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その後14.胸きゅんは疲れるんだよ!

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「……天使さまを攫おうとした? それは許せないな」

 帰ってきて報告を受けたインは、エインに正常位で抱かれながらはふはふしている俺の頬に口づけると、すぐに部屋を出て行った。きゅんとしてしまったじゃないか。
 ロイとケン、そしてファンはあれから結局戻ってこなくて、俺はずっとエインの腕の中にいた。上から覆い被される形の正常位は守られている実感がある。それと同時にエインの身体は大きいから時々怖くも感じる。エインの体格で暴力を振るわれたら俺は到底かなわない。それを言ったらインにだってかなわないけれど。

「あっ、あっ、あっ……」

 抱きしめられながらずんっずんっと中をこねられる。ずっと開かされている足ががくがくしてもう感覚がない。

「天使さま、天使さま……かわいい……とてもかわいいです……」

 三十も過ぎた男に言う科白ではないと思うが、エインに言われると胸がきゅんとしてしまう。中をずんずんこねられながらきゅんきゅんするから感じすぎてつらい。

「やっ……言わなっ……ああんっ……!」
「今、中が締まりましたよ。天使さまは淫乱で、すごくかわいいです……」
「やああっっ……!」

 目の奥が熱くなって涙が溢れてくる。言われなくても自覚はしているが、言われると恥ずかしくなりまた胸がきゅんとしてしまうのが困る。

「……天使さまを攫いたくなる気持ち、とてもわかります……」
「……あんっ、あんっ……えっ……」

 抉られながらそんなことを呟かれた。どう反応したらいいかわからない。

「天使さまにはわからないと思います。でもそれぐらい貴方はみなを夢中にさせるのだと、覚えておいてください」
「んっ、そん、な……ああっ……」

 ずっとされているのに気持ちよさしかない。もうなんていうか、抱かれていることしか頭にない。なんか脳の中まで犯されているみたいで、俺は怖いと思った。
 でも俺はここから出られないのだからどうでもいい。天使さまと呼ばれて、ただただ男に抱かれ続けて一生過ごすのだろう。
 しばらくしてやっとエインがイキ、イチモツを抜かれた。入れられ続けていたから尻穴がエインの形になっているような気がする。だけど一、二時間もすれば元に戻ってしまうというのだから不思議なものだと思う。

「おなかすきませんか」
「……うん、すいた」
「ちょっと見てきましょう」

 洗浄魔法でキレイにされ、シーツで巻かれて抱き上げられた。この部屋に一人で残されることはないから、それだけでも安心する。いい年こいた男が一人にされると寂しい、ということではなくて、この部屋も万能ではないということだ。ちょっと部屋で一人になった隙に攫われてしまう危険性があるというのだから、とにかく物騒である。
 エインが部屋の外を魔法で窺い、そっと扉を開けた。

「お疲れ~」

 ロイが居間にいた。

「もういいのか」
「インさんが、生まれてきてごめんなさいって目に合わせてるから僕は戻ってきたんだ。おなかすいたでしょ」

 あの青年はどんな目に合わされているというのか。俺は身震いした。

「……ああ、腹減った」
「パンとスープならあるよ。サラダもあった方がいいかな」
「パンとスープがあるならそれで……」
「天使さまにはサラダもつけろ」
「はいはい」

 俺はパンとスープだけでもいいと思ったけど、ここの連中はとても過保護だ。天使というのは存在自体が未知数なので、手厚くしなければならないというのが彼らの考え方らしい。
 これで俺が天使じゃなかったらどんな目に合わされていたのか。……一応俺は日本に送還されるはずじゃなかったのだろうか。そうなると見えないところを殴る蹴るか。服の下に隠れる部分は何をされていたのかと思うと俺は蒼褪めた。

「天使さまどうしたの? 怖くなっちゃった?」
「あ、ああ……ちょっと、な……」
「正体が見抜けなくてごめんね? これからはもっと気をつけるから……」
「もう少し気を引き締める必要があるな」
「いろんな人材をスカウトした方がいいかもねー」

 白いパンはふかふかでおいしい。スープも味は薄いが肉がしっかり入っているし食べでがある。サラダもいつだって色とりどりでフレッシュだ。こんなに大事にされるほど俺は彼らに何か返せているのだろうか。
 とても怖いから青年が何をされているのかは聞かなかった。
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