後継社長奮闘す

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第三章 先ずチームを創る

何をやるかは誰がやるかに大きく左右される

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サービス業も意識しよう。
そんな折、ある成功した
二代目リゾート経営者の話しを
聞く機会があった。

西洋式リゾートと
日本的な和を融合させた
新たな事業スタイルで革新をおこす、
ある意味、話題の経営者でもある。

同社の優れた戦略もさることながら

達社長にとって印象的だったのは
転換期のチームづくりに
ついての話しであった。

実は同社、最初から成功してきた
訳ではないと言う。
新たな事業スタイル確立に向け
数々の改革を試みたのだが、
むしろ当初は、
失敗の連続だったそうである。

理由は、様々だが、突き詰めるなら
「従来のやり方への郷愁」から
抜けられない幹部陣の声なき抵抗。

一言でいえば、
「抵抗勢力」
ここに最大の課題がある。 

そうリゾート会社の社長は
判断したようだ。

「抵抗勢力か、ありそうな話しだな」
達社長は、
自社の社員を思い浮かべながら
話しを聞いていた。

話しをリゾート会社に戻そう

静かなる抵抗を受け、改革が進まない
リゾート会社二代目社長。
ここで、思い切った策に打って出た。

なんと営業日を休日にして、
数日間缶詰め形式による
合宿キャンプを実施。

ビジョンについて、
徹底的に討議することにしたのだ。

結論から言えば、
キャンプというプロセスを通じ、
ビジョンに対する社長の覚悟と
意味や意義が幹部陣に徐々に浸透。

改革が軌道に乗り出したそうだ。

ただし、ここが大切なのだが、
残念ながら、参加幹部の数名は、
キャンプ実施後、
会社を去っていったという。

表向きの理由は
「純日本式のおもてなし」
を追及したい。

しかし、真因を言えば
「社長の考え方に共鳴できない」
にあったようだ。

是非ではなく、好きか嫌いか。

ビジョンとは
そういうものかもしれない。

だからこそ
「何をやるかは、
誰がやるかに大きく左右される」

掲げたビジョンが、
思いどおりに進まないなら

戦略以前の人心掌握や価値観共有に
課題があると考えるべきでは?

リゾート会社社長からの
実体験に基づく示唆である。

「元気な街をつくる」

「掲げたビジョンを、幹部陣は、
納得し、自分のものに
してくれているのだろうか?」

正直、不安は募るばかりだった。

そこで、
「ビジョン共感のチームづくり 
のスタートになる合宿」 
をやろう。

講演会終了直後
達社長は、総務課長に電話し
合宿スケジュールの調整を
依頼した。

何でも「直ぐやる」
達社長の真骨頂とも言える。

電話口の総務課長

「月内にやるんですか?」
いつも冷静な彼も、さすがに
驚いた様子だった。

「そうしたい。頼みます。」

「忙しい最中に・・」
きっとそう言われるだろう。

しかし、
「戦略推進の前に、
ビジョン共有チームをつくる」
これは譲れない。

何をやるかより、誰がやるかの方が
大切な時が、あるのだから。

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