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いっぱい抱かれたい青年が抱かれる方法を考えたら
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もういっそのこと天使になろうかな。
青年はそう思ってしまった。
上級学校でカレシになってくれた人は、最初は抱いてくれたけどその後は愛撫がメインでなかなか抱いてくれなかった。
初めてですごく感じてしまったのが恥ずかしくて泣いてしまったら、カレシは青年がつらくて泣いているのかと勘違いしたらしかった。だからどんなに、「も、だいじょぶ……」と伝えても愛撫ばかりであまり青年を抱かなかった。
こんなに抱かれたいのに。
もういいと思って青年はカレシと別れた。
次のカレシならいっぱい抱いてくれるかもしれない。
元カレは友人になり、青年に他の友人を紹介してくれさえした。
その友人と付き合い始めたけど、やっぱり最初は抱いてもらえるもののその後は愛撫がメインになってしまう。
そんなこんなで都合四人と付き合ったけどいずれも同じだった。
だったら一晩だけの相手ならいっぱいシテくれるかも、と思って酒場とかに行ってみたけど、なんか違った。
元カレたちに抱かれた時はものすごく気持ちよくて、感じすぎてたいへんで泣いてしまったのだけど、一晩だけの相手ではそうはならなかった。
青年は首を傾げた。
やっぱり気持ちが伴わないといけないのだろうか。
そんなかんじで過ごしていたからもう二十代も後半になり、青年は自分が童貞だということを思い出した。上級学校でカレシができた時、青年は自分が”抱かれる側”だと認識してしまったから、誰かを抱こうという気には全くなれなかったのだ。
だけど、童貞のまま30歳になったら天使になってしまう。
でも、とも思う。
天使になったらいっぱい抱いてもらえるかも? と。
青年の身体は性欲を持て余していた。
それでたびたび一晩の相手を探していたのだけど、何故か元カレたちに阻止されてしまう。
「僕は抱かれたいんだってば!」
そう文句を言うと、家に連れ込まれてこれでもかと愛撫を施されてしまう。でもなかなか入れてくれないし、本当にとろっとろになってわけがわからなくなってからでないと与えてくれない。
「これぐらい蕩けていれば大丈夫だな?」
「あっ、はや、くぅ……あぁんっ!」
焦らされるのは嫌だ。
あんまり焦らされるとふにゃふにゃになって記憶も飛んでしまう。そうなると朝を迎えてからもったいないと思ってしまう。
青年はどうしたものかと頭を抱えた。
「いっそ天使になれば、嫌でも抱いてもらえるかも?」
どーせ童貞を捨てる相手もいないしね。
そう思って、青年は日々投げやりに暮らしていた。
30歳直前で仕事も辞めた。迷惑がかかってしまうからだ。
”天使”というのはとにかく弱い。天使になったら外で働くことなんてできないだろう。ちょっとでも怪我をして放置したら死んでしまうような存在だ。
どうしてそんなものになりたいのかといえば、”天使”は三日に一度身体の奥に精液を受け入れないと死んでしまうからだった。それなら嫌でも抱いてもらえると青年は思った。しかも天使は基本弱いのだが、尻穴だけはどれだけ拡げられても無体な扱いをされても切れないし、感じまくってしまうらしいと聞いていた。
元カレたちのことは、実は今でも好きだった。
きっと彼らも青年が好きなのだろう。
でも多分、青年が”天使”になったと知ったら手のひらを返すだろうということはわかっていた。
天使を囲うには金がかかる。その金を捻出するのだってたいへんだ。
娼館とかに自分を売り込めばいいのかな、と青年はぼんやり思った。きっと娼館なら住まいも込みで雇ってくれるに違いない。
けれどそれは叶わなかった。
「仕事を辞めたってどういうことだ!?」
どういうわけか、青年の家に元カレたちが押しかけてきたのだ。青年は目を白黒させた。
「え? ああ、そろそろ30歳だしと思って……」
「30歳? それが何か関係あるのか?」
元カレの一人が訝し気な顔をする。
「うん、僕まだ童貞だから……」
「「「「なんだって!?」」」」
すごい剣幕に、青年はたじたじとなった。
「誕生日はいつなんだ? まだ天使にはなってないよな? 今すぐ娼館へ行くぞ!」
元カレたちは青年を担いででも連れて行こうとした。
青年は笑った。
「もう遅いよ。誕生日は明日だけど……多分もうなってるから。……さよなら」
誕生日は一応あるけど基本的に大ざっぱだ。一日二日ずれて覚えているのは普通である。だけど、”天使”にはちょうど30歳になった時になるのだと青年は調べていた。
「ああくそっ、こんなことなら俺が娶っておけばよかった!」
「”天使”になったのか? 本当に!?」
だから元カレも引いて、ここで関係が切れると思ったのに、彼らは違ったらしい。
「?」
「確かめる為に抱くぞ」
「えっ?」
それから青年は四人の元カレたちに抱かれてしまった。そうしたら今までにないくらい気持ちよくて、たいへんなことになってしまった。
「やぁっ、もっ、きもちいい、のっ……ぁああんっ!」
「まだできるだろ? 天使になったんだもんな? これからは俺たちが毎日愛してやるからな」
元カレたちは友人関係にあったせいかすぐに結託し、あれよあれよという間に青年を囲ってしまった。
「そっか、本当は気持ちよすぎて泣いてたのか」
「わかってやればよかったな」
「これからたくさんしてやるから……」
「あぁんっ、も、むりぃっ……!」
天使の身体になっても四人の愛を受け止めるのはたいへんで。
でも毎日甘く愛されて、これはこれでいいかもと青年は思ったのだった。
おしまい
天使になっちゃったバージョンだとこうなりました。楽しんでいただけたなら幸いですー。
青年はそう思ってしまった。
上級学校でカレシになってくれた人は、最初は抱いてくれたけどその後は愛撫がメインでなかなか抱いてくれなかった。
初めてですごく感じてしまったのが恥ずかしくて泣いてしまったら、カレシは青年がつらくて泣いているのかと勘違いしたらしかった。だからどんなに、「も、だいじょぶ……」と伝えても愛撫ばかりであまり青年を抱かなかった。
こんなに抱かれたいのに。
もういいと思って青年はカレシと別れた。
次のカレシならいっぱい抱いてくれるかもしれない。
元カレは友人になり、青年に他の友人を紹介してくれさえした。
その友人と付き合い始めたけど、やっぱり最初は抱いてもらえるもののその後は愛撫がメインになってしまう。
そんなこんなで都合四人と付き合ったけどいずれも同じだった。
だったら一晩だけの相手ならいっぱいシテくれるかも、と思って酒場とかに行ってみたけど、なんか違った。
元カレたちに抱かれた時はものすごく気持ちよくて、感じすぎてたいへんで泣いてしまったのだけど、一晩だけの相手ではそうはならなかった。
青年は首を傾げた。
やっぱり気持ちが伴わないといけないのだろうか。
そんなかんじで過ごしていたからもう二十代も後半になり、青年は自分が童貞だということを思い出した。上級学校でカレシができた時、青年は自分が”抱かれる側”だと認識してしまったから、誰かを抱こうという気には全くなれなかったのだ。
だけど、童貞のまま30歳になったら天使になってしまう。
でも、とも思う。
天使になったらいっぱい抱いてもらえるかも? と。
青年の身体は性欲を持て余していた。
それでたびたび一晩の相手を探していたのだけど、何故か元カレたちに阻止されてしまう。
「僕は抱かれたいんだってば!」
そう文句を言うと、家に連れ込まれてこれでもかと愛撫を施されてしまう。でもなかなか入れてくれないし、本当にとろっとろになってわけがわからなくなってからでないと与えてくれない。
「これぐらい蕩けていれば大丈夫だな?」
「あっ、はや、くぅ……あぁんっ!」
焦らされるのは嫌だ。
あんまり焦らされるとふにゃふにゃになって記憶も飛んでしまう。そうなると朝を迎えてからもったいないと思ってしまう。
青年はどうしたものかと頭を抱えた。
「いっそ天使になれば、嫌でも抱いてもらえるかも?」
どーせ童貞を捨てる相手もいないしね。
そう思って、青年は日々投げやりに暮らしていた。
30歳直前で仕事も辞めた。迷惑がかかってしまうからだ。
”天使”というのはとにかく弱い。天使になったら外で働くことなんてできないだろう。ちょっとでも怪我をして放置したら死んでしまうような存在だ。
どうしてそんなものになりたいのかといえば、”天使”は三日に一度身体の奥に精液を受け入れないと死んでしまうからだった。それなら嫌でも抱いてもらえると青年は思った。しかも天使は基本弱いのだが、尻穴だけはどれだけ拡げられても無体な扱いをされても切れないし、感じまくってしまうらしいと聞いていた。
元カレたちのことは、実は今でも好きだった。
きっと彼らも青年が好きなのだろう。
でも多分、青年が”天使”になったと知ったら手のひらを返すだろうということはわかっていた。
天使を囲うには金がかかる。その金を捻出するのだってたいへんだ。
娼館とかに自分を売り込めばいいのかな、と青年はぼんやり思った。きっと娼館なら住まいも込みで雇ってくれるに違いない。
けれどそれは叶わなかった。
「仕事を辞めたってどういうことだ!?」
どういうわけか、青年の家に元カレたちが押しかけてきたのだ。青年は目を白黒させた。
「え? ああ、そろそろ30歳だしと思って……」
「30歳? それが何か関係あるのか?」
元カレの一人が訝し気な顔をする。
「うん、僕まだ童貞だから……」
「「「「なんだって!?」」」」
すごい剣幕に、青年はたじたじとなった。
「誕生日はいつなんだ? まだ天使にはなってないよな? 今すぐ娼館へ行くぞ!」
元カレたちは青年を担いででも連れて行こうとした。
青年は笑った。
「もう遅いよ。誕生日は明日だけど……多分もうなってるから。……さよなら」
誕生日は一応あるけど基本的に大ざっぱだ。一日二日ずれて覚えているのは普通である。だけど、”天使”にはちょうど30歳になった時になるのだと青年は調べていた。
「ああくそっ、こんなことなら俺が娶っておけばよかった!」
「”天使”になったのか? 本当に!?」
だから元カレも引いて、ここで関係が切れると思ったのに、彼らは違ったらしい。
「?」
「確かめる為に抱くぞ」
「えっ?」
それから青年は四人の元カレたちに抱かれてしまった。そうしたら今までにないくらい気持ちよくて、たいへんなことになってしまった。
「やぁっ、もっ、きもちいい、のっ……ぁああんっ!」
「まだできるだろ? 天使になったんだもんな? これからは俺たちが毎日愛してやるからな」
元カレたちは友人関係にあったせいかすぐに結託し、あれよあれよという間に青年を囲ってしまった。
「そっか、本当は気持ちよすぎて泣いてたのか」
「わかってやればよかったな」
「これからたくさんしてやるから……」
「あぁんっ、も、むりぃっ……!」
天使の身体になっても四人の愛を受け止めるのはたいへんで。
でも毎日甘く愛されて、これはこれでいいかもと青年は思ったのだった。
おしまい
天使になっちゃったバージョンだとこうなりました。楽しんでいただけたなら幸いですー。
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