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三九、被哥誆騙(騙される)

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 皇都にいる間偉仁はいろいろなところへ飛び回っているようで、王領にいる時よりも忙しそうに見えた。仕事をしている、というよりも誰かに会いに行っているようである。皇都には皇族の館が沢山ある。皇子同士でいろいろ話すこともあるのだろうと明玲は想像した。

(私が考えてもしかたないのだけど……)

 趙山琴はさすがに知っているようだったが、それを明玲に教えてくれることはない。それは妾妃だから教えないということではなく、どうも明玲には敢えて知らせないようにしているようだと明玲には感じられた。
 根拠はないのだが、何かとんでもないことが起こっているようなそんな気がする。
 なんだろうと明玲は首を傾げた。
 偉仁が帰宅する。皇都にいる間、偉仁は常にピリピリしているようだった。

「……明玲ミンリン、舐めさせろ」
「……え……はい……」

 夕食の後すぐに入浴させられて偉仁の部屋に連れ込まれた。偉仁は性急に明玲を床に押し倒すと、いらいらした様子でそんなことを言った。不機嫌そうに髪をかき上げる仕草にびくびくしながらも、その粗野な感じに明玲は頬を染めた。どんな哥も好きなのだからしょうがない。

「……グァ……」

 偉仁はほんのりと赤く染まった明玲に口づけた。

「んん……」

 それは口唇を合わせただけではなく、半開きになった唇の間に舌を差し込まれ舌を、口腔内を舐められた。深い口づけはなかなか慣れない。でも舌を絡められたり、口腔内を舐められるとなんともいえない感覚が生まれ、首の後ろが痺れてくる。そうすると瞳が潤み、今にも涙が溢れそうになるのだった。
 偉仁は口づけをしている間に明玲の睡衣ねまきの合わさった部分に手を入れ、前を開いてしまった。やわやわと外側から胸を揉む手が気になってしまう。

「んんっ……」

 胸を揉まれながら乳首もいじられる。乳輪から揉まれると隠れていた乳首が顔を出してしまう。その乳首を指の股で挟まれ、胸を揉まれながらくりくりといじられたらたまらなかった。

「……はぁ……んっ……」

 口づけを解かれると、甘い喘ぎが漏れた。偉仁は鼻、額、頬にちゅ、ちゅと口づけるとすぐに首を舐め、鎖骨を甘噛みし、顔を出した乳首を咥えた。

「……ああっ……」

 舐められる。乳輪から覆うようにしてちゅううっと吸われる。もう片方の乳首は変わらず指の股に挟まれてきゅ、きゅと時折引っ張られる。どうしてこんなに乳首をいじられて感じてしまうのかわからなかった。どうして腰の奥に甘い感覚が生まれて、中からとろりと濡れたものが出てくるのかもわからない。

「……あっ、あっ……哥……」
「まだこんなに小さい……もっと吸って大きくしなければな……」

 両方の乳首をいじりながら哥が言う。

「そ、それは……」
「胸の大きさではないぞ。ややが吸うのはこの乳首だ。たくさんいじって大きく、長くしなければややが乳を吸えぬ。嫌がらず、私にいじらせるのだぞ」
「……は、はい……」

 哥が真面目な顔で言うから、腰の奥が濡れて嫌だなんて言えなくなってしまう。明玲は顔を真っ赤にしながら、哥に協力するように胸を反らせた。

「明玲、声を出せ。そなたが感じれば感じるほどいい乳が出るようになるのだ。もちろん胎にややができなければ乳は出ぬが、私に抱かれてたくさん感じればいいことばかりが起こるのだ」
「……?……はい……」

 なんだか騙されているような気がしないでもないが、そんな嘘を哥がついてもしかたないだろうと思うので、明玲は素直に声を出し、哥に身を任せるのだった。
 そしてこのことはあまり口にすることでもないから誰にも言わないようにと哥に言われ、明玲は首を傾げながらもしばらく誰かに言うことはなかったのである。
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