30 / 33
(6-4)
しおりを挟む◇
舞台発表の後、すぐに資材を撤収して、そのまま体育館で文化祭閉会式が始まった。
僕たち一年C組は文化祭最優秀賞を受賞した。
クラスのみんなに喜びと困惑が広がった。
「おい、委員長は?」
「まだ戻ってないよ」
賞状を受け取る立場の遠野がいないのだ。
「滝沢、行けよ」
「そうだ、おまえ行けよ」
みんなに押し出されて仕方なく僕が登壇した。緊張で手足が同時に出そうになる。
壇上で校長先生から賞状を受け取ると、全校生徒が拍手で僕たちのクラスを祝福してくれた。
壇を下りてクラスの列に戻ると、遠野と美来がいた。
「おそいよ」
遠野は照れくさそうに頭に手をやってうなずいた。おまえ、どこで何してたんだ?
衣装のままの美来は僕と目を合わせようとしない。
前に回り込んで賞状を見せると、顔を背ける。
「こっち見んな」
いい笑顔じゃないか、美来。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
夕立を連れてきたキミが虹のかなたへ消えてしまうまでに
犬上義彦
ライト文芸
高校生のカイトは、ゆるふわ髪の美少女と出会う。
魔法使いと名乗る彼女と心を通わせるうちに、彼は自分自身が抱えていた過去と向き合う。
同じ高校に通うチホは複雑な家庭環境が元で人と交流することができずに悩んでいた。
不思議なイケメン男子と出会ったことがきっかけで、自分の居場所を探し始める。
空に虹が架かる時、二人の運命が交差する。
鏡の中の世界とそこに映る自分の姿、そして、本当の自分とは。
傷ついた心の再生物語。
【完結】記憶喪失になってから、あなたの本当の気持ちを知りました
Rohdea
恋愛
誰かが、自分を呼ぶ声で目が覚めた。
必死に“私”を呼んでいたのは見知らぬ男性だった。
──目を覚まして気付く。
私は誰なの? ここはどこ。 あなたは誰?
“私”は馬車に轢かれそうになり頭を打って気絶し、起きたら記憶喪失になっていた。
こうして私……リリアはこれまでの記憶を失くしてしまった。
だけど、なぜか目覚めた時に傍らで私を必死に呼んでいた男性──ロベルトが私の元に毎日のようにやって来る。
彼はただの幼馴染らしいのに、なんで!?
そんな彼に私はどんどん惹かれていくのだけど……
後悔日記
戦国 卵白
ライト文芸
いつものように日記をつけようとした吉田 斗真は
すでに先のことが書かれているのに気づく。日記の内容どうりになっていく日々に確信する。
「智也が、危ない!!」
迫り来る運命に抗い、友人を救えるのか
三日分の未来の日記の真実とは
そして、智也の不審な動きの正体とは…
真実を知って何をなすのか、人間の選択の難解さを書いたヒューマンドラマ
探偵才能児の推理視カルテ
猫宮乾
ライト文芸
探偵福祉士という国家資格と、臨床犯罪推理士という学会認定の専門資格が生まれて早七年。※キャラミス風の設定ですが、トリック推理無です。ミステリ要素は、ほぼありません。舞台は2007年(平成)、架空の土地です。主人公が前向きになって友情などにより救済される場面が書きたくて書いています。
So long! さようなら!
設樂理沙
ライト文芸
思春期に入ってから、付き合う男子が途切れた事がなく異性に対して
気負いがなく、ニュートラルでいられる女性です。
そして、美人じゃないけれど仕草や性格がものすごくチャーミング
おまけに聡明さも兼ね備えています。
なのに・・なのに・・夫は不倫し、しかも本気なんだとか、のたまって
遥の元からいなくなってしまいます。
理不尽な事をされながらも、人生を丁寧に誠実に歩む遥の事を
応援しつつ読んでいただければ、幸いです。
*・:+.。oOo+.:・*.oOo。+.:・。*・:+.。oOo+.:・*.o
❦イラストはイラストAC様内ILLUSTRATION STORE様フリー素材
結婚相手は、初恋相手~一途な恋の手ほどき~
馬村 はくあ
ライト文芸
「久しぶりだね、ちとせちゃん」
入社した会社の社長に
息子と結婚するように言われて
「ま、なぶくん……」
指示された家で出迎えてくれたのは
ずっとずっと好きだった初恋相手だった。
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
ちょっぴり照れ屋な新人保険師
鈴野 ちとせ -Chitose Suzuno-
×
俺様なイケメン副社長
遊佐 学 -Manabu Yusa-
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
「これからよろくね、ちとせ」
ずっと人生を諦めてたちとせにとって
これは好きな人と幸せになれる
大大大チャンス到来!
「結婚したい人ができたら、いつでも離婚してあげるから」
この先には幸せな未来しかないと思っていたのに。
「感謝してるよ、ちとせのおかげで俺の将来も安泰だ」
自分の立場しか考えてなくて
いつだってそこに愛はないんだと
覚悟して臨んだ結婚生活
「お前の頭にあいつがいるのが、ムカつく」
「あいつと仲良くするのはやめろ」
「違わねぇんだよ。俺のことだけ見てろよ」
好きじゃないって言うくせに
いつだって、強引で、惑わせてくる。
「かわいい、ちとせ」
溺れる日はすぐそこかもしれない
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
俺様なイケメン副社長と
そんな彼がずっとすきなウブな女の子
愛が本物になる日は……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる