56 / 66
お風呂
しおりを挟む
「お風呂!お風呂に入らせて!」
樹なら気にならないが、自分のことは気になる。すること自体は嫌ではないが、綺麗な体でむかえたい。
「風呂ぉ?」
佑の胸のとがりをつまみながら、樹が嫌そうに顔をしかめる。
「んん……っ。僕汗かいてるし……」
「オレ気にしないけど?」
「僕が気になるの!お願いします」
しばらく黙っていた樹はおとなしく了承した。
「分かった」
佑はすぐさま立ち上がり、浴槽に湯をはり始める。手早くシャワーで済ませたいところだが、今夜も寒い。その間にと歯磨きをしていると、樹も隣に並んできた。
「予備の歯ブラシある?」
「どうぞ」
新しい歯ブラシの袋を破いて樹に差し出す。樹も歯磨き粉をつけて磨き始めた。
二人並んで歯磨きしているとなんだが、
「同棲してるみたいだな」
「!」
樹は佑が想像していたことと同じことを言った。
「オレはいつでもいいから」
冗談なのか本気なのか樹がウインクしてきた。
「ええと、あの……。それはそのうち……」
冗談として流そうかと思ったが、佑はしどろもどろで答えるのが精いっぱいだった。
歯磨きを終えて浴槽を覗くと、そこそこ溜まっていた。あとは体を洗ったりしているうちに適正量に溜まるだろう。
「あの、僕そろそろお風呂入るけど」
歯磨きを終えても出て行かない樹にさりげなく退室を促す。
だが樹は一向に退室しなかった。
「どうぞ?風呂入るならそうだよな。オレも脱ぐし」
「なんで樹も脱ぐの?」
「なんでって一緒に入るし」
「え?樹も入るなら僕後でいいから」
出て行こうとした腕をつかまれる。
「オレは早く触りたい。佑は風呂に入りたい。じゃあ一緒に入れば解決だろ」
「そう、かな?」
なんとなく言いくるめられた気がする。
「佑も納得したところでじゃ、脱いで。オレが脱がせようか?」
「自分で脱ぎます……」
「あー泡風呂の入浴剤買って来ればよかった。買っておくから今度一緒に入ろ、佑」
「あ、泡風呂!?」
女の子や男女のカップルが使うのには違和感がなさそうだが、……それは男同士で使うものなんだろうか。
脱いだスーツを丁寧にたたんで脱衣かごに入れる。緩慢な動きながらも順調に脱いでいた佑だったが、上半身が裸になったところで動きを止める。
「やっぱオレが脱がせようか?」
衣服を取り去った樹が、佑をじろじろ眺める。
「だ、大丈夫!」
ズボンを脱ぎパンツに手をかけて佑はゆっくりと脱いだ。
「……うう」
電気がついた中、見られながら服を脱ぐというのはかなりの羞恥を伴うものなのだ、と佑は初めて知った。
「あんまり……見ないで」
自分のだらんとした貧相なものを手で隠す。
「どうせ後で見るんだけど?」
樹はからかうような口調で言ったが、無理に見ようとはしなかった。もちろん樹は隠していない。それだけ立派なら隠す必要はない。むしろ自慢したいだろう、と佑はうらやましく思う。
樹なら気にならないが、自分のことは気になる。すること自体は嫌ではないが、綺麗な体でむかえたい。
「風呂ぉ?」
佑の胸のとがりをつまみながら、樹が嫌そうに顔をしかめる。
「んん……っ。僕汗かいてるし……」
「オレ気にしないけど?」
「僕が気になるの!お願いします」
しばらく黙っていた樹はおとなしく了承した。
「分かった」
佑はすぐさま立ち上がり、浴槽に湯をはり始める。手早くシャワーで済ませたいところだが、今夜も寒い。その間にと歯磨きをしていると、樹も隣に並んできた。
「予備の歯ブラシある?」
「どうぞ」
新しい歯ブラシの袋を破いて樹に差し出す。樹も歯磨き粉をつけて磨き始めた。
二人並んで歯磨きしているとなんだが、
「同棲してるみたいだな」
「!」
樹は佑が想像していたことと同じことを言った。
「オレはいつでもいいから」
冗談なのか本気なのか樹がウインクしてきた。
「ええと、あの……。それはそのうち……」
冗談として流そうかと思ったが、佑はしどろもどろで答えるのが精いっぱいだった。
歯磨きを終えて浴槽を覗くと、そこそこ溜まっていた。あとは体を洗ったりしているうちに適正量に溜まるだろう。
「あの、僕そろそろお風呂入るけど」
歯磨きを終えても出て行かない樹にさりげなく退室を促す。
だが樹は一向に退室しなかった。
「どうぞ?風呂入るならそうだよな。オレも脱ぐし」
「なんで樹も脱ぐの?」
「なんでって一緒に入るし」
「え?樹も入るなら僕後でいいから」
出て行こうとした腕をつかまれる。
「オレは早く触りたい。佑は風呂に入りたい。じゃあ一緒に入れば解決だろ」
「そう、かな?」
なんとなく言いくるめられた気がする。
「佑も納得したところでじゃ、脱いで。オレが脱がせようか?」
「自分で脱ぎます……」
「あー泡風呂の入浴剤買って来ればよかった。買っておくから今度一緒に入ろ、佑」
「あ、泡風呂!?」
女の子や男女のカップルが使うのには違和感がなさそうだが、……それは男同士で使うものなんだろうか。
脱いだスーツを丁寧にたたんで脱衣かごに入れる。緩慢な動きながらも順調に脱いでいた佑だったが、上半身が裸になったところで動きを止める。
「やっぱオレが脱がせようか?」
衣服を取り去った樹が、佑をじろじろ眺める。
「だ、大丈夫!」
ズボンを脱ぎパンツに手をかけて佑はゆっくりと脱いだ。
「……うう」
電気がついた中、見られながら服を脱ぐというのはかなりの羞恥を伴うものなのだ、と佑は初めて知った。
「あんまり……見ないで」
自分のだらんとした貧相なものを手で隠す。
「どうせ後で見るんだけど?」
樹はからかうような口調で言ったが、無理に見ようとはしなかった。もちろん樹は隠していない。それだけ立派なら隠す必要はない。むしろ自慢したいだろう、と佑はうらやましく思う。
10
お気に入りに追加
469
あなたにおすすめの小説
男子寮のベットの軋む音
なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。
そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。
ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。
女子禁制の禁断の場所。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話
みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。
数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる