51 / 66
男同士のやり方
しおりを挟む「え? 何やそれ。もしかして、彼氏にやられたん?」
「大した事ないんです。彼、カッとなると周りが見えなくなっちゃって。腕掴まれて、たまたまテーブルの角にぶつけて。でもその後ちゃんと謝ってくれて、私の事手当してくれたんです」
「はぁ?」
莉奈は捲っていた服を元に戻した。
「他の男の事、ニコニコしながら話すなって怒られて。彼氏、今年に入ってから、大学やバイトで忙しくてストレス溜まってるみたいで。私も気を付けてはいるんですけど、どうやったら彼氏の機嫌を損ねずに付き合って行けるのかなーって思って、ちょっと悩んじゃって」
「そういう怪我って、これが初めてなん?」
莉奈は笑ったまま何も言わなかったから、察した。
たまたまぶつけたって言ってるけど、これってDVってやつ?
暴力振る側は、だいたいあとから優しくなってもうしないと言うから、振るわれた方はそれを信じて何度されても許してしまうとネットに書いてあった。
俺は目を細めて莉奈を見る。
「……その彼氏、莉奈のスマホチェックとかしとるんやないやろうな?」
「してますよ! なんで分かるんですか?」
俺は無言でアイスコーヒーを啜ってからはっきりと告げた。
「あんなぁ莉奈。そんな彼氏もう別れた方がええで?」
莉奈はそれを聞いた途端、目を見開いて反論した。
「えっ! な、なんでですか。私凄く好きなんですよ、彼氏の事! たまにキレちゃうのは嫌だなって思う時もありますけど、それ以外は本当に優しくていい人なんですよ! どうやって気を付けていったらいいかのアドバイスをくださいよ」
「気を付けるも何も、いくら恋人でも人のスマホチェックなんかせーへんで? それにそんな怪我、今回が初めてやないんやろ? そんなんおかしいで。気に入らん事あるからって暴力振るう男なんて、ろくな男じゃあらへんよ……」
「ゆきちゃんを悪く言わないでください!」
莉奈がテーブルを叩くと、その場にいた莉奈以外の人は全員息を呑んだ。
莉奈はハッとして、恥ずかしそうに背中を丸めてストローに口を付けていた。
「大した事ないんです。彼、カッとなると周りが見えなくなっちゃって。腕掴まれて、たまたまテーブルの角にぶつけて。でもその後ちゃんと謝ってくれて、私の事手当してくれたんです」
「はぁ?」
莉奈は捲っていた服を元に戻した。
「他の男の事、ニコニコしながら話すなって怒られて。彼氏、今年に入ってから、大学やバイトで忙しくてストレス溜まってるみたいで。私も気を付けてはいるんですけど、どうやったら彼氏の機嫌を損ねずに付き合って行けるのかなーって思って、ちょっと悩んじゃって」
「そういう怪我って、これが初めてなん?」
莉奈は笑ったまま何も言わなかったから、察した。
たまたまぶつけたって言ってるけど、これってDVってやつ?
暴力振る側は、だいたいあとから優しくなってもうしないと言うから、振るわれた方はそれを信じて何度されても許してしまうとネットに書いてあった。
俺は目を細めて莉奈を見る。
「……その彼氏、莉奈のスマホチェックとかしとるんやないやろうな?」
「してますよ! なんで分かるんですか?」
俺は無言でアイスコーヒーを啜ってからはっきりと告げた。
「あんなぁ莉奈。そんな彼氏もう別れた方がええで?」
莉奈はそれを聞いた途端、目を見開いて反論した。
「えっ! な、なんでですか。私凄く好きなんですよ、彼氏の事! たまにキレちゃうのは嫌だなって思う時もありますけど、それ以外は本当に優しくていい人なんですよ! どうやって気を付けていったらいいかのアドバイスをくださいよ」
「気を付けるも何も、いくら恋人でも人のスマホチェックなんかせーへんで? それにそんな怪我、今回が初めてやないんやろ? そんなんおかしいで。気に入らん事あるからって暴力振るう男なんて、ろくな男じゃあらへんよ……」
「ゆきちゃんを悪く言わないでください!」
莉奈がテーブルを叩くと、その場にいた莉奈以外の人は全員息を呑んだ。
莉奈はハッとして、恥ずかしそうに背中を丸めてストローに口を付けていた。
11
お気に入りに追加
479
あなたにおすすめの小説

男子寮のベットの軋む音
なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。
そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。
ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。
女子禁制の禁断の場所。


久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。




ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる