225 / 228
新しい村で愛されています(続々編)
番外編8:うちの嫁がかわいすぎる件について(3) イン視点
しおりを挟む
王の名が苗字かもしれないと知ったところでどうするというのか。
「もー、インさんてばとことん脳筋なんだからー」
ロイが怒ったような顔をしながら説明した。
宰相は王を溺愛している。王の名前をこちらが教えたら今後便宜を図ってもらえる可能性がある。
「そうすればさ、ルイのえっちを撮った水晶なんて売らなくてもよくなるでしょ?」
「……それもそうだな」
天使さまを養うには金が必要だ。それをもし国から出させることができれば、童貞なんかに抱かせなくても済むだろう。
できることならルイを閉じ込めて、ずっと抱いていたい。だが天使の身体は俺の精だけではもたないのだ。だから何人も側にいさせる必要がある。
ルイが俺に好意を向けてくれていることはわかっている。そうでなければ乳は出なかっただろう。
俺がルイをかわいくて愛しくてどうしようもないから、俺の想いをルイは感じ取ったのかもしれない。それでもいい。
誰がなんと言おうと、ルイは俺のだ。
俺以外見なくていい。
「お前に気を許してるのが気に食わない」
ロイに八つ当たりした。
「えー? そんなのしょうがないじゃん。ルイは天使さまなんだから、僕がルイのことを好きーって思ってたらその想いを汲んじゃうんだよ? そうじゃなくたってあんなにかわいいんだもん。好きって思っちゃうじゃん。だから僕のせいでもルイのせいでもないですー」
「んなこたあわかってんだよ」
「エインとかケンもそうだよ。ファンもハレもみーんなルイのこと好きでしょうがないんだもん。それはそれとして割り切るしかないでしょ」
「……ああ」
とりあえずルイをこれ以上他の奴に抱かせない為にも宰相に連絡を取った。
宰相は最初不機嫌そうだったが、ルイの元の世界の者たちには当たり前に苗字があるということを話したら水晶の向こうで目を見開いた。
「で、では私は王の姓を呼んでいたというのかっ……!」
「コーヤマってのは苗字だとうちのが言ってたぞ」
「……わかった。コーヤマ様に確認を取ろう。……大した手柄だ」
宰相は王にそのことを確認し、「コーヤマ」というのが苗字だということを確認したらしい。
「何が望みだ」
「うちの天使さまを一生養えるようにしてもらいたい」
「それぐらい造作もないことだ」
宰相はこの村の隣にある小さな村が王領なのだと言った。現在の王は天使の為王領へ移動するということも難しい。だからその王領を俺にくれるという話になった。そんなうまい話があるのかと半信半疑だったが、きちんとした契約書も作るらしい。
そうして俺は隣村の村長になることとなった。
そのことをロイだけでなくみなに伝えた。
委任状が届けば大手を振って隣村に移動できる。そうすれば童貞なんかにルイを抱かせなくてもいいのだ。
だがどうしてもルイに好きだとか、愛してるとか言うことはできなかった。
「インさんもさ、ちゃんと言葉で言いなよー。キスしたり舐めたりする他にすることあるじゃん」
ロイにも言われてしまったがどうしても伝えることができない。
「そうだな、ルイをたっぷり犯してやらないとな」
「ねえ、それボケてるつもり? 面白くないんだけどー」
ロイがいらいらしたように言う。
わかってはいるのだ。ルイが俺の言葉も求めていることぐらい。だが、最初にあんな脅すようにルイを犯したことが頭から消えない。どの面下げてこの俺が「愛してる」なんて言えるのか。
ロイは今日は全く引き下がらなかった。
ロイが言う通り、俺は天使とか全く関係なくルイを犯した。ルイを見た時、これは俺のだと思ったから。
ルイが天使だからいくら抱いても壊れず、俺が何を言わなくても俺の気持ちを察して俺に寄り添ってくれているのだ。
それでもいい。
ルイが俺のものだということは変わらない。
ロイは俺から愛の言葉を引き出させようとしていた。
だがだめだ。俺がひとたびルイを好きだと、愛していると言ったなら誰にも抱かせられなくなってしまうだろう。それぐらい俺のルイへの独占欲は強かった。
「ロイ、大丈夫だから……」
助け船を出してくれたのはルイだった。柔らかく微笑んでいる。ロイが不満そうな声を出した。
「えー」
「だって、インは俺の所有者なんだろ?」
それは間違いない。所有者というより、ルイはもう俺の嫁で、俺はルイの夫だと思っている。
俺は無言でルイを抱き上げ、寝室に運んだ。ルイを抱いているのに、まるで抱かれているようだと錯覚することがある。ルイが年上だからなのだろうか。この身体は世話をする者がいなければ生きていることもかなわないのに、その包容力は抜群だ。
抱けば抱くほどルイの感度は上がるようだった。
「あっ、あっ、やっ、溶けちゃ……溶けちゃう……」
涙をぼろぼろこぼし、縋りついてくるルイがたまらなくかわいい。ルイがイッたのがわかっても俺はそのまま腰を使い、散々啼かせた。
「やーっ、イッたっ、イッたからぁっ……!」
「イッたからなんだよっ!」
ルイが愛しくてどうしようもなくて、意地悪をしてしまったりもしたが、ルイは泣きながらも俺が好きだと訴える。
こんなに愛しい存在を、俺は知らなかった。
ルイがどう思っているか知らないが、俺はすっかりルイに夢中だった。
ーーーーー
BL小説大賞応援ありがとうございましたー!
「もー、インさんてばとことん脳筋なんだからー」
ロイが怒ったような顔をしながら説明した。
宰相は王を溺愛している。王の名前をこちらが教えたら今後便宜を図ってもらえる可能性がある。
「そうすればさ、ルイのえっちを撮った水晶なんて売らなくてもよくなるでしょ?」
「……それもそうだな」
天使さまを養うには金が必要だ。それをもし国から出させることができれば、童貞なんかに抱かせなくても済むだろう。
できることならルイを閉じ込めて、ずっと抱いていたい。だが天使の身体は俺の精だけではもたないのだ。だから何人も側にいさせる必要がある。
ルイが俺に好意を向けてくれていることはわかっている。そうでなければ乳は出なかっただろう。
俺がルイをかわいくて愛しくてどうしようもないから、俺の想いをルイは感じ取ったのかもしれない。それでもいい。
誰がなんと言おうと、ルイは俺のだ。
俺以外見なくていい。
「お前に気を許してるのが気に食わない」
ロイに八つ当たりした。
「えー? そんなのしょうがないじゃん。ルイは天使さまなんだから、僕がルイのことを好きーって思ってたらその想いを汲んじゃうんだよ? そうじゃなくたってあんなにかわいいんだもん。好きって思っちゃうじゃん。だから僕のせいでもルイのせいでもないですー」
「んなこたあわかってんだよ」
「エインとかケンもそうだよ。ファンもハレもみーんなルイのこと好きでしょうがないんだもん。それはそれとして割り切るしかないでしょ」
「……ああ」
とりあえずルイをこれ以上他の奴に抱かせない為にも宰相に連絡を取った。
宰相は最初不機嫌そうだったが、ルイの元の世界の者たちには当たり前に苗字があるということを話したら水晶の向こうで目を見開いた。
「で、では私は王の姓を呼んでいたというのかっ……!」
「コーヤマってのは苗字だとうちのが言ってたぞ」
「……わかった。コーヤマ様に確認を取ろう。……大した手柄だ」
宰相は王にそのことを確認し、「コーヤマ」というのが苗字だということを確認したらしい。
「何が望みだ」
「うちの天使さまを一生養えるようにしてもらいたい」
「それぐらい造作もないことだ」
宰相はこの村の隣にある小さな村が王領なのだと言った。現在の王は天使の為王領へ移動するということも難しい。だからその王領を俺にくれるという話になった。そんなうまい話があるのかと半信半疑だったが、きちんとした契約書も作るらしい。
そうして俺は隣村の村長になることとなった。
そのことをロイだけでなくみなに伝えた。
委任状が届けば大手を振って隣村に移動できる。そうすれば童貞なんかにルイを抱かせなくてもいいのだ。
だがどうしてもルイに好きだとか、愛してるとか言うことはできなかった。
「インさんもさ、ちゃんと言葉で言いなよー。キスしたり舐めたりする他にすることあるじゃん」
ロイにも言われてしまったがどうしても伝えることができない。
「そうだな、ルイをたっぷり犯してやらないとな」
「ねえ、それボケてるつもり? 面白くないんだけどー」
ロイがいらいらしたように言う。
わかってはいるのだ。ルイが俺の言葉も求めていることぐらい。だが、最初にあんな脅すようにルイを犯したことが頭から消えない。どの面下げてこの俺が「愛してる」なんて言えるのか。
ロイは今日は全く引き下がらなかった。
ロイが言う通り、俺は天使とか全く関係なくルイを犯した。ルイを見た時、これは俺のだと思ったから。
ルイが天使だからいくら抱いても壊れず、俺が何を言わなくても俺の気持ちを察して俺に寄り添ってくれているのだ。
それでもいい。
ルイが俺のものだということは変わらない。
ロイは俺から愛の言葉を引き出させようとしていた。
だがだめだ。俺がひとたびルイを好きだと、愛していると言ったなら誰にも抱かせられなくなってしまうだろう。それぐらい俺のルイへの独占欲は強かった。
「ロイ、大丈夫だから……」
助け船を出してくれたのはルイだった。柔らかく微笑んでいる。ロイが不満そうな声を出した。
「えー」
「だって、インは俺の所有者なんだろ?」
それは間違いない。所有者というより、ルイはもう俺の嫁で、俺はルイの夫だと思っている。
俺は無言でルイを抱き上げ、寝室に運んだ。ルイを抱いているのに、まるで抱かれているようだと錯覚することがある。ルイが年上だからなのだろうか。この身体は世話をする者がいなければ生きていることもかなわないのに、その包容力は抜群だ。
抱けば抱くほどルイの感度は上がるようだった。
「あっ、あっ、やっ、溶けちゃ……溶けちゃう……」
涙をぼろぼろこぼし、縋りついてくるルイがたまらなくかわいい。ルイがイッたのがわかっても俺はそのまま腰を使い、散々啼かせた。
「やーっ、イッたっ、イッたからぁっ……!」
「イッたからなんだよっ!」
ルイが愛しくてどうしようもなくて、意地悪をしてしまったりもしたが、ルイは泣きながらも俺が好きだと訴える。
こんなに愛しい存在を、俺は知らなかった。
ルイがどう思っているか知らないが、俺はすっかりルイに夢中だった。
ーーーーー
BL小説大賞応援ありがとうございましたー!
10
お気に入りに追加
2,287
あなたにおすすめの小説
食事届いたけど配達員のほうを食べました
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
なぜ自転車に乗る人はピチピチのエロい服を着ているのか?
そう思っていたところに、食事を届けにきたデリバリー配達員の男子大学生がピチピチのサイクルウェアを着ていた。イケメンな上に筋肉質でエロかったので、追加料金を払って、メシではなく彼を食べることにした。
少年野球で知り合ってやけに懐いてきた後輩のあえぎ声が頭から離れない
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
少年野球で知り合い、やたら懐いてきた後輩がいた。
ある日、彼にちょっとしたイタズラをした。何気なく出したちょっかいだった。
だがそのときに発せられたあえぎ声が頭から離れなくなり、俺の行為はどんどんエスカレートしていく。
変態村♂〜俺、やられます!〜
ゆきみまんじゅう
BL
地図から消えた村。
そこに肝試しに行った翔馬たち男3人。
暗闇から聞こえる不気味な足音、遠くから聞こえる笑い声。
必死に逃げる翔馬たちを救った村人に案内され、ある村へたどり着く。
その村は男しかおらず、翔馬たちが異変に気づく頃には、すでに囚われの身になってしまう。
果たして翔馬たちは、抱かれてしまう前に、村から脱出できるのだろうか?
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
童貞が建設会社に就職したらメスにされちゃった
なる
BL
主人公の高梨優(男)は18歳で高校卒業後、小さな建設会社に就職した。しかし、そこはおじさんばかりの職場だった。
ストレスや性欲が溜まったおじさん達は、優にエッチな視線を浴びせ…
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる