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第一章 始動! 恋愛研究会
ミヤコくん! 実はつおい……?
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その日の授業から、今までとはちょっとだけ違った内容に変わる。
それは、体育の授業が本格化されていく。
「うげぇ、運動は……」
着替えを終えて体育館に集合すると、晴香があからさまに嫌な顔になっていた。
「本当に運動嫌いなんだね」
「嫌いも何も、できれば一生やりたくないね。どうやって跳び箱って飛べるの?」
いや、それを私に聞かれても、運動は苦手だが嫌いではない。
万年クラスでも目立つ活躍をしてこないので、この学園でもそうなるだろう。
ちなみに、中学の時の部活動はソフトテニス部であったが、途中から選手というより、マネージャー的なポジションに移っていく。
それが不満と聞かれると、答えはNOで、マネージャーも凄く楽しく選手のサポートができるのは、やりがいもあって楽しかった。
練習もたまに混ざって楽しく過ごせたので、コレと言ってソフトテニスに悪い想い出はない。
最後の試合が終わったときは、全員で泣いて、私もお疲れ様と皆に言ってもらえた。
「でも、合同なんだね体育って」
二つのクラスで行われる体育、AクラスとBクラス。そして、私のCクラスとDクラスが合同で球技や陸上競技を行っていく。
そして、今日は初めての合同体育、バドミントン・バレー・バスケットの三種目から選んで行う。
「陽は何にするの?」
「えっと、バドミントンかな? 一応ソフトテニス経験あるし」
「えぇ‼ どうしよう。もう! お願い陽、私にもバドミントン教えて、とりあえず、どうやったらシャトルに当たるかからだけど」
そ、それは教えるが大変そうだ。 私だって、上手くはないけれど、友だちが困っているなら、教えてあげたい。
それに晴香は身長もあるから、スマッシュとか上手になると絶対に強そうだ。
秋の球技大会はダブルスで出場したいなぁ、って今から考えてしまう。
バスケットは別の小さな体育館で行われ、メインの大きい体育館ではバレーとバドミントンが行われた。
ラケットを準備し、準備体操を終えて、先生から注意事項を聞いて開始する。
特にやることはなく、皆で楽しくやるだけで、最初は交流が目的だと言っていた。
「お? あれって、ミヤコくんだろ?」
ストレッチを終えて、ラケットを器用にクルクルと回している晴香が教えてくれる。
「え? あぁ、うん、そうそう、彼だよ」
バレーのコートでクラスの男子たちと一緒になってストレッチを行っていた。
スラっとのびた身長はバスケでもバレーでも有利だろう。
「だぁ! 無理‼」
開始十五分で、晴香が倒れて弱音を吐いた。
「い、意外……南部さんって」
相手も同じクラスの女子で、お互いダブルスで試合形式で練習をすることになったが、晴香にシャトルが飛ぶたびに、ブンッ‼ と、勢いよく振っては、豪快に空振りをしている。
最初は相手も驚いたが、段々とこちらを心配するような表情に変わり、最終的には晴香のことを応援しながら、全員で練習する形になった。
「む、無理……」
それでも、一回もラケットに触れることなく、空気を斬る音だけがひたすら続き、ついに彼女は倒れ、天を仰いでいる。
いや、体力も無さすぎるでしょうと、思ったが、そこは言わないでいた。
「でも、晴香ってフォームも持ち方も完璧なのに、なんで当たらないんだろうね?」
「それは私が訊きたいよ」
「ゆっくり振ってみたら? 何かわかるかもしれない」
こちらの提案に頷いて答えてくれたが、もう少し休ませてと言われ、その間に三人でバドミントンをやることにした。
球技経験者が私だけなので、こちらが一人でも十分にラリーが続き、よい運動にもなる。
だけど、流石に疲れてしまい。 私も彼女と一緒になって小休止することにした。
「凄いね陽って」
「そう? 別にそんなに凄くないけれど」
私たちがいたコートに、別のダブルスが入って試合形式で練習が行われ始めた。
「ごめんね」
「ん? 何が?」
「いや、別に」
晴香が言いたいことは、なんとなくわかる。
でも、謝ることじゃないし、私も気にしていなかった。
それ以上に彼女には助けられているし、まだ始まったばかりの学園生活を支えてくれている。
少し複雑そうな表情になった彼女は、ぷいっと別の方を向いてしまう。
私もゆっくりとし、他の人のプレーを見ることにした。
あれ? そう言えば、宮古くんはバレーやっていたような?
同じ研究会の仲間として、気になり隣のコートの様子を見ると、ちょうど彼のチームが試合を開始するところだった。
宮古くんが前列で手をあげて構えている。
そして、試合が開始され相手のサーブを辛うじて受け、不安定なトスが彼の前に放たれた。
「あぁ、あれは厳しいかも」
私と同じように試合を見ていた晴香が呟く、彼女でそう思うのだから、かなり厳しい状態ということだ。
だけど、宮古くんは軽く後ろに下がり、助走をつけてタイミングをあわせジャンプする。
「え……‼」
綺麗なフォームでボールを弾くと、まっすぐに相手のコートにボールが飛んでいき、バンッ! と、大きな音をたてて、ボールは選手たちの後ろの壁へと転がっていく。
数秒遅れて、クラスメイトたちから拍手をもらう宮古くん、正直いって、超意外だった。
「うへぇ、あれ、本当?」
同じように見ていた晴香も困惑しており、思わず私に聞いてくる。
「す、凄いね。あんな難しいトスを決めちゃうなんて」
お互い喜びながら、タッチしたりしていた。
相手も予想外だったようで、完全に反応できていない。
この一撃で、気が引き締まったのか、腰を低く構えだした。
「あれ、ガチじゃん」
見た目は、全然運動とかできそうもない感じなのに、しなやかな身体と力強いアタックは本物だった。
もしかして、元バレー選手? そんな疑問が脳裏をかすめていく。
その後は、相手もきっちりと対応してきて、試合は良い感じに起伏していくが、最終的には宮古くんがいるチームが勝った。
クラスメイトたちに囲まれて楽しそうにしている。
だけど、何か違和感があるな? なんだろう? 所々で動きが鈍くなる場面があった。
それが無ければ、もっとスムーズに勝てたと思うけど……。
バレーの試合が一区切りついたところで、私たちも練習に戻る。
だけど、今回は相手は私で永遠とラケットに当たるように、反復していく、本当の【練習】を残りの時間を使って行った。
「で! できない!」
「大丈夫! 晴香はできるから、きっとできるよ!」
終わる間際まで、一ミリも当たらなかったが、最期の最後にガチンと鈍い音をたてて、ガットの部分ではなく、フレームに当てることができた。
「や、やった?」
「うん! やったね晴香、これから練習していけば、きっと上手になるよ!」
周りの女性陣からも軽い拍手が届く、応援の声も聞こえてきた。
恥ずかしさもあったけれど、彼女の一生懸命さに私も動かされる。
「うっし! 目標も達成できたから、次回からはスポコン展開をなるべく減らそう!」
謎の晴香の発言にどう反応したらよいのか困っていると、そっと近づいてきて耳打ちしてくる。
「ありがとうね」
照れた感じでぼそりと、悪びれる必要は全くない、だけど、気にしてしまうのだろう。
私の今年の目標に、彼女と一緒に球技大会に出ることが追加された。
それから、日常になりつつある授業か続いてゆく。
中学とは比べ物にならない、課目も一気に増えて細分化されている。
大学はもっと細かいと聞いたけれど、今は目の前の化学式を覚えるもがやっとだ。
最後の授業の終わりを告げるチャイムが鳴ると、全員待ってました! と、言わんばかりに、ゾロゾロと帰り支度を開始する。
ホームルームを終えると、部活に行く人、そのまま帰る人、教室に残る人、様々な模様が一気に動きだした。
「さて、行きますか」
晴香が鞄を持って私の席にくる。
私も準備を終え、二人で別館の研究会エリアへと向かった。
それは、体育の授業が本格化されていく。
「うげぇ、運動は……」
着替えを終えて体育館に集合すると、晴香があからさまに嫌な顔になっていた。
「本当に運動嫌いなんだね」
「嫌いも何も、できれば一生やりたくないね。どうやって跳び箱って飛べるの?」
いや、それを私に聞かれても、運動は苦手だが嫌いではない。
万年クラスでも目立つ活躍をしてこないので、この学園でもそうなるだろう。
ちなみに、中学の時の部活動はソフトテニス部であったが、途中から選手というより、マネージャー的なポジションに移っていく。
それが不満と聞かれると、答えはNOで、マネージャーも凄く楽しく選手のサポートができるのは、やりがいもあって楽しかった。
練習もたまに混ざって楽しく過ごせたので、コレと言ってソフトテニスに悪い想い出はない。
最後の試合が終わったときは、全員で泣いて、私もお疲れ様と皆に言ってもらえた。
「でも、合同なんだね体育って」
二つのクラスで行われる体育、AクラスとBクラス。そして、私のCクラスとDクラスが合同で球技や陸上競技を行っていく。
そして、今日は初めての合同体育、バドミントン・バレー・バスケットの三種目から選んで行う。
「陽は何にするの?」
「えっと、バドミントンかな? 一応ソフトテニス経験あるし」
「えぇ‼ どうしよう。もう! お願い陽、私にもバドミントン教えて、とりあえず、どうやったらシャトルに当たるかからだけど」
そ、それは教えるが大変そうだ。 私だって、上手くはないけれど、友だちが困っているなら、教えてあげたい。
それに晴香は身長もあるから、スマッシュとか上手になると絶対に強そうだ。
秋の球技大会はダブルスで出場したいなぁ、って今から考えてしまう。
バスケットは別の小さな体育館で行われ、メインの大きい体育館ではバレーとバドミントンが行われた。
ラケットを準備し、準備体操を終えて、先生から注意事項を聞いて開始する。
特にやることはなく、皆で楽しくやるだけで、最初は交流が目的だと言っていた。
「お? あれって、ミヤコくんだろ?」
ストレッチを終えて、ラケットを器用にクルクルと回している晴香が教えてくれる。
「え? あぁ、うん、そうそう、彼だよ」
バレーのコートでクラスの男子たちと一緒になってストレッチを行っていた。
スラっとのびた身長はバスケでもバレーでも有利だろう。
「だぁ! 無理‼」
開始十五分で、晴香が倒れて弱音を吐いた。
「い、意外……南部さんって」
相手も同じクラスの女子で、お互いダブルスで試合形式で練習をすることになったが、晴香にシャトルが飛ぶたびに、ブンッ‼ と、勢いよく振っては、豪快に空振りをしている。
最初は相手も驚いたが、段々とこちらを心配するような表情に変わり、最終的には晴香のことを応援しながら、全員で練習する形になった。
「む、無理……」
それでも、一回もラケットに触れることなく、空気を斬る音だけがひたすら続き、ついに彼女は倒れ、天を仰いでいる。
いや、体力も無さすぎるでしょうと、思ったが、そこは言わないでいた。
「でも、晴香ってフォームも持ち方も完璧なのに、なんで当たらないんだろうね?」
「それは私が訊きたいよ」
「ゆっくり振ってみたら? 何かわかるかもしれない」
こちらの提案に頷いて答えてくれたが、もう少し休ませてと言われ、その間に三人でバドミントンをやることにした。
球技経験者が私だけなので、こちらが一人でも十分にラリーが続き、よい運動にもなる。
だけど、流石に疲れてしまい。 私も彼女と一緒になって小休止することにした。
「凄いね陽って」
「そう? 別にそんなに凄くないけれど」
私たちがいたコートに、別のダブルスが入って試合形式で練習が行われ始めた。
「ごめんね」
「ん? 何が?」
「いや、別に」
晴香が言いたいことは、なんとなくわかる。
でも、謝ることじゃないし、私も気にしていなかった。
それ以上に彼女には助けられているし、まだ始まったばかりの学園生活を支えてくれている。
少し複雑そうな表情になった彼女は、ぷいっと別の方を向いてしまう。
私もゆっくりとし、他の人のプレーを見ることにした。
あれ? そう言えば、宮古くんはバレーやっていたような?
同じ研究会の仲間として、気になり隣のコートの様子を見ると、ちょうど彼のチームが試合を開始するところだった。
宮古くんが前列で手をあげて構えている。
そして、試合が開始され相手のサーブを辛うじて受け、不安定なトスが彼の前に放たれた。
「あぁ、あれは厳しいかも」
私と同じように試合を見ていた晴香が呟く、彼女でそう思うのだから、かなり厳しい状態ということだ。
だけど、宮古くんは軽く後ろに下がり、助走をつけてタイミングをあわせジャンプする。
「え……‼」
綺麗なフォームでボールを弾くと、まっすぐに相手のコートにボールが飛んでいき、バンッ! と、大きな音をたてて、ボールは選手たちの後ろの壁へと転がっていく。
数秒遅れて、クラスメイトたちから拍手をもらう宮古くん、正直いって、超意外だった。
「うへぇ、あれ、本当?」
同じように見ていた晴香も困惑しており、思わず私に聞いてくる。
「す、凄いね。あんな難しいトスを決めちゃうなんて」
お互い喜びながら、タッチしたりしていた。
相手も予想外だったようで、完全に反応できていない。
この一撃で、気が引き締まったのか、腰を低く構えだした。
「あれ、ガチじゃん」
見た目は、全然運動とかできそうもない感じなのに、しなやかな身体と力強いアタックは本物だった。
もしかして、元バレー選手? そんな疑問が脳裏をかすめていく。
その後は、相手もきっちりと対応してきて、試合は良い感じに起伏していくが、最終的には宮古くんがいるチームが勝った。
クラスメイトたちに囲まれて楽しそうにしている。
だけど、何か違和感があるな? なんだろう? 所々で動きが鈍くなる場面があった。
それが無ければ、もっとスムーズに勝てたと思うけど……。
バレーの試合が一区切りついたところで、私たちも練習に戻る。
だけど、今回は相手は私で永遠とラケットに当たるように、反復していく、本当の【練習】を残りの時間を使って行った。
「で! できない!」
「大丈夫! 晴香はできるから、きっとできるよ!」
終わる間際まで、一ミリも当たらなかったが、最期の最後にガチンと鈍い音をたてて、ガットの部分ではなく、フレームに当てることができた。
「や、やった?」
「うん! やったね晴香、これから練習していけば、きっと上手になるよ!」
周りの女性陣からも軽い拍手が届く、応援の声も聞こえてきた。
恥ずかしさもあったけれど、彼女の一生懸命さに私も動かされる。
「うっし! 目標も達成できたから、次回からはスポコン展開をなるべく減らそう!」
謎の晴香の発言にどう反応したらよいのか困っていると、そっと近づいてきて耳打ちしてくる。
「ありがとうね」
照れた感じでぼそりと、悪びれる必要は全くない、だけど、気にしてしまうのだろう。
私の今年の目標に、彼女と一緒に球技大会に出ることが追加された。
それから、日常になりつつある授業か続いてゆく。
中学とは比べ物にならない、課目も一気に増えて細分化されている。
大学はもっと細かいと聞いたけれど、今は目の前の化学式を覚えるもがやっとだ。
最後の授業の終わりを告げるチャイムが鳴ると、全員待ってました! と、言わんばかりに、ゾロゾロと帰り支度を開始する。
ホームルームを終えると、部活に行く人、そのまま帰る人、教室に残る人、様々な模様が一気に動きだした。
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