ノンケなのにアナニー好きな俺が恋をしたら

浅葱

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アナニーを禁止された俺と恋人たちの日々(続編)

29.どうしてもシリアスになりきれない

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 俺は怒っていた。
 俺自身の先、というか普通ならただ通過するだけの内側全体がジンジンと熱を持っているようだ。用を足すのもなんかへんな感覚がするようで勘弁してほしい。もしかしたらそれは気にしすぎなのかもしれないけど、尻穴以上に物を入れてはいけないところだと思うので許すつもりはなかった。

「……帰る……」
「嫌です! 先輩ごめんなさい! もう二度としないのでそんなこと言わないでください!!」
「俺も悪かったからさ、智……」

 目が潤んでくる。こんなことで泣くのは嫌だったが目が熱くなって止まらなかった。視界の中の岡が泣きそうな顔をし、安田はバツが悪そうな表情をしている。
 なんでお前たちがそんな顔をするんだ。そう思ったら涙がだばだばとこぼれた。止めようと思っても涙が後から後から流れてきて、俺は自分の情けなさに更に泣けてきた。

「先輩ごめんなさい! 本気で嫌がっていたのにわからなくてごめんなさい! もうしません! 絶対に嫌がることしませんから!!」

 自分が涙でびしょびしょになるのも厭わず岡は俺を抱きしめた。安田も岡ごと俺を抱きしめる。正直涙と鼻水に加えて非常に苦しい。

「智、本当に悪かった! そんなに嫌がるとは思わなかったんだ! もう二度としない! 考え直してくれ!」

 必死な二人の様子に少しだけ留飲が下がる。
 だけど俺はやっぱり許せなかった。

「……俺……嫌だって言った……でも、身体動かなくて……ひっく……やだって、言ったの、に……ううーーー……」

 感じすぎてもうへとへとで、腕を上げるのもおっくうで、でも岡が俺のこと好きで好きでたまらないって言うから。

「先輩、愛しています。ごめんなさい。先輩の嫌がることはもう絶対にしません。先輩、先輩……」

 縋りつかれると心が揺れる。でも今回だけはどうしても譲れなかった。

「……好きだからって……何してもいいわけじゃねーだろ……」

 お前らがしたことは強姦だ。
 耳元で囁くように言うと、岡と安田の手が力なく下がった。その隙にティッシュで顔を拭き何度も鼻をかむ。しまらないなと思ったがもっと情けないところをずっと見せている。そんなことで冷める想いならとっとと冷めてしまえとも思う。それぐらい俺は腹を立てていた。

「じゃあな」

 そう言って着替えを取り、リビングで着替えようとしたら岡に服を奪われた。むっとして手を出したが、安田にぎゅうぎゅう抱きしめられてしまった。

「智、言い訳はしない。尿道をいじめられる智もめちゃくちゃ可愛かった」
「……なっ……!!」

 怒りと羞恥で頭に血が上る。言うにことかいてそれかよ! と怒りが更にこみ上げてくる。

「許せとは言わない。今日は何もしないで言うことを聞くから、頼むから一緒にいてくれ」
「先輩……僕もお願いします。何もしませんから、帰るなんて言わないでください……」

 俺の服をソファに置いて、岡が縋るように背中から俺を抱きしめる。二人が密着しているせいで二人のイチモツが立ち上がっていることに気づく。俺は別の意味で赤くなった。

「……やだ……帰る……」
「先輩、そんなこと言わないで……」

 岡がそう言いながら項に口づけてきた。何もしないんじゃなかったのか。

「やっ、やめろよ……」

 感じるからだめだって。

「先輩、帰らないで。そんなこと言われたら……閉じ込めたくなるから……」
「……え……」

 何故そうなる?

「そうだな。監禁するか」
「……ええ……?」

 おかしい。怒っているのは俺のはずでは?
 頭に?が山ほど浮かぶ。

「大丈夫ですよ。僕たち、先輩を養えるぐらいのお金はありますから」
「使ってないから貯まる一方だしなー」
「……マテマテマテマテ……」

 このままだと本気で監禁されかねない。俺の背筋を冷汗がだらだらと伝う。

「……わかった。とりあえず話し合おう……」

 奴らがにんまりしたのは言うまでもない。
 くそう。次こそはぎゃふん(死語)と言わせてやるからな!!
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