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一途な幼馴染は嫌いですか? いっくんのターン
草井さん!?
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そして、私たちは時間をずらして出勤し会社に向かって通常業務を行っていく、ユウがいないだけでなんだか会社の雰囲気が違うように思えてしまう。
朝の時間は貴重だというけれど、そう言えばいっくんは普段どういった感じで朝の仕事をこなしているのだろうか?
今度こっそり聞いてみたいと思った。
「あ、そう言えば……今日の晩御飯は何にしようかな?」
確かいっくんが今日は少し遅くなると言っていたので、晩御飯は自分で用意しなければならない、だいたい「遅くなる」と彼が言う場合は晩御飯は必要ないことが殆どだった。
久しぶりの一人の晩御飯、ついつい手抜きという名の贅沢をしてみたくなってしまう、そうと決まれば今夜食べるものをお昼休みにでも吟味しようと思って私は仕事に向かっていく。
そして、時間が来て会社を去ろうとしたとき、ふといつもと違う感じがして足を止めてしまった。
「あれ?」
以前気が付いた、会社が入っているビルの一階部分にできていたお店がオープンしていたのだった。
優しい明るさと、漂ってくる美味しそうな香りに私は引き寄せられてしまう、今日は帰りみちにあるテイクアウトで中華料理を頼もうとしたが、これから長い間見ることになるお店をチェックしておく必要があるでしょう!
そう思って私はドアを開けて中に入ると、そこには私が知る人物が二人立っていた。
「え? く、草井さんに社長!?」
「お? 直江さんじゃないか」
「なっ!? 愛……じゃなくて、直江さん⁉ どうしてここに?」
そこに居たのは、まさかの草井さんと泉社長だった。
少し頭の中が混乱してくる、え? え? な、なんでこうなっているの?
「直江さん! 外の看板見えなかったのですか?」
「へ?」
私は一度外に出て確認してみると、ドアにしっかりと「休業中! オープンまであと少しですのでお待ちください!」と書かれた紙が貼られている。
「あ! あ、えぇぇ! す、すみません本当に、すぐに出ていきます!」
恥ずかしさとやらかしてしまった感があり、私は急いでお店を出ようとしたとき、後ろから呼び止められてしまう。
「ちょっと直江さん、待ってくださいな」
声の主は草井さんで、いつも通り優しい笑顔を向けてくれている。
「ど、どうかしたのですか?」
「いや、今社長とも話していましたがね、どうですか? 一つ私の料理を食べていきませんかね?」
「何を言っているんですか草井さん! まだオープン前ですよ⁉」
「何って、直江さんの意見も聞きたくてね、社長の腕や舌は信用していますが、ほら、若い女性の意見も取り入れておくと良いかもしれませんし」
「た、確かにその通りだが……」
「そうと決まれば、どうぞお座りください」
そう言って草井さんは私を案内してくれた。
「え? い、いや、本当にいいんですか? まだ、お店やってないのに」
「いいんですよ。それに直江さんだからお誘いしているのですから」
草井さんの声が心地よく響く店内、優しい照明に木のぬくもりが感じられる素敵な店内だった。
朝の時間は貴重だというけれど、そう言えばいっくんは普段どういった感じで朝の仕事をこなしているのだろうか?
今度こっそり聞いてみたいと思った。
「あ、そう言えば……今日の晩御飯は何にしようかな?」
確かいっくんが今日は少し遅くなると言っていたので、晩御飯は自分で用意しなければならない、だいたい「遅くなる」と彼が言う場合は晩御飯は必要ないことが殆どだった。
久しぶりの一人の晩御飯、ついつい手抜きという名の贅沢をしてみたくなってしまう、そうと決まれば今夜食べるものをお昼休みにでも吟味しようと思って私は仕事に向かっていく。
そして、時間が来て会社を去ろうとしたとき、ふといつもと違う感じがして足を止めてしまった。
「あれ?」
以前気が付いた、会社が入っているビルの一階部分にできていたお店がオープンしていたのだった。
優しい明るさと、漂ってくる美味しそうな香りに私は引き寄せられてしまう、今日は帰りみちにあるテイクアウトで中華料理を頼もうとしたが、これから長い間見ることになるお店をチェックしておく必要があるでしょう!
そう思って私はドアを開けて中に入ると、そこには私が知る人物が二人立っていた。
「え? く、草井さんに社長!?」
「お? 直江さんじゃないか」
「なっ!? 愛……じゃなくて、直江さん⁉ どうしてここに?」
そこに居たのは、まさかの草井さんと泉社長だった。
少し頭の中が混乱してくる、え? え? な、なんでこうなっているの?
「直江さん! 外の看板見えなかったのですか?」
「へ?」
私は一度外に出て確認してみると、ドアにしっかりと「休業中! オープンまであと少しですのでお待ちください!」と書かれた紙が貼られている。
「あ! あ、えぇぇ! す、すみません本当に、すぐに出ていきます!」
恥ずかしさとやらかしてしまった感があり、私は急いでお店を出ようとしたとき、後ろから呼び止められてしまう。
「ちょっと直江さん、待ってくださいな」
声の主は草井さんで、いつも通り優しい笑顔を向けてくれている。
「ど、どうかしたのですか?」
「いや、今社長とも話していましたがね、どうですか? 一つ私の料理を食べていきませんかね?」
「何を言っているんですか草井さん! まだオープン前ですよ⁉」
「何って、直江さんの意見も聞きたくてね、社長の腕や舌は信用していますが、ほら、若い女性の意見も取り入れておくと良いかもしれませんし」
「た、確かにその通りだが……」
「そうと決まれば、どうぞお座りください」
そう言って草井さんは私を案内してくれた。
「え? い、いや、本当にいいんですか? まだ、お店やってないのに」
「いいんですよ。それに直江さんだからお誘いしているのですから」
草井さんの声が心地よく響く店内、優しい照明に木のぬくもりが感じられる素敵な店内だった。
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