【完結】巨人族の皇子たち四人と、異世界ラブラブ性活にいたるまで

浅葱

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5.末皇子、条件を出される

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雷月(レイユエ)視点です。
ーーーーー



「兄上、貴方がたは真崎に何をしたのです? 真崎はとても傷ついており、もう貴方がたには抱かれたくないと泣いていましたよ」

 雷月の兄たちは驚愕で目を見開いた。

「そ、そんな……私たちはあんなに抱き合ったのに……」
「そんな、真崎が……」
「……やはり強引過ぎたのだろうか」

 そんな兄皇子たちを雷月はひどく冷たい目で睥睨した。そうして皇帝の前に傅く。

「皇上(皇帝陛下)、どうか私めを真崎の四人目の夫として認定してはいただけませぬか? このままでは真崎ははかなくなってしまいます」

 皇帝は少し考えるような顔をした。

「……雷月、そなたは皇位継承権を放棄した身であろう。皇子たちと共に妻を共有するのは……」
「お言葉ですが、真崎は”天使”になりました。この先子を成すことはありえませぬ」
「……そういえば、そうであったな。ならばよかろう」
「父皇(父上)!」

 兄たちが抗議の声を上げた。皇帝はそれにひらひらと手を振ってみせた。

「”天使”はとても弱いものだと聞いている。お前たちはその”天使”を手に入れてから今まで何をしていた? ”天使”は愛する者の腕に抱かれ続けると乳を出すようになると聞いていたが、まだそなたたちの”天使”は乳を出したことがないと聞いているぞ」
「そ、それは……」
「に、妊娠していたからでは!?」
「……やはり、そうだったのか。あれでは……」
「黙れ!」

 皇帝が一喝する。

「”天使”の愛を受けられぬそなたらに”天使”を抱く資格はない! しかもそなたら、愛する妻に何も教えてなかったというではないかっ! 雷月」
「はっ」
「三日以内に”天使”の信頼を得て心と身体を手に入れよ! そうしなければ”天使”は死ぬ。わかっておるな?」
「はい!」

 兄皇子たちがすごい目で雷月を睨みつけたが、彼にとってそんなものは欠片ほども恐ろしくは感じられなかった。彼にとっても恐怖は、真崎を失ってしまうことだった。

「その間そなたらは教育を受けよ。妻の愛し方をしっかり学ぶがいい! 手取り足取りな」
「そ、そんな……」
「父皇……」
「……はい、きちんと学ばせていただきます……」

 それらの教育がとても厳しいことを兄皇子たちは知っているようだった。
 雷月はその内容を詳しくは知らないが、妻の立場を体感させられるというような過酷な教育であったような気がした。
 巨人族は一妻多夫制である。妻を大事にできない者がその教育を受けるのだと聞いたことはあった。
 そんな目に遭うのならば何故真崎を大事にできなかったのかと雷月は思う。真崎は四番目の皇子である、林文浩(リンウェンハオ)のベッドに落ちてきたのだと聞いた。
 文浩にもまた妻への憧れというものがあった。それは、一目見ただけでそれとわかると言われる”運命の人”を妻にしたいとずっと思っていたのだった。”運命の人”が現れない者の方が多い中、文浩はずっとそれを追い求めていた。”運命の人”と結婚したという同族に、それはどのような者なのかと尋ねることもあった。
 彼らは一様にこう言った。会えばわかる、と。
 ただ同じ巨人族でない場合は、相手の方に”運命の人”だという自覚がないとも言われた。その場合は丁寧に口説き、その者が自分に好意を抱くようになってから身体を重ねなければならないと言われていたのだ。
 だが結果はどうだ。
”運命の人”に出会えたというその幸運に舞い上がった文浩は、あろうことか弟たちを呼び寄せ、何も知らない真崎を輪姦した。”運命の人”であればいずれわかってくれるだろうという希望的観測でもって、彼らは真崎を蹂躙した。
 雷月からしたら三人の皇子はもはや尊敬すべき兄ではなく、敵(かたき)と言ってもいいほど憎い相手だった。

(皇上が認定してくれたからよかったものの……そうでなければ兄たちを弑するところでした)

 己の腕の中で涙を流しながらも眠ってくれた真崎を思い出し、雷月は口元を綻ばせた。
 今日から三日と時間は全くなかったが、雷月もまたずっと真崎を己の”運命”だと欲していたのだ。二人きりで優しく真綿に包むように愛そうと雷月は決意する。
 雷月よりも身体は逞しかったがその心はひどく繊細で、無造作に触れたら今にも割れてしまいそうだった。
 どう伝えたら真崎は身体を開いてくれるだろうか。
 それを考えるだけで雷月の心は昏く弾んだ。



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三人の皇子たちの運命や如何に!?(書かないよ?)
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