始まりはタオルじゃなかった

豆腐屋

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始まりはタオルじゃなかった

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「あっ♡あっ♡」

ローションの粘り気ある音がいやらしい。竜二の中には、翔真の指が二本うまっている。
肉壁が隙間なくしめつける。 
コリコリとしたしこりを間に挟んで、なでる。

「ひっ♡それっ、やめろっ、しょぅまぁ♡」
「もう少し頑張って、竜二さん♡」

二本の指で、穴を広げると中の濃いピンク色が見えた。入口は随分と解れ、竜二も快感を感じてくれている。
その証拠に息があがって、目がうるみ、彫刻のような綺麗な体が震えている。
翔真は、三本目の指を押し込んだ。

「あぁっ♡」

中でグ二グ二動かすと、快感を逃がすように竜二の足がシーツをける。ずり上がろうとする体を押さえつけ、しこりを指先で押す。

「あっ♡あっ♡」

目の前がチカチカする。あんな場所に指を入れられ、声が抑えられないぐらい気持ちいいなんて、信じられなかった。
一度達した自身が、またあつく硬くなっているのが分かる。

「竜二さん、もう入りそう♡」

指が抜かれた後ろの穴に、熱いものが擦り付けられた。何かなんて決まっている。

「あっ、しょうま・・・」
「竜二さん、ゆっくり息して・・・」
「ひっっ・・・!」

息をしろと言われたのに、思いっきり呼吸が詰まってしまった。
スキンを被った大きな塊が、狭いところをこじ開けるように入ってくる。

竜二さんの中、熱くて狭い!!

入ろうとするのに抵抗するようなキツイ締め付けが、初めての行為を象徴するようで興奮する。
愛しい人の体内に推し入る行為に、気持ちが昂った。

「ああっ♡」
「竜二さんっ!」

今回、根元まで埋めるのは無理だろう。少し余っているが十分に気持ちいい。
できるかぎり無理はさせたくないし、これから先の楽しみでもある。

「翔真っ、んっ、入ったか?」
「うん、すごく気持ちいい♡」
「あっ、ん♡」

体を倒して、キスをする。恋人繋ぎで両手を繋ぐと、腰を軽くゆすった。

「あっ♡あっ♡」

体の中に翔真のものがあるのがわかる。ぎっちりと埋まっていて、内蔵の位置がずれたんじゃないかというぐらい、大きく感じた。

「竜二さん、もっと動いても平気?」
「あぁっ♡へぃきぃ翔真♡」

揺すりながら聞くと、握りあった手に力がこもる。

「ひっ♡やっ♡あっ♡」

少しずつ強くなるよう、出し入れする。気持ちの良いしこりに当たるよう、中を探った。

「あぁっっ♡しょうまっ、そこっ♡あっ♡だめっ♡」
「竜二さんっ、手、背中回してつかまって!」

探し当てたしこりに当たるよう出し入れすると、竜二の体は仰け反るようにはねた。
その胸には、散々弄られ赤く色付いた突起がある。誘われるように、しゃぶりついた。

「ひぃんっ♡だめっ、それ♡だめぇっっ♡♡」

竜二の中で一際強くしめつけられ、痙攣する竜二の体と同じように中の肉もヒクヒクと痙攣している。
竜二が達したのだと分かった。

「あっ♡あっ♡」
「竜二さん、イっちゃた?続けても大丈夫?」

いったん竜二の中から自身を抜いて、顔を覗きこむ。
うなづいてはくれたが、感じ入っているのか焦点があっていない。まだ痙攣している腹筋に、出されたばかりの精液がかかっている。

乳首と後ろでイクなんてっ!!竜二さん、エロい!可愛い!!ヤバい、すげぇ興奮する!このまま、ずっとHしてたい!
竜二さん、可愛い♡めっちゃ感じてるの可愛い♡

「竜二さん、続きは後ろからしていい?」
「・・・俺の、背中見たら萎えないか?」
「萎えるわけないじゃん!竜二さんの体だったら、どこ見ても興奮する!」
「・・・」

若干、引かれた感じもあったが、ちゃんと後ろを向いてくれた。

翔真には竜二の背中の彫り物なんて、本当に気にもならなかった。
なんならジムで出会うより前から、そんなことは知っていた。
竜二は、二人の出会いはスポーツジムだと思っているが、翔真は、もっと以前から竜二のことも、ヤクザであることも知っている。

「あぁっ♡」
「竜二さんっ♡ ちゅっ♡ちゅっ♡」

後背位で、再度、挿入し竜の描かれた背中にキスをする。

竜二さん、本当は俺の方がめっちゃ嘘ついてるのに、めっちゃ罪悪感感じてるの、なんなの?
この人、なんでヤクザしてるの?大丈夫なの?

竜二は翔真にヤクザだということを隠して、土木作業員だと嘘ついた。
だが、翔真は竜二にフリーランスのWebデザイナーだと嘘をついている。
本当は、ほぼ犯罪行為しかしないハッカーなのに。多分、竜二以上に悪いお金で生活している。

「あっ、しょうまっ♡しょうまっ♡」
「竜二さんっ、おれ、イきそっ♡」
「あぁっ、あっ♡」

一緒にいきたくて、竜二の性器を手でこすって抜く。ぐちゃぐちゃに濡れて、震えている。
最初は四つん這いだった竜二の体勢も、上半身が崩れ落ちていて、腰だけ突き出したようになっていた。

「しょうまっあっ♡」
「竜二さん、あっ出る♡」
「あぁっ♡」

ほぼ一緒に果てて、そのままベッドに転がった。後ろから竜二を抱きしめて項や耳に何ヶ所もキスをする。

    一年ほど前に竜二の組から、初めて仕事の依頼を受けた。やりとりは、パソコン越しのリモート。
翔真は顔出しをしないし、声も変えてある。だが、向こうには仕事を受ける条件として、責任者の顔出しを伝えた。
それが竜二だった。
適当な下っ端を使ってないか調べて確認したら、いづれ跡を継ぐことになっている三代目だという。

    顔が好み。声も良い。どこか世間知らずで、心配になるほど真面目で誠実。なんでヤクザの仕事の責任者で、この人出してくるの?
パソコンに疎いのも可愛い。好き。全てが可愛すぎて好きにしかなれない。

   数ヶ月、まるで竜二をストーキングするように情報を集め、とうとう同じジムに入会し、生で接触した。姿を隠しているのは自分の方なのに竜二が実在することに、めちゃくちゃ感動した。
   ストーキングを始めても、ジムで知り合ってからも、恋人になってからも、何にも変わらず仕事を受けてリモートで会話している。
    竜二が秘密にしていたことなんて、ぜんぜん秘密じゃない。

    運命的な出会いの演出のために、竜二の目の前で、わざとタオル落としたら読み通り普通に拾ってくれた。
記念にとってある。

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