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第三話「須川」
3-5 玩具 ※
しおりを挟むちゅばっちゅばっじゅぱっ、じゅるるるッッ!!
「―――ん…」
美果は聞きなれない妙なその音を不思議に思った。
意識が浮上していく。それと同時に、自分の両胸が乱暴に揉みしだかれていることに気がついた。
目を開けると、視界にパーカーのフードをかぶった誰かの頭が見えた。その人物は一心不乱に美果の両胸を揉み、じゅぱじゅぱと音を立てて彼女の乳首に吸いついていた。
「ひっ、嫌ぁ!!」
思わず叫んで飛び起きようとしたが、美果は両腕を何かに引っ張られて再び倒れてしまった。
「おい、暴れるなよブス」
先ほど美果にスタンガンをあてた男である。相変わらず目深にフードをかぶっているが、先ほどの黒いマスクは外れていた。
男はギロリと美果を睨むと、ベッドに倒れた彼女の両乳房を再びぐにゅぐにゅと揉みだした。
「や、やっ、やだっ! やめて!」
がちゃんがちゃん、と鈍い金属音が響く。美果が暴れても両腕は頭の上から降りてこなかった。驚いて頭上を見ると、美果の両手首はファーの付いた手錠が装着され、ベッドヘッドの向こう側で何かに固定されているようだった。
美果が力いっぱい引っ張ってもビクともしない。
「お前見た目によらず意外とおっぱいでかいな」
男は感心したように言うと、美果の乳房を掴んで左右にぶるぶると振った。随分と弄られたのか、男の唾液で濡れた美果の両乳首はぴんと立ち上がっていた。
「援交してるわりにココの色薄いみたいだし」
「ひっ、痛、噛まないで!」
男は美果の立ち上がった乳首に歯を立て、引っ張った。
美果が逃げようともがいても、両腕も両足も拘束されていて全く解けそうにない。
男は痛がる美果の反応を見て気を良くしたようで、噛んでいない方の乳房を思い切り掴んだ。
「あぅ、い、痛い…やめて」
暴れる美果の乳首から口を離すと、男は興奮したように美果を見下ろした。
「それが人に物を頼む態度なの?」
男はなおも美果の乳房をかなり強い力で掴んでいる。美果は小さく唸りながらどうにか言葉を改めた。
「痛いから…や、やめて下さい、お願いします」
「わがままな奴、自分の立場分かってんの?」
男は言いながら再び美果の乳房を両手で掴み、むにゅむにゅと揉みしだく。よほど感触が気に入ったのか、男の目線は揺られる美果の両乳房に釘付けである。
「僕はお前を罰する為にやってるんだ、そう簡単に許してもらえるとか思わないでよ」
「…?」
美果は怪訝な顔をした。そもそもこの男が何者なのかいまいち分からない。
「お前は大罪を犯したんだ、僕から恋人を奪い、その上援助交際に手を出してるんだから」
「こ、恋人が誰のことだかわらないですけど、援助交際は誤解です、私は脅されて…」
「黙れよ尻軽クソビッチ!」
「きゃあっ!」
ぱん、と男の平手が飛んできた。
そこまで強い力ではなかったが、美果は驚いて固まってしまった。
「僕の恋人の宮間沙織ちゃんだ! お前が急に現れて彼女をそそのかしたせいで、僕は…!!!」
「ひっ」
握りこぶしを向けてきた男に、美果は目をつむって顔を背けた。顔のすぐ横に拳が落とされる。衝撃で美果の寝かされているベッドが弾み、身体が揺れた。わざと拳が落ちる位置をずらしたのだとは思われるが、あまりの恐ろしさに美果は身体を震わせた。
「この手錠も、この道具も、全部沙織ちゃんに使うはずだったのに…手錠だって痛くないようにファー付いてるやつ買ったのにさ…」
男は今度は心底悲しそうな声で言いながら、拘束している美果の手首を撫でた。
「沙織…先輩?」
美果はこの男を知っている。そしてこの男の正体を、もうすぐそこまで思い出しかけていた。
ぱさりと男のパーカーのフードが後ろに落ちる。
「あっ」
微妙に隠れていた顔全体をはっきりと見た美果は、男の正体を思い出して思わず呟いていた。
「もしかして、須川火加留」
「…は?」
ぴたりと須川の動きが止まった。美果の腹の上に跨ったまま、須川は怪訝な目つきで彼女を見下ろした。
「お前、何で僕の名前知ってんの?」
「あ…いえ、その」
美果は冷や汗を流しながら目を泳がせた。
何度もループするこの世界で、美果は今回助けたうちの一人、宮間沙織に援助交際を申し込んできたストーカー男である須川のことをようやく思い出した。
(てっきり沙織先輩を説得して援助交際の話がなくなれば、もう現れないんだと思ってた…)
そもそも美果は須川の事はあまりよく知らない。顔もほんの一、二回ちらりと見た程度でこんなに近寄ったことはなかったのだ。ただ、いつもフードとマスクで顔を隠し、やや猫背気味の若い男だということ。そして、この若干の目つきの悪さと、ひどい隈が印象的だったのだ。
その程度の知識しかないはずだというのに、これもループを重ねた結果なのか、なぜか美果は被害に会う女性達と加害者の男達の最低限の容姿や名前を自信を持って言えるのである。
「変だな…身バレしないように動画の投稿だって顔出ししないでやってたし、本名だって流出チェックしてんだけど」
須川はぶつぶつつぶやきながら美果の乳房に再び手を伸ばした。美果が身体をよじって拒絶しても、その二つの膨らみを難なく捕まえると再びむにゅむにゅと揉みだした。
「もしかして僕のリアルストーカー? うわ、気持ち悪いな」
「ち、違います!」
自分を棚に上げて須川は嫌そうに美果を見下ろした。その割には美果の乳房から手を離さない。
「へえ…僕の情報って結構自慢のセキュリティで守ってるんだけど」
「やっ、揉まないで」
彼女の桜色の乳首を指の間に挟みながら、須川は嫌がる美果の言葉を無視して揉み続ける。指に挟まれて揺れる美果の小さな乳首に目は釘付けだ。
「お前ブスで馬鹿で援交ビッチな上に気持ち悪いけど」
酷い言いようである。
「…いい体してるよな」
須川は興奮して息を弾ませながらそうつぶやくと、ごくりと唾を飲み込んだ。
***
このマンションは振動や騒音には特別に配慮して作られていた。
階上階下や隣室の住人のやり取りなど、どれほど聞き耳を立てた所で生活音などは一切聞こえない。それゆえに家賃も高額であった。
須川は内見をした瞬間からこの部屋を気に入り、数年前にこの3LDKの部屋を購入した。その時の価格で六千万円と少しという値段だったにも関わらず、須川は一括で支払いを済ませていた。
独身の一人暮らしには広すぎる物件に思った不動産業の担当者だったが、須川は物を溜め込む習性があるため、その広さは彼にはちょうど良かったのだ。
そして宮間沙織を見つけた時に色々と調べて購入し、そのまま未使用の空き部屋に放置されていた道具を持ち出すと、須川は実に楽しそうに美果の身体を堪能していた。
「―――ぁっ、あ、あっ、あ、あっっ」
須川の寝室のダブルベッドの上で、身動きが出来ないように寝かされた美果の切ない声が小刻みに響いていた。
―――ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴッッッ!!!!!!!!!!
ショーツの上から電マを充てられ、美果の秘部が刺激されていた。
「ふ、うぅ、あっ、あっ、やめっ」
―――ヴーッヴーッヴーッヴーッヴーッ!!!
さらにぷくりと立ち上がった美果の両胸の突起には可愛らしい丸みを帯びたクリップが装着されており、こちらも小さな振動音を立てながら小刻みに揺れている。
「気持いい? どうなの? 感想言ってよ」
興味津々といった感じで須川は聞いてきた。頬を赤らめ目をギラギラさせながら、楽しそうに美果のショーツの中心に電マを宛て続けている。
「やめ、て、やめて、下さいっ」
「やめてじゃ分かんないんだけど」
須川は電マのボタンを弄ると、六段階のうちの四まで振動を強めた。
「いっ、やだっ、やだ、やだっ!」
美果が身体を震わせた。涙声になりながら足を閉じようともがくが、足も腕と同じく手錠を着けられているため閉じることは出来ない。
「イッちゃう、イ、イッちゃう、やめて、やっ、あ、あ、あ、あっっっ!!!」
美果の全身がビクビクビクッと震え、僅かに身体が弓なりになった。
はあはあはあ、と荒い息を吐きながらベッドに体を沈め、ぐったりとした美果を須川は黙って見続けた。
「…イったよな、お前、今僕にイカされたよな?」
「………違い、ます」
美果は涙で潤んだ瞳をきゅっと閉じると、ふいっと首を横に向けて力なく否定した。瞳に溜まっていた涙がぽとぽととシーツに落ちた。
「…そっか、女何てやっぱりこんなもんだよな、玩具一つですぐにアクメするんだな!」
「…」
美果にはアクメが何のことかは分からないが、恐らく絶頂のことだと文脈から理解した。それと同時にとても恥ずかしくなる。
「もうこれで、終わりにしてください…」
「馬鹿言わないでよ、まだパンツも脱いでないじゃん、こっからが本番何だからしっかりしろよな」
須川は鋏を取り出した。ぎょっとして逃げようと足掻く美果のショーツを掴むと容赦なく切り裂いた。
「やだっ、やめてっっ、見ないでぇ!!!」
必死に足を閉じようと、美果は内ももに力を入れる。しかしそんな抵抗などいとも容易く撥ね退けると、須川は美果の両足を大きく開かせた。
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