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新しい村で愛されています(続々編)

番外編その4:仕事はできたんだよ? ホントだよ?(11)

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 国としてはどうなんだろうなとは思う。
 宰相との話で今年は従来通りとして、来年から三年間は減税とする。ただし、陳情はよほどのことを除き差し戻すこととした。王領だったということもあり、一回の解決金はそれなりの額だったようでそれを減額できるというメリットは大きいようだ。(総じて陳情の数も減る)
 そして向こう四年間の従業員や兵士の給料は国持ちとなった。これは俺がどういうわけか元使えない部下の好きな食べ物をけっこう知っていたということが大きい。
 そういえばアイツ、昼ご飯だけが楽しみとか大きな声で言ってたもんな。こっちの世界には醤油のようなものはあるんだろうか。世界は広いから探せばどこかで作っているかもしれないと思った。あの宰相のことだから元部下の為にならなんでも手に入れるだろう。

「ルーイ、お疲れ様!」

 やっぱりあの怜悧な美貌の宰相と話すのは精神的に疲れたらしく、執務棟を出てから俺はぐったりしてしまった。ロイに労いの声をかけられてほっとする。インの腕の中にいたから多少はどうにかなっていたけど、一人で向き合う勇気はないし、もう二度と顔を見たくないと思った。
 会話はあれからもかなり続いた。インがおなかに回してくれた腕をこっそりぎゅっと掴みながらがんばった。
 リンカの始末についても宰相に丸投げした。リンカが俺の奴隷になりたいとかあほなことを言い、宰相は大笑いした。

「天使さまだからしかたないのだろうが、一度そのおまんこで咥えてやったらどうだ? リンカは使える奴だ。なんだって言うことを聞くようになるだろう」
「冗談じゃない。こんなキモいのお断りだ。コイツが優秀じゃなきゃとっとと首にして他の奴を雇用したいぐらいだ」
「貴様のおまんこを犯せるならば優秀な者が何人だって集まるだろう。一人優秀なのを派遣してやろう。その代わり三日に一度はヤらせてやれ」
「ヤらせなきゃいけないならいらない。俺、インと一緒にいる時間を増やしたいだけだから」
「けなげなことだ。使ってみてから判断してもいい。そうだな、一月試用期間で仕事の補佐をさせ、そのまま雇用したいと思うならヤらせるというのはどうだ?」
「……なんでそんなに俺を誰かに犯させたいんだよ」
「王の負担をできるだけ減らしたいのでな」
「ああ、そういうこと」

 納得した。宰相は元部下を愛しているようだ。だからできるだけ他の奴にヤらせたくないのだろう。
 そういえば王城に天使が増えたようなことを聞いたっけ。

「話変わるけど天使が増えたとか?」
「ああ、おかげで王はほとんど他の者の相手をしなくてもよくなった。新しい天使は誰にヤられても善がりまくる」
「へえ……なのにこっちに厄介払いしたい奴がいるんだ?」
「……王に懸想する者がいないわけではない。王は愛らしいからな」

 愛らしいって。元部下を思い出してはみたがひとかけらも愛らしい要素が浮かばない。宰相は間違いなく趣味が悪いのだろう。

「そっか。でもアイツが好みだったら俺は好みに合わないんじゃ?」
「私には理解できんが……恋人のいる者を快感に啼かせるのがいいらしい」

 宰相の眉間に皺が寄っているのがわかった。
 それって寝取り属性か? 寝取りたいわけではないのか微妙なところだ。ぶっちゃけインと過ごす時間が増やせるのなら宰相が派遣する奴に犯されたってかまわない。ただどういう性癖なのかは聞いておかないといけないようには思った。
 と、もろもろ雑談のようなこともこなしてから宰相との会見は終った。ちなみに、この水晶の稼働についてはリンカの魔力に依存していた。なので宰相と話し終えた後、リンカの顔色はかなりひどいことになっていた。

「つーわけだから今日はお前らだけで仕事しといて」
「お、奥さま……せめてその、おっぱいかおまんこを見せていただきたく……」
「……は?」

 リンカがまたあほなことを言う。

「見せていただけましたらがんばれますので!」

 俺はロイを窺った。ロイは面白くてならないような顔をしていた。

「見せるだけだよー」

 そう言って俺の服を少しくつろがせ、俺の胸をリンカに見せた。

「ルイのおっぱいかわいいよね。この赤く色づいた乳首とか最高だよね!」
「あっ……」

 ロイがそんなことを言いながら俺の乳首を摘まむ。

「ここをねー舐めたり吸ったりするともっとかわいくなっちゃうんだよー」
「おい、勝手なことをするな!」

 インがやっと反応して、ロイの手を俺の胸から払いのけた。服を直してくれるのかと思ったら、何故か両方の乳首を摘まんでくにくにといじり始めた。

「あっ、インッ……!?」
「触らせてはやらねえが、見たいならいくらでも見せてやるよ。それでどうだ?」
「ありがたき幸せ……」

 リンカがうっとりして言う。

「ルイ、これからは午後は俺と一緒だ。仕事をしながらおまんこしてやる。どうだ?」
「あぁんっ、そ、そうじゃなくて……」

 仕事の最中に一緒にいたいわけではないのだ。
 乳首を何度も引っ張られてくにくにと揉まれ、インが「犯してえ」と呟いてからやっと俺は執務棟から出ることができた。だからロイに声をかけられてほっとしたけど、その後にされちゃうことを想像したら胸がどきどきして落ち着かなくなった。

「期待してんのか?」
「……ばか……」

 本当にうちの夫はデリカシーがない。エインがにこにこしながらそんな俺たちを見ていた。



ーーーーー
次こそはーらぶえち! そしてルイを抱くメンバーがいずれ増えるかも!?(どこまで増やす気だ
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