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二章 スピード婚と結婚生活
アンセル様にお願い
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男爵家から戻ると、アンセル様はまた忙しい日々に戻った。
アンセル様は基本的にお忙しいので、丸一日顔を合わせないことも多い。朝は私よりも早く起きて、夜は私が寝てから帰ってくる。自分でも妻失格だと思う。
せめて夜は仕事で疲れて帰ってきたアンセル様をお出迎えしたいと、ソファーで本を読みながら待っていることにしたのだけれど、いつの間にか寝てしまっているようで、気づいたらベッドの中でいつも朝を迎えている。(もちろんアンセル様はもういない)
帰宅したアンセル様がベッドに運んでくれているようだ。本はしおりを挟んでサイドテーブルに置いてくれている。
数日そういうことが続くと、
「待ちたいならベッドにしろ。ソファーで風邪をひいたらどうする」
とアンセル様の書置きがあったので、ベッドで本を読んで待つことにした。まあ結果は同じなんだけど。
「アンセル様が起きたら、私も起こしてください。夜戻られた時も寝ていたら、私を起こしてください」
とアンセル様にお願いしたけど、
「君は仕事に行かないのだから、わざわざ起きる必要はない」
とすげなく断られてしまった。眠ければ午睡するから大丈夫なのに。
そもそも自分で起きればいい話なんだけど……。フェンリルに起こしてもらうようにお願いしようかな。
一日休みというのもあまりないので、少なくとも私よりも睡眠時間が短いし、きちんと休めているのかお体が心配だ。
会社のお手伝いは出来ないけれど、伯爵の仕事は私がまたするようにすればアンセル様の負担が減るのではと思い提案したのだけれど、それも断られてしまった。
そんなにお仕事が好きなのかな……。
アンセル様が心配な私は、フェンリルに相談してみることにした。
湯あみの後、丁寧に髪に香油をすりこんでくれているフェンリルに、
「アンセル様きちんと休めている?お疲れじゃないか心配なの」
私の言葉にフェンリルはふう、とため息をついた。
「仕事人間なんですよね。アンセル様。起業される前は、そのための勉強をずっと根をつめてなさっていましたし。今はお若いから何とでもなるんでしょうけど、いくら進言しても聞き入れてくださらなくて、私たちも心配しているところなんです」
どうやら使用人たちの間でも、アンセル様の仕事人間っぷりは心配されているらしい。
少し考え込んだフェンリルは、何か思いついたようにあ、と声をあげた。
「プリシラ様が『プリシラ、アンセル様とお出かけしたいな♪』っておねだりすればすぐ休みますよ☆」
「え……」
どうやらフェンリルは、相思相愛のラブラブカップルで、しかもアンセル様はメロメロで私のお願いなら何でも聞いてくれると思っている節がある。
(というか自分のこと名前で呼ばないし……)
そう思ってくれていたほうが平穏というか、何かと円滑にいくので、アンセル様が否定されないならいいか、と私からは何も言わないようにしている。確かに物はなんならお願いしなくても何でもくださるけど。
ものすごくむずがゆいのよね……。
「そ、そうかしら……」
「そうですよ!アンセル様はプリシラ様をすごく大事に思われていますよ!何でも買ってくださいますし。宝石やドレスなんか、そこらへんの小国のお姫様並みですよ!」
フェンリルが食いつき気味に言ってきた。
うん。それは私も思ってるけど。
フェンリルの期待に応えられなかったらものすごく申し訳ない。でも、アンセル様が心配なのは確かだし、やるだけやってみよう。
私は心の中でこぶしを握った。
自室で本を読んでいると、窓の外から馬車の音がした。
(アンセル様だ!)
珍しく普段よりは早く帰ってきたらしい。
私は本にしおりを挟むと、階段をかけおりて急いで玄関ホールに向かった。ホールに着くと、ちょうどアンセル様が入ってきたところだった。
「おかえりなさいませ。アンセル様」
「プリシラ」
アンセル様は私の姿を認めると、軽く目を見開いてから小さく微笑んだ。
「走ってきたのか」
「馬車の音が聞こえたので、急いできました」
アンセル様は私の頭をそっと撫でて、
「走らなくていい。転んだらどうする」
「すみません」
心配してくれているようだ。
アンセル様は使用人たちのほうを見ると、はっとした顔になって私の頭から手を離した。
控えていたビリーに言い放つ。
「食事は寝室に用意してくれ」
「かしこまりました」
仰々しくビリーが頭を下げる。
私とアンセル様が寝室に戻ってしばらくして、ビリーが食事を運んできた。
食事を給仕し終えると、
「失礼いたします」
と頭を下げて退室する。
私の食事は済んだので、アンセル様の隣に座っているけどお茶だけだ。
「アンセル様、お願いがあるんです」
「服か?宝石か?靴か?なんでも言え」
アンセル様は優雅にナイフとフォークを操ってステーキを切りながら、鷹揚に言った。
「ええと、ドレスなどは過分にもういただいてますので、十分です。
そうではなくて、お仕事お忙しいですよね。しばらく休まれていないようですが」
「僕の代理を務められるやつがいないから休めない」
「そうですか……。一緒にお出かけがしたかったんですけど」
予想通り断られて、私はしゅん、としょげてしまう。
仕事のことは私には分からないから、代われる方がいなければ仕方ないのかなぁ。
「休めないなら、せめてもう少し睡眠時間を確保してほしいです」
と言おうとする前に、アンセル様が口を開いた。
「近いうちに休みを取る」
心なしか赤くなった顔をそらして、ナイフとフォークを動かす手が止まっている。
(ど、どうしたのかしら。急にお熱でも出たんじゃないといいけど)
「え、でもお仕事は大丈夫ですか?」
休んでくれると言っているのに、急にアンセル様が意見を翻したので、思わず心配になってしまった。
「大丈夫だ。代わりを探す」
「そうですか」
アンセル様が断言したので、私はほっと安堵した。
(お仕事の調整できるのかしら?この際もっとお願いしてみよう)
「できれば週に一回くらいはお休みしてください。あと夜一緒に眠れるくらいに帰ってきてくださると嬉しいです。できたら一緒にお食事も取りたいです。朝は私が頑張ります」
このお願いを聞いてくれれば、アンセル様のお体の心配があまりなくなる。
アンセル様は顔を押さえてうつむいていたが、しばらくして顔を上げた。上げた顔はもうきりっとしたいつものアンセル様だ。
「善処する。そう言えばまったく君にかまっていなかったな。すまない」
夫婦の交流と言えばたまに顔を合わせた時に会話したり、アンセル様が早く帰宅したときに夫婦の営みをしたり、とその程度だった。
普通の妻なら怒るかもしれないけど、私は所詮代理の妻だから、そんなに気を使ってくださらなくてもいいのに。でも、とても嬉しい。
「そう言えばプリシラは社交界デビューしていないのだったな?」
「ああ、はい」
そう言えば以前話の流れで、アンセル様にそのことを言ったかもしれない。
「幼い頃はお茶会なんかも行ったんですが、なぜか年頃になったら家から出ないよう父に言われまして。普通年頃になったらむしろ社交するように言われますよね?
だから私、友達もいなくて。両親が亡くなってからはウォルトがうるさかったですし、そもそもそのような暇もなかったですし」
家庭教師に一応ダンスの指導は受けていて、「筋がいいですね」と褒められたのだけれど、披露する機会がなくて残念だった。教師も残念そうだった。自分の生徒が社交界で出来のいい姿を披露すると、教師の鼻も高いらしい。
「……行きたいか?」
「いいんですか?!」
私は思わず食いつき気味に答えた。アンセル様は頷きながら、
「仮面舞踏会に招待されていて、まだ返事をしていないのだが、君が行きたいのなら行ってもいい。ただ僕から絶対離れないと誓え」
「はい。アンセル様」
私はこくりと頷いた。
(心配性ね。アンセル様)
街中なんかならともかく、会場の中は警備もいるはずだからそんなに危険はないのに。
舞踏会にいけるなら、それくらい何でもない。
アンセル様は基本的にお忙しいので、丸一日顔を合わせないことも多い。朝は私よりも早く起きて、夜は私が寝てから帰ってくる。自分でも妻失格だと思う。
せめて夜は仕事で疲れて帰ってきたアンセル様をお出迎えしたいと、ソファーで本を読みながら待っていることにしたのだけれど、いつの間にか寝てしまっているようで、気づいたらベッドの中でいつも朝を迎えている。(もちろんアンセル様はもういない)
帰宅したアンセル様がベッドに運んでくれているようだ。本はしおりを挟んでサイドテーブルに置いてくれている。
数日そういうことが続くと、
「待ちたいならベッドにしろ。ソファーで風邪をひいたらどうする」
とアンセル様の書置きがあったので、ベッドで本を読んで待つことにした。まあ結果は同じなんだけど。
「アンセル様が起きたら、私も起こしてください。夜戻られた時も寝ていたら、私を起こしてください」
とアンセル様にお願いしたけど、
「君は仕事に行かないのだから、わざわざ起きる必要はない」
とすげなく断られてしまった。眠ければ午睡するから大丈夫なのに。
そもそも自分で起きればいい話なんだけど……。フェンリルに起こしてもらうようにお願いしようかな。
一日休みというのもあまりないので、少なくとも私よりも睡眠時間が短いし、きちんと休めているのかお体が心配だ。
会社のお手伝いは出来ないけれど、伯爵の仕事は私がまたするようにすればアンセル様の負担が減るのではと思い提案したのだけれど、それも断られてしまった。
そんなにお仕事が好きなのかな……。
アンセル様が心配な私は、フェンリルに相談してみることにした。
湯あみの後、丁寧に髪に香油をすりこんでくれているフェンリルに、
「アンセル様きちんと休めている?お疲れじゃないか心配なの」
私の言葉にフェンリルはふう、とため息をついた。
「仕事人間なんですよね。アンセル様。起業される前は、そのための勉強をずっと根をつめてなさっていましたし。今はお若いから何とでもなるんでしょうけど、いくら進言しても聞き入れてくださらなくて、私たちも心配しているところなんです」
どうやら使用人たちの間でも、アンセル様の仕事人間っぷりは心配されているらしい。
少し考え込んだフェンリルは、何か思いついたようにあ、と声をあげた。
「プリシラ様が『プリシラ、アンセル様とお出かけしたいな♪』っておねだりすればすぐ休みますよ☆」
「え……」
どうやらフェンリルは、相思相愛のラブラブカップルで、しかもアンセル様はメロメロで私のお願いなら何でも聞いてくれると思っている節がある。
(というか自分のこと名前で呼ばないし……)
そう思ってくれていたほうが平穏というか、何かと円滑にいくので、アンセル様が否定されないならいいか、と私からは何も言わないようにしている。確かに物はなんならお願いしなくても何でもくださるけど。
ものすごくむずがゆいのよね……。
「そ、そうかしら……」
「そうですよ!アンセル様はプリシラ様をすごく大事に思われていますよ!何でも買ってくださいますし。宝石やドレスなんか、そこらへんの小国のお姫様並みですよ!」
フェンリルが食いつき気味に言ってきた。
うん。それは私も思ってるけど。
フェンリルの期待に応えられなかったらものすごく申し訳ない。でも、アンセル様が心配なのは確かだし、やるだけやってみよう。
私は心の中でこぶしを握った。
自室で本を読んでいると、窓の外から馬車の音がした。
(アンセル様だ!)
珍しく普段よりは早く帰ってきたらしい。
私は本にしおりを挟むと、階段をかけおりて急いで玄関ホールに向かった。ホールに着くと、ちょうどアンセル様が入ってきたところだった。
「おかえりなさいませ。アンセル様」
「プリシラ」
アンセル様は私の姿を認めると、軽く目を見開いてから小さく微笑んだ。
「走ってきたのか」
「馬車の音が聞こえたので、急いできました」
アンセル様は私の頭をそっと撫でて、
「走らなくていい。転んだらどうする」
「すみません」
心配してくれているようだ。
アンセル様は使用人たちのほうを見ると、はっとした顔になって私の頭から手を離した。
控えていたビリーに言い放つ。
「食事は寝室に用意してくれ」
「かしこまりました」
仰々しくビリーが頭を下げる。
私とアンセル様が寝室に戻ってしばらくして、ビリーが食事を運んできた。
食事を給仕し終えると、
「失礼いたします」
と頭を下げて退室する。
私の食事は済んだので、アンセル様の隣に座っているけどお茶だけだ。
「アンセル様、お願いがあるんです」
「服か?宝石か?靴か?なんでも言え」
アンセル様は優雅にナイフとフォークを操ってステーキを切りながら、鷹揚に言った。
「ええと、ドレスなどは過分にもういただいてますので、十分です。
そうではなくて、お仕事お忙しいですよね。しばらく休まれていないようですが」
「僕の代理を務められるやつがいないから休めない」
「そうですか……。一緒にお出かけがしたかったんですけど」
予想通り断られて、私はしゅん、としょげてしまう。
仕事のことは私には分からないから、代われる方がいなければ仕方ないのかなぁ。
「休めないなら、せめてもう少し睡眠時間を確保してほしいです」
と言おうとする前に、アンセル様が口を開いた。
「近いうちに休みを取る」
心なしか赤くなった顔をそらして、ナイフとフォークを動かす手が止まっている。
(ど、どうしたのかしら。急にお熱でも出たんじゃないといいけど)
「え、でもお仕事は大丈夫ですか?」
休んでくれると言っているのに、急にアンセル様が意見を翻したので、思わず心配になってしまった。
「大丈夫だ。代わりを探す」
「そうですか」
アンセル様が断言したので、私はほっと安堵した。
(お仕事の調整できるのかしら?この際もっとお願いしてみよう)
「できれば週に一回くらいはお休みしてください。あと夜一緒に眠れるくらいに帰ってきてくださると嬉しいです。できたら一緒にお食事も取りたいです。朝は私が頑張ります」
このお願いを聞いてくれれば、アンセル様のお体の心配があまりなくなる。
アンセル様は顔を押さえてうつむいていたが、しばらくして顔を上げた。上げた顔はもうきりっとしたいつものアンセル様だ。
「善処する。そう言えばまったく君にかまっていなかったな。すまない」
夫婦の交流と言えばたまに顔を合わせた時に会話したり、アンセル様が早く帰宅したときに夫婦の営みをしたり、とその程度だった。
普通の妻なら怒るかもしれないけど、私は所詮代理の妻だから、そんなに気を使ってくださらなくてもいいのに。でも、とても嬉しい。
「そう言えばプリシラは社交界デビューしていないのだったな?」
「ああ、はい」
そう言えば以前話の流れで、アンセル様にそのことを言ったかもしれない。
「幼い頃はお茶会なんかも行ったんですが、なぜか年頃になったら家から出ないよう父に言われまして。普通年頃になったらむしろ社交するように言われますよね?
だから私、友達もいなくて。両親が亡くなってからはウォルトがうるさかったですし、そもそもそのような暇もなかったですし」
家庭教師に一応ダンスの指導は受けていて、「筋がいいですね」と褒められたのだけれど、披露する機会がなくて残念だった。教師も残念そうだった。自分の生徒が社交界で出来のいい姿を披露すると、教師の鼻も高いらしい。
「……行きたいか?」
「いいんですか?!」
私は思わず食いつき気味に答えた。アンセル様は頷きながら、
「仮面舞踏会に招待されていて、まだ返事をしていないのだが、君が行きたいのなら行ってもいい。ただ僕から絶対離れないと誓え」
「はい。アンセル様」
私はこくりと頷いた。
(心配性ね。アンセル様)
街中なんかならともかく、会場の中は警備もいるはずだからそんなに危険はないのに。
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