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地の魔将 参戦す
アマイモン城へ到着
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「待て! 止まるんだ!」
目の前の兵に止められて、俺たちは敵意が無いことを表しながら足を止めた。
「魔獣に? 半端モノ?」
その半端モノという言葉に、心がざわめき立つ、モルフィ自身はまるで気にしていないが、やはり娘がそういった感じでみられるのは、親として嬉しいはずがないだろう。
そういえば、アマイモンは彼女を見ても何も言わなかったな……やはり、あのクラスになると戦わなくとも相手の実力がわかるのかもしれない。
「すみません、アマイモン城へ行きたいのですが」
「何? ふざけるな! ここから先は許された魔族しか入れない、キサマのような人間のような容姿をした魔族なんぞ入れらるはずがなかろう!」
その許された魔族なのだが、面倒くさくなってきたので、俺は胸ポケットに手を入れると、相手が一斉に武器を構えた。
ゆっくりと引き抜き、アマイモンの家紋が入った手形を見せると、兵たちは驚きの表情になる。
「え……? あ、あぁ……‼ し、失礼いたしました! ケトル様にモルフィ様ですね、主より聞いております。大変失礼いたしました。ど、どうぞお通りください」
いや、実際の彼らの対応は間違っていない。
むしろ、領地を守るためにはあれぐらいでなければいけないと俺は思う。
「ありがとう、皆さまもお疲れ様です」
若干イライラしていたのか、モルフィは棘のある口調で挨拶を送ると、関所を通過した。
「もう! ケトル様にあのような言い草は失礼すぎます。 同盟関係でなければ斬り殺しておりました」
随分と物騒なことを言う娘に対し、苦笑しかできない。
俺を慕っていてくれるのはありがたいが、時として冷静さを失う要因にもなりかねなかった。
「それにしても、随分と静かなところですね」
「あぁ、荒野は基本的に死んだような空間だ、ただ、森や草地と違って戦闘に邪魔な物が殆どないから、アマイモンはここを基礎に領地を広げていったんだよ」
住みやすさや、経済の良し悪しではなく、戦闘のやり易さで選ぶなんて、アマイモンらしすぎる。
彼女の父親が酒を飲み、自身の昔の出来事を語ったときを思い出した。
「口うるさくはなかったが、陽気でもなかったな」
ただ、ポツポツと上機嫌に語りだす感じが印象的で、俺は何度も何度も同じ内容だったが、彼が語る歴史が好きだった。
「ケトル様あれは?」
俺が昔の出来事を想い出していると、モルフィが指をさして何かと聞いてくる。
「あれは」
彼女が指さす場所には、小さな石で造られた粗末な城があった。
「おそらく、レッサーデーモンかゴブリンの城だろう、城というよりも家みたいなものだな、あの規模だとかなり小さい」
しかし、以前はああいった感じの物がいくつも点在していたが、何かが変だった。
そう、生命感がまるでない。
「おかしいな、以前来たときはゴブリンなどが出てきてこっちを伺ってきたりしたんだが」
そう言えば、魔獣もいない。
魔獣どころか動物すらいないのではないか? その後もレッサーデーモンの住処も見つけたが、同様に生命感は感じられない。
荒野に設置された関所、この生命感がまるでない土地、いったい何を彼女はやっているのだ?
「あ! 見えました」
「お、おぉ」
考え事をしていると、到着したようで、目の前に大きな城塞都市が見えてくる。
「デカくなったな」
何度も増築をしたのか、立派な城壁と城門が見えてきた。
俺たちを確認した、何体かの竜騎兵が向かってくる。
「止まれぇ! これ以上は許可がなければ進まれない!」
俺はもう一度ポケットから手形を取り出すと、高く掲げてみせた。
相手は、うまく確認できていないようで、近くまで警戒しながら来ると、驚き急いで小竜から降りて礼をしてきた。
「お、お待ちしておりましたケトル様、どうぞこちらへ」
そんなに畏まらなくも良いのに、なんだかむずがゆい感覚を受けつつ、俺たちは街へと入っていく。
しかし、城下町に繋がる城門からではなく、搦め手と呼ばれる裏手に位置し城壁からぴょこっと飛び出している小さな砦に案内された。
「こ、ここか?」
「こちらでお待ちを」
丁寧に案内され、椅子とテーブルの上には飲み物まであった。
周囲には重装リザードマンたちが待機しており、少しだけ居心地が悪い。
「おいしい! 美味しいですよケトル様」
それなのに、ニコニコと出された飲み物にまったく警戒することなく飲み始める娘、いや、彼女に毒ってあまり効かないのは知っていた。
昔、毒蛇に噛まれてしまったが、泣くだけで傷口が腫れたり壊死するこなく、するっと回復したのを思い出してしまう。
鬼の力なのかわからないが、とにかく毒は彼女に効かない、無論俺は飲んだり噛まれたり、体内に入るとヤバイ、かなりヤバイ。
「そうか、よかったな」
しばらく待っていると、外が慌ただしくなり、カツカツと規則正しい足音が聞えたかと思うと、アマイモンが入ってきた。
「すみません、お待たせしました」
丁寧に頭を下げ、俺たちの前に腰を落ち着かせた。
「さっそくで悪いが、アマイモン、なんだこの状況は?」
彼女が何か話し出しそうになっていたのを妨げ、俺は気になっていたことを呟き、現状を聞き出そうとする。
目の前の兵に止められて、俺たちは敵意が無いことを表しながら足を止めた。
「魔獣に? 半端モノ?」
その半端モノという言葉に、心がざわめき立つ、モルフィ自身はまるで気にしていないが、やはり娘がそういった感じでみられるのは、親として嬉しいはずがないだろう。
そういえば、アマイモンは彼女を見ても何も言わなかったな……やはり、あのクラスになると戦わなくとも相手の実力がわかるのかもしれない。
「すみません、アマイモン城へ行きたいのですが」
「何? ふざけるな! ここから先は許された魔族しか入れない、キサマのような人間のような容姿をした魔族なんぞ入れらるはずがなかろう!」
その許された魔族なのだが、面倒くさくなってきたので、俺は胸ポケットに手を入れると、相手が一斉に武器を構えた。
ゆっくりと引き抜き、アマイモンの家紋が入った手形を見せると、兵たちは驚きの表情になる。
「え……? あ、あぁ……‼ し、失礼いたしました! ケトル様にモルフィ様ですね、主より聞いております。大変失礼いたしました。ど、どうぞお通りください」
いや、実際の彼らの対応は間違っていない。
むしろ、領地を守るためにはあれぐらいでなければいけないと俺は思う。
「ありがとう、皆さまもお疲れ様です」
若干イライラしていたのか、モルフィは棘のある口調で挨拶を送ると、関所を通過した。
「もう! ケトル様にあのような言い草は失礼すぎます。 同盟関係でなければ斬り殺しておりました」
随分と物騒なことを言う娘に対し、苦笑しかできない。
俺を慕っていてくれるのはありがたいが、時として冷静さを失う要因にもなりかねなかった。
「それにしても、随分と静かなところですね」
「あぁ、荒野は基本的に死んだような空間だ、ただ、森や草地と違って戦闘に邪魔な物が殆どないから、アマイモンはここを基礎に領地を広げていったんだよ」
住みやすさや、経済の良し悪しではなく、戦闘のやり易さで選ぶなんて、アマイモンらしすぎる。
彼女の父親が酒を飲み、自身の昔の出来事を語ったときを思い出した。
「口うるさくはなかったが、陽気でもなかったな」
ただ、ポツポツと上機嫌に語りだす感じが印象的で、俺は何度も何度も同じ内容だったが、彼が語る歴史が好きだった。
「ケトル様あれは?」
俺が昔の出来事を想い出していると、モルフィが指をさして何かと聞いてくる。
「あれは」
彼女が指さす場所には、小さな石で造られた粗末な城があった。
「おそらく、レッサーデーモンかゴブリンの城だろう、城というよりも家みたいなものだな、あの規模だとかなり小さい」
しかし、以前はああいった感じの物がいくつも点在していたが、何かが変だった。
そう、生命感がまるでない。
「おかしいな、以前来たときはゴブリンなどが出てきてこっちを伺ってきたりしたんだが」
そう言えば、魔獣もいない。
魔獣どころか動物すらいないのではないか? その後もレッサーデーモンの住処も見つけたが、同様に生命感は感じられない。
荒野に設置された関所、この生命感がまるでない土地、いったい何を彼女はやっているのだ?
「あ! 見えました」
「お、おぉ」
考え事をしていると、到着したようで、目の前に大きな城塞都市が見えてくる。
「デカくなったな」
何度も増築をしたのか、立派な城壁と城門が見えてきた。
俺たちを確認した、何体かの竜騎兵が向かってくる。
「止まれぇ! これ以上は許可がなければ進まれない!」
俺はもう一度ポケットから手形を取り出すと、高く掲げてみせた。
相手は、うまく確認できていないようで、近くまで警戒しながら来ると、驚き急いで小竜から降りて礼をしてきた。
「お、お待ちしておりましたケトル様、どうぞこちらへ」
そんなに畏まらなくも良いのに、なんだかむずがゆい感覚を受けつつ、俺たちは街へと入っていく。
しかし、城下町に繋がる城門からではなく、搦め手と呼ばれる裏手に位置し城壁からぴょこっと飛び出している小さな砦に案内された。
「こ、ここか?」
「こちらでお待ちを」
丁寧に案内され、椅子とテーブルの上には飲み物まであった。
周囲には重装リザードマンたちが待機しており、少しだけ居心地が悪い。
「おいしい! 美味しいですよケトル様」
それなのに、ニコニコと出された飲み物にまったく警戒することなく飲み始める娘、いや、彼女に毒ってあまり効かないのは知っていた。
昔、毒蛇に噛まれてしまったが、泣くだけで傷口が腫れたり壊死するこなく、するっと回復したのを思い出してしまう。
鬼の力なのかわからないが、とにかく毒は彼女に効かない、無論俺は飲んだり噛まれたり、体内に入るとヤバイ、かなりヤバイ。
「そうか、よかったな」
しばらく待っていると、外が慌ただしくなり、カツカツと規則正しい足音が聞えたかと思うと、アマイモンが入ってきた。
「すみません、お待たせしました」
丁寧に頭を下げ、俺たちの前に腰を落ち着かせた。
「さっそくで悪いが、アマイモン、なんだこの状況は?」
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