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新しい村で愛されています(続々編)
番外編7:後輩がきたからよしよししてみる(1)
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セイム村に来て、なし崩し的にインのお嫁さんにされてしばらく経った頃、連絡があった。
相手は元の世界の職場での、俺の後輩だった。
インが慣れない書類仕事を終え、夕方に部屋に戻ってきてからそのことを伝えられた。
その後輩の名は江戸川海斗(かいと)という。元の世界で俺が行方不明になった後、江戸川もこちらの世界に転移したらしい。しかも転移した時期は今から五年以上前だったそうで、今年江戸川も三十歳になり天使になってしまったというではないか。
自分で言ってても江戸川に何があったのかさっぱりわからない。
彼はこの世界に五年前に転移してきて、それから三十歳になるまで冒険者をしていたという。そして三十歳を迎えた時、江戸川が天使になったと気づいた冒険者パーティーのメンバーたちによって娼館へ売り飛ばされてしまったらしい。
聞いただけで恐ろしい世界だよな。
そんなツッコミはともかく、その娼館で働いていた調教師に江戸川は見初められ、現在はその調教師と、その双子の兄の奥さんにされてらぶらぶ生活を満喫しているみたいだ。
まぁでもかなり長いこと俺のこと抱きたいって言ってたらしいけど。
インはかっちりとした服を脱ぎ、部屋着に着替えてから、俺をベッドから抱き上げてソファーに腰掛けた。とても疲れている様子である。俺はそんなインに横抱きにされたままその逞しい胸に顔を摺り寄せた。
「今はルイのことを抱きたいとは言ってないらしいが、お前に聞きたいことがあるんだと」
「俺に?」
何が聞きたいんだろう。
やっぱ天使での生活のことなんだろうか。
俺はインたちに抱かれて一日が終わるかんじなんだが。生活とかだったら全然参考にならないよな。
さすがにもういきなり乳首に吸い付かれたりはしないだろうと思うので、会うことは了承した。
「ルイ」
「ん?」
「またアイツがお前を抱きたいとか言い出したらどうするんだ?」
インはいらいらしたように聞いてきた。
ちょっと考えてみる。
「うーん……もし以前会った時と変わらないようだったら断るけど、もしかしたらアイツもけじめをつけたいんじゃないかなって気がするんだよね」
「けじめ、だと?」
「うん」
前回俺のところに江戸川が来た時は、言っちゃなんだけど死にかけの状態だったのだと思う。
知らず知らずのうちに天使になって、仲間に見捨てられて、娼館でヤられまくって絶望していたみたいだった。天使ってのは身体もメンタルも弱いから簡単に死んでしまうという。
メンタルをズタズタにされていたアイツは、調教師とその双子の兄(巨人族でエインの知り合い)に結果として買い取られたらしいけど、その時にはもう生きる気力を失っていた。
それで江戸川を買い取ったという双子の巨人族は、天使の生態が知りたいといって訪ねてきた。彼らからしたら江戸川が生きるか死ぬかという状況だったわけで、必死だった。
そこで江戸川と俺が再会したことで、ヤツは復活した。
どうも江戸川は、元の世界で俺に懸想していたらしい。
全然知らなかった。まさか会社の後輩が俺を抱きたいと思っていたなんて。
そんなこと知りたくもなかった。
俺に会ったおかげで? 江戸川は生きる気力が湧いたらしい。その双子に俺に会いたいとなんども言い、もう一度訪ねてきたと思ったらいきなり俺の乳首に吸い付いたのだ。
うん、俺も言っててわからないから大丈夫だ。
よく考えなくてもとんでもねーな、アイツ。
もちろん吸い方はへたくそだったし、勝手に乳をごくごくと飲まれたことで俺はぶち切れた。
「へたくそっ! どうしても俺を抱きたいなら出直してこいっ!」
と追い返したことまでは覚えている。その後でセイム村への引っ越しとか、インのお嫁さんになるとかロイを娶るとか決まって、正直アイツのことなんて忘れかけていた。
その江戸川が今回どうしても俺に会いたいという。
天使の身体について聞きたいらしいと聞いて、ピンときた。
アイツはきっとあの双子の巨人族に本気で惚れてしまったのだろう。それはとても喜ばしいことだと思う。
「アイツさー、元の世界にいた時から俺に惚れてたみたいなこと言ってたんだよな」
「……そのようだな」
インの声が低くなった。俺に威嚇してどうするんだっての。
でもこれもインが俺のことを好きでたまらない証拠なので、くすぐったくも感じた。最初はあんなに怖かったのに、好きになったらそんなところも愛しいだなんて我ながら重症だと思う。
「でさー、きっと一緒に暮らしてる巨人族の双子だっけ? 彼らのことを好きになっちゃったんじゃないかと思うんだよ。でも俺に惚れてるって言ってた手前複雑なんだと思う」
「面倒なことだな」
「うん、面倒だと思うけど……。もしけじめをつける為に俺が抱かれた方がいいなら、一回ぐらい抱かせてやってもいいかなとは思ってるんだ」
「ルイ!?」
顎を掴まれた。ちょっと痛い。
「……現時点では決めないよ。アイツの様子を見てからだ」
「だめだ」
「……俺を抱くのがもう一人増えたところで今更だろ? それに二度と抱かれるつもりなんてない。今回限りだ」
「だめだっつってんだろ!」
凄まれて怯みそうになる心を叱咤する。
「俺の後輩が前に進むのを手助けしてやりたいだけなんだよ! 抱かれた後はお仕置きでもなんでもしてくれればいい。……頼むよ」
それでもだめなら、どうしよう。
離婚、という文字が頭をチラついた。
だって、異世界にわけがわからず飛ばされて、五年もがんばってきたんだぞ? 俺なんか最初からインに抱かれて、いろいろあったけどすっごく大事にされてる。たいへんな思いをした後輩を応援してやりたいって思っただけなのに。
「……ルイ、泣くな」
「……泣いてない」
泣くのは卑怯だ。涙をこらえる。こちらに来てから涙腺が緩くなっていて困ってしまう。
「会ってから判断するんだな?」
「……うん」
インは大仰にため息をついた。
「……気に食わねえがしかたねえ。惚れた弱みだ」
「……ありがとう」
俺はインに抱きついた。
そしてちょっとだけ心配になった。
インってチョロすぎない?(超失礼)
ーーーーー
「巨人族に二人ががりで溺愛されている俺は淫乱天使さまらしいです」のカイト君とのらぶえちをルイ視点でお届けしまっす! その後のお仕置きもねっ!(ぉぃ
相手は元の世界の職場での、俺の後輩だった。
インが慣れない書類仕事を終え、夕方に部屋に戻ってきてからそのことを伝えられた。
その後輩の名は江戸川海斗(かいと)という。元の世界で俺が行方不明になった後、江戸川もこちらの世界に転移したらしい。しかも転移した時期は今から五年以上前だったそうで、今年江戸川も三十歳になり天使になってしまったというではないか。
自分で言ってても江戸川に何があったのかさっぱりわからない。
彼はこの世界に五年前に転移してきて、それから三十歳になるまで冒険者をしていたという。そして三十歳を迎えた時、江戸川が天使になったと気づいた冒険者パーティーのメンバーたちによって娼館へ売り飛ばされてしまったらしい。
聞いただけで恐ろしい世界だよな。
そんなツッコミはともかく、その娼館で働いていた調教師に江戸川は見初められ、現在はその調教師と、その双子の兄の奥さんにされてらぶらぶ生活を満喫しているみたいだ。
まぁでもかなり長いこと俺のこと抱きたいって言ってたらしいけど。
インはかっちりとした服を脱ぎ、部屋着に着替えてから、俺をベッドから抱き上げてソファーに腰掛けた。とても疲れている様子である。俺はそんなインに横抱きにされたままその逞しい胸に顔を摺り寄せた。
「今はルイのことを抱きたいとは言ってないらしいが、お前に聞きたいことがあるんだと」
「俺に?」
何が聞きたいんだろう。
やっぱ天使での生活のことなんだろうか。
俺はインたちに抱かれて一日が終わるかんじなんだが。生活とかだったら全然参考にならないよな。
さすがにもういきなり乳首に吸い付かれたりはしないだろうと思うので、会うことは了承した。
「ルイ」
「ん?」
「またアイツがお前を抱きたいとか言い出したらどうするんだ?」
インはいらいらしたように聞いてきた。
ちょっと考えてみる。
「うーん……もし以前会った時と変わらないようだったら断るけど、もしかしたらアイツもけじめをつけたいんじゃないかなって気がするんだよね」
「けじめ、だと?」
「うん」
前回俺のところに江戸川が来た時は、言っちゃなんだけど死にかけの状態だったのだと思う。
知らず知らずのうちに天使になって、仲間に見捨てられて、娼館でヤられまくって絶望していたみたいだった。天使ってのは身体もメンタルも弱いから簡単に死んでしまうという。
メンタルをズタズタにされていたアイツは、調教師とその双子の兄(巨人族でエインの知り合い)に結果として買い取られたらしいけど、その時にはもう生きる気力を失っていた。
それで江戸川を買い取ったという双子の巨人族は、天使の生態が知りたいといって訪ねてきた。彼らからしたら江戸川が生きるか死ぬかという状況だったわけで、必死だった。
そこで江戸川と俺が再会したことで、ヤツは復活した。
どうも江戸川は、元の世界で俺に懸想していたらしい。
全然知らなかった。まさか会社の後輩が俺を抱きたいと思っていたなんて。
そんなこと知りたくもなかった。
俺に会ったおかげで? 江戸川は生きる気力が湧いたらしい。その双子に俺に会いたいとなんども言い、もう一度訪ねてきたと思ったらいきなり俺の乳首に吸い付いたのだ。
うん、俺も言っててわからないから大丈夫だ。
よく考えなくてもとんでもねーな、アイツ。
もちろん吸い方はへたくそだったし、勝手に乳をごくごくと飲まれたことで俺はぶち切れた。
「へたくそっ! どうしても俺を抱きたいなら出直してこいっ!」
と追い返したことまでは覚えている。その後でセイム村への引っ越しとか、インのお嫁さんになるとかロイを娶るとか決まって、正直アイツのことなんて忘れかけていた。
その江戸川が今回どうしても俺に会いたいという。
天使の身体について聞きたいらしいと聞いて、ピンときた。
アイツはきっとあの双子の巨人族に本気で惚れてしまったのだろう。それはとても喜ばしいことだと思う。
「アイツさー、元の世界にいた時から俺に惚れてたみたいなこと言ってたんだよな」
「……そのようだな」
インの声が低くなった。俺に威嚇してどうするんだっての。
でもこれもインが俺のことを好きでたまらない証拠なので、くすぐったくも感じた。最初はあんなに怖かったのに、好きになったらそんなところも愛しいだなんて我ながら重症だと思う。
「でさー、きっと一緒に暮らしてる巨人族の双子だっけ? 彼らのことを好きになっちゃったんじゃないかと思うんだよ。でも俺に惚れてるって言ってた手前複雑なんだと思う」
「面倒なことだな」
「うん、面倒だと思うけど……。もしけじめをつける為に俺が抱かれた方がいいなら、一回ぐらい抱かせてやってもいいかなとは思ってるんだ」
「ルイ!?」
顎を掴まれた。ちょっと痛い。
「……現時点では決めないよ。アイツの様子を見てからだ」
「だめだ」
「……俺を抱くのがもう一人増えたところで今更だろ? それに二度と抱かれるつもりなんてない。今回限りだ」
「だめだっつってんだろ!」
凄まれて怯みそうになる心を叱咤する。
「俺の後輩が前に進むのを手助けしてやりたいだけなんだよ! 抱かれた後はお仕置きでもなんでもしてくれればいい。……頼むよ」
それでもだめなら、どうしよう。
離婚、という文字が頭をチラついた。
だって、異世界にわけがわからず飛ばされて、五年もがんばってきたんだぞ? 俺なんか最初からインに抱かれて、いろいろあったけどすっごく大事にされてる。たいへんな思いをした後輩を応援してやりたいって思っただけなのに。
「……ルイ、泣くな」
「……泣いてない」
泣くのは卑怯だ。涙をこらえる。こちらに来てから涙腺が緩くなっていて困ってしまう。
「会ってから判断するんだな?」
「……うん」
インは大仰にため息をついた。
「……気に食わねえがしかたねえ。惚れた弱みだ」
「……ありがとう」
俺はインに抱きついた。
そしてちょっとだけ心配になった。
インってチョロすぎない?(超失礼)
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「巨人族に二人ががりで溺愛されている俺は淫乱天使さまらしいです」のカイト君とのらぶえちをルイ視点でお届けしまっす! その後のお仕置きもねっ!(ぉぃ
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