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その後48.駆け引きなんてとてもできない
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お茶を飲んで、少し休んだ後インに抱かれた。
夕飯の席で、改めてインが隣村の村長になることを伝えられた。
「すいません、インさん」
エインが声をかける。
「なんだ」
「隣村というとセイム村でしょうか」
「ああ、それがどうした?」
「あそこは王が滞在される別荘があるはずですが、それはどうなるんでしょうか」
「そこも含めて下賜された。現在の王は天使さまだ。長距離の移動はできない」
「早馬で三日の距離では移動できませんか」
エインがインの腕におさまっている俺を見る。俺は確か転移されてきたんだよな。
「普通の移動方法では難しいだろう。なにせ天使さまだからな」
インがそう言って俺の腹に腕を回した。
「しかしどうして……」
「さぁな。アイツらの考えることはわからん。一つだけ言えるのはうちにも天使さまがいるってことぐらいだ」
「……そういうことですか……」
「?」
何がそういうことなのかさっぱりわからないがエインはそれで納得したようだった。
「正式な委任状が来るまではこの家で暮らすが、その後は隣村に引っ越す。準備だけはしておけ」
「かしこまりました」
ファンとハレを含めた全員が返事をする。そしてまたファンとハレは食堂を出て行った。全員一緒なんだなとほっとした。
「十分食べたか?」
「もうおなかいっぱいだよ」
「お前は食べなさすぎる。だがお前が満足しているならそれでいい」
「?」
なんだかインにいつにない余裕を感じる。村長になったからだろうか。まだ正式なものは届いていないようだけど。
「天使さまはさーどんどんキレイになっていくよね」
「……え……」
ロイが言う。綺麗って、俺は男なんだが。
「天使さまってさ、愛されることでその相手のことを愛すと理想の身体になっていくんだって。もちろん骨格とかは変わらないからそうそう体型も変わらないんだけど、お肌がキレイになったり、筋肉の肉付きは変わらないのに柔らかくなったりするみたい。不思議だよね」
「そんな、バカな……」
天使ってのはどこまでも非科学的なんだ。
「愛されてる為の存在だから間違ってないと思うけどねー」
「愛される為って……」
俺はただ単に、この世界に来た時30歳を過ぎてて童貞だったからインに”天使”だと言われて抱かれただけで、そうじゃなかったらどんな目に合わされていたかわからない。だからなんか、インは貧乏くじを引いたんじゃないかって思ってしまうのだ。
「ねー、ルイ。僕はルイのこと大好きだよ」
「……ありがとう」
「好きって言葉じゃ足りない。愛してるんだよ」
真面目な顔で告白されて顔が熱を持った。
「インさんもさ、ちゃんと言葉で言いなよー。キスしたり舐めたりする他にすることあるじゃん」
「そうだな、ルイをたっぷり犯してやらないとな」
「ねえ、それボケてるつもり? 面白くないんだけどー」
俺は近くにいるロイの頬を撫でた。
「ロイ、ありがとな……」
ロイが俺の手を掴んだ。
「ねえ、もう……天使さまはどんだけかわいいんだよっ! やっぱり今から身体鍛えまくればどうにかなるかな!?」
「残念だがロイではどうにも……」
「無理じゃないですかねー」
「エインとケンは黙ってて!」
その漫才のようなやりとりに俺は笑ってしまった。なんだかんだいってみんな好きだなあと思う。
背後からインの低い声がして、俺は肩を竦めた。
「……ロイ、俺からルイを奪う気か?」
「奪えるものならとっくに奪ってるよ。独占欲の塊のくせに愛してるの一言も言えないんでしょ? 本当は天使とか関係なく好みだったから犯したくせにー」
……え?
俺は耳を疑った。
「異世界の人はさ、一回でもこっちの人間と身体の関係を持つと一年は元の世界に帰ることができないんだよ。だけど会ったその日にヤられたんでしょ? 帰す気全くなかったよね」
確かにそれは後から聞いた。それもこの村に来てから。
「インさんはさー、ルイが天使さまじゃなくても犯したと思うよー」
「……黙れ」
「怖い声だしてもやめないよ。だって天使さまはみんなに愛される為の存在なんだもん。ルイはインさんのこと好きでたまらないみたいなのにさ、何で返してあげないの?」
「……食い終わったならヤるぞ。ヤり足りねえ」
「……あっ……」
小さい俺自身を掴まれた。
「インさんのヘタレー」
「てめーもヤッちまうぞ」
「いいよー、ちゃんとしっかりほぐしてからメロメロにさせてねー」
「んな面倒くせえことするわけないだろ」
「ルイのおまんこはしっかり舐めるくせにー。指でもしっかりほぐすよねー」
「ルイは天使なんだから当たり前だろ」
「ええー? 天使さまの方がほぐさなくてもすぐヤれるじゃん?」
インがロイに口で勝てるわけがなかった。
「やっぱ愛でしょ。認めなよ」
俺は苦笑した。ロイはとても優しい。でもインはそのままでも、俺の所有者なんだからいいと思う。
「ロイ、大丈夫だから……」
「えー」
「だって、インは俺の所有者なんだろ?」
そう言ったら何故か無言で抱き上げられた。そのままインは寝室に俺を運び、ベッドに押し倒した。
今夜も眠れそうにない。
夕飯の席で、改めてインが隣村の村長になることを伝えられた。
「すいません、インさん」
エインが声をかける。
「なんだ」
「隣村というとセイム村でしょうか」
「ああ、それがどうした?」
「あそこは王が滞在される別荘があるはずですが、それはどうなるんでしょうか」
「そこも含めて下賜された。現在の王は天使さまだ。長距離の移動はできない」
「早馬で三日の距離では移動できませんか」
エインがインの腕におさまっている俺を見る。俺は確か転移されてきたんだよな。
「普通の移動方法では難しいだろう。なにせ天使さまだからな」
インがそう言って俺の腹に腕を回した。
「しかしどうして……」
「さぁな。アイツらの考えることはわからん。一つだけ言えるのはうちにも天使さまがいるってことぐらいだ」
「……そういうことですか……」
「?」
何がそういうことなのかさっぱりわからないがエインはそれで納得したようだった。
「正式な委任状が来るまではこの家で暮らすが、その後は隣村に引っ越す。準備だけはしておけ」
「かしこまりました」
ファンとハレを含めた全員が返事をする。そしてまたファンとハレは食堂を出て行った。全員一緒なんだなとほっとした。
「十分食べたか?」
「もうおなかいっぱいだよ」
「お前は食べなさすぎる。だがお前が満足しているならそれでいい」
「?」
なんだかインにいつにない余裕を感じる。村長になったからだろうか。まだ正式なものは届いていないようだけど。
「天使さまはさーどんどんキレイになっていくよね」
「……え……」
ロイが言う。綺麗って、俺は男なんだが。
「天使さまってさ、愛されることでその相手のことを愛すと理想の身体になっていくんだって。もちろん骨格とかは変わらないからそうそう体型も変わらないんだけど、お肌がキレイになったり、筋肉の肉付きは変わらないのに柔らかくなったりするみたい。不思議だよね」
「そんな、バカな……」
天使ってのはどこまでも非科学的なんだ。
「愛されてる為の存在だから間違ってないと思うけどねー」
「愛される為って……」
俺はただ単に、この世界に来た時30歳を過ぎてて童貞だったからインに”天使”だと言われて抱かれただけで、そうじゃなかったらどんな目に合わされていたかわからない。だからなんか、インは貧乏くじを引いたんじゃないかって思ってしまうのだ。
「ねー、ルイ。僕はルイのこと大好きだよ」
「……ありがとう」
「好きって言葉じゃ足りない。愛してるんだよ」
真面目な顔で告白されて顔が熱を持った。
「インさんもさ、ちゃんと言葉で言いなよー。キスしたり舐めたりする他にすることあるじゃん」
「そうだな、ルイをたっぷり犯してやらないとな」
「ねえ、それボケてるつもり? 面白くないんだけどー」
俺は近くにいるロイの頬を撫でた。
「ロイ、ありがとな……」
ロイが俺の手を掴んだ。
「ねえ、もう……天使さまはどんだけかわいいんだよっ! やっぱり今から身体鍛えまくればどうにかなるかな!?」
「残念だがロイではどうにも……」
「無理じゃないですかねー」
「エインとケンは黙ってて!」
その漫才のようなやりとりに俺は笑ってしまった。なんだかんだいってみんな好きだなあと思う。
背後からインの低い声がして、俺は肩を竦めた。
「……ロイ、俺からルイを奪う気か?」
「奪えるものならとっくに奪ってるよ。独占欲の塊のくせに愛してるの一言も言えないんでしょ? 本当は天使とか関係なく好みだったから犯したくせにー」
……え?
俺は耳を疑った。
「異世界の人はさ、一回でもこっちの人間と身体の関係を持つと一年は元の世界に帰ることができないんだよ。だけど会ったその日にヤられたんでしょ? 帰す気全くなかったよね」
確かにそれは後から聞いた。それもこの村に来てから。
「インさんはさー、ルイが天使さまじゃなくても犯したと思うよー」
「……黙れ」
「怖い声だしてもやめないよ。だって天使さまはみんなに愛される為の存在なんだもん。ルイはインさんのこと好きでたまらないみたいなのにさ、何で返してあげないの?」
「……食い終わったならヤるぞ。ヤり足りねえ」
「……あっ……」
小さい俺自身を掴まれた。
「インさんのヘタレー」
「てめーもヤッちまうぞ」
「いいよー、ちゃんとしっかりほぐしてからメロメロにさせてねー」
「んな面倒くせえことするわけないだろ」
「ルイのおまんこはしっかり舐めるくせにー。指でもしっかりほぐすよねー」
「ルイは天使なんだから当たり前だろ」
「ええー? 天使さまの方がほぐさなくてもすぐヤれるじゃん?」
インがロイに口で勝てるわけがなかった。
「やっぱ愛でしょ。認めなよ」
俺は苦笑した。ロイはとても優しい。でもインはそのままでも、俺の所有者なんだからいいと思う。
「ロイ、大丈夫だから……」
「えー」
「だって、インは俺の所有者なんだろ?」
そう言ったら何故か無言で抱き上げられた。そのままインは寝室に俺を運び、ベッドに押し倒した。
今夜も眠れそうにない。
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