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番外編 バレンタインの甘い夜 1
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ちょこちょこ書いていましたが、バレンタインに遅刻しました……!
★★★
ランバートと結婚してしばらくたつが、結婚生活はいたって平穏でものすごく幸せだ。基本的にランバートはクールだが、ときに過剰すぎる愛情を注いでくれるため、貴族にありがちな浮気の心配も一切ない。
心配事のないエリオノールは、今日ものんびりとお茶を楽しみながら読書にいそしんでいた。
友人から借りた、外国の翻訳された恋愛小説を読んでいるのだが、なかなか面白い。バレンタインといえば、この国では男性から女性にプレゼントをするものだが、遠く東の国では、女性から男性にチョコレートを渡すのが一般的らしい。
そういえばもうすぐ結婚して初めてのバレンタインだ。
「すごいわ」
エリオノールは本を読みながら、ふむふむとうなづいた。親の決めた相手と結婚することが当たり前。自分が好きになった相手に気持ちを伝えることは男女ともにほとんどないと言っていい。ましてや女性から男性に告白するなど、とんでもない勇気だ。とてもエリオノールにはまねできない。
すでに恋人同士や夫婦であっても女性から渡すのが常らしい。
ランバートはすでに夫で、すれ違いはあったものの、今ではお互い相思相愛。もしエリオノールが渡したとすれば、彼から拒絶される心配はないものの、ランバートからは示してくれる愛情を、エリオノールから渡すことはめったにない。いわゆる行為の最中で頭が真っ白になっているときくらい。改めて気持ちを伝えるなど気恥ずかしい。
自分もされて嬉しいのだから、ランバートもまっすぐに愛情を示したなら喜んでくれるはず。彼に甘えているのは分かっている。
「……喜ぶ……わよね」
幾度か料理を振る舞ったことがある。とてもじゃないが自分でも食べたくないほどまずいとか美味しくないというレベルではなく、卵の殻など異物が混入していたりと食べたら害がありそうなものなのに喜んでくれる。きっとどんなにひどい出来だったとしても、チョコレートも喜んでくれるだろう。
でもどうせなら、喜んでくれるものを渡したい。今度こそ。
バレンタイン当日。
エリオノールは綺麗にりぼんのかかった箱を手に、ランバートの部屋の前をうろうろしていた。
夕食の後ゆっくりとくつろいでいるタイミングを狙ったが、いざとなるとふんぎりがつかない。
「やっぱり部屋で一人で食べようかしら……」
諦めたエリオノールは、自分の部屋に戻ることにした。
踵を返した途端、
「君、さっきから何をしているの?」
いきなり部屋の扉が開き、あきれ顔のランバートが顔をのぞかせた。
「きゃあ!」
驚いたエリオノールは、飛び上がって悲鳴をあげる。
「ランバート、ど、どうして私がここにいることに気づいたの? はっ、分かった。あなた透視できるの!?」
以前そのような超能力を持つ人の本を読んだ。小説だったが、公にしていないだけで、実際にいたとしても不思議ではない。それが自分の夫だなんて衝撃を隠せないが。そうでなくては分厚い扉がしまっているというのに、部屋にいたランバートが、廊下にいたエリオノールに気づくはずがない。
エリオノールは大きくうなづいた。
「大丈夫。私、誰にも言わないわ。安心してちょうだい。正直みんなに自慢がしたくてたまらないけれど……。あ、もしかして私がドレスを着ていても裸が見えるってこと!? やだー、それは恥ずかしいわ! ランバート、私と一緒にいるときは目をつぶっていてちょうだい! ていうか他の女の子の裸を見るのもダメだから、人がいるときはいつも目をつぶっていて!」
ランバートは呆れた顔のままで、否定も肯定もしなかった。
「君って想像力が突飛なんだな。知らなかったよ。小説でも書いたら? ……ん?」
かがんだランバートが、何かを拾い上げる。
「何だこれ」
「あ、それはだめなの!」
先ほど驚かされたせいで、落としてしまったらしい。
エリオノールの手の届かない高さに持ち上げられたそれを、ぴょんぴょん飛び跳ねて慌てて取り返そうとするが、全く届かない。ランバートの手を掴んで引っ張り降ろそうとするが、力ではかなわない。
「ここで話すのもなんだから、部屋においで」
「え、きゃっ!」
部屋に引っ張り込まれ、ソファーに座らされる。正確に言えばソファーに座ったランバートの膝の上だ。子どもでもあるまいし恥ずかしすぎる。
「これ開けていい? ていうか開けるね。どうせオレのでしょ?」
「え、あ、ちょ」
エリオノールの返事も待たず、ランバートは器用にするするとりぼんや包装紙を床に落とし、開けていく。
「あー……」
包んであったのはチョコレートだった。味と品質には自信がある。なぜなら幾度練習しても上手くいかず、これは結局街の有名な菓子店で購入したものなので。
「そういえば東の国ではバレンタインに、女性から男にチョコレートを渡すって聞いたな。へぇー。君がオレにね」
小箱に小さなハートが並んでいる。可愛らしい装飾のされたチョコレートをしみじみと眺めるランバート。
「ちょ、ちょっと何となく気が向いただけよ! いらなかったらわたしが食べるからいいわよ」
「いらないなんて誰も言ってない」
ランバートは一つ手に取って、自分の口の中に放り込んだ。
「うん。まあまあだな。はい、君も食べたら?」
エリオノールの口にも一つ押し込んでくる。
「んっ。うんー! ものすごーく美味しい!」
まあまあどころか、有名菓子店のパティシエが腕をふるっただけあり、絶品だ。これがまあまあだなんて、ランバートは舌が肥えすぎている。
たった一つのチョコレートは、あっという間に口の中でとけてしまった。
エリオノールは余韻をなごりおしんだ。こんなにおいしいのなら二つ買えばよかった。有名菓子店なだけあって値段がはったので、つい遠慮してしまった。
「ふっ。そんなに気に入ったなら、全部君にあげるよ。一つはもらったし」
よほどなごりおしい顔をしていたのか、吹き出したランバートが、箱ごと残りのチョコレートを差し出してきた。
「ええー!? いいのー? なんだか悪いわね。でも一つは渡したんだしいいわよね! あなたがそこまで言うなら断るのも悪いしもらうわ」
エリオノールは形だけちゅうちょして受け取った。ここで遠慮なくもらうのがエリオノールだ。
「んんー、おいしい!」
チョコレートを口に入れて、頬をほころばせる。
そんなエリオノールを、ランバートはほほえましく眺める。
「こんなにおいしいチョコくれるなんて、あなたは奇特な人よね」
「ここのチョコより、もっといいチョコもらったから」
ランバートがテーブルの上に視線を落とした。エリオノールもその視線の先を追うと、
「んぐっ」
思わずチョコレートをのどにつまらせそうになった。
皿に盛られていたのは、エリオノールが作った失敗作のチョコレートの山。確かにメイドに処分を頼んだはずなのだが。目の前にあったというのに、それどころでなかったので、まったく気がつかなかった。
「ど、どうしてここに! ていうかていうか、食べたのー!?」
「湯あみが終わった後、何か飲もうと厨房のぞいたら置いてあった。見ただけで誰が作ったか一目でわかったし。食べたよ」
「お腹壊すから食べない方がいいわよ!」
試食をしたところ、とてもではないがお世辞でも美味しいものではなかった。チョコレートを溶かして固めるだけのもっとも簡単そうなレシピを料理長に聞き、試したのだが。材料がチョコレートだけなので、混入する異物がなかっただけが幸いだが、チョコが分離したり焦げたりと様々な失敗をしてしまった。
「個性的な味だけど、オレはそのお綺麗なチョコよりこっちのほうが好きだよ。だって、オレのために一生懸命作ってくれたんだろ」
「んっ……まあそうだけど。……たまにはランバートに私の作った美味しいもの食べさせたいんだもの」
「そうだな。オレは気にならないけど、エレンが気にするなら。じゃあ今度は一緒に作ってみようか」
「いいの? うん。じゃあランバートがお休みの日に一緒に作りましょう!」
エリオノールは嬉しさのあまり、ランバートの首元に抱きついた。ランバートが頬を赤らめる。
「ごめんなさい。苦しかった?」
ぱっと離れると、ランバートは小さく咳ばらいをした。
「そういうわけじゃないんだけど」
「あ、そういえば。渡すときに言いたかったことがあるの」
「うん」
エリオノールはランバートの夜着の袖を引いた。一生のうちで一番ではないか、というほどの勇気を出した。
上目づかいで、小さな声で絞り出すように、それでもなんとか伝える。
「……好きよ。ランバート。いつも素直に言えないけど、愛してる。いつも素直に言えなくてごめんなさい」
「……君って子は」
ため息をついたランバートは、エリオノールをぎゅうっと力強く抱きしめた。エリオノールの肩に額をぐりぐりと押し当ててくる。
だから表情はうかがい知ることができず、推し量るしかなかったが、その甘い声音から喜んでいることが分かった。
★★★
ランバートと結婚してしばらくたつが、結婚生活はいたって平穏でものすごく幸せだ。基本的にランバートはクールだが、ときに過剰すぎる愛情を注いでくれるため、貴族にありがちな浮気の心配も一切ない。
心配事のないエリオノールは、今日ものんびりとお茶を楽しみながら読書にいそしんでいた。
友人から借りた、外国の翻訳された恋愛小説を読んでいるのだが、なかなか面白い。バレンタインといえば、この国では男性から女性にプレゼントをするものだが、遠く東の国では、女性から男性にチョコレートを渡すのが一般的らしい。
そういえばもうすぐ結婚して初めてのバレンタインだ。
「すごいわ」
エリオノールは本を読みながら、ふむふむとうなづいた。親の決めた相手と結婚することが当たり前。自分が好きになった相手に気持ちを伝えることは男女ともにほとんどないと言っていい。ましてや女性から男性に告白するなど、とんでもない勇気だ。とてもエリオノールにはまねできない。
すでに恋人同士や夫婦であっても女性から渡すのが常らしい。
ランバートはすでに夫で、すれ違いはあったものの、今ではお互い相思相愛。もしエリオノールが渡したとすれば、彼から拒絶される心配はないものの、ランバートからは示してくれる愛情を、エリオノールから渡すことはめったにない。いわゆる行為の最中で頭が真っ白になっているときくらい。改めて気持ちを伝えるなど気恥ずかしい。
自分もされて嬉しいのだから、ランバートもまっすぐに愛情を示したなら喜んでくれるはず。彼に甘えているのは分かっている。
「……喜ぶ……わよね」
幾度か料理を振る舞ったことがある。とてもじゃないが自分でも食べたくないほどまずいとか美味しくないというレベルではなく、卵の殻など異物が混入していたりと食べたら害がありそうなものなのに喜んでくれる。きっとどんなにひどい出来だったとしても、チョコレートも喜んでくれるだろう。
でもどうせなら、喜んでくれるものを渡したい。今度こそ。
バレンタイン当日。
エリオノールは綺麗にりぼんのかかった箱を手に、ランバートの部屋の前をうろうろしていた。
夕食の後ゆっくりとくつろいでいるタイミングを狙ったが、いざとなるとふんぎりがつかない。
「やっぱり部屋で一人で食べようかしら……」
諦めたエリオノールは、自分の部屋に戻ることにした。
踵を返した途端、
「君、さっきから何をしているの?」
いきなり部屋の扉が開き、あきれ顔のランバートが顔をのぞかせた。
「きゃあ!」
驚いたエリオノールは、飛び上がって悲鳴をあげる。
「ランバート、ど、どうして私がここにいることに気づいたの? はっ、分かった。あなた透視できるの!?」
以前そのような超能力を持つ人の本を読んだ。小説だったが、公にしていないだけで、実際にいたとしても不思議ではない。それが自分の夫だなんて衝撃を隠せないが。そうでなくては分厚い扉がしまっているというのに、部屋にいたランバートが、廊下にいたエリオノールに気づくはずがない。
エリオノールは大きくうなづいた。
「大丈夫。私、誰にも言わないわ。安心してちょうだい。正直みんなに自慢がしたくてたまらないけれど……。あ、もしかして私がドレスを着ていても裸が見えるってこと!? やだー、それは恥ずかしいわ! ランバート、私と一緒にいるときは目をつぶっていてちょうだい! ていうか他の女の子の裸を見るのもダメだから、人がいるときはいつも目をつぶっていて!」
ランバートは呆れた顔のままで、否定も肯定もしなかった。
「君って想像力が突飛なんだな。知らなかったよ。小説でも書いたら? ……ん?」
かがんだランバートが、何かを拾い上げる。
「何だこれ」
「あ、それはだめなの!」
先ほど驚かされたせいで、落としてしまったらしい。
エリオノールの手の届かない高さに持ち上げられたそれを、ぴょんぴょん飛び跳ねて慌てて取り返そうとするが、全く届かない。ランバートの手を掴んで引っ張り降ろそうとするが、力ではかなわない。
「ここで話すのもなんだから、部屋においで」
「え、きゃっ!」
部屋に引っ張り込まれ、ソファーに座らされる。正確に言えばソファーに座ったランバートの膝の上だ。子どもでもあるまいし恥ずかしすぎる。
「これ開けていい? ていうか開けるね。どうせオレのでしょ?」
「え、あ、ちょ」
エリオノールの返事も待たず、ランバートは器用にするするとりぼんや包装紙を床に落とし、開けていく。
「あー……」
包んであったのはチョコレートだった。味と品質には自信がある。なぜなら幾度練習しても上手くいかず、これは結局街の有名な菓子店で購入したものなので。
「そういえば東の国ではバレンタインに、女性から男にチョコレートを渡すって聞いたな。へぇー。君がオレにね」
小箱に小さなハートが並んでいる。可愛らしい装飾のされたチョコレートをしみじみと眺めるランバート。
「ちょ、ちょっと何となく気が向いただけよ! いらなかったらわたしが食べるからいいわよ」
「いらないなんて誰も言ってない」
ランバートは一つ手に取って、自分の口の中に放り込んだ。
「うん。まあまあだな。はい、君も食べたら?」
エリオノールの口にも一つ押し込んでくる。
「んっ。うんー! ものすごーく美味しい!」
まあまあどころか、有名菓子店のパティシエが腕をふるっただけあり、絶品だ。これがまあまあだなんて、ランバートは舌が肥えすぎている。
たった一つのチョコレートは、あっという間に口の中でとけてしまった。
エリオノールは余韻をなごりおしんだ。こんなにおいしいのなら二つ買えばよかった。有名菓子店なだけあって値段がはったので、つい遠慮してしまった。
「ふっ。そんなに気に入ったなら、全部君にあげるよ。一つはもらったし」
よほどなごりおしい顔をしていたのか、吹き出したランバートが、箱ごと残りのチョコレートを差し出してきた。
「ええー!? いいのー? なんだか悪いわね。でも一つは渡したんだしいいわよね! あなたがそこまで言うなら断るのも悪いしもらうわ」
エリオノールは形だけちゅうちょして受け取った。ここで遠慮なくもらうのがエリオノールだ。
「んんー、おいしい!」
チョコレートを口に入れて、頬をほころばせる。
そんなエリオノールを、ランバートはほほえましく眺める。
「こんなにおいしいチョコくれるなんて、あなたは奇特な人よね」
「ここのチョコより、もっといいチョコもらったから」
ランバートがテーブルの上に視線を落とした。エリオノールもその視線の先を追うと、
「んぐっ」
思わずチョコレートをのどにつまらせそうになった。
皿に盛られていたのは、エリオノールが作った失敗作のチョコレートの山。確かにメイドに処分を頼んだはずなのだが。目の前にあったというのに、それどころでなかったので、まったく気がつかなかった。
「ど、どうしてここに! ていうかていうか、食べたのー!?」
「湯あみが終わった後、何か飲もうと厨房のぞいたら置いてあった。見ただけで誰が作ったか一目でわかったし。食べたよ」
「お腹壊すから食べない方がいいわよ!」
試食をしたところ、とてもではないがお世辞でも美味しいものではなかった。チョコレートを溶かして固めるだけのもっとも簡単そうなレシピを料理長に聞き、試したのだが。材料がチョコレートだけなので、混入する異物がなかっただけが幸いだが、チョコが分離したり焦げたりと様々な失敗をしてしまった。
「個性的な味だけど、オレはそのお綺麗なチョコよりこっちのほうが好きだよ。だって、オレのために一生懸命作ってくれたんだろ」
「んっ……まあそうだけど。……たまにはランバートに私の作った美味しいもの食べさせたいんだもの」
「そうだな。オレは気にならないけど、エレンが気にするなら。じゃあ今度は一緒に作ってみようか」
「いいの? うん。じゃあランバートがお休みの日に一緒に作りましょう!」
エリオノールは嬉しさのあまり、ランバートの首元に抱きついた。ランバートが頬を赤らめる。
「ごめんなさい。苦しかった?」
ぱっと離れると、ランバートは小さく咳ばらいをした。
「そういうわけじゃないんだけど」
「あ、そういえば。渡すときに言いたかったことがあるの」
「うん」
エリオノールはランバートの夜着の袖を引いた。一生のうちで一番ではないか、というほどの勇気を出した。
上目づかいで、小さな声で絞り出すように、それでもなんとか伝える。
「……好きよ。ランバート。いつも素直に言えないけど、愛してる。いつも素直に言えなくてごめんなさい」
「……君って子は」
ため息をついたランバートは、エリオノールをぎゅうっと力強く抱きしめた。エリオノールの肩に額をぐりぐりと押し当ててくる。
だから表情はうかがい知ることができず、推し量るしかなかったが、その甘い声音から喜んでいることが分かった。
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