【完結】巨人族の皇子たち四人と、異世界ラブラブ性活にいたるまで

浅葱

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98.魚を見せてもらった

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「……俺、本当に雷月に抱かれるだけじゃ満足できなくなっちゃうのかな……?」

 今は雷月に抱かれるだけでいいって思っているけど、それだけじゃダメなんだろうか。確かに、文浩たちにたっぷり愛撫をされたって、感じすぎてつらいってことはあるけどもう愛撫されたくないって思うほどじゃない。むしろ感度が上がりすぎてもっと気持ちよくしてほしいなんて思うこともあるぐらいだ。
 抱かれれば抱かれるほど感じて、性に貪欲になってしまう”天使”の身体っていったいなんなんだろうな?

「そうですね……私も”天使”さまと直接お会いしたのは真崎さまだけですからはっきりしたことは申せませんが、”天使”さまは自分を抱く相手の好意や愛情を無意識で感じ取り、それが心地いいものであれば更に感度が上がっていくと聞いたことがあります。ですのでぞんざいに扱えば、”天使”さまは抱かれれば感じるもののそれほど感度は上がらず、やがて衰弱死してしまうと言われています」
「ふうん……」
「兄上たちは真崎さまへの愛情の示し方を間違えました。あとほんの少しでも遅れていたらと思うと、私の胸は張り裂けそうです……」

 雷月にきつく抱きしめられて胸が熱くなった。

「なぁ……俺の身体って、今はどうなの?」
「真崎さまは……私に抱かれるのは好きですか?」

 雷月に聞かれて、胸だけじゃなくて全身がカッと熱を持った。答えるのは恥ずかしいけど、でもいつも抱かれてる時は好き好き言ってるし。

「……雷月に抱かれるの、好き……」

 小さい声になってしまったけど、どうにか伝わったと思う。その証拠に、雷月に唇を奪われてしまったから。

「んんっ……!」

 長椅子の上で雷月の膝に横抱きにされているから逃げられない。もちろん雷月のことが大好きだから逃げようなんて思わない。雷月の舌が口腔内に入ってきて、俺の舌を舐める。それがあまりにも気持ちよくてびくびく震えた。

「んっ、んっ……!」

 雷月の首に両腕を回し、雷月の舌の動きに応える。どうして雷月に舌を舐められるの、こんなに甘くて気持ちいいんだろう。雷月が俺をそのまま抱き上げた。ベッドに連れてってもらえるんだと思ったら嬉しくて身体が震えた。
 雷月に抱いてほしい。
 そのまま床に運んでもらえると思っていたのに、部屋の扉を軽く叩く音がして扉が開いた。文浩たちが戻ってきたのだろうか。
 思わずムッとしてしまった。
 せっかく雷月に抱いてもらえるはずだったのに!

「……間に合ったか」
「間に合いましたね。邪魔なのは間違いありませんが、少しぐらい労ってください」

 西文と建文だった。

「獲ってきた魚介類を真崎に見てほしいのだが……」

 そういえばそんなこと言っていた気がする。口づけを解いてもらい、西文と建文が運び入れたものを見ることにした。
 それらは、え? これはなんの芸術ですか? と言いたくなるような様相になっていた。
 魚を獲った後、それらに凍結の魔法をかけて運んできたらしい。魔法の氷だから魔法を解かない限りはこのままなのだとか。そんな氷漬けの魚介類を見せられて、俺は目を丸くした。

「ええと、いろいろすごいね?」

 量もまたけっこうあった。氷漬けだがどの魚か知っていればわかる状態である。でも俺は魚に詳しくないからよくわからなかった。かろうじて海老とか、サバっぽいのがわかったぐらいだった。

「これって、海老?」
「ああ、そのようだな」

 西文が嬉しそうに答える。雷月に抱き上げられたまま建文たちが獲ってきた魚介類を観察した。

「海老は好きなんだよな~。これ、サバかなぁ。食べられる魚だったら多分好きだと思う。貝類はホタテとか、紫貝以外は苦手なんだけど……」
「そうですか。では厨師長(コック長)に伝えておきましょう。真崎が好きそうなものがあってよかったです」
「……うん」

 建文たちはなんだか嬉しそうだった。このままご褒美なんて話になるのかなと思っていたんだけど、建文たちは戦利品を押して戻っていった。

「午後は触れさせてください。仕事をして参ります。西文は戻ってきますが、警備ですので真崎に触れさせなくてもかまいません」
「……できれば触れたいが……警備だからな。我慢しよう」
「……真崎さま、見せるだけならば如何ですか?」

 西文は午前中は俺には触れないらしい。見てるだけでいいなら我慢してもらおうと思った。たまには雷月を堪能したい。

「うん、見るだけなら……」

 西文はがっくりと首を垂れた。
 警備なんだから仕事しろ、仕事。
 そうして俺はやっと雷月に床へと運んでもらったのだった。
 雷月と二人だけのえっち、なんかとってもどきどきする。もー、なんで俺ってばこんなに雷月が好きなんだろう?
 今度こそ床に優しく押し倒されて口づけを受けた。舌を優しく何度も舐められて、その気持ちよさにびくびく震えてしまう。シーツを解かれ、俺だけ裸にさせられてしまうのが恥ずかしい。雷月の肉厚で長い舌は口腔内を舐め、俺を陶然とさせた。
 ってあれ? でも俺の身体のことって、まだはっきり教えてもらってなくない?
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