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第2部 嫁ぎ先を決めろと言われました
145.四神はやっぱり嫉妬深いらしいです ※R15
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『そなたは他の者を気遣いすぎる。それが性分だと言われても我には容認はできぬ』
白虎の断固とした物言いに香子は目を丸くした。
紅児と話をした後、香子は白虎に抱かれて白虎の室に移動した。基本四神と過ごす時は彼らの室にいることが多い。香子の部屋だとどうしても部屋付の侍女たちと延夕玲の目が気になってしまう。身分の高い者の生活というのはそうなのだとわかってはいても、生まれた時からそのような暮らしをしていたわけではないので、香子としてはどうも居心地が悪い。
で、白虎の室に入ったらこれである。白虎は飄々としたイメージがあったが、それは我慢に我慢を重ねてのことだったらしい。
(そういえば、白虎さまは独占欲が強いって言ってたっけ)
四神同士であってもそれは変わらず、例外となるのは花嫁がすでに他の神々に身を任せている場合のみである。だから白虎は三神に香子を抱かせた。そうやって香子に選択肢を与えたのである。それは白虎が先代の花嫁と暮らしていて体得したもの。
先代の白虎は長く歳を重ね、本能が強く出てしまっていた。故にほとんど何の説明もされないまま先代の花嫁は奪われた。白虎以外の神々とろくに言葉を交わすこともなく、白虎の領地に連れて行かれてしまった。なのに先代の白虎は花嫁を置いて先に逝ってしまった。
置いていかれた哀しみと花嫁の孤独はその子である白虎にはひどく堪えた。花嫁にこんな哀しい顔をさせてはならないと白虎は思ったのだ。
だから香子を見た時生まれた独占欲を押し殺し、三神を優先させたのだ。だが香子は四神だけでなく他の者にも心を寄せる。ある程度までは目をつぶれても、香子が誰かの為に心を痛めるのは許せなかった。
『白虎さま?』
『……我はそなたを甘やかしすぎたのやもしれぬ』
白虎は腕の中の香子をきつく抱きしめ、寝室へと運んだ。
「んんっ!?」
寝室の扉を後ろ手に閉めた途端、白虎は香子に口付けた。全てを奪うような性急な口付けに、香子はぎゅっと白虎の衣を掴むことしかできない。驚いて縮こまった舌は長く肉厚な舌に絡め取られ、官能を促すように舐められた。
(んっ、ざらざらして、る……)
猫科の動物特有の棘がある舌に舐められていると、そのうち口腔内がひりひりしてきそうだ。だがいつもの口付けでは白虎は棘をしまっている。しまうという気遣いができないということは。
香子の口端から唾液が溢れ、それも白虎は舌で辿った。床に押し倒し、破くほどの強さで香子の衣の合わせを開く。下着はむしりとられ、まだ顔を出していない乳首に白虎はむしゃぶりついた。
「ああっ!? 痛っ!!」
白虎の舌の棘が乳首に刺さり、香子は思わず叫んだ。それに白虎ははっとしたようだった。棘がしまわれ、宥めるように香子の乳首を白虎の舌が舐める。
『白虎さま……』
『すまぬ。取り乱した』
そう言いながら白虎は香子の腰帯を解き、衣の前を開かせた。身じろぐ香子を逃がさぬように片手で押さえ込み、乳首を乳輪から改めて口で覆う。
『やっ、白虎さま……』
『少しだけだ』
耐えられなくなって、本来の姿になってしまうまで。
白虎はいつになくよく耐えて、香子の胸をいじり倒した。香子はぷくりと立ち上がるまで乳首をいじられて涙目である。さすがに本性を現して香子を奪うのはまずいと思ったのか、朱雀を呼んだらしい。虎の姿になる前に朱雀が白虎の室に来て、胸の刺激だけで感じてしまっている香子を責任持ってイかせた。その方法についてはみなさまの想像にお任せする。
朱雀は満足そうに舌なめずりし、白虎がまた人の姿を取ると戻っていった。残された香子と白虎のきまずいことといったらもうどうしようもなかった。
(ううう……せめてもう少しいてくれればいいのに……)
白虎が憤った理由はわかったが、なんともいたたまれない。四神以外を気にかけるなと言われてもこればかりは聞けないし、そういう意味では話し合いをするまでに発展しないのだ。
白虎が嘆息する。それに香子はびくっと身体を震わせた。白虎はそんな香子を抱き寄せ、向かい合うように膝に乗せた。居間の、長椅子の上である。
『香子、我は謝らぬ』
『……はい』
なんとなくだが、白虎の言いたいことが香子にはわかる。
四神が花嫁のことで人に嫉妬するのはもう仕方のないことだ。それが嫌なら人と関わらないようにするしかない。
だが香子はそれも嫌なのだ。
花嫁は四神と対等ではないかと張錦飛は言っていたがそんなことはない。四神の花嫁は四神の所有物であることに変わりはない。でもだからといって、香子は四神の言いなりになるつもりはなかった。
『私も謝りません』
『そうか』
白虎は香子の返事にククッと楽しそうに笑った。今はそれだけで十分だった。
ーーーーー
「貴方色に染まる」62話の終り辺りです
https://www.alphapolis.co.jp/novel/977111291/934161364
朱雀との寸止めエロシーンもそのうち書くかな(独り言
白虎の断固とした物言いに香子は目を丸くした。
紅児と話をした後、香子は白虎に抱かれて白虎の室に移動した。基本四神と過ごす時は彼らの室にいることが多い。香子の部屋だとどうしても部屋付の侍女たちと延夕玲の目が気になってしまう。身分の高い者の生活というのはそうなのだとわかってはいても、生まれた時からそのような暮らしをしていたわけではないので、香子としてはどうも居心地が悪い。
で、白虎の室に入ったらこれである。白虎は飄々としたイメージがあったが、それは我慢に我慢を重ねてのことだったらしい。
(そういえば、白虎さまは独占欲が強いって言ってたっけ)
四神同士であってもそれは変わらず、例外となるのは花嫁がすでに他の神々に身を任せている場合のみである。だから白虎は三神に香子を抱かせた。そうやって香子に選択肢を与えたのである。それは白虎が先代の花嫁と暮らしていて体得したもの。
先代の白虎は長く歳を重ね、本能が強く出てしまっていた。故にほとんど何の説明もされないまま先代の花嫁は奪われた。白虎以外の神々とろくに言葉を交わすこともなく、白虎の領地に連れて行かれてしまった。なのに先代の白虎は花嫁を置いて先に逝ってしまった。
置いていかれた哀しみと花嫁の孤独はその子である白虎にはひどく堪えた。花嫁にこんな哀しい顔をさせてはならないと白虎は思ったのだ。
だから香子を見た時生まれた独占欲を押し殺し、三神を優先させたのだ。だが香子は四神だけでなく他の者にも心を寄せる。ある程度までは目をつぶれても、香子が誰かの為に心を痛めるのは許せなかった。
『白虎さま?』
『……我はそなたを甘やかしすぎたのやもしれぬ』
白虎は腕の中の香子をきつく抱きしめ、寝室へと運んだ。
「んんっ!?」
寝室の扉を後ろ手に閉めた途端、白虎は香子に口付けた。全てを奪うような性急な口付けに、香子はぎゅっと白虎の衣を掴むことしかできない。驚いて縮こまった舌は長く肉厚な舌に絡め取られ、官能を促すように舐められた。
(んっ、ざらざらして、る……)
猫科の動物特有の棘がある舌に舐められていると、そのうち口腔内がひりひりしてきそうだ。だがいつもの口付けでは白虎は棘をしまっている。しまうという気遣いができないということは。
香子の口端から唾液が溢れ、それも白虎は舌で辿った。床に押し倒し、破くほどの強さで香子の衣の合わせを開く。下着はむしりとられ、まだ顔を出していない乳首に白虎はむしゃぶりついた。
「ああっ!? 痛っ!!」
白虎の舌の棘が乳首に刺さり、香子は思わず叫んだ。それに白虎ははっとしたようだった。棘がしまわれ、宥めるように香子の乳首を白虎の舌が舐める。
『白虎さま……』
『すまぬ。取り乱した』
そう言いながら白虎は香子の腰帯を解き、衣の前を開かせた。身じろぐ香子を逃がさぬように片手で押さえ込み、乳首を乳輪から改めて口で覆う。
『やっ、白虎さま……』
『少しだけだ』
耐えられなくなって、本来の姿になってしまうまで。
白虎はいつになくよく耐えて、香子の胸をいじり倒した。香子はぷくりと立ち上がるまで乳首をいじられて涙目である。さすがに本性を現して香子を奪うのはまずいと思ったのか、朱雀を呼んだらしい。虎の姿になる前に朱雀が白虎の室に来て、胸の刺激だけで感じてしまっている香子を責任持ってイかせた。その方法についてはみなさまの想像にお任せする。
朱雀は満足そうに舌なめずりし、白虎がまた人の姿を取ると戻っていった。残された香子と白虎のきまずいことといったらもうどうしようもなかった。
(ううう……せめてもう少しいてくれればいいのに……)
白虎が憤った理由はわかったが、なんともいたたまれない。四神以外を気にかけるなと言われてもこればかりは聞けないし、そういう意味では話し合いをするまでに発展しないのだ。
白虎が嘆息する。それに香子はびくっと身体を震わせた。白虎はそんな香子を抱き寄せ、向かい合うように膝に乗せた。居間の、長椅子の上である。
『香子、我は謝らぬ』
『……はい』
なんとなくだが、白虎の言いたいことが香子にはわかる。
四神が花嫁のことで人に嫉妬するのはもう仕方のないことだ。それが嫌なら人と関わらないようにするしかない。
だが香子はそれも嫌なのだ。
花嫁は四神と対等ではないかと張錦飛は言っていたがそんなことはない。四神の花嫁は四神の所有物であることに変わりはない。でもだからといって、香子は四神の言いなりになるつもりはなかった。
『私も謝りません』
『そうか』
白虎は香子の返事にククッと楽しそうに笑った。今はそれだけで十分だった。
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「貴方色に染まる」62話の終り辺りです
https://www.alphapolis.co.jp/novel/977111291/934161364
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