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第4部 四神を愛しなさいと言われました
95.気づくのが遅かったかもしれません
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……ひどい目に遭った。
香子はため息をついた。
胸の大きさについて聞いたら、大きさを定着させるには三日間も白虎に抱かれ続けないといけないらしいと聞いた。何故そんなにかかるのかと聞いたが、そういうものだと言われてしまえばどうしようもない。
あれから香子は白虎の室で、玄武に見守られながら白虎に胸をこれでもかと愛でられた。
白虎に抱かれると胸が大きくなるというのは過言ではない。白虎がたわわな胸を好きだから、それが花嫁に影響してしまうのである。
どうにか三日間抱かれ続けるというのは回避したものの、その日の夜は白虎とも過ごすことになってしまったので玄武、朱雀と共に三神によって香子は愛でられた。
(三人はやりすぎだって……)
『……三日か。その間は本性を現すのであろう?』
朱雀が白虎に問うた。
『……そうなりますな』
『ならば熱を与えねばどうにもなるまい。まだ香子はその本性を恐れている』
『朱雀兄、お願いします』
三日間も熱を与えられ続けたら死んでしまいそうだと香子は思った。けれど胸の大きさを定着させるには、それは避けられないことのようだ。
(なんでそんなに展開がエロ同人っぽいのよぅ)
香子は泣きたくなった。
翌朝、激しい空腹を覚えて香子は涙をこぼした。
空腹というのは本当につらい。ぼろぼろと涙をこぼして『おなかすいたよぉ……』と訴える香子を、玄武は苦笑して宥めた。
そうして、いつも通り朝食を用意されて食べ、やっと胃が落ち着いたところで香子はあることに気づいた。
(私の胸はこんなに大きくなってしまったけど……侍女頭の陳の胸ってどうなっているのかしら?)
確か、紅児の髪色は紅夏に抱かれることで同じ髪の色になった。だから四神宮は暗紫紅色の髪をした者が多いのである。朱雀、香子、紅夏、紅炎、紅児の五名である。更に朱雀の眷属である紅炎は香子の侍女を口説いている最中だ。確か、香子の部屋付きの侍女は林雪紅という名前だったと香子は記憶している。紅炎のつがいだというから、いずれ彼女も赤い髪になってしまうのだろうか。
そんなことを香子は考えた。
そして眷属によっても髪色を定着させることができるのだとしたら、侍女頭である陳秀美の胸はどうなっているのだろう。今は延夕玲と楊芳芳という女官の二人で香子の身の回りのことなどをしているから、陳に関わること自体が少なくなっている。
『うーん……』
思わず香子は唸ってしまった。
陳にそういうことを聞いてもいいのだろうか。それともそれはやはりセクハラに当たるのだろうかと香子は悩んだ。
『香子、如何した?』
椅子になっている玄武に聞かれて、香子は自分が声を発してしまったことに気づいた。
『……ええと……大したことではないです』
人様の胸の大きさが気になるとかどうなのだと香子は思う。だが、もしも陳が胸の大きさに悩んでいたならばと考えてしまったのだ。そしてそれが気になってしまったら、香子はなかなか止められない性分である。
『……ちょっと今日は、白虎様のところへ行ってきます』
『香子?』
玄武が不思議そうな目で香子を見た。
『白雲に聞きたいことがあるのです』
『そうか』
玄武は何も聞かず、香子が朝食を終えると香子の部屋へ運んだ。さすがに衣服を整えないまま白虎の室へは向かえない。以前ならば何も気にせず玄武は香子を直接白虎の室に送り届けたかもしれないが、今はそういうことも考えてくれるのだからありがたいと香子は思う。
そんなちょっとした気遣いに何度も惚れ直してしまうのだ。
『今日は白虎様の室へ向かうわ』
出迎えてくれた夕玲に香子はそう告げた。
『かしこまりました』
侍女たちに衣装を着せられ、髪を整えられる。唇には紅をさされた。そうして鏡を見れば、色の白い、色気を含んだ女性の顔が映っていた。
(これが……今の私なのね……)
改めて見ると不思議だと香子は思う。顔の造作は確かに香子なのだが、明らかに妖艶で男を誘っているようだ。それでいて化粧といえるものは唇に紅をだしただけである。四神に抱かれる効果恐るべし、と香子は思った。
支度が整ったところで白虎がやってきた。
『香子、如何したのか?』
『白雲に尋ねたいことがあるんです。白虎様の室にお願いします』
『……そうか』
己に用があるわけではないと知ってか、白虎の声のトーンが落ちた。それでも白虎は香子を抱き上げると、己の室に運んだ。白雲がお茶の用意をして待っていた。
白虎は香子を抱いたまま長椅子に腰かける。
『白雲、香子がそなたに聞きたいことがあるそうだ。とく答えよ』
『かしこまりました』
白虎が拗ねているということに気付いて、香子は目を丸くした。そんな白虎もかわいいと思ってしまったのである。
『ええと……ちょっと教えてほしいのだけど、陳の胸って私みたいに大きくなってるの?』
白雲は目を見開いた。そんな顔はすごく珍しいので、香子はまじまじと白雲を見てしまった。
『……そうですね。それなりに大きくなっているかと……』
『それって、これから更に大きくなるの? 陳は胸が大きくなって困っていないかしら?』
やっぱり大きくなっているらしい。
『大きいと、困るものなのですか?』
逆に聞き返されてしまった。どうやら白雲もおっぱい星人らしい。香子は頭が痛くなるのを感じた。
香子はため息をついた。
胸の大きさについて聞いたら、大きさを定着させるには三日間も白虎に抱かれ続けないといけないらしいと聞いた。何故そんなにかかるのかと聞いたが、そういうものだと言われてしまえばどうしようもない。
あれから香子は白虎の室で、玄武に見守られながら白虎に胸をこれでもかと愛でられた。
白虎に抱かれると胸が大きくなるというのは過言ではない。白虎がたわわな胸を好きだから、それが花嫁に影響してしまうのである。
どうにか三日間抱かれ続けるというのは回避したものの、その日の夜は白虎とも過ごすことになってしまったので玄武、朱雀と共に三神によって香子は愛でられた。
(三人はやりすぎだって……)
『……三日か。その間は本性を現すのであろう?』
朱雀が白虎に問うた。
『……そうなりますな』
『ならば熱を与えねばどうにもなるまい。まだ香子はその本性を恐れている』
『朱雀兄、お願いします』
三日間も熱を与えられ続けたら死んでしまいそうだと香子は思った。けれど胸の大きさを定着させるには、それは避けられないことのようだ。
(なんでそんなに展開がエロ同人っぽいのよぅ)
香子は泣きたくなった。
翌朝、激しい空腹を覚えて香子は涙をこぼした。
空腹というのは本当につらい。ぼろぼろと涙をこぼして『おなかすいたよぉ……』と訴える香子を、玄武は苦笑して宥めた。
そうして、いつも通り朝食を用意されて食べ、やっと胃が落ち着いたところで香子はあることに気づいた。
(私の胸はこんなに大きくなってしまったけど……侍女頭の陳の胸ってどうなっているのかしら?)
確か、紅児の髪色は紅夏に抱かれることで同じ髪の色になった。だから四神宮は暗紫紅色の髪をした者が多いのである。朱雀、香子、紅夏、紅炎、紅児の五名である。更に朱雀の眷属である紅炎は香子の侍女を口説いている最中だ。確か、香子の部屋付きの侍女は林雪紅という名前だったと香子は記憶している。紅炎のつがいだというから、いずれ彼女も赤い髪になってしまうのだろうか。
そんなことを香子は考えた。
そして眷属によっても髪色を定着させることができるのだとしたら、侍女頭である陳秀美の胸はどうなっているのだろう。今は延夕玲と楊芳芳という女官の二人で香子の身の回りのことなどをしているから、陳に関わること自体が少なくなっている。
『うーん……』
思わず香子は唸ってしまった。
陳にそういうことを聞いてもいいのだろうか。それともそれはやはりセクハラに当たるのだろうかと香子は悩んだ。
『香子、如何した?』
椅子になっている玄武に聞かれて、香子は自分が声を発してしまったことに気づいた。
『……ええと……大したことではないです』
人様の胸の大きさが気になるとかどうなのだと香子は思う。だが、もしも陳が胸の大きさに悩んでいたならばと考えてしまったのだ。そしてそれが気になってしまったら、香子はなかなか止められない性分である。
『……ちょっと今日は、白虎様のところへ行ってきます』
『香子?』
玄武が不思議そうな目で香子を見た。
『白雲に聞きたいことがあるのです』
『そうか』
玄武は何も聞かず、香子が朝食を終えると香子の部屋へ運んだ。さすがに衣服を整えないまま白虎の室へは向かえない。以前ならば何も気にせず玄武は香子を直接白虎の室に送り届けたかもしれないが、今はそういうことも考えてくれるのだからありがたいと香子は思う。
そんなちょっとした気遣いに何度も惚れ直してしまうのだ。
『今日は白虎様の室へ向かうわ』
出迎えてくれた夕玲に香子はそう告げた。
『かしこまりました』
侍女たちに衣装を着せられ、髪を整えられる。唇には紅をさされた。そうして鏡を見れば、色の白い、色気を含んだ女性の顔が映っていた。
(これが……今の私なのね……)
改めて見ると不思議だと香子は思う。顔の造作は確かに香子なのだが、明らかに妖艶で男を誘っているようだ。それでいて化粧といえるものは唇に紅をだしただけである。四神に抱かれる効果恐るべし、と香子は思った。
支度が整ったところで白虎がやってきた。
『香子、如何したのか?』
『白雲に尋ねたいことがあるんです。白虎様の室にお願いします』
『……そうか』
己に用があるわけではないと知ってか、白虎の声のトーンが落ちた。それでも白虎は香子を抱き上げると、己の室に運んだ。白雲がお茶の用意をして待っていた。
白虎は香子を抱いたまま長椅子に腰かける。
『白雲、香子がそなたに聞きたいことがあるそうだ。とく答えよ』
『かしこまりました』
白虎が拗ねているということに気付いて、香子は目を丸くした。そんな白虎もかわいいと思ってしまったのである。
『ええと……ちょっと教えてほしいのだけど、陳の胸って私みたいに大きくなってるの?』
白雲は目を見開いた。そんな顔はすごく珍しいので、香子はまじまじと白雲を見てしまった。
『……そうですね。それなりに大きくなっているかと……』
『それって、これから更に大きくなるの? 陳は胸が大きくなって困っていないかしら?』
やっぱり大きくなっているらしい。
『大きいと、困るものなのですか?』
逆に聞き返されてしまった。どうやら白雲もおっぱい星人らしい。香子は頭が痛くなるのを感じた。
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