉しそうだが、何処となく寂しそうな表情でもあった。
「うん、いいね羨ましいよ」
それから正秀はポケットから小さな箱を出し、その箱を開いて見せた。
中には綺麗な指輪が入っている。
「何……?」
「婚約指輪だ、なかなか機会が無くてな、まだ渡せてない。いや、渡すチャンスはいくらでもあった、でもまだ渡せていない」
為次は何かを考える様に黙って聞いている。
「怖かったんだ、もし、断られたらと思うとな。俺のことを笑ってくれてもいいんだぜ、臆病者とな」
それを聞いた為次は、大きくため息をつきながら言う。
「……はぁ~。で、俺なんかに何をしろって?」
再び指輪を見せつける正秀。
「これを届けに行きたいんだ、バスの運転手さん」
為次は路線バスの運転手だった、戦争前は。
しかし、戦争が始まり徴兵された。
東京壊滅後、自衛隊は正式に軍隊とされた。
米軍が日本を含めアジア諸国から撤退したからである。
つい数ヶ月前の仕事を思い出す。
あれは駅に向かう途中だった。
自分の運転するバスは渋滞に巻き込まれ遅延が発生していた。
渋滞を抜け、その後は必死に走っても遅延が回復することは殆ど無い。
それよりも、慌てず無事に乗客を送り届けなければならない。
それは当然のことである。
だからより一層に安全に配慮し、走った。
そして、駅に着き降車している時に数人の乗客に言われた。
「お前のせいで電車に乗り継げなかった」
「トロ臭い運転手だな」
などと、ちょっとした嫌味だった。
為次は只「申し訳ありません」とだけ返すだけであった。
そんな、他愛のないことをふと思い返しながら言う。
「安全第一」
「ん?」
「マサが俺の乗客なら無事に送り届けるよ。でも、安全第一だ、遅れても苦情は受け付けない」
「ふふ、そうだな、俺もお前に必ず帰すと約束した。為次、お前は俺を送り届けてくれるんだな?」
「しょうがないけど、ま、そっちが俺の本職だからね。マサの大切な思いを運び屋しかできない俺に任せてもらえるのかな?」
「お前以上に信頼できる奴が居る分けないだろ! 行くぞ!」
「りょかーい!」
そして、二人は何となく楽しそうにレオパルト2に搭乗するのであった。
眼前の地獄を突破する為に……
県道58号と津保川を挟んで並行する旧道を、二人を乗せた戦車は走っていた。
美濃市を迂回し、敵に見つからないように山の中を走行して来たのだ。
夜が明けて太陽の光が辺りを照らし始める。
「ねむい……」
為次はポツリと呟いた。
それもそのはずである。
郡上の戦闘から逃げ延び、今まで一睡もしていないのだから。
「なあマサ。おーい、正秀さーん……」
返事がない……
木の陰に戦車を隠すように停車させ、面倒臭そうに車長席を覗き込んで見る。
「あー寝てますねぇ、一人だけ気持ち良さそうに。はぁ…… よくもまあ見つからずに、ここまで来れたもんだよ」
起こすのは可哀想だが、これから先は戦闘区域のど真ん中だ。
流石に索敵無しでは、やばいよなと思う。
そもそも正秀が起きてくれないと、攻撃すらままならない。
戦車を停めて、狭い車内を装填しに行って。
また車長席に移動してようやく砲撃できる。
そんなバカなことはしたくない。
だから、正秀の足を揺らしながら起こそうとする。
「おーい、朝だぞーさん」
何となくジョーク交じりに声をかけた。
「お…… なんだ? 像がどうしたって?」
やっと起きた正秀は、寝ぼけている様子だ。
「いや、像はどうでもいいけど、そろそろ起きてくれないかなー。もうすぐ山を抜けてゴルフ場地帯なのですよ」
眠い目を擦りながら車内を見渡すと、自分達の状況を思い出した。
「あ、ああ、寝てしまったか…… 悪かったな」
「いやいや全然かまいませんよ。何とか、ここまでは無事に来れたんだから問題ないかもねー」
「ふぁ~ぁ…… そうだなぁ」
「でもね、ここから先は多分、激戦区っぽいかも。だから、この先に行っても…… 生きてかえ……」
「おい!」
言い終わるのを阻むように叫ぶ正秀。
為次は少し驚いた様子だ。
「寝ていたのは悪かった、そうだな、ここからは俺の仕事だ」
「あ、そう」
「敵を蹴散らして、お前一人くらい連れて帰ってやるさ」
「そっか…… そりゃどうも、じゃあ帰えろっか」
少し笑ってみる為次であった。
※ ※ ※ ※ ※
しばらく進むとゴルフ場が見えてきた。
その先は山間部も終わり、美濃加茂市の平野が広がっている。
ゴルフ場付近の高台に停車させ、周辺を確認することにした。
「ちょっと降車して状況確認だ」
一応は階級が上の正秀が指示を出した。
「あ、はい」
降車した二人は街を見ると、至る所から煙が立ち昇っている。
遠くでは銃撃音や爆発音も聞こえてきた。
どうやら自衛隊と敵部隊が激しい戦闘を繰り広げている様子だ。
眼下の戦闘規模や、今まで戦闘を見かけなかったことで、そこが最前線であるのは容易に想像できた。
為次はなんだか投げ槍に言う。
「あー、派手にやってるねぇ」
「そうだな、だいぶ押されてるようだがな」
「数が違い過ぎるよ、郡上もそうだったけど」
「ああ」
「しかも、わざわざ美濃を迂回しったてのに、こっちでやってるとはねぇ」
「この美濃加茂が前線となると、この付近に敵後方部隊が居る分けか」
「んじゃあ、俺たち完全に身動きとれんってことだね」
「いやそうでもないぜ、さっき言っただろ?」
「え?」
「帰してやるって、もう忘れたのか?」
「あ、えと…… 忘れた分けじゃないけど……」
「けど、なんだよ?」
「せっかくここまで見つからずに来れたのに、下手に動いちゃったらさー」
正秀は返答を待たずに車内に潜ってしまう。
すると中からタブレットを取り出して来た。
「これを見な」
「ん?」
タブレットで地図を開き為次に見せる。
「いいか、まず俺達が居るのはここだ」
ゴルフ場の南辺りにある山を指しながら正秀は言った。
「うん」
「そして、ここからすぐ南にある工業団地だが。ここを敵が制圧し、拠点としてるようだな。自衛隊はその更に南にある坂祝中学のある小さい山を拠点として、応戦してる分けだ」
「まあ、だいたそんな感じね、ドローンもその辺に結構集まってるし」
「そうだな、それでだ、俺達の戦力はこのレオが一両」
正秀は繰り返すように言う。
「分かるか? 俺達にはレオパルト2が一両だ」
「分かってるってば」
「ほんとか?」
「あ、俺様のデザートイーグルもあるけどね」
「まあいい、そのは銃しまっとけ」
「はいはい」
「ふん、分かってないようだな…… いいか? このレオパルト2はNATO仕様のものだ。そして、この戦車は多くの国がドイツから輸入やライセンス生産して使っている。ところが、だ、日本には無い。自衛隊には配備されちゃいないんだ」
コン コン
ニヤリとしながら戦車を小突き更に続ける。
「そして今攻めてきている敵国にもだ」
それを聞いていた為次は不安で仕方なかった。
正秀の言いたいことが何となく理解できたから。
否、それ以前に分かっていた。
それは自分で言ったことなのだから。
『どうせこのままだと直ぐ見つかって殺されちゃうんだから、今でも後でも同じでしょ』
と……
そう、あの時は戦車を見つけたことで少し生き残れる希望が湧いたから。
だから、少しだけ強気で言えただけだ。
決して自分は楽観主義なんかではない。
ただ、考えたくないだけなのだ。
今まで散って逝った仲間ようになることを……
そんなことを考えたが、ふと気が付いた。
あの時……
後先も考えずに戦車を動かしてしまったのは、希望なんてものじゃない。
只々、逃げ出したい。
少しでも恐怖から逃げ出したい一心だったと。
だから、為次は返答に困った。
このままでは、正秀は敵陣中央突破をしてしまう。
それは認めたくはなかった。
不安と恐怖が包み込んだから。
「そ、そうだね……」
「だろ?」
「このレオパルト2なら、あそこでやってる戦闘の敵でも味方でもないかも」
「ああ、それなら必ず敵に隙もできるし、チャンスもある」
正秀は得意げに言い放ち、満足そうであった。
「味方にも撃たれるよ」
「その時は、その時だ」
「んな、むちゃな」
「お前の言った通りここに居たら、殺されてしまう。今か後かの違いに過ぎないさ」
「それは……」
「だから、この状況を打開するには隙を突いて、あそこを突破するしかない!」
それを聞くと不安と恐怖で今にも逃げ出したい為次に、後悔すらも襲ってくる。
「ふざけるな! む、無理に決まってるだろ!」
思わず叫んでしまった。
「怖いのか?」
「……あぁ、悪いのかっ!? どうせ俺は臆病者だっ!」
死への恐怖から、口調が荒くなってしまう。
そんな為次の様子を見る正秀は、おもむろにタブレットを操作し画面を見せる。
そこには髪の長い美しい女性の写真が表示されていた。
「な、なんだよ…… 誰? もしかして彼女?」
「そうだ、綺麗だろ?」
そう言った正秀は嬉しそうだが、何処となく寂しそうな表情でもあった。
「うん、いいね羨ましいよ」
それから正秀はポケットから小さな箱を出し、その箱を開いて見せた。
中には綺麗な指輪が入っている。
「何……?」
「婚約指輪だ、なかなか機会が無くてな、まだ渡せてない。いや、渡すチャンスはいくらでもあった、でもまだ渡せていない」
為次は何かを考える様に黙って聞いている。
「怖かったんだ、もし、断られたらと思うとな。俺のことを笑ってくれてもいいんだぜ、臆病者とな」
それを聞いた為次は、大きくため息をつきながら言う。
「……はぁ~。で、俺なんかに何をしろって?」
再び指輪を見せつける正秀。
「これを届けに行きたいんだ、バスの運転手さん」
為次は路線バスの運転手だった、戦争前は。
しかし、戦争が始まり徴兵された。
東京壊滅後、自衛隊は正式に軍隊とされた。
米軍が日本を含めアジア諸国から撤退したからである。
つい数ヶ月前の仕事を思い出す。
あれは駅に向かう途中だった。
自分の運転するバスは渋滞に巻き込まれ遅延が発生していた。
渋滞を抜け、その後は必死に走っても遅延が回復することは殆ど無い。
それよりも、慌てず無事に乗客を送り届けなければならない。
それは当然のことである。
だからより一層に安全に配慮し、走った。
そして、駅に着き降車している時に数人の乗客に言われた。
「お前のせいで電車に乗り継げなかった」
「トロ臭い運転手だな」
などと、ちょっとした嫌味だった。
為次は只「申し訳ありません」とだけ返すだけであった。
そんな、他愛のないことをふと思い返しながら言う。
「安全第一」
「ん?」
「マサが俺の乗客なら無事に送り届けるよ。でも、安全第一だ、遅れても苦情は受け付けない」
「ふふ、そうだな、俺もお前に必ず帰すと約束した。為次、お前は俺を送り届けてくれるんだな?」
「しょうがないけど、ま、そっちが俺の本職だからね。マサの大切な思いを運び屋しかできない俺に任せてもらえるのかな?」
「お前以上に信頼できる奴が居る分けないだろ! 行くぞ!」
「りょかーい!」
そして、二人は何となく楽しそうにレオパルト2に搭乗するのであった。
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