異世界でハーレム生活しています

浅葱

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41.昼飯に呼び出した目的は

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 かやに案内されて広間へ向かうと、前髪長男がすでに腰掛けていた。
 その周りには昨日の夜見たのと同じようにロリが三人侍っている。多分昨日見たのと同じ子たちだろう。
 あまり見たくはなかったが、前髪長男をちらと窺えばなんだかやつれているように見えた。かやは前髪長男の方は見ないようにしている。
 僕が席につくと、程なくしてロンゲと小平もやってきた。小平は律儀だからわかるんだが、なんでロンゲも? と内心首を傾げた。理由はすぐに知れたけど。
 だってせりなさんの機嫌がとても良さそうだったからだ。とても情熱的な夜を過ごせたに違いない。ロンゲにしなだれかかってるような状態である。ロンゲの目はしっかり僕を捉えている。
 へーへーわかってますよ。精力増強の魔法だろ? いくらでもかけるけどせりなさんが嫌がることはしないようにしてくれよ。
 小平と共にいる女性はどこかで見たような顔をしている。誰だっただろうかとこの間から考えていたりするのだが思い出せない。小平と共通で知っている人だろうか。ただその場合、彼女の顔が小平の好きな人と似たような顔なのかもしれず、聞くに聞けないでいる。
 料理が運ばれてきた。
 今日も和食のような料理だが、大きな肉の塊もあった。川魚だろう魚も出され、なんとも豪勢なことだと思った。

「いただきます」

 両手を合わせていただく。僕はただ毎日女性を抱かせてもらっているだけで、こんなによくしてもらってもいいのだろうかと心配になる。ゆかりさんは生理が来たし、かやも生理が来たら僕が種なしという証拠になりはしないかと、それはそれで心配だったりする。一回で妊娠するならいいが、そうとは限らないわけだし。

「……おい」

 前髪長男の声がした。誰に声をかけているのだろう。僕ではあるまいと思い、聞かなかったフリをした。

「……おいっ、僕を無視する気かっ!?」
「えっ?」

 いきなり目の前に拳を出されて、なんのことかと顔を上げた。前髪長男が頬を紅潮させて僕の前へ拳を突き出していた。その手が震えている。ロリたちが慌てたように前髪長男を押さえていた。

「無視って……僕に声をかけたかどうかなんてわからなかったし。声をかけるなら名前で呼べよ」

 そう言うと前髪長男は元の位置に戻って腕を組んだ。

「ふ、ふん! 名前なんて呼ばずともわかるだろうっ!」
「……わからなかったから言ってんだろ?」

 なんなんだコイツは。僕はげんなりした。前髪長男の周りのロリたちが僕にすまなさそうな視線を向ける。それでも彼はわかっていなさそうだった。

「で、何?」

 飯、堪能してんだけど。

「ぼ、僕に魔法をかけろ!」
「は?」

 なんでそんな話になったんだ? 僕はちら、とロンゲを見た。ロンゲは嫌そうに眉を寄せ、軽く首を振った。小平は全く関係なさそうだし、となると前髪長男の独断か。

「どんな魔法?」
「い、いいい言わなくてもわかるだろう! あれだ! ほら……性欲をどうにかする……」
「そんなの、周りの女性に聞けばいいじゃん。僕は魔法だって習い始めたばっかだから、金本が望む魔法が使えるとは限らないよ」

 前髪長男に侍っているロリたちがスッと視線を逸らした。ぶっちゃけこのロリたちはなんで前髪長男なんかについてんだ? とりあえず種さえもらえればいいんだよな?

「ふ、ふんっ! 魔法が使えるというから見どころがあるかと思えば……結局使えない奴なのか……」

 小声で言ってたって聞こえるからな? かやの目が完全に座っている。ロリたちは困ったような顔をしているが、前髪長男から離れる気はなさそうだ。離れて僕のところへ来られても困るから、それはそれで全然かまわない。

「使えなくて悪かったな。今後は絡まないでもらえるか?」
「絡んでなんかいないだろう!」
「……うっざ」

 ロンゲがぼそりと呟いた。

「……旦那さま?」

 せりなさんがロンゲに声をかける。ロンゲは一瞬ビクッとした。せりなさんには逆らえないみたいだ。

「……なんでもない」

 せりなさんはこうやってロンゲを制御しているからいいが、ロリたちでは前髪長男は全く制御できないようである。まぁロリだしな。でも前髪長男はロリにしか興味なさそうだ。
 後でかやに聞きたいことが増えてしまった。
 昼食を終え、手を合わせて「ごちそうさま」と呟く。昼からなかなか豪華なごはんだった。ありがたいことである。

「……全く……せっかくこの僕が声をかけてやったっていうのに……使えない奴……」

 前髪長男はぶつぶつ言いながらロリたちを連れて戻って行った。いったいなんだったんだろう。僕は苦笑した。

「……いいか?」

 ロンゲが近づいてきたので、頷いて性欲増強の魔法をかけてやった。

「あんがとな」
「どういたしまして」

 ロンゲは急いでせりなさんと共に出て行った。残ったのはいつも通り小平と僕である。

「……斉藤は優しいんだな」
「え? 優しくはないだろ、別に」

 前髪長男にはかけてやらなかったし。

「金本みたいなのは論外だろ。……斉藤、この後いいか?」
「ああ、いいよ」

 本当は部屋に戻ってすぐにでもかやを抱きたかったけど、小平が何やら話したそうだったので小平の部屋へ向かうことにしたのだった。
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