【完結】ナルシストな僕のオナホが繋がる先は

浅葱

文字の大きさ
上 下
30 / 46

29.オナホは常に持ち歩いてる

しおりを挟む
「なんかあったんですかー?」

 訓練所の端で構えている騎士に尋ねてみた。

「ああ、ちょっとね。すぐ終わるから入らないでそっちで待ってて」

 目だけこっちに向けて知らない騎士が教えてくれた。この人もカッコイイなぁ。騎士もやっぱ顔で選んでるのかなー?

「はーい」

 邪魔しちゃまずいよねーと訓練所の外でぼーっとしていたら、この間のハンサムさんが血相を変えて駆けてきた。僕をちらと見て嫌そうな顔をし、訓練所に入っていく。僕なんかしたかな? いや、僕じゃないなきっと。魔法師団がどうの、って言ってたからこのローブを見ると反応しちゃうんだろう。ぎゃあぎゃあと喚く声とかいろんな声がして、しばらくしてからふと顔を上げたらライヤがいた。

「ヤーナ」
「見つけたー」

 ライヤの手を握った。あれ? なんか傷ついてる?

「これ、どーしたの?」
「ああ、ちょっとな」

 さっきの騒動の中にライヤもいたみたいだった。もー、勝手に人のモノに傷つけないでよねっ。即回復魔法をかけた。

「お、ありがとな。って、こんなかすり傷に魔法使ったらもったいないだろ?」
「僕が使いたかったんだからいーの。何があったの?」
「それはあとでな。呼びに来てくれたんだよな?」
「うん」

 ライヤがとても嬉しそうな顔をした。その顔にちょっとだけ胸がきゅんとなった。
 ……? なんだろこれ?
 ライヤの部屋に行って、シャワーを使う為の魔石に魔力を注いであげた。ライヤも魔力がないわけじゃないんだけど、竜族の魔力って自分の身体自体にかけるものが一般的だから外に放出するのが苦手な人が多いみたい。だから訓練とか仕事とかでへとへとになった時は僕の部屋でシャワーを浴びてたんだよね。僕は魔力量が多いから魔力を魔石に蓄積させてたし。

「ありがとなー」

 ライヤの使い方だとシャワーは10分お湯が出ればいい方らしい。こればっかりは種族的に向き不向きがあるからしょうがない。ちなみに魔力が少ない人用に売店で魔力を籠めた魔石も売っていたりするらしい。魔法師団だと見ない光景だなと思った。

「で、さっきのってなんだったの?」

 シャワーを浴びてさっぱりして出てきたライヤに聞いてみた。

「ああ、北の森に派遣してる騎士なんだが、この間大々的に不祥事があってな。相当の数が罰せられたんだ。だが罰せられはしなかったんだが、納得いかないってヤツがいてわざわざこっちに戻ってきて暴れやがったんだよ」
「へー、そんなことあったんだね。でもなんで訓練所で?」
「騎士団長が誘導したんだよ。不満があるなら力で示せってな」
「へー、超脳筋だねー」
「……お前なぁ……」

 あ、本音が出ちゃった。

「ごめーん」

 笑ってぺろりと舌を出したらそのまま口づけられた。なんでここで僕キスされちゃうわけ?
 くちゅ、ちゅぷうと濡れた音を立てて一度唇を放された。

「ぁんっ、なん、で……?」

 別にしてもいいけどさ、一応オナホ魔道具持ってきてるしね。

「……大したことじゃないが、血ぃ見ると滾るんだ」
「そうだったっけ? じゃあいいよ」

 部屋に防音魔法をかけ、自分自身に洗浄魔法をかける。そしてローブを脱いだ。

「……色気ねえな」
「イマイチその色気ってのがわかんないんだよね。どーしたら色気って出るんだろう?」
「……言葉で言い表せるモンじゃねえしな。そうだな……せめてもう少し恥ずかしがるとか?」
「恥ずかしがる、ねぇ……」

 自分が気持ちよくなる為にオナホ魔道具とか開発してるこの僕に恥じらいを求めるだけ無駄な気がする。あ、でもあまりに興奮しすぎて鍵かけるの忘れて、ライヤが部屋に入ってきた時は驚いたのもそうだけどちょっと恥ずかしかったかも。
 ローブの下には一応下着を着ている。丈が短めの貫頭衣なんだけど、これを恥じらいながら脱ぐって難しいなって思った。

「……困ってるヤーナもかわいいよな」
「ん?」
「ま、お前はそのままでいいよ。十分欲情する」

 ライヤがそう言ってるからいいか。ライヤに手伝ってもらい、下着を脱いだ。
 裸になったらライヤに優しく抱きしめられた。なんかよくわかんないけどどきどきした。
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~

さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。 そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。 姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。 だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。 その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。 女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。 もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。 周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか? 侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?

【完】僕の弟と僕の護衛騎士は、赤い糸で繋がっている

たまとら
BL
赤い糸が見えるキリルは、自分には糸が無いのでやさぐれ気味です

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった

cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。 一途なシオンと、皇帝のお話。 ※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

処理中です...