上 下
51 / 306

50.好きすぎてたいへんかもしれない

しおりを挟む
 でも、雷月に抱かれた後で尻穴を舐められちゃうのはやっぱりすごく恥ずかしい。

「あっ、やぁんっ……あっ、あっ……!」

 ぐちゅぐちゅと舐めながら精液と愛液が混ざったものをじゅるじゅると啜られてしまう。尻穴舐められるの気持ちいいからぁっ。そうされながら西文にも乳首を舐めしゃぶられていた。雷月に触れられている間は西文にも触られちゃうから、尻穴と乳首を同時に可愛がられてたいへんだった。

「真崎……かわいい。真崎の全身を愛でたいな……」

 西文が呟いた。そんな機会いくらでもあったじゃないかって思ってしまう。

「……やだ」

 西文なんか俺の乳首を気持ちよくするだけの係でいればいいんだ。それ以上なんか今はさせたくない。
 じゅるじゅると中から愛液を啜った雷月が顔を上げた。

「真崎さまの全身を愛でる権利は、今のところ私にしかありませんよ。真崎さま、私が貴方の身体を舐めた時を覚えていますよね?」
「う、うん……」

 全身がカーッと熱を持つ。
 雷月に助けてもらって、一度抱かれてから……全身を舐めたいって言われていっぱいキスされているのだ。夜だって抱かれてからもいっぱい舐められちゃうし、甘くて甘くて溶けてしまいそうだ。俺、こんなに愛されていいのかなって思ってしまう。
 舐められちゃうとまたえっちしたくなっちゃっておねだりしちゃうし……。

「真崎さま、またしたくなってしまいましたか?」

 雷月が嫣然と笑う。

「だ、だめっ……」

 まだ午前中だしっ! 何度も抱いてもらうのは夜がいい。あ、でも夜はまた文浩にちんちん舐められちゃうのかな。昨夜舐め舐めされたの、気持ちよかったぁ……。
 この身体、感じやすくてすごく困る。全身の熱が去らなくて、どうしようってぎゅっと目を閉じた。

「……なんてかわいらしい……。西文哥シーウェングァ、ここまでです。楼台(ベランダ)に出ますのでお茶の準備をお願いします」
「……わかった」

 ちゅぱっと乳首を離されて震えた。

「……こんなに感じやすくてかわいかったんだな。もっと沢山愛でればよかった」
「んんっ……」

 だからそういうの今更だって。俺は西文を睨んだ。西文は苦笑するとベッドから下り、部屋の扉の方へ向かった。

「少し風に当たりましょう」
「うん……」

 服を直してもらい、雷月に抱き上げられた。その胸に頭をもたせかける。今はまだ雷月だけでいい。
 西文がお茶とお茶菓子の載ったワゴンを運んできたのでベランダへ出た。ベランダの長椅子に腰掛けた雷月に横抱きにされて、西文に給仕をさせた。西文って皇子のはずなんだけどこんなことさせていいのかなと思いながら、景色をぼうっと眺めた。
 昨日と景色は変わっていないはずなのだけど、キレイだなと思った。
 午後は建文が戻ってくるそうだ。

「……仕事って何をするんだ?」

 西文に尋ねた。

「基本は領地からの報告書を読むぐらいだが、嘆願書も上がってくることがある。その対応が主だ」

 西文は嬉しそうに答えた。俺が西文にことに興味を持って聞いているのが嬉しいのだそうだ。別に西文が気になったわけじゃないし。

「そうだな。だが、少しでも興味を持ってもらえたら嬉しい」

 俺は西文を睨んだ。そんなことないって思った。西文は苦笑した。プイとそっぽを向いて雷月の胸に顔を埋める。いくらイケメンだって雷月以外やだ。
 雷月が俺の頭を優しく撫でてくれた。

「西文哥、図々しいですよ。私たちが思うよりも、真崎はずっと傷ついています。もうしばらくはそっとしておいていただきたい」
「そうだな。悪かった」

 昼食はまた別々にとった。食堂には怖くていけない。給仕の人もいるみたいだし、食堂に向かうまでが怖い。自意識過剰と言われても誰かの視線が自分に向けられるかと思うと平静ではいられなかった。
 今日もごはんがおいしかった。

「雷月」
「はい」
「俺、すごく情けなくて……ごめん」

 こうやって謝るのも違うとは思ったけど、謝らずにはいられなかった。雷月はぎゅっと俺を抱きしめてくれた。

「真崎さまのどこが情けないというのですか? 私は真崎さまが私に頼りっきりになっているのをこんなに嬉しく思っているのに……」
「え」
「できることなら、誰にも見せないように閉じ込めて私以外見れないようにしてしまいたいぐらいです。……無理ですけどね」

 雷月はそう言って笑んだ。

「……雷月になら、いいのに」
「だめですよ。そんなかわいいことを言っては……」

 ちゅ、ちゅと優しく髪に口づけられてやっぱりときめいてしまった。
 俺が雷月を雷月と認識してからまだ数日しか経ってないのに、もう好きで好きでたまらない。これは”天使”なら当たり前みたいだけど、俺の心が反応してしまうぐらい雷月に愛されてるんだって思ったら胸がきゅんきゅんしてしまった。

「胸、苦し……」
「それはいけません。床へ移動しましょうか」
「うん……」

 床で抱きしめられながらごろごろしたい。俺、やっぱり雷月に甘えすぎだと思う。

「戻りました。雷月、これから抱くところか?」
「……建文哥ジエンウェングァ、食休み中ですよ」

 建文が戻ってきたようだった。ちょっと緊張してきた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

ヒロイン不在の異世界ハーレム

藤雪たすく
BL
男にからまれていた女の子を助けに入っただけなのに……手違いで異世界へ飛ばされてしまった。 神様からの謝罪のスキルは別の勇者へ授けた後の残り物。 飛ばされたのは神がいなくなった混沌の世界。 ハーレムもチート無双も期待薄な世界で俺は幸せを掴めるのか?

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

俺の義兄弟が凄いんだが

kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・ 初投稿です。感想などお待ちしています。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

少年ペット契約

眠りん
BL
※少年売買契約のスピンオフ作品です。 ↑上記作品を知らなくても読めます。  小山内文和は貧乏な家庭に育ち、教育上よろしくない環境にいながらも、幸せな生活を送っていた。  趣味は布団でゴロゴロする事。  ある日学校から帰ってくると、部屋はもぬけの殻、両親はいなくなっており、借金取りにやってきたヤクザの組員に人身売買で売られる事になってしまった。  文和を購入したのは堂島雪夜。四十二歳の優しい雰囲気のおじさんだ。  文和は雪夜の養子となり、学校に通ったり、本当の子供のように愛された。  文和同様人身売買で買われて、堂島の元で育ったアラサー家政婦の金井栞も、サバサバした性格だが、文和に親切だ。  三年程を堂島の家で、呑気に雪夜や栞とゴロゴロした生活を送っていたのだが、ある日雪夜が人身売買の罪で逮捕されてしまった。  文和はゴロゴロ生活を守る為、雪夜が出所するまでの間、ペットにしてくれる人を探す事にした。 ※前作と違い、エロは最初の頃少しだけで、あとはほぼないです。 ※前作がシリアスで暗かったので、今回は明るめでやってます。

ハイスペックストーカーに追われています

たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!! と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。 完結しました。

変態村♂〜俺、やられます!〜

ゆきみまんじゅう
BL
地図から消えた村。 そこに肝試しに行った翔馬たち男3人。 暗闇から聞こえる不気味な足音、遠くから聞こえる笑い声。 必死に逃げる翔馬たちを救った村人に案内され、ある村へたどり着く。 その村は男しかおらず、翔馬たちが異変に気づく頃には、すでに囚われの身になってしまう。 果たして翔馬たちは、抱かれてしまう前に、村から脱出できるのだろうか?

処理中です...