異世界でハーレム生活しています

浅葱

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13.この世界のことを教えてもらいます

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 風呂に行かないかと小平にまた誘われたが今回はいろいろ考えたいことがあるので断わった。
 魔法のこと。ステータスのこと。これからの暮らし。
 まだここに来て数日しか経っていないが、僕たちはすでにこの村に依存している。もし万が一追い出されたり路頭に迷うようなことがあった時生きていけるすべがないか考える必要がある。その為にはこの世界の情報が必要だと僕は思った。

「ゆかりさん、その、僕たちはずっとこの村にいてもいいんでしょうか?」

 ゆかりさんは不思議そうに首を傾げた。そして僕の手を取る。

「ゆかりは旦那さまにずっとこの村で暮らしていただきたいと思っております。もし旦那さまにそう望んでいただけるなら存外の幸せです」
「それって……僕たちが望むならこの村に一生住むことができるってことですか?」
「はい。もちろんですわ旦那さま」

 ゆかりさんの言葉はとても嬉しくて、すぐにでも押し倒したくなったが僕はどうにか堪えた。確認すべきことは全てしないと安心できない。

「僕はこの世界のことを何も知りません。今の季節とか、この村の周辺情況とかゆかりさんが知っている限りのことを教えてほしいです」

 ゆかりさんは戸惑ったような顔をする。

「……それを知って、旦那さまはどうされたいのですか?」

 なんだか不安にさせてしまったようだった。

「ええと、僕のいた国っていうのは平和で、争いごととか全然ありませんでした。魔法はありませんでしたがそれに変わる技術があって、寒い地方でも快適に過ごすことができたんです。ただこちらの世界には魔法があるせいなのか、この部屋もそうですけどその手の機械が見当たりません。どんな風に1年を過ごしているのか。そもそも1年が僕たちの世界と同じなのか、暮らしていく上で知りたいと思いました」

 うまく言えなかったけど、ゆかりさんが納得したような顔をしてくれたのでそれなりに伝わったのではないかと思う。
 この村の名前は白山村という。この村は山の上の方にあり、周囲も山で囲まれている。一番近い村は別の山の麓にあり、歩いて一日はかかるらしい。それはここに来た時小平が尋ねて教えてもらっていた。
 一月は30日で十二ヶ月あり、一年で360日。あまり一年の日数に誤差はないようだった。
 現在の季節は夏だが山の上ということもあり過ごしやすい。つまり冬は相当寒くなることを意味していた。

「冬はどうやって過ごしているんですか?」

「断熱魔法というものがありまして、周囲の温度から身を守る為に使います。山の上ということもあり、冬はとても寒くなりますので」

 その範囲はどうやら自分の周囲30cmぐらいらしい。他人にもかけられる魔法なので魔素が少ない者は他の人にかけてもらうのだとか。

「その魔法の効果時間はどのくらいですか?」
「正確に測ったことはございませぬが、だいたい一日というところでしょうか。屋内は範囲魔法を使っていますので心配はございません」
「そうなんですか」

 範囲魔法とか便利すぎる。

「隣の村との関係はどうですか? 争い事等はありますか?」

 そう尋ねると、ゆかりさんは困ったような顔をした。

「そう、ですね……時々間違えて村の範囲を越えて狩りを行うことがありますので、その際にはちょっと……」
「ああ、確かにそれは問題ですね。でも村の範囲というのが明確だとどこかへ移動するのはたいへんではないですか?」
「その際は村長に通行証をもらいます。他の場所へ行く為に別の村を通るということはままありますので」
「この村を通ってどこかへ行く人っているんですか?」
「稀におります。この山を越えて更に他の山々を越えていきますと、とても高い山がございます。その山を越えた先に大きな湖がありまして、その周囲で捕れる生き物や植物は貴重なのだと聞いたことがあります」
「……それって、この村を通らないといけない場所なんですか?」
「いいえ、他のところからも行けますが、その場所に一番近い村がここになりますので」
「そうなんですか」

 ちなみにその場所に向かうのにどれぐらいかかるのかと聞くと、最短でこの村から二週間だそうだ。さすがに二週間野宿は勘弁してもらいたい。

「でも、二週間もかかるとなると生き物とか捕っても使い物にならないのでは……」
「保存魔法がございますので」
「ああ、それは便利そうですね」

 そういうことに従事している者は夏の初めにこの村を訪れ、夏の終り頃に沢山の荷物を抱えて戻ってくるらしい。

「そろそろ戻ってこられるはずですわ。今回は男性が一人ぐらい残ってくださるといいのですが」

 男が少ないので旅人に男がいる場合は貴重なようだ。確かに子種は大事だろう。
 それを聞いて僕は聞こうとしていたことを思い出した。

「あの、僕はゆかりさんを独占していますけど、この村で女性を独占するというのはどうなんでしょうか?」

 僕としてはゆかりさんにずっと側にいてほしいが、他の男性が彼女を望んだらそれを阻む術はないかもしれない。この世界は僕がいた国とは倫理観が違うように思えるのだ。
 僕がよほど情けない顔をしていたのか、ゆかりさんはそっと僕を抱きしめてくれた。

「ゆかりは旦那さまにお許しいただけるなら一生お側に置いてほしいと思っております。この村では男性の独占はいけないこととされておりますが、女はそれに当てはまりません。ですのでもし旦那さまがよろしければ、他の女たちにもお情けをいただければ幸いです」
「……すいません、今はまだちょっと……」
「はい。私共はいつまでもお待ちしますわ」

 照れ隠しもあり、僕はそのままゆかりさんを抱きしめ返した。

「あの……断熱魔法を教わってもいいですか?」
「はい。ではこちらへ」

 ゆかりさんの嬉しそうな声に僕も嬉しくなる。寝室に移動し、僕はそのたわわな乳房にむしゃぶりついた。
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