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67.運命の補正とか意味わからない
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お茶を飲んでお茶菓子を食べて、とやっていたせいかあまりおなかがすいていない。
それは雷月もわかっているらしく、
「真崎さま、おなかはすいていますか? すいていなければ軽食をご用意するに留めますが……」
と提案してくれた。もー、こういうところ、好き!
「うん、それぐらいでお願いできる?」
「承知しました」
雷月が顔を上げる。動いたのは西文だった。雷月は俺の椅子になっているから必然的に他の人が動くことになるんだよな。皇子なのに……とか今更ながらどうしても考えてしまうのだけど、西文はすごく自然に動いているから元々そういう役割を担っていたのだろう。……全然覚えてないけど。
軽くってどの程度だろうと思ったら前菜と飲茶みたいなかんじで出てきた。蒸し餃子とか小籠包とかいろいろ出てきて、キレイだし、おいしかった。ちなみに文浩たちは別の場所へ昼食をとりに行っている。雷月はここで俺と一緒に食べるけど……って考えてはっとした。
「雷月」
「はい」
「雷月は、これでちゃんとおなかいっぱいになる? 俺ばっか食べてて……」
「はい、大丈夫ですよ。それよりも真崎さまの体調は如何ですか?」
「? なんともないよ?」
「それならよかったです」
俺の体調について聞くってことはなにかあるんだろうか?
「? なんかあるの?」
「はい。真崎さまは私共の”運命”の人ですので、私たちに与えるばかりで体調を崩したりしないか少し心配です」
「与えるばかりって、どういうこと?」
どうも”運命”とかいうのが関係しているみたいだ。全くもって謎である。もう少し”運命”とやらについて詳しく聞いた方がいいかもしれない。
”運命の人”とは惹かれ合うもので、巨人族同士だともうそこで話は終りみたいなんだけど(でも妻一人に対して夫三、四人で運命の相手ってなんなんだ。意味わからん)、他の種族相手だと勝手が違うようだ。
巨人族は相手が他の種族でも、会えば”運命”の人だということはわかるけど、他の種族の人にはわからない。身体を重ねて初めて身体の相性が非常にいいことがわかる。そうでなければ巨人族よりも身体の小さい俺が文浩のをいきなり受け入れるなんてことはできなかっただろうし、毎日三人に代わる代わる犯されたら治癒をかけていてもとても持たなかっただろういう話だ。
それって毎回スプラッタだったってこと? ううう、想像しただけで恐ろしい。
”運命”の相手は身体の相性のよさもさることながら、妻となった者は夫に癒しを与えるだけでなく、抱かれることで夫の体調を整えているのだという。だから夫は尚のこと妻を抱きたがるし、妻にきちんと食べさせたりと甲斐甲斐しく面倒を看るのだそうだ。それだけ聞くとものすごくラブラブなんだけど。
「えええ」
でもアイツらそういうことしてくれなかった気がするけど? 俺、ただひたすらにダッチ〇イフ扱いされてたと思う。
「”運命”の相手に憧れていたくせに兄上たちが何も調べていなかったことに愕然としました。小さい頃に与えられる絵本が原因かもしれませんが、真崎さまを大事にしなかったことは私としても許せません」
「……うん。じゃあ……俺を抱くと雷月は体調がよくなるの?」
「こうして抱きしめさせていただけるだけでも幸せで、天にも舞い上がるような心地ですよ?」
「大げさだなぁ……」
嬉しくなってちゅ、と雷月に口づけた。雷月が笑顔で俺を横抱きしたまま立ち上がる。片付けは……と思ったけどそういうことはあとで西文が来て片付けるから問題はないと言われた。じゃあ、それでいいのかな? ちょっと西文には悪い気がするけどしょうがないよね。
当たり前のように床に運ばれて、床に腰掛けた雷月の首に腕を回して何度も口づけを受ける。
「ただいま戻りました。片付けは……できるような状況ではありませんね。侍従を呼んできます」
誰かが戻ってきたようだった。
「んっ、んっ……!」
何度も何度も舌を絡め合うの、すごく気持ちいい。雷月にキスされるのしゅきぃ……。
雷月はそのまま俺を床に横たえ、薄絹のカーテンを引いた。これで床の外からは誰も見えない。
俺の服を脱がしながら、雷月は床の向こうに声をかけた。
「建文哥、いなくなりましたらお声掛けを」
「わかった」
来たのは建文だったようだ。
「ですが今は母上の呼び出し待ちです。文浩哥と西文が戻ってきたら行ってまいります。ああ、雷月は今回は呼ばれていませんので、手が開いた時にとの話でした」
「わかりました」
どうやら文浩と西文はあの月亮さまと話をしているらしい。何を話してるんだろうなとちょっとだけ気になったが、考えてもしょうがないので雷月の首に腕を回した。
「雷月ぇ……」
「真崎さまのおまんこを躾けるという約束でしたね。ですが、もう少し待ちましょうか。今は普通に抱かせてください」
「うん……」
でもやっぱり抱いてくれるんだ、と思ったら尻穴がきゅん、とした。早く雷月のイチモツでかわいがってほしい。あ、でも……かわいがるっていうよりいじめられちゃうのかな? 雷月にだったらどっちでもいいけど……。
ーーーーー
BL小説大賞、応援ありがとうございました!
最終41位でした。
最後まで書いていきますのでこれからもよろしくお願いします!
それは雷月もわかっているらしく、
「真崎さま、おなかはすいていますか? すいていなければ軽食をご用意するに留めますが……」
と提案してくれた。もー、こういうところ、好き!
「うん、それぐらいでお願いできる?」
「承知しました」
雷月が顔を上げる。動いたのは西文だった。雷月は俺の椅子になっているから必然的に他の人が動くことになるんだよな。皇子なのに……とか今更ながらどうしても考えてしまうのだけど、西文はすごく自然に動いているから元々そういう役割を担っていたのだろう。……全然覚えてないけど。
軽くってどの程度だろうと思ったら前菜と飲茶みたいなかんじで出てきた。蒸し餃子とか小籠包とかいろいろ出てきて、キレイだし、おいしかった。ちなみに文浩たちは別の場所へ昼食をとりに行っている。雷月はここで俺と一緒に食べるけど……って考えてはっとした。
「雷月」
「はい」
「雷月は、これでちゃんとおなかいっぱいになる? 俺ばっか食べてて……」
「はい、大丈夫ですよ。それよりも真崎さまの体調は如何ですか?」
「? なんともないよ?」
「それならよかったです」
俺の体調について聞くってことはなにかあるんだろうか?
「? なんかあるの?」
「はい。真崎さまは私共の”運命”の人ですので、私たちに与えるばかりで体調を崩したりしないか少し心配です」
「与えるばかりって、どういうこと?」
どうも”運命”とかいうのが関係しているみたいだ。全くもって謎である。もう少し”運命”とやらについて詳しく聞いた方がいいかもしれない。
”運命の人”とは惹かれ合うもので、巨人族同士だともうそこで話は終りみたいなんだけど(でも妻一人に対して夫三、四人で運命の相手ってなんなんだ。意味わからん)、他の種族相手だと勝手が違うようだ。
巨人族は相手が他の種族でも、会えば”運命”の人だということはわかるけど、他の種族の人にはわからない。身体を重ねて初めて身体の相性が非常にいいことがわかる。そうでなければ巨人族よりも身体の小さい俺が文浩のをいきなり受け入れるなんてことはできなかっただろうし、毎日三人に代わる代わる犯されたら治癒をかけていてもとても持たなかっただろういう話だ。
それって毎回スプラッタだったってこと? ううう、想像しただけで恐ろしい。
”運命”の相手は身体の相性のよさもさることながら、妻となった者は夫に癒しを与えるだけでなく、抱かれることで夫の体調を整えているのだという。だから夫は尚のこと妻を抱きたがるし、妻にきちんと食べさせたりと甲斐甲斐しく面倒を看るのだそうだ。それだけ聞くとものすごくラブラブなんだけど。
「えええ」
でもアイツらそういうことしてくれなかった気がするけど? 俺、ただひたすらにダッチ〇イフ扱いされてたと思う。
「”運命”の相手に憧れていたくせに兄上たちが何も調べていなかったことに愕然としました。小さい頃に与えられる絵本が原因かもしれませんが、真崎さまを大事にしなかったことは私としても許せません」
「……うん。じゃあ……俺を抱くと雷月は体調がよくなるの?」
「こうして抱きしめさせていただけるだけでも幸せで、天にも舞い上がるような心地ですよ?」
「大げさだなぁ……」
嬉しくなってちゅ、と雷月に口づけた。雷月が笑顔で俺を横抱きしたまま立ち上がる。片付けは……と思ったけどそういうことはあとで西文が来て片付けるから問題はないと言われた。じゃあ、それでいいのかな? ちょっと西文には悪い気がするけどしょうがないよね。
当たり前のように床に運ばれて、床に腰掛けた雷月の首に腕を回して何度も口づけを受ける。
「ただいま戻りました。片付けは……できるような状況ではありませんね。侍従を呼んできます」
誰かが戻ってきたようだった。
「んっ、んっ……!」
何度も何度も舌を絡め合うの、すごく気持ちいい。雷月にキスされるのしゅきぃ……。
雷月はそのまま俺を床に横たえ、薄絹のカーテンを引いた。これで床の外からは誰も見えない。
俺の服を脱がしながら、雷月は床の向こうに声をかけた。
「建文哥、いなくなりましたらお声掛けを」
「わかった」
来たのは建文だったようだ。
「ですが今は母上の呼び出し待ちです。文浩哥と西文が戻ってきたら行ってまいります。ああ、雷月は今回は呼ばれていませんので、手が開いた時にとの話でした」
「わかりました」
どうやら文浩と西文はあの月亮さまと話をしているらしい。何を話してるんだろうなとちょっとだけ気になったが、考えてもしょうがないので雷月の首に腕を回した。
「雷月ぇ……」
「真崎さまのおまんこを躾けるという約束でしたね。ですが、もう少し待ちましょうか。今は普通に抱かせてください」
「うん……」
でもやっぱり抱いてくれるんだ、と思ったら尻穴がきゅん、とした。早く雷月のイチモツでかわいがってほしい。あ、でも……かわいがるっていうよりいじめられちゃうのかな? 雷月にだったらどっちでもいいけど……。
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