【完結】捕まった結婚詐欺師~化物の里で毎日甘く啼かされています

浅葱

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完結後番外編「諦めが悪い男は淫乱天使に恋焦がれる」

6.淫乱天使は忘れてほしい

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 食休みの時間はけっこう長くとってもらえていると思う。
 イアンのイチモツでっかいから、すぐにえっちしたら食べた物出ちゃうかもしれないしなー。
 ってことで護衛に囲まれた男爵とお話することになった。向き合って話すとか勘弁だから俺はイアンに横抱きにされたままだけど。イアンの逞しい胸が好きで頭をすり寄せてしまった。うー、鬼ってば逞しくて大好きっ。特にこのイアンの筋肉がたまらない。
 おかげでイアンもご機嫌だ。

「ルー、そんなに甘えると思いっきりヤッちまうぞ」
「うん……あとでいっぱいして?」

 っておねだりしてしまった。俺は欲望に忠実なんだよ。

「……ルー、それは言わされてるのか?」

 男爵はでも、俺が素直に言ってるとは思わなかったみたいだ。俺はイアンの胸にすり寄せていた頭を反対側に倒してみせた。

「いいえ? 俺イアンのこと大好きだからいっぱい抱かれたいだけですよ」
「ルー」

 イアンにきつく抱きしめられてしまった。ちょっと痛い。

「イアン、痛いってば!」
「すまん」

 腕の力を緩めてくれたから、またこてんとイアンの胸に頭をもたれさせた。この腕の中がすっごく安心する。

「……毎日十人以上の鬼に犯されて泣いていると報告書にはあったが……」
「泣いてるのは間違いねえな。感じすぎて涙も涎もしっこも毎回漏らしまくりだしな」

 イアンがしれっと答えた。俺は少しだけ恥ずかしくなってイアンの胸に顔を伏せるようにした。感じまくってるのは確かだけどぉ。

「……ルー、今なら奴隷にしてやる。戻ってこい」

 男爵がわけわからないことを言い出した。

「……は?」

 思わず声が出た。男爵の奴隷って、どゆこと? 俺今の生活に満足していますが何か?
 イアンから不穏な気配が立ち上り、俺はビクッとした。イアンはそれに気づいたのか、俺の頬を撫でた。

「いや……戻らないよ?」
「何故だ。この男爵である私が戻ってこいと言っているんだぞ? 今なら鬼たちに犯されているルーを助けてやると言っているんだ。何が不満なんだ!」

 男爵は声を荒げた。
 意味がわからない。護衛に囲まれている男爵の両脇に控えていた聖職者たちが呆れたように首を振った。よかった。男爵の言い分がおかしいと思っているのは俺だけじゃないんだとほっとした。

「えっと……俺、今の生活に満足してるから……」
「そんなはずはないだろう! その鬼以外にもヤられて泣いていたではないか! 私の奴隷になれば私が許した者たち以外にその肌を晒さなくてよくなるんだ! ルー、私の言うことを聞け!」
「えー……やだ」

 つい本音が漏れてしまった。ぶふっとロートイが噴き出してしまう。それでいいのか聖職者。

「なっ、なっ……!」

 男爵は真っ赤になった。

「男爵さー……俺は男爵に結婚詐欺働いちゃうようなクズなんだよ? 俺のことなんか忘れた方がいいってば」

 なんだかだんだん男爵がかわいそうになってきた。俺が全面的に悪いんだけど、多分男爵って今まで誰にも好きになってもらえたことがないんだと思う。だから結婚詐欺師ってわかっても俺のこと信じてたんだろーな。

「それとも……俺のことヤる?」

 それですっきりするならありかなーって思った。

「なっ……ルー……」
「男爵のこと全然好みじゃないけど、せーえきくれるなら犯してくれてもいーよ? 俺、せーえきもらえるなら誰でもいいからさ」

 男爵には悪いと思うけど、これが俺だから。

「せっかくこんな遠くまで来たんだからさ、俺のおまんこにお貴族様のせーえき注いでってよ。残念ながら子種もらっても妊娠はできないんだけどな」

 そう言って俺は足をガバッと男爵に向けて開いた。服は着せられたけど下に何も履いてないから、そうしたら俺の尻もちんちんも丸見えである。

「ルー、貴様っ!」

 男爵が激昂して立ち上がろうとするのを護衛たちがどうにか押さえる。ホント、護衛とかもお疲れ様だ。あ、でもこの護衛たちって俺のこと散々犯してたよな。じゃあいっかー。

「こういう奴だってわかってるだろ? ヤらないなら帰りなよ。俺これからイアンにいっぱい抱いてもらうんだから」
「……明日の朝出立する。それまではルー、お前の痴態を見届けてやる……」
「ふーん? 勝手にすれば?」

 俺は足を閉じた。別に見せたくて見せてるわけじゃないし。護衛たちが唾飲み込んだの聞こえたからなー。
 男爵は俺の被害者だからいいとしても、護衛たちは仕事とはいえ嬉々として俺のこと犯してたからやっぱムカつく。
 どーしよっかな。
 イアンは俺をしまうみたいにまた抱きしめた。イアンって他の鬼に俺のこと抱かせるくせに、けっこう独占欲強いんだよな。そんなところがけっこう好きなんだけど。

「ね、イアン」
「……なんだ?」
「ちょっと話したいことがあるんだけど」
「コイツらに聞かせてはいけないことか?」
「そんなかんじ」

 そう答えた途端、男爵たちは広間から運び出された。一応使ってない小屋があるらしく、そこで男爵たちは一晩過ごすことになるらしい。
 聖職者? もやれやれと言うように男爵たちに付いていった。ロートイは当たり前のように残っている。ロートイに聞かれる分にはいいかな。

「で、なんだ?」
「俺さー、一応男爵には悪いことしたと思ってるんだよね」
「ああ?」

 イアンに凄まれてちょっとちびった。身体が恐怖でがくがく震える。でも俺も伊達に結婚詐欺なんてやってきたわけではないのだ。(えばれない)

「き、聞いてっ! あのさ、貴族に対して犯罪を犯したら、死刑でもしょうがないんだよ……だから男爵はいいんだ」
「俺はよくねえぞ」

 だから凄まないでほしいんだってば。ちょろちょろと漏らしてしまう。

「で、でもっ、あの護衛たち? は許せないんだっ」
「ああ? あの周りにいた奴らか?」

 イアンは訝し気な顔をしながら俺の服を脱がした。ロートイがすぐに洗浄魔法をかけてキレイにしてくれた。よかった。

「うん。アイツらは仕事だったんだけど、楽しそうに俺のこと殴りまくったし、犯しまくられたんだ。いくら命令でも、男爵が見てない間も殴られたり犯されたのは納得がいかない」
「ほほう……あそこにいた奴ら全員か」
「多分、そうだと思う」

 結婚詐欺なんてやっていただけあって、俺は無駄に記憶力がいいのだ。

「それは確かに許せませんね」

 ロートイが呟く。

「だから、あの護衛たちは懲らしめてやりたいかなー。男爵はどうでもいいけど」
「ははっ!」

 イアンが笑った。

「あの男爵とやらはルーが好きでたまらないようだな?」
「……みたいだね。忘れてくれればいいのに」

 その方が幸せだと思う。お互いに。
 俺はため息をついた。

「話はわかった。俺たちに任せろ」
「うん」

 そして俺は布団に運ばれ、今夜もイアンにたっぷり抱かれるのだった。
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