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その後35.話だけでは終わらなかった。見せるって何だ!
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その天使さまとやらを抱き上げて連れてきたのは、客よりも更に一回り大きい人だった。その人が連れてきた天使は、大きめのだぼだぼな服にくるまれているようなかんじで連れて来られたから顔が見えない。まぁ別に見なくてもいいけど。
「エイン様、お久しゅうございます。こちらで天使さまと暮らしていらっしゃったとは知りませんでした」
大男はエインの知り合いらしかった。インが聞く。
「知り合いか?」
「はい。実家の近所に住んでいた者たちのようです。弟に気づかずすまなかったな」
「いえいえ。弟はエイン様と関わってはいませんでしたから。こちらこそ失礼しました」
大男はジャック、弟はジャンというそうだ。ちなみに天使さまはカイトと言うらしい。どこかで聞いたような名前だと思った。
「それにしても……天使さまとは、本来はかくも美しいのですね……」
ジャックが俺を舐め回すような目で見ながらそう呟いた。なんか居心地が悪くてインの腕を抱えてしまう。
「かわいいことをするな。ヤりたくなる」
インがククッと喉で笑ってそんなことを言う。
「だって……」
「ジャック、うちの天使さまは俺のものだ。そんな目で見るんじゃない」
「失礼しました」
「これは元がいいんだ。あとは天使が快楽に溺れるほどかわいがればいい」
「それもそうですが食べ物も重要です。精液は天使さまの命の元で、おまんこの中で出さないと意味がないけど、それだけじゃ生きられませんから」
ロイが補足した。飲むのでは効果がないらしい。いや、絶対飲みたくなんかないけど。
「天使さまのお世話係や護衛が他に必要になってくるのですね」
「ああ、最低四人いなければいつ攫われてもおかしくはない」
「そう、ですか……甘く考えていました。ありがとうございます」
ジャックはそこで少し伏せていた目を上げた。挑むような目でインを見る。
「図々しいお願いだとはわかっていますが、できれば天使さまを抱くところを見せていただけませんか」
「これを?」
「はい。抱く時の参考にしたいので」
「参考にはならんと思うがな」
俺は唖然とした。抱かれるところを見られるなんて冗談じゃない。俺はインの腕の中から出ようとした。
「こら、暴れるな」
が、インの力が強くて全然抜け出せない。
「絶対やだからなっ!」
「えー? 手は出させないよ。見せるだけだよ。だめ?」
ロイが乗り気だ。俺は蒼褪めた。
「なんで見せなきゃいけないんだよッ!」
「他の天使さまの扱いをよくする為かな。こうやってあま~く抱かないと天使さまはよりかわいくならないよって」
「……う……」
確かに待遇改善は必要だと思う。俺が見せないって駄々をこねたことで他の天使がひどい目に遭うとか笑えない。
「で、でもだったら光山を見に行けば……」
「天使さまぁ、相手は王だよ? そう簡単に会わせてもらえるわけないじゃん」
「……それもそうか」
この国、というかあの使えなかった部下はこの世界の王だと聞いた。あんなのを王に据えたら世界が滅びるんじゃないかと思ったが、実務には一切かかわらず穏やかに幸せに暮らしていることが王の仕事らしい。なんなんだそれはと呆れたことを思い出した。
「……どうしても見せなきゃ、だめか?」
背後のインを振り返って聞いてみる。インは一瞬うっと詰まったような顔をした。どうしたというのだろう。
「……いけないということはない」
「インさん」
「だが、お前が恥ずかしがるところは見たい」
「……ええ?」
ロイに声をかけられて、インはそんなわけがわからないことを言った。なんだか最近調子が狂う。
「じゃ、じゃあ……優しく、してくれよ……?」
顔が熱くなる。何を言ってるんだ俺は。
「っ……いつも優しくしてるだろ?」
「……尻叩いたりするじゃん……」
「つい、な……わかった。他には?」
「……見られてるってわからないぐらい感じさせ」
「わかった!」
言葉が途中で遮られた。そうして俺はインに抱き上げられたまま寝室に連れて行かれた。
「準備しますから待っててくださいね」
インの背中越しにロイがそんなことを言っているのが聞こえる。なんだかとても恥ずかしいことを言ったような気がする。俺は女じゃないのに、ってこの世界に女はいないんだけど。
「……これ以上ないってぐらい、甘く抱いてやるよ……」
「……っっ!」
耳元で囁かれて、それだけでどうにかなりそうだと思った。俺はいったいどうなってしまうのだろう。
「エイン様、お久しゅうございます。こちらで天使さまと暮らしていらっしゃったとは知りませんでした」
大男はエインの知り合いらしかった。インが聞く。
「知り合いか?」
「はい。実家の近所に住んでいた者たちのようです。弟に気づかずすまなかったな」
「いえいえ。弟はエイン様と関わってはいませんでしたから。こちらこそ失礼しました」
大男はジャック、弟はジャンというそうだ。ちなみに天使さまはカイトと言うらしい。どこかで聞いたような名前だと思った。
「それにしても……天使さまとは、本来はかくも美しいのですね……」
ジャックが俺を舐め回すような目で見ながらそう呟いた。なんか居心地が悪くてインの腕を抱えてしまう。
「かわいいことをするな。ヤりたくなる」
インがククッと喉で笑ってそんなことを言う。
「だって……」
「ジャック、うちの天使さまは俺のものだ。そんな目で見るんじゃない」
「失礼しました」
「これは元がいいんだ。あとは天使が快楽に溺れるほどかわいがればいい」
「それもそうですが食べ物も重要です。精液は天使さまの命の元で、おまんこの中で出さないと意味がないけど、それだけじゃ生きられませんから」
ロイが補足した。飲むのでは効果がないらしい。いや、絶対飲みたくなんかないけど。
「天使さまのお世話係や護衛が他に必要になってくるのですね」
「ああ、最低四人いなければいつ攫われてもおかしくはない」
「そう、ですか……甘く考えていました。ありがとうございます」
ジャックはそこで少し伏せていた目を上げた。挑むような目でインを見る。
「図々しいお願いだとはわかっていますが、できれば天使さまを抱くところを見せていただけませんか」
「これを?」
「はい。抱く時の参考にしたいので」
「参考にはならんと思うがな」
俺は唖然とした。抱かれるところを見られるなんて冗談じゃない。俺はインの腕の中から出ようとした。
「こら、暴れるな」
が、インの力が強くて全然抜け出せない。
「絶対やだからなっ!」
「えー? 手は出させないよ。見せるだけだよ。だめ?」
ロイが乗り気だ。俺は蒼褪めた。
「なんで見せなきゃいけないんだよッ!」
「他の天使さまの扱いをよくする為かな。こうやってあま~く抱かないと天使さまはよりかわいくならないよって」
「……う……」
確かに待遇改善は必要だと思う。俺が見せないって駄々をこねたことで他の天使がひどい目に遭うとか笑えない。
「で、でもだったら光山を見に行けば……」
「天使さまぁ、相手は王だよ? そう簡単に会わせてもらえるわけないじゃん」
「……それもそうか」
この国、というかあの使えなかった部下はこの世界の王だと聞いた。あんなのを王に据えたら世界が滅びるんじゃないかと思ったが、実務には一切かかわらず穏やかに幸せに暮らしていることが王の仕事らしい。なんなんだそれはと呆れたことを思い出した。
「……どうしても見せなきゃ、だめか?」
背後のインを振り返って聞いてみる。インは一瞬うっと詰まったような顔をした。どうしたというのだろう。
「……いけないということはない」
「インさん」
「だが、お前が恥ずかしがるところは見たい」
「……ええ?」
ロイに声をかけられて、インはそんなわけがわからないことを言った。なんだか最近調子が狂う。
「じゃ、じゃあ……優しく、してくれよ……?」
顔が熱くなる。何を言ってるんだ俺は。
「っ……いつも優しくしてるだろ?」
「……尻叩いたりするじゃん……」
「つい、な……わかった。他には?」
「……見られてるってわからないぐらい感じさせ」
「わかった!」
言葉が途中で遮られた。そうして俺はインに抱き上げられたまま寝室に連れて行かれた。
「準備しますから待っててくださいね」
インの背中越しにロイがそんなことを言っているのが聞こえる。なんだかとても恥ずかしいことを言ったような気がする。俺は女じゃないのに、ってこの世界に女はいないんだけど。
「……これ以上ないってぐらい、甘く抱いてやるよ……」
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耳元で囁かれて、それだけでどうにかなりそうだと思った。俺はいったいどうなってしまうのだろう。
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