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第4部 四神を愛しなさいと言われました
61.青龍と過ごしたらとんでもないことを言われました
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お茶を一杯飲んでから、香子は青龍によって寝室へ運ばれた。
いつものことなのだが、香子はどうしても照れてしまう。
『そなたの恥じらいは、心地いい』
青龍に言われて、香子は頬が熱くなるのを感じた。
『な、なんか恥ずかしいんです……』
『恥じらいがなくなったとしても愛しさは変わらぬ故、香子はあるがままにいればよい』
そう言いながら青龍は香子を床にそっと横たえた。
まだ昼間なのに、とどうしても香子は思ってしまう。
『……お昼ご飯は食べたいです……』
『わかっている』
青龍はそう答えて笑んだ。普段動かない表情が動いたことで香子は動揺した。
香子の顔は明らかに真っ赤になった。青龍は更に口角を上げる。
『……そなたが我を意識するのはとても嬉しいものだな。触れさせよ』
『も、もう……青龍様は変わりすぎです……』
香子はそう文句を言うことしかできなかった。
せっかくキレイに整えてもらった衣裳もはだけられ、香子はそれを少し不満に思ったが、青龍の手に触れられてしまえばもうそんなことを考える余裕もなくなってしまった。
「ぁあっ……」
『香子……愛している』
涼やかな声に情欲が混じる。香子は諦めて青龍に身を委ねた。
青龍は約束通り、昼食の時間には香子を放した。
『……我が整えられればいいのだが……脱がすことはできても難しいものだな』
青龍は香子の衣裳をかろうじて整えながら、そう不満を口にした。そんな青龍を香子は愛しく思う。胸が甘く疼いて、青龍を抱きしめてしまいたくなった。
しかしそれは悪手である。もし香子が今そんなことをしたら、また床に押し倒されてしまうのは間違いなかった。
(我慢、我慢……)
香子は自分に言い聞かせる。そういうことをしていいのはせめて昼食後である。そうでないと今度こそ昼食をくいっぱぐれてしまうだろう。
でも、とも香子も思う。
(何を我慢してるんだろ、私……)
『青龍様、部屋に連れて行ってください』
そう頼めば、青龍は香子を抱き上げた。そして当たり前のように香子を彼女の部屋に運んだ。それで青龍はお役御免のはずなのだが、
『ここで待つ』
青龍はそう言って居間の長椅子に腰掛けた。香子は目を丸くした。
侍女たちも内心戸惑ったが、最近の四神は香子への愛を前面に出しているので顔には出さなかった。
侍女たちは心得たもので、香子の衣裳を整え、髪型を直し、紅を差す。
『お待たせしました』
と香子をキレイにして青龍の元へ返した。青龍は香子をいつも通り抱き上げた。どうしても香子に歩かせたくはないらしい。
香子は胸が疼いてばかりで困ってしまう。このままでは心臓が早めに止まってしまいそうだと香子は思った。
『そなたの衣裳や髪型も全て我が整えられればいいのだが……そうすればそなたを放さずに済む』
吐息と共にそう青龍が言うのを聞いて、香子は正気かと耳を疑った。
『青、青龍様が、ですか……?』
『そうだ。さすればわざわざここまで戻ってこずともよかろう』
部屋に戻ってくる前に言っていたことは本気らしい。香子はさすがに眉を寄せた。
『青龍様、それは……もし青龍様ができるようになったとしても困ります……』
『何故?』
『侍女たちの仕事を奪ってはなりません』
香子は端的に答えた。青龍はああ、と納得したような表情を見せた。
侍女の仕事を奪ってはいけないのは間違いないが、香子からすればそれだけが理由ではない。衣裳や髪型を整えるのから何から全て四神にやってもらってしまっては、香子の精神を整える時間も失われてしまう。食堂へ向かう際や、四神の誰かと過ごす前に衣裳や髪型を整えてもらうことで香子は気持ちを切り替えているのである。
だからそんなぐずぐずな状態になるのはごめんだった。
(やっぱメリハリが大事よね)
『……ならば、そなたが我に嫁いできた時は我が全てを担ってもかまわぬか?』
『え?』
まだその予定はないのだが、香子は疑問に思った。何故青龍に嫁いだら香子の身だしなみなども青龍がするということになるのだろうか?
『……意味がわかりかねます』
『眷属は我やそなたの世話をする為に存在しているが、義務ではない』
『……ああ、はい……』
確かに義務ではなさそうだと、香子は青藍の不満そうな顔を思い出した。義務ではなくてもあの態度はないだろうと香子は思ったが、それは今論ずることではないので言わなかった。
『我がそなたの全てを担ったとしても、問題はないだろう?』
『そ、それはそうですけど……お返事はできかねます!』
香子は青龍の胸に顔を伏せた。
なんと言えばいいのか、青龍の言葉はひどく甘い。全てを担うとはどこからどこまでなのか聞きたいと香子は思ったが、今聞いたらやはり困るだろうということはわかるので聞けない。
青龍がクックッと笑っているのがわかり、香子はムッとした。
『……青龍様、お昼ご飯が食べたいです』
『そなたはほんに……色気より食い気だな』
『……いけませんか?』
『いや? しっかり食べた方がみな喜ぶだろう。さすがに料理はできぬ故、それは譲ることにしよう』
『……まだ青龍様に嫁ぐとは言っていませんが!』
『そのうちだ』
そう言う青龍はとても楽しそうで、香子はやっぱり困ってしまったのだった。
ーーーーー
エールとっても嬉しいです。ありがとうございまーす!
いつものことなのだが、香子はどうしても照れてしまう。
『そなたの恥じらいは、心地いい』
青龍に言われて、香子は頬が熱くなるのを感じた。
『な、なんか恥ずかしいんです……』
『恥じらいがなくなったとしても愛しさは変わらぬ故、香子はあるがままにいればよい』
そう言いながら青龍は香子を床にそっと横たえた。
まだ昼間なのに、とどうしても香子は思ってしまう。
『……お昼ご飯は食べたいです……』
『わかっている』
青龍はそう答えて笑んだ。普段動かない表情が動いたことで香子は動揺した。
香子の顔は明らかに真っ赤になった。青龍は更に口角を上げる。
『……そなたが我を意識するのはとても嬉しいものだな。触れさせよ』
『も、もう……青龍様は変わりすぎです……』
香子はそう文句を言うことしかできなかった。
せっかくキレイに整えてもらった衣裳もはだけられ、香子はそれを少し不満に思ったが、青龍の手に触れられてしまえばもうそんなことを考える余裕もなくなってしまった。
「ぁあっ……」
『香子……愛している』
涼やかな声に情欲が混じる。香子は諦めて青龍に身を委ねた。
青龍は約束通り、昼食の時間には香子を放した。
『……我が整えられればいいのだが……脱がすことはできても難しいものだな』
青龍は香子の衣裳をかろうじて整えながら、そう不満を口にした。そんな青龍を香子は愛しく思う。胸が甘く疼いて、青龍を抱きしめてしまいたくなった。
しかしそれは悪手である。もし香子が今そんなことをしたら、また床に押し倒されてしまうのは間違いなかった。
(我慢、我慢……)
香子は自分に言い聞かせる。そういうことをしていいのはせめて昼食後である。そうでないと今度こそ昼食をくいっぱぐれてしまうだろう。
でも、とも香子も思う。
(何を我慢してるんだろ、私……)
『青龍様、部屋に連れて行ってください』
そう頼めば、青龍は香子を抱き上げた。そして当たり前のように香子を彼女の部屋に運んだ。それで青龍はお役御免のはずなのだが、
『ここで待つ』
青龍はそう言って居間の長椅子に腰掛けた。香子は目を丸くした。
侍女たちも内心戸惑ったが、最近の四神は香子への愛を前面に出しているので顔には出さなかった。
侍女たちは心得たもので、香子の衣裳を整え、髪型を直し、紅を差す。
『お待たせしました』
と香子をキレイにして青龍の元へ返した。青龍は香子をいつも通り抱き上げた。どうしても香子に歩かせたくはないらしい。
香子は胸が疼いてばかりで困ってしまう。このままでは心臓が早めに止まってしまいそうだと香子は思った。
『そなたの衣裳や髪型も全て我が整えられればいいのだが……そうすればそなたを放さずに済む』
吐息と共にそう青龍が言うのを聞いて、香子は正気かと耳を疑った。
『青、青龍様が、ですか……?』
『そうだ。さすればわざわざここまで戻ってこずともよかろう』
部屋に戻ってくる前に言っていたことは本気らしい。香子はさすがに眉を寄せた。
『青龍様、それは……もし青龍様ができるようになったとしても困ります……』
『何故?』
『侍女たちの仕事を奪ってはなりません』
香子は端的に答えた。青龍はああ、と納得したような表情を見せた。
侍女の仕事を奪ってはいけないのは間違いないが、香子からすればそれだけが理由ではない。衣裳や髪型を整えるのから何から全て四神にやってもらってしまっては、香子の精神を整える時間も失われてしまう。食堂へ向かう際や、四神の誰かと過ごす前に衣裳や髪型を整えてもらうことで香子は気持ちを切り替えているのである。
だからそんなぐずぐずな状態になるのはごめんだった。
(やっぱメリハリが大事よね)
『……ならば、そなたが我に嫁いできた時は我が全てを担ってもかまわぬか?』
『え?』
まだその予定はないのだが、香子は疑問に思った。何故青龍に嫁いだら香子の身だしなみなども青龍がするということになるのだろうか?
『……意味がわかりかねます』
『眷属は我やそなたの世話をする為に存在しているが、義務ではない』
『……ああ、はい……』
確かに義務ではなさそうだと、香子は青藍の不満そうな顔を思い出した。義務ではなくてもあの態度はないだろうと香子は思ったが、それは今論ずることではないので言わなかった。
『我がそなたの全てを担ったとしても、問題はないだろう?』
『そ、それはそうですけど……お返事はできかねます!』
香子は青龍の胸に顔を伏せた。
なんと言えばいいのか、青龍の言葉はひどく甘い。全てを担うとはどこからどこまでなのか聞きたいと香子は思ったが、今聞いたらやはり困るだろうということはわかるので聞けない。
青龍がクックッと笑っているのがわかり、香子はムッとした。
『……青龍様、お昼ご飯が食べたいです』
『そなたはほんに……色気より食い気だな』
『……いけませんか?』
『いや? しっかり食べた方がみな喜ぶだろう。さすがに料理はできぬ故、それは譲ることにしよう』
『……まだ青龍様に嫁ぐとは言っていませんが!』
『そのうちだ』
そう言う青龍はとても楽しそうで、香子はやっぱり困ってしまったのだった。
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