【本編完結】ざまあはされたくありません!

浅葱

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43.悪役令嬢(?)は絶倫でした ※R18

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 ……絶倫ってね、決して褒め言葉ではないと思うんですよ。
 入れる側はいいかもしれないけど、入れられる側は中がその、擦れたりしてですね? 普通は痛くなったりするものだと思うわけで……でもそこらへんヴィクトール様は丁寧なので王家の秘薬をふんだんに使って私を潤わせるようにして、その大きな一物で私を啼かせました。

「あぁっ、あっ、あっ、あっ……!」
「ローゼ、ローゼ……」

 入口も中もじんじんしてヴィクトール様ので擦られる度に快感が生まれた。きつく抱きしめられて、密着した身体がひどく気持ちよくてヴィクトール様と何度もキスを交わす。この方に抱かれてるんだって、いっぱいにされてるんだって思ったら受け入れているところがずっとひくひくして止まらなくなってしまった。

「ローゼ、すごく感じているな……」

 口元でそんなことを言わないでほしい。恥ずかしい、けど気持ちいい。

「あっ、あっ、ヴィクトールさま、やぁっ、あついぃ……!」

 そんなに腰を押し付けられたら熱が上がってしまいそうです。

「ローゼ、大丈夫だ」

 何が大丈夫なんだかよくわからないけど、ヴィクトール様の形を覚えてしまうぐらい甘く抱かれ続けた。
 翌日目覚めた時には回復魔法をかけてもらえたけど、なんかまだ挟まっているみたいでどぎまぎした。ヴィクトーリア様も共に遅起きだったらしく、

「今日は不貞寝していたぐらいに思ってもらえた方がいい」

 と流し目をくれた。
 ううう……ドレス姿なのになんてカッコイイんだろう。私、もしかしなくてもヴィクトーリア様に惚れてしまったのかな。
 って……。
 私惚れてもいない人にずっと抱かれ続けていたんですね……。
 しかたないこととはいえちょっとショックだった。
 でも、恋愛結婚なんて日本でも当たり前にできるようになったのは最近のことだろうし、こちらの世界だったら庶民でもない限り親が決めた相手と結婚するのが当たり前なわけで。
 考えるだけ無駄だった。

「ローゼ、まだ身体がつらいのか?」
「……いえ……こっちの世界だと政略結婚が当たり前だって思って、なんか切なくなってしまっただけです……」
「ああ、だから妾を迎えたり浮気をするものだしな」

 さらりと言われて愕然とした。

「え……? じゃあヴィクトーリア様もそうされるおつもりで……?」

 蒼褪めてそう聞き返したら、呆れたような顔をされた。

「私が? どうやってだ?」
「あ、いえ……その……ここの、後、とか……」

 離婚、とかそういう単語はさすがに使えない。いくらここがヴィクトーリア様の寝室で、侍女は私しかいないとしても。
 ヴィクトーリア様が嘆息した。

「……浮気してもいいのか?」
「い、嫌です、けど! でも、私だけで満足されない……んんっ……!」

 ドレス姿のヴィクトーリア様に口づけられてしまった。そのまままたベッドに押し倒されて、せっかく着替えたお仕着せもあれよあれよという間に脱がされてしまい……。
 昼間だというのにまたいっぱいされちゃいました。

「メイド姿もそそるな」

 なんかオヤジみたいなことを言いながらあっぷあっぷしている私を抱き込んだ。

「ローゼ以外に興味はない。大丈夫だ」

 そんなこと言って、他に好きな人が現れたらどうするんだろう。
 くすん、あっちもこっちも舐めまくられてしまったし……もう本当に責任取ってくださいと言いたくなるぐらい愛でられてしまった。

「……ヴィクトールさま……そんなに……」
「ん?」
「秘薬、ですっけ……そんなに使って、いいんですか?」
「心配ない。作っているのは私だ」

 マジですか。魔法使いってどんだけチートなんですか。そういうのって薬師が作るものじゃないんですか。

「ローゼの身体に合わせて調合しているから気にするな。好きなだけ感じればいい」
「あぁんっ、そう、いう……やぁあっ……!」

 絶倫って、絶対褒め言葉じゃないと思うんですよ。(冒頭に戻る)
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