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第三章 先ずチームを創る
働き方をカイカクする②
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現場の働き方カイカク。
大方針は、
「現場でやらなくても
良い仕事は、現場から外す」
である。
「言うは易し、するは難し」
なぜなら、それは
組織改革であり、
現場を預かる責任者の価値観の
転換すら求められるからだ。
先の経営会議で、
購買・積算専門部署の設置は
承認されたが、
大掛かりな組織改革ゆえ、
実施は、
今年10月すなわち4ヶ月後にした
そこで、この間を利用して、
実際の現場の働き方を見える化
することにした。
組織改革の効果がどれだけあるか?
これを事前に測るためでもあるが
不透明とも言える現場の実態を
明らかにしたい。
これが達社長の本音である。
実は、現場作業を簡単に計測できる
ソフトがあると知ったことが大きい。
「現場を動かすには、データが必要」
建築部長からの提案である。
経営会議で承認をとり、
プロジェクト方式で、現場作業の
見える化に挑むことを決定した。
プロジェクトリーダーは
建築部長である。
プロジェクトキックオフ当日。
達社長は、冒頭一言コメントした。
「会社として、
腹をくくってやる覚悟です」
「ぜひ、ご協力ください」
皆神妙に聞いていたが
なぜか、建築部長は
浮かない顔をしていた。
社長が退出したあと
プロジェクトチームは、
最初の課題にとりかかった。
テーマは3つ
測定する現場と
作業分析項目の決定。
そして、
全体スケジュールの確定である。
どの現場を測定するかは、
簡単に決まったが、
分析項目をどうするかは
少し手間どった。
例えば「施工確認」一つとっても
墨だし、足場から内装造作や
吹き付け工事まで、さまざまな
「施工確認」があるからだ。
建築部長は
「目的は現場でやる業務が
どれだけあるか?を知ることだ」
として、約30程度に収まるよう
項目を整理した。
すなわち、
写真撮影や施工確認、
積算業務、検査などの現場対応から
図面チェックや
安全関係書類作成
などの事務業務
打ち合わせや会議などの
ミーティング業務、
そして、
休憩や食事などの休息まで、
4部類32の分析項目である。
最後に、スケジュールを決め
終了しようとした時、
あるプロジェクトメンバー
から質問が飛んだ。
「本当のことを
書く(データ化する)のですね」
皆が一斉に質問した
彼の顔をみた。
「よくぞ聞いてくれた」
そんな表情である。
時間外労働の実態は奥が深い。
そのグレーゾーンでも、
明らかにするのか?
との質問である。
建築部長ははっきりと
「冒頭社長から、
腹をくくってやる
と言われた通りです」
「梯子を外すことは
絶対にありません」
しかし、疑心暗鬼。
そんな雰囲気を払拭出来ず、
プロジェクト一回目は終了した。
その晩。
建築部長から社長に
プロジェクト一回目の
報告がなされた。
「作業項目やスケジュールの大枠は
無事決まりました」
「そうかありがとう。いよいよだね」
「ところで」
達社長が話題を変えようとした時、
「しかし」
建築部長が話しを遮るように、
早口で話し始めた。
「皆、本当の作業時間を記録して
大丈夫かと不安がってます」
「グレーな残業だって
あるからです」
タイムカード必ずしも実態ならず
そういう事なのだろう。
達社長怯むことなく
「ミーティング冒頭話した通りだ」
そう言って建築部長を真っ直ぐに
見つめた。
「わかりました」
「働き方改革に必ず繋げます」
「パンドラの箱を開ける」
プロジェクト。
いよいよスタートである。
大方針は、
「現場でやらなくても
良い仕事は、現場から外す」
である。
「言うは易し、するは難し」
なぜなら、それは
組織改革であり、
現場を預かる責任者の価値観の
転換すら求められるからだ。
先の経営会議で、
購買・積算専門部署の設置は
承認されたが、
大掛かりな組織改革ゆえ、
実施は、
今年10月すなわち4ヶ月後にした
そこで、この間を利用して、
実際の現場の働き方を見える化
することにした。
組織改革の効果がどれだけあるか?
これを事前に測るためでもあるが
不透明とも言える現場の実態を
明らかにしたい。
これが達社長の本音である。
実は、現場作業を簡単に計測できる
ソフトがあると知ったことが大きい。
「現場を動かすには、データが必要」
建築部長からの提案である。
経営会議で承認をとり、
プロジェクト方式で、現場作業の
見える化に挑むことを決定した。
プロジェクトリーダーは
建築部長である。
プロジェクトキックオフ当日。
達社長は、冒頭一言コメントした。
「会社として、
腹をくくってやる覚悟です」
「ぜひ、ご協力ください」
皆神妙に聞いていたが
なぜか、建築部長は
浮かない顔をしていた。
社長が退出したあと
プロジェクトチームは、
最初の課題にとりかかった。
テーマは3つ
測定する現場と
作業分析項目の決定。
そして、
全体スケジュールの確定である。
どの現場を測定するかは、
簡単に決まったが、
分析項目をどうするかは
少し手間どった。
例えば「施工確認」一つとっても
墨だし、足場から内装造作や
吹き付け工事まで、さまざまな
「施工確認」があるからだ。
建築部長は
「目的は現場でやる業務が
どれだけあるか?を知ることだ」
として、約30程度に収まるよう
項目を整理した。
すなわち、
写真撮影や施工確認、
積算業務、検査などの現場対応から
図面チェックや
安全関係書類作成
などの事務業務
打ち合わせや会議などの
ミーティング業務、
そして、
休憩や食事などの休息まで、
4部類32の分析項目である。
最後に、スケジュールを決め
終了しようとした時、
あるプロジェクトメンバー
から質問が飛んだ。
「本当のことを
書く(データ化する)のですね」
皆が一斉に質問した
彼の顔をみた。
「よくぞ聞いてくれた」
そんな表情である。
時間外労働の実態は奥が深い。
そのグレーゾーンでも、
明らかにするのか?
との質問である。
建築部長ははっきりと
「冒頭社長から、
腹をくくってやる
と言われた通りです」
「梯子を外すことは
絶対にありません」
しかし、疑心暗鬼。
そんな雰囲気を払拭出来ず、
プロジェクト一回目は終了した。
その晩。
建築部長から社長に
プロジェクト一回目の
報告がなされた。
「作業項目やスケジュールの大枠は
無事決まりました」
「そうかありがとう。いよいよだね」
「ところで」
達社長が話題を変えようとした時、
「しかし」
建築部長が話しを遮るように、
早口で話し始めた。
「皆、本当の作業時間を記録して
大丈夫かと不安がってます」
「グレーな残業だって
あるからです」
タイムカード必ずしも実態ならず
そういう事なのだろう。
達社長怯むことなく
「ミーティング冒頭話した通りだ」
そう言って建築部長を真っ直ぐに
見つめた。
「わかりました」
「働き方改革に必ず繋げます」
「パンドラの箱を開ける」
プロジェクト。
いよいよスタートである。
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