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六三、洗澡(身体を洗う)
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明玲は偉仁に抱き上げられて浴室へ向かった。途中誰とも会わずに済んで、明玲はほっとした。床単にくるまれて運ばれているところを誰かに見られたら羞恥心で死んでしまいそうだったから。
広い浴室に連れていかれた。ここは偉仁専用の浴室である。
偉仁は床単を剥ぐと、先に明玲を湯舟につけてくれた。
腰より上ぐらいまで満たされた湯は澄んでいる。なんだか汚してしまいそうで気になったが、身体がうまく動かせないので明玲は気にしないことにした。偉仁が睡衣を脱ぎ、浴室に入ってきた。
明るい場所で見る偉仁の肢体は引き締まっていて、無駄なところなどないように見えた。この人に抱かれたのだと思ったら、明玲は全身が熱を持つのを感じた。もちろん偉仁の身体を凝視することなどできようはずもなく、明玲はそっと目を反らした。もう恥ずかしくて見ていられなかったのである。
「明玲、洗ってやる」
「……え……」
湯舟から抱き上げられて、洗い場に敷かれた木の板のようなものに寝かせられた。そうして洗う、と言いながら偉仁に口づけられる。
「んんっ……」
ひとしきり口腔内を舐められた後、唇が離される。それから偉仁は寝転がったままの明玲を手のひらで洗った。
絶対胸を揉んだり、乳首をくりくりと摘まんだりしたのはわざとだと明玲は思う。けれど「ここもキレイにしなければな」と言われてしまうと逆らうことはできなかった。いわゆる惚れた弱味というやつである。
「……あっ……」
(もう哥ってば……)
初めて身体に触れられた時もそうだが、こんなに哥がいやらしいことをするなんて信じられなかった。でも今は洗っているのだから……と思ったが、それだけではすまなかった。
お湯をかけられて泡が流れていく。これでまた湯舟に浸かればいいと明玲はほっとした。
けれど。
「大事なところも洗わねばな」
「?」
なんということだろう。哥は明玲の足を開かせ、その間に息づく秘所に顔を落とした。
「ええっ!?」
恥ずかしかったが、股間の毛も洗った後である。偉仁は明玲の割れ目を開くと、その中をべろりと舐めた。
「ああっ!?」
「敏感な場所だ。舐めて洗ってやろう」
「ああっ、んっ……!」
舐めるって洗うのに通じるの? と明玲は疑問に思ったが、逃げられるはずもなく花芽をぺろぺろと舐められた。その周りの花びらや蜜口までたっぷりと舐められ、最終的にはイカされてしまった。
「あっ、あああーーっ……!」
(やだやだなんかもうすっごくいやらしい……)
涙目になった明玲を偉仁は愛しい者を見るような目で眺めた。
「……はぁ……はぁ……」
「そなたの全てが愛しい……」
偉仁は湯で口を漱ぐと、明玲を板の上に座らせて抱きしめた。こんなことを言われてしまったら怒れないではないか。明玲はずっと身体が熱を持ちっぱなしだった。偉仁は明玲の返事を待たず、再び明玲を抱き上げると今度こそ湯舟に浸かった。
やっとゆっくりできると明玲は少しだけ身体の力を抜いたが、後ろから抱き込むようにして偉仁に抱きしめられていたから本当の意味ではくつろげなかった。
「腹はすいたか」
「あ……はい……」
そろそろおなかが鳴りそうである。偉仁が鈴を鳴らした。少し待って、浴室へ続く扉の向こうへ声をかける。
「食べるものを用意しておけ」
「承知しました」
あんなことやこんなことをされて喘いだ声も、全部誰かに聞かれているのだろうか。羞恥で更に熱が上がったように思えたが、これが偉仁の妻になるということなのだと明玲は自分に納得させた。
浴室を出るとやはり誰もいない。着るのに手伝いがいらないような、睡衣と平服の間のような服が用意されていた。明玲はそれを偉仁に世話されながら着てから、すでに身支度を整えている偉仁の世話は自分がしなければいけなかったのではないかと今更ながら思った。
広い浴室に連れていかれた。ここは偉仁専用の浴室である。
偉仁は床単を剥ぐと、先に明玲を湯舟につけてくれた。
腰より上ぐらいまで満たされた湯は澄んでいる。なんだか汚してしまいそうで気になったが、身体がうまく動かせないので明玲は気にしないことにした。偉仁が睡衣を脱ぎ、浴室に入ってきた。
明るい場所で見る偉仁の肢体は引き締まっていて、無駄なところなどないように見えた。この人に抱かれたのだと思ったら、明玲は全身が熱を持つのを感じた。もちろん偉仁の身体を凝視することなどできようはずもなく、明玲はそっと目を反らした。もう恥ずかしくて見ていられなかったのである。
「明玲、洗ってやる」
「……え……」
湯舟から抱き上げられて、洗い場に敷かれた木の板のようなものに寝かせられた。そうして洗う、と言いながら偉仁に口づけられる。
「んんっ……」
ひとしきり口腔内を舐められた後、唇が離される。それから偉仁は寝転がったままの明玲を手のひらで洗った。
絶対胸を揉んだり、乳首をくりくりと摘まんだりしたのはわざとだと明玲は思う。けれど「ここもキレイにしなければな」と言われてしまうと逆らうことはできなかった。いわゆる惚れた弱味というやつである。
「……あっ……」
(もう哥ってば……)
初めて身体に触れられた時もそうだが、こんなに哥がいやらしいことをするなんて信じられなかった。でも今は洗っているのだから……と思ったが、それだけではすまなかった。
お湯をかけられて泡が流れていく。これでまた湯舟に浸かればいいと明玲はほっとした。
けれど。
「大事なところも洗わねばな」
「?」
なんということだろう。哥は明玲の足を開かせ、その間に息づく秘所に顔を落とした。
「ええっ!?」
恥ずかしかったが、股間の毛も洗った後である。偉仁は明玲の割れ目を開くと、その中をべろりと舐めた。
「ああっ!?」
「敏感な場所だ。舐めて洗ってやろう」
「ああっ、んっ……!」
舐めるって洗うのに通じるの? と明玲は疑問に思ったが、逃げられるはずもなく花芽をぺろぺろと舐められた。その周りの花びらや蜜口までたっぷりと舐められ、最終的にはイカされてしまった。
「あっ、あああーーっ……!」
(やだやだなんかもうすっごくいやらしい……)
涙目になった明玲を偉仁は愛しい者を見るような目で眺めた。
「……はぁ……はぁ……」
「そなたの全てが愛しい……」
偉仁は湯で口を漱ぐと、明玲を板の上に座らせて抱きしめた。こんなことを言われてしまったら怒れないではないか。明玲はずっと身体が熱を持ちっぱなしだった。偉仁は明玲の返事を待たず、再び明玲を抱き上げると今度こそ湯舟に浸かった。
やっとゆっくりできると明玲は少しだけ身体の力を抜いたが、後ろから抱き込むようにして偉仁に抱きしめられていたから本当の意味ではくつろげなかった。
「腹はすいたか」
「あ……はい……」
そろそろおなかが鳴りそうである。偉仁が鈴を鳴らした。少し待って、浴室へ続く扉の向こうへ声をかける。
「食べるものを用意しておけ」
「承知しました」
あんなことやこんなことをされて喘いだ声も、全部誰かに聞かれているのだろうか。羞恥で更に熱が上がったように思えたが、これが偉仁の妻になるということなのだと明玲は自分に納得させた。
浴室を出るとやはり誰もいない。着るのに手伝いがいらないような、睡衣と平服の間のような服が用意されていた。明玲はそれを偉仁に世話されながら着てから、すでに身支度を整えている偉仁の世話は自分がしなければいけなかったのではないかと今更ながら思った。
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