【完結】イケメンだけど短小な俺が異世界に召喚されたら

その後４７．なんでこんなに好きなんだろう

　インにはそれなりに好かれているという自覚はある。
　そう、自覚はあるけど……どうしても確信は持てない。だって俺たちの関係は身体だけだし。

「何感じてんだよ」

　インがいらいらしたように言ってロイをどかし、俺の立ち上がった自身をペロリと舐めた。

「インさんおーぼー」
「ああっ！？」
「全く……ルイは感じやすすぎだ。天使さまだからしょうがないがな」
「あ……」

　やっぱり名を呼ばれるだけで身体が跳ねてしまうのも、俺が天使だからなのだろうか。

「天使なのも含めてルイじゃん。感じちゃうのはしょうがないでしょ。僕たちが感じさせてるんだもん」
「そうだな」

　インは小さい俺自身をぱくりと咥える。

「あっ、ああっ……！」

　俺自身は勃起しても誰かの口の中に納まってしまうほど小さい。亀頭から付け根まですっぽりと覆われて、インの口腔内でこれでもかとこねられる。

「あっ、だめっ、インっ、インっ……！」

　俺はインの頭を外させようと髪に触れたが、キツい目で睨まれて何もできなかった。
　じゅぷじゅぷと舐めしゃぶられ、口の中で転がされる。あまりの快感に身体が何度も跳ねた。

「やっ、イッちゃう、もうっ、もうっ……！」

　インの髪をぐしゃぐしゃにして、俺はすぐにイッてしまった。

「あああああああーーーんっっ！」

　イッた俺自身をインがちゅうちゅう吸い、萎えていくのをちゅくちゅくとしゃぶられる。

「やっ、インっ、イッたから、イッたからぁっ……！」

　イッたばかりの自身をいじられるのはつらいのだ。神経がむき出しになっているみたいで感じすぎてしまう。なのにインは俺自身を離さず、満足するまで舐めしゃぶった。

「やぁんっ、もうだめっ、だめぇっ……！」

　感じすぎて涙がぼろぼろこぼれてしまう。涎もだらだら垂れてしまい、ひどい顔をしていると思う。それなのにロイは俺をかわいくてならないというように見ているし、やっと俺自身を解放したインはひどく色を含んだ眼差しで俺を眺めた。

「……っ……やだって言った……のに……」

　つい恨みがましく睨んでしまう。

「しょうがねえだろ、ルイのちんちんうめえんだから。文句があるならずっとしゃぶっててやってもいいんだぜ？」
「っ、やだっ……」

　ずっとしゃぶられ続けたら頭がおかしくなってしまう。

「いちいちかわいいな……」

　インが呟いて、俺をシーツでくるんだ。わざわざ二枚使って俺の手が動くようにしてくれるのだからなんだかなぁと思う。

「まだ日は出てるよな」
「うん、まだ明るいよー。お茶淹れてくるね。ミルクはルイのでいいよね」

　顔がカッと熱くなる。俺のミルクって……。

「ルイのが一番うまいだろ」
「だよねー。毎日いっぱい飲んでるけど飽きないよねー」

　ロイが嬉しそうに言って部屋を出て行った。インが俺を抱き上げる。そして、ベランダに出た。心地いい風が吹いてきて、俺は嘆息した。西の空が赤い。これは日が出ているというんだろうか。でも下手なことを言ってすぐに部屋に連れ戻されても困るので黙っていた。

「ルイ」
「うん、何……？」
「この村の隣には小さな村がある」
「……そうなんだ」
「その村の村長になった」
「そうなんだ？　……って、ええ？」

　そんな村長なんて簡単になれるものなのか？

「隣の村は長い間王領だった。だがもう避暑に訪れることもないということで下賜された。規模は小さいが土地が豊かで温泉も出る」
「へえ……」
「お前は天使だから、また俺たち以外にも犯されることがあるかもしれない」
「…………」

　そんなことは今更だった。今まで何人にヤられてきたかなんて覚えてない。最近は四人のローテーションの他にファンとハレに抱かれることがあるぐらいだが、それは天使としてはおかしいのかもしれないとは思っていた。

「だがそれはみなお前を守る為だ。どいつもこいつも夢中になって、お前を守るだろう。だから……」
「……別にいいよ。優しくしてくれるなら……」

　だってもう俺は、誰に抱かれてもインのものだってことは変わらないから。

「ルイ……」
「夜は、インが抱いてくれるんだろ……？」

　インは鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした。
　え？　俺なんか間違ったこと言った？
　インが不機嫌そうな顔をする。もしかして俺は間違ったのだろうか。内心おろおろしてしまう。だけど。

「……どこまでお前はかわいいんだよッ！」

　インは怒鳴るように言うと俺に口づけた。

「んんっ……」

　ベンチに腰掛けたままきつく抱きしめられて口腔内を舐め回される。なんでこんな風にされるのかわからなかったが、俺はそっとインの背に腕を回した。今だけはインに独占されてるって実感できるから。
　何度も角度を変えて口づけられ、やっと解放された頃、ロイが手持無沙汰にお茶とお茶菓子を載せたトレイを持って待っていたことに気づいた。

「もー、愛を確かめ合うのは後にしてよね。お茶冷めちゃったじゃん」
「ルイがかわいいんだからしょうがないだろう」
「わかってるけどさー」

　かわいいかわいいって言いすぎだろ。俺はまた真っ赤になって、俯いて紅茶を啜ることしかできなかった。