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第四章 勝てる戦いを実行する
デジタルシフト
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ある住宅会社が売上を伸ばしている。
理由は、WEBを上手に活用した、
いわゆるデジタルマーケティングが
功を奏しているからだ。
会社の顔となるホームページ(HP)
のリニューアルを筆頭に
リアルなイベントと組み合わせた
WEBマーケティングやSNSの活用
など新規獲得の工夫は無論、
既存のお客様専用サイトを立ち上げ
様々なWEBコミュニケーションを
通して、紹介も増えているという。
実は2ヶ月に一度、達社長も出席する
部門横断型の営業作戦会議で、
住宅事業課長から報告された事例
である。
「イベントで展示場へ集客する
それ以外のやり方を
もっと検討したいです」
もっともだと達社長は感じている。
「うちも少しはやっているが、
あまり成果が出てないじゃないか」
役員の一人から声があがる。
確かに、ホームページは改修し、
検索結果で自社サイト露出を
増やす、SEO対策
(Search Engine Optimization)
やWEB広告もそれなりに
やってはいるが、残念ながら
成果がでているとは言い難い。
「片手間では
ダメだと思うのです」
珍しく、総務課長が口を挟んだ。
「何か考えがあるなら
教えてください」
建築部長である。
総務課長は立ち上がった。
「若手中心の専任チームをつくり、
WEBパートナー企業の見直し含め、
本格的に取り組んでは
いかがでしょうか」
「予算だって、本当は
もっと必要なのだと思います」
「それと」
言いにくそうにする、総務課長
「遠慮なく言って下さい。
作戦検討会議なのですから」
達社長、助け船を出した。
「はい。建設分野もこの際、
WEBマーケティングを検討すべき
だと思います」
総務課長、意を決したかのような
提言である。
「建設はちょっと違うだろう」
ベテラン専務である。
確かに、
住宅のような個人相手ではなく、
建設の場合、法人顧客が中心である。
それゆえ、
紹介者の存在や人脈などが、
受注において、大きな要因に
なっているのも事実である。
「いや」
建築部長も立ち上がった。
「確かに、専務のおっしゃる通り
住宅とは違います。しかし、
少なくとも建築分野はトライ
すべきかなと考えていました」
聞くと、
ある地方に
建築部長の知人の老舗建設会社で
社員が毎日書く個人ブログ×
地域メディア取材を上手に
組み合わせることで、
引き合いがとれ始めている
そうなのだ。
「リードが月1.2件あるようです」
「リードって?」
専務から質問が飛ぶ。
「見込み顧客のことです」
答えたのは、総務課長
「住宅と建設は違います」
「でも街づくり起点なら、一体で
発信できるのではないでしょうか」
建築部長は、語気を強めた。
「デジタルマーケティングが
企業の命運を左右する
かもしれません」
住宅事業課長の言葉に頷くもの
上を向くもの、腕組みし目を瞑るもの
各人各様、様々な対応が、
一筋縄では行かない
ことを予感させる。
「住宅事業課長、来月の経営会議に
やり方や体制案を提案して下さい」
デジタルシフト。
私達は変われるのだろうか?
少し不安な達社長であった。
理由は、WEBを上手に活用した、
いわゆるデジタルマーケティングが
功を奏しているからだ。
会社の顔となるホームページ(HP)
のリニューアルを筆頭に
リアルなイベントと組み合わせた
WEBマーケティングやSNSの活用
など新規獲得の工夫は無論、
既存のお客様専用サイトを立ち上げ
様々なWEBコミュニケーションを
通して、紹介も増えているという。
実は2ヶ月に一度、達社長も出席する
部門横断型の営業作戦会議で、
住宅事業課長から報告された事例
である。
「イベントで展示場へ集客する
それ以外のやり方を
もっと検討したいです」
もっともだと達社長は感じている。
「うちも少しはやっているが、
あまり成果が出てないじゃないか」
役員の一人から声があがる。
確かに、ホームページは改修し、
検索結果で自社サイト露出を
増やす、SEO対策
(Search Engine Optimization)
やWEB広告もそれなりに
やってはいるが、残念ながら
成果がでているとは言い難い。
「片手間では
ダメだと思うのです」
珍しく、総務課長が口を挟んだ。
「何か考えがあるなら
教えてください」
建築部長である。
総務課長は立ち上がった。
「若手中心の専任チームをつくり、
WEBパートナー企業の見直し含め、
本格的に取り組んでは
いかがでしょうか」
「予算だって、本当は
もっと必要なのだと思います」
「それと」
言いにくそうにする、総務課長
「遠慮なく言って下さい。
作戦検討会議なのですから」
達社長、助け船を出した。
「はい。建設分野もこの際、
WEBマーケティングを検討すべき
だと思います」
総務課長、意を決したかのような
提言である。
「建設はちょっと違うだろう」
ベテラン専務である。
確かに、
住宅のような個人相手ではなく、
建設の場合、法人顧客が中心である。
それゆえ、
紹介者の存在や人脈などが、
受注において、大きな要因に
なっているのも事実である。
「いや」
建築部長も立ち上がった。
「確かに、専務のおっしゃる通り
住宅とは違います。しかし、
少なくとも建築分野はトライ
すべきかなと考えていました」
聞くと、
ある地方に
建築部長の知人の老舗建設会社で
社員が毎日書く個人ブログ×
地域メディア取材を上手に
組み合わせることで、
引き合いがとれ始めている
そうなのだ。
「リードが月1.2件あるようです」
「リードって?」
専務から質問が飛ぶ。
「見込み顧客のことです」
答えたのは、総務課長
「住宅と建設は違います」
「でも街づくり起点なら、一体で
発信できるのではないでしょうか」
建築部長は、語気を強めた。
「デジタルマーケティングが
企業の命運を左右する
かもしれません」
住宅事業課長の言葉に頷くもの
上を向くもの、腕組みし目を瞑るもの
各人各様、様々な対応が、
一筋縄では行かない
ことを予感させる。
「住宅事業課長、来月の経営会議に
やり方や体制案を提案して下さい」
デジタルシフト。
私達は変われるのだろうか?
少し不安な達社長であった。
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