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アナニーを禁止された俺と恋人たちの日々(続編)
38.とにかくうざい
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翌火曜日、俺は今日も同期の夏目に絡まれていた。
「な~飯食いに行こうぜ~。おごるからさ~」
「ますます嫌な予感しかしない。却下だ却下」
「そんなこと言うなよ~」
すごく軽いかんじなのに押しが強い。今まで全然絡んでこなかったのにどういう風の吹き回しなんだか。つーか間違いなく営業関連なんだろうな。御免被る。
なんで企画部なのに営業に駆り出されなければならないのか。
「え~じゃあ飯おごるから話だけでも~」
「それ聞いたら絶対に引き受けさせられるヤツだろ? い・や・だ」
「そんなことするわけないじゃ~ん」
一筆書けと言えばさらさら書いて簡単に反故にするんだろう。こういうのはとにかくうざい。
「おい夏目! 長井が嫌がってんだろ!」
でた元祖うざいの。お前が絡んでくるのもどうかと思う。
「お、中島じゃん。最近長井に絡んでるって聞いたよ~」
「か、絡んでなんか……」
いや、絡んできてるって。お前が筆頭だって。だからってんなこと会社で言えないけど。
「じゃーな。他を当たってくれ」
ひらひらと手を振る。いいかげん仕事の邪魔だ。
「夏目君、中島君」
「はーい、すいませんでした~」
「お、おまっ……」
柔和な笑みを浮かべている部長に声をかけられて二人は退散した。もちろん部長の目は笑っていない。俺は部長に会釈する。部長の目が笑った。なんなんだと思う。
昼はいつも通り岡と一緒だった。
「先輩なんだかモテモテですね」
「モテてねえよ」
あんなのにモテても全然嬉しくない。うんざりした顔で言うと岡がふふっと笑った。俺は岡と安田にモテてりゃそれでいいんだ。ムカつくのでそうLINEを送ってやった。LINEをすぐ確認した岡の頬がほんのり赤くなった。
「……反則です」
小さな声で岡が抗議する。
「茶化す奴が悪い」
そう言ってそばを啜る。天ぷらそばは可もなく不可もなくという感じだ。寒いからちょうどいい。ちなみに岡は山菜そばだ。二人でそうしてずるずる食べていると、女子社員がやってきた。同期の桂もいる。本当に嫌な予感しかしない。
「あ、モテモテの長井君だ」
「……桂、うめぼしの刑にするぞ」
「えー……こめかみぐりぐりするやつ?」
「おう」
「やだー」
女子社員たちはコロコロ笑いながら少し離れた席に座った。やだーじゃねえっての。だから俺は岡と安田にモテればいいんだって。
「全く……いったいなんなんだろうな」
「そうですねぇ。顧客が先輩を見初めたとか? で、先輩を連れて来ないと契約しないとか言い出したなんて……」
「大した想像力だな」
どこの三流ドラマだよと思う。なんだかんだ言って岡も楽しんでいるようだ。
あーもううざい。
「……しばらく休もうかな」
「それもありですね」
企画が上がってないとかそんなこと全て放り出してしまいたくなる。夏目が突撃してこなければもう少しいい案が浮かびそうなのに、調べ物もままならない。俺はかなりいらいらしていた。
更に休憩時間には女子社員にからかわれていらいらはピークに達した。
「部長、明日から有休取ります」
「……から、というのは……何日までかな?」
「夏目が俺への突撃を止めるまでです」
「……ちょっと待ってくれないかな……」
完全にキレている俺に部長は苦笑して席を立った。
「営業部に行ってくる。長井君はそのまま仕事をしていてくれ」
「……お手数おかけします」
部長に当たることではなかった。そこでやっと俺は申し訳ないと思った。で、部長が抗議に行けばどうにかなると思っていたがそうは問屋が卸さなかった。
部長がとても困ったような顔で、夏目と営業部の部長を連れて戻ってきたのである。
うざすぎる。有無を言わさず早退して後から有休申請すればよかったと俺は後悔した。
ーーーーー
23:21 修正しました。ありがとうございました。
「な~飯食いに行こうぜ~。おごるからさ~」
「ますます嫌な予感しかしない。却下だ却下」
「そんなこと言うなよ~」
すごく軽いかんじなのに押しが強い。今まで全然絡んでこなかったのにどういう風の吹き回しなんだか。つーか間違いなく営業関連なんだろうな。御免被る。
なんで企画部なのに営業に駆り出されなければならないのか。
「え~じゃあ飯おごるから話だけでも~」
「それ聞いたら絶対に引き受けさせられるヤツだろ? い・や・だ」
「そんなことするわけないじゃ~ん」
一筆書けと言えばさらさら書いて簡単に反故にするんだろう。こういうのはとにかくうざい。
「おい夏目! 長井が嫌がってんだろ!」
でた元祖うざいの。お前が絡んでくるのもどうかと思う。
「お、中島じゃん。最近長井に絡んでるって聞いたよ~」
「か、絡んでなんか……」
いや、絡んできてるって。お前が筆頭だって。だからってんなこと会社で言えないけど。
「じゃーな。他を当たってくれ」
ひらひらと手を振る。いいかげん仕事の邪魔だ。
「夏目君、中島君」
「はーい、すいませんでした~」
「お、おまっ……」
柔和な笑みを浮かべている部長に声をかけられて二人は退散した。もちろん部長の目は笑っていない。俺は部長に会釈する。部長の目が笑った。なんなんだと思う。
昼はいつも通り岡と一緒だった。
「先輩なんだかモテモテですね」
「モテてねえよ」
あんなのにモテても全然嬉しくない。うんざりした顔で言うと岡がふふっと笑った。俺は岡と安田にモテてりゃそれでいいんだ。ムカつくのでそうLINEを送ってやった。LINEをすぐ確認した岡の頬がほんのり赤くなった。
「……反則です」
小さな声で岡が抗議する。
「茶化す奴が悪い」
そう言ってそばを啜る。天ぷらそばは可もなく不可もなくという感じだ。寒いからちょうどいい。ちなみに岡は山菜そばだ。二人でそうしてずるずる食べていると、女子社員がやってきた。同期の桂もいる。本当に嫌な予感しかしない。
「あ、モテモテの長井君だ」
「……桂、うめぼしの刑にするぞ」
「えー……こめかみぐりぐりするやつ?」
「おう」
「やだー」
女子社員たちはコロコロ笑いながら少し離れた席に座った。やだーじゃねえっての。だから俺は岡と安田にモテればいいんだって。
「全く……いったいなんなんだろうな」
「そうですねぇ。顧客が先輩を見初めたとか? で、先輩を連れて来ないと契約しないとか言い出したなんて……」
「大した想像力だな」
どこの三流ドラマだよと思う。なんだかんだ言って岡も楽しんでいるようだ。
あーもううざい。
「……しばらく休もうかな」
「それもありですね」
企画が上がってないとかそんなこと全て放り出してしまいたくなる。夏目が突撃してこなければもう少しいい案が浮かびそうなのに、調べ物もままならない。俺はかなりいらいらしていた。
更に休憩時間には女子社員にからかわれていらいらはピークに達した。
「部長、明日から有休取ります」
「……から、というのは……何日までかな?」
「夏目が俺への突撃を止めるまでです」
「……ちょっと待ってくれないかな……」
完全にキレている俺に部長は苦笑して席を立った。
「営業部に行ってくる。長井君はそのまま仕事をしていてくれ」
「……お手数おかけします」
部長に当たることではなかった。そこでやっと俺は申し訳ないと思った。で、部長が抗議に行けばどうにかなると思っていたがそうは問屋が卸さなかった。
部長がとても困ったような顔で、夏目と営業部の部長を連れて戻ってきたのである。
うざすぎる。有無を言わさず早退して後から有休申請すればよかったと俺は後悔した。
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23:21 修正しました。ありがとうございました。
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