ノンケなのにアナニー好きな俺が恋をしたら

浅葱

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恋人とセフレがいる日常(その後の番外編)

新年度直前の週末もエロが止まらない(1)

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ご無沙汰しています。
短期で連載します。
多忙の為誤字脱字報告はされても一切対応しません。修正はできる時にします。よろしくお願いします。
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 なんで年度末ってこんなに忙しいんだろうなぁ。
 金曜日の夜、労いのつもりなのか部長が「飲み会でもするか?」と声をかけてきたが断った。

「そうだよな。今は上司と飲みになんか行きたくないよな」

 部長がへこんだように呟いたが、それで査定に響くとかいうこともないので気楽というのはある。それに、部長には恋人もできたわけだし。

「部長、飲み会なんかやって恋人に愛想つかされたら困るんじゃないですか?」

 部長はコホン、と咳ばらいをした。

「その心配はないから大丈夫だ」
「それならいいですけどね」

 部長の恋人は中島だ。自分を棚に上げて言ってしまうが、部長も男とくっつかなくてもいいのではないだろうか。まぁ中島は桂に下手に絡んで嫌がられていたから、部長がゲットしてくれたのはよかったと思うけどな。
 中島はもう桂にちょっかいをかけたりはしないということで、桂へのお詫びとしてゴディバのチョコレートを買った。そして何故か俺が付き合わされて桂に渡しに行った。女子高生かよ。

「えっ? こ、こんなのもらえないよ……」
「中島のお詫びの気持ちらしいから受け取ってやれよ。中島、恋人ができたからもう大丈夫だし」

 身もフタもないが、そうでも言わないと桂が警戒して受け取りそうもなかったんだ。

「えっ、そうなの? おめでとう!」

 桂は本当に嬉しそうに満面の笑みを浮かべた。中島は何か言いたそうにしていたが、どうにか堪えた。そしてチョコレートは受け取ってもらえた。
 渡した後は桂と別れた。

「……やっぱかわいい」
「おい」
「かわいいと思うのは自由だろう……」
「部長に言うぞ」

 と言ったら中島は真っ青になった。恋人同士とか言ってるけど、いったいどんな付き合いをしてるんだろうな。まぁ俺には関係ないけど。
 そんなことを仕事の合間にしつつ週末である。内示はあったが、俺と岡はそのままだし部長もそのままらしい。うちの部署はなんかやらかさない限りあんまり変わらないしな。

「先輩、帰りましょう。今日は紹介したい人がいるんですが、よろしいですか?」
「紹介したい人?」

 初耳だった。

「安田さんにも声をかけておきましたので」
「えっ?」

 ってことは、もしかして……?
 まさかな、と思ってしまう。

「岡……それって……?」

 岡はにこにこしながら俺に向き直り、ペロリと唇を舐める仕草をした。ゾクゾクする。

「えー……マジか……」

 岡が好きすぎて尻穴がキュンキュンしてしまうから勘弁してほしい。でもそんな岡は、俺が他の男に抱かれて気持ちよくなっているところを見るのが好きな変態だ。安田とも一緒に会う相手となると、もしかしなくても俺を抱く男を見つけたということなのかもしれない。

「さ、行きましょう。部長、お先に失礼します」
「あまりハメを外さないようにね」
「……はい、わかっています」

 部長も一時期俺に懸想していたのだが、俺を寝取る程ではなかった。今は中島という恋人がいるので、もう俺には全くその気はないだろう。
 そんなことを言っている俺は、恋人である岡と、親友である安田をセフレにして毎日のようにHしている。ものすごーく爛れた関係なんだが、ここにもう一人入るというのはあまり……と思ってしまうのだった。いや、何人もに抱かれるとかもしたことはあるんだけど一応な。
 会社を出る。

「紹介って……どういう関係なんだ?」
「大学の後輩なんですけど、来年度就職するんですよね。それが偶然うちの会社と近い位置にあるみたいなんで声をかけてみたんです。いい奴なんですけどね」

 なんか含みがある。俺はじとーっとした目で岡を見た。
 同棲している家がある最寄りの駅前の居酒屋で俺たちは集まった。岡の後輩だというその青年は、安田みたいにがたいはいいものの顔はハンサム系だった。安田の顔は精悍でカッコイイけど、岡の後輩は甘いマスクである。系統としては岡っぽいというのだろうか。うまく説明できなかった。

「初めまして、湯川と申します」

 バッと頭を下げて挨拶をする姿は体育会系を思わせる。

「ああ、初めまして」
「湯川、こちらが同じ会社の先輩で僕の恋人の長井さんだ。それからこちらが長井先輩の親友の安田さんだ」

 え、はっきり言っちゃうの? と目を丸くした。

「はい、安田さんは存じています。高校のバスケの試合、見に行ったことがあるので……」

 湯川の頬が少し上気している。俺はえ? と岡を見た。もしかして安田に懸想してるのかコイツ。岡はにっこりした。胡散臭い笑みである。

「で、なんで湯川君と俺たちは引き合わされたんだ?」

 ここはもうストレートに聞いた方が早いだろう。俺から安田を引き剥がすのは難しいと思うぜ?
 湯川君が顔を俯かせた。

「湯川にも、僕と似たような性癖がありまして。それがちょっと拗れてるんです」
「はい?」

 岡がタブレットを出し、口には出さないで相関図的な物を書いた。

「えええ?」
「マジか……」

 湯川は安田に憧れている。恋愛的な好きではないが、湯川の性癖は些か特殊らしい。
 というのも、安田を抱きたいとも抱かれたいとも一切思わないが、安田が好きな相手を抱きたいと思うのだそうだ。安田が好きな相手を抱いているのを見たいし、その相手を抱きたい。しかもその相手がビッチであれば尚よいというすごい拗れっぷりだった。
 岡は説明をするとその相関図を削除した。
 確かにこれはさすがに口頭で説明できない。

「なんで、そうなったんだ? きっかけとかあるワケ?」
「まぁ……姉が昼ドラ的なマンガを読むのが好きで、それを一緒になって読んでて感化されたってのはありますね。好意を向けてくれる人はいたし、女の子も好きなんですけどイマイチ本気になれないっていうか……」

 ヘンなところで性癖が歪んだみたいだ。

「というわけで試してみないかと思ったんです」

 岡がしれっと言う。

「……よくそんな性癖をコイツに話したね?」
「大学の時に酔っぱらって岡先輩にしゃべっちゃったみたいなんですよ。その時はだいぶ引かれてたんですけど、最近偶然会って聞かれたんですよね……」

 湯川君も困ったみたいだ。俺は岡を睨んだ。いくら性癖がアレだからって俺たちに巻き込んじゃダメだろ。

「岡ぁ……どうやって安田のことなんて聞きだしたんだよ?」
「全て偶然ですね。安田さんと一緒にいるところを見られてたらしくて、憧れのバスケ選手を安田さんだって知れたんです」
「うわぁ……」

 世間って狭すぎるし岡に都合がよすぎる。

「それでどうかなーとプレゼンさせていただいているんですよ」

 黙って聞いていた安田がため息をついた。

「湯川とやら」
「……は、はいっ」
「お前は俺が好きなのか? 俺が抱いている相手には懸想しないのか?」
「や、安田先輩は憧れですっ! そ、そのお相手は……抱きたいとは思いますが恋愛感情はその……」
「想像してるだけなんだろ?」
「そう、です……」

 湯川の声がどんどん小さくなる。頬も真っ赤だ。初心だなとか思ってしまった。俺がエロオヤジくさいって? ほっとけ。
 安田は更に深くため息をついてこんなことを言う。

「じゃあ見せてやればいいんじゃねーか? 俺が好きな相手を抱くところを見たいんだろ?」
「はい?」

 別に俺は抱かれてるところを見られたいわけじゃないんだが。しかしどういうわけか、また安田と岡が勝手に決めてしまい、俺は安田に抱かれているところを湯川に見せることになってしまったのである。
 どうしてそうなった?


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説明が長くなった。次回はエロ!
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