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四.目覚めた人間に襲われました
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「う……ここは……」
王子は暗い場所で目を覚ました。斜め上方からわずかに差し込んでくる光がまぶしい。少し目を閉じてやり過ごす。そしてまたゆっくりと目を開いた。
確か自分は船上にいたはずだったと、記憶を辿る。
彼は人間の、ある王国の第三王子だった。彼の十八歳の誕生日の宴のついでに船を出され、更に船上でも宴が開かれていたのだった。翌朝船は港へ戻る予定だったが、夜のうちに嵐に遭い、船が難破してしまった。
(ここはどこだ? 暗いが……もしかしたら洞窟のような場所なのだろうか……)
物思いにふけっていると、ぱしゃん、と水の鳴る音がした。王子がはっとしてそちらを見ると、
「あら、やっとお目覚め? 体は大丈夫? おなかはすいてない?」
船の上から見かけた美しい女性がいた。彼女が身体を水の中から出したことで王子は彼女が人魚だということを知った。
「人魚……」
「そうよ。一応食べられるものを選んできたつもりだけど」
そう言って近くに積み上げられた果物を彼女は指さした。唐突に王子はひどい空腹を覚えて、皮が簡単に剥けるような果物から勢いよく食べ始めた。彼女は目を丸くしてその様子を眺めた。
取ってきたばかりの貝なども渡されれば王子はなんでも食べた。そしてやっと満足したのか、食べるのをやめた。
「……ありがとう、君が助けてくれたのか」
「リリィンよ。ほっとけなかっただけだから気にしなくていいわ」
そう言って彼女は瓶を取り出した。
「それは?」
「なんか、これを二人で半分ずつ飲むと幸せになれるんだって。よかったら飲んでみない?」
うさんくさいことこの上なかったが王子に拒否権はなかった。リリィンの様子があまりにも無邪気だったので毒気を抜かれた、というのもある。どうせ船が難破した時点で死んでいた身なのだ。こんな綺麗な女性と死ねたらそれはそれで本望ではないかと王子は思った。
つまるところ、王子はリリィンに一目惚れしてしまったのである。
「うん、そうだね。飲んでみよう。僕はレイと言うんだ」
「レイ? じゃあ先に私から飲むわね」
リリィンはにこにこしながら瓶を傾けた。
* *
半分飲んで瓶を男性―レイに渡すと彼は戸惑いながらも瓶を傾けた。そうして中の液体がなくなったことを確認してレイは瓶をそっと置いた。その途端、リリィンは身体がカッと熱くなるのを感じた。
「え……なに……?」
尾っぽがむずむずする。今まで使ったことのない場所がじんじんと疼いてくるのが感じられた。
「え? なに? なんなの?」
戸惑っていると、いきなりレイに抱き寄せられた。至近距離で見たレイの顔はほんのりと赤くなっているように見えた。
「人魚の秘薬は……媚薬だったなんてね……」
そう呟くように言い、レイはリリィンに口づけた。
それからはまるで嵐のようだった。
口腔内を舌で辿られれば身体が震えた。蛇に役立たずだと言われた胸を丹念に揉まれ、ピンク色の乳首に口づけられた。
「あっ、あっ……」
「人魚でも胸は感じるんだね……」
乳首をちゅううっと吸われたり、甘噛みされたり、くりくりとその水かきのついていない指先でこねられるとたまらなかった。
「大きいなぁ……僕はこれぐらい大きなおっぱいが好きだな……」
「あっ、あんっ……」
レイは呟きながらたっぷりとリリィンの胸を堪能し、すでに濡れている鱗の奥に指を差し入れた。
「……ああっ!?」
「すごく濡れてるけど……狭いな……見せて」
彼は頭を下げると鱗を開き、ピンク色に息づいている秘所を確認した。
「ここは人と変わらないんだね」
「やっ、やっ……」
暴れようとするリリィンの身体を押さえつけ、レイは秘所をペロリと舐める。
「海の水よりは優しい味だな。塩分はある程度取らないといけないよね」
「ひぃっ、やっ、だめっ、だめっ……!」
彼はリリィンの味を確認すると、今度はじっくりと中を舐め始めた。
そんなところをいじられたのは初めてて、しかも舌で舐められているという感覚にリリィンは身悶えた。彼は執拗に彼女の中をほぐすと、彼自身をひくひくと震える秘所にあてがった。
「いくよ……」
「ああっ……」
ずんっ! と一気に突き入れられた彼自身に、リリィンは背をそらせた。
「あああああっっ!?」
「なんて……イイんだっ……!」
レイは苦しそうに叫ぶと、リリィンをきつく抱きしめてずんずんと腰を使った。
「ひっ、あっ、やぁっ……ああんっっ!!」
初めてだというのに、薬のせいかリリィンは中で感じていた。きゅうきゅうとレイ自身を締め上げながら、初めて与えられる快感に乱れに乱れた。
「だめだっ! 止まらない! 気持ち、よすぎるっっ!!」
「あんっ、あんっ……だめっ、だめぇっ……!」
彼の腰の動きはどんどん激しくなりリリィンの中を抉りまくった。それなのに彼女は感じることしかできなくてこれでもかと彼自身を頬張った。
やがて彼が精を放つと、リリィンの鱗は淡い水色から淡いピンク色へと変化した。処女でなくなった証だった。
それから彼らは三日三晩抱き合って過ごした。レイはリリィンの豊満なおっぱいときつい秘所に夢中になった。リリィンもまた初めての交わりがあまりにも気持ちよかったのでレイに逆らわなかった。
けれどリリィンの鱗が淡いピンクから赤くなった時、彼女は現実に立ちかえった。
王子は暗い場所で目を覚ました。斜め上方からわずかに差し込んでくる光がまぶしい。少し目を閉じてやり過ごす。そしてまたゆっくりと目を開いた。
確か自分は船上にいたはずだったと、記憶を辿る。
彼は人間の、ある王国の第三王子だった。彼の十八歳の誕生日の宴のついでに船を出され、更に船上でも宴が開かれていたのだった。翌朝船は港へ戻る予定だったが、夜のうちに嵐に遭い、船が難破してしまった。
(ここはどこだ? 暗いが……もしかしたら洞窟のような場所なのだろうか……)
物思いにふけっていると、ぱしゃん、と水の鳴る音がした。王子がはっとしてそちらを見ると、
「あら、やっとお目覚め? 体は大丈夫? おなかはすいてない?」
船の上から見かけた美しい女性がいた。彼女が身体を水の中から出したことで王子は彼女が人魚だということを知った。
「人魚……」
「そうよ。一応食べられるものを選んできたつもりだけど」
そう言って近くに積み上げられた果物を彼女は指さした。唐突に王子はひどい空腹を覚えて、皮が簡単に剥けるような果物から勢いよく食べ始めた。彼女は目を丸くしてその様子を眺めた。
取ってきたばかりの貝なども渡されれば王子はなんでも食べた。そしてやっと満足したのか、食べるのをやめた。
「……ありがとう、君が助けてくれたのか」
「リリィンよ。ほっとけなかっただけだから気にしなくていいわ」
そう言って彼女は瓶を取り出した。
「それは?」
「なんか、これを二人で半分ずつ飲むと幸せになれるんだって。よかったら飲んでみない?」
うさんくさいことこの上なかったが王子に拒否権はなかった。リリィンの様子があまりにも無邪気だったので毒気を抜かれた、というのもある。どうせ船が難破した時点で死んでいた身なのだ。こんな綺麗な女性と死ねたらそれはそれで本望ではないかと王子は思った。
つまるところ、王子はリリィンに一目惚れしてしまったのである。
「うん、そうだね。飲んでみよう。僕はレイと言うんだ」
「レイ? じゃあ先に私から飲むわね」
リリィンはにこにこしながら瓶を傾けた。
* *
半分飲んで瓶を男性―レイに渡すと彼は戸惑いながらも瓶を傾けた。そうして中の液体がなくなったことを確認してレイは瓶をそっと置いた。その途端、リリィンは身体がカッと熱くなるのを感じた。
「え……なに……?」
尾っぽがむずむずする。今まで使ったことのない場所がじんじんと疼いてくるのが感じられた。
「え? なに? なんなの?」
戸惑っていると、いきなりレイに抱き寄せられた。至近距離で見たレイの顔はほんのりと赤くなっているように見えた。
「人魚の秘薬は……媚薬だったなんてね……」
そう呟くように言い、レイはリリィンに口づけた。
それからはまるで嵐のようだった。
口腔内を舌で辿られれば身体が震えた。蛇に役立たずだと言われた胸を丹念に揉まれ、ピンク色の乳首に口づけられた。
「あっ、あっ……」
「人魚でも胸は感じるんだね……」
乳首をちゅううっと吸われたり、甘噛みされたり、くりくりとその水かきのついていない指先でこねられるとたまらなかった。
「大きいなぁ……僕はこれぐらい大きなおっぱいが好きだな……」
「あっ、あんっ……」
レイは呟きながらたっぷりとリリィンの胸を堪能し、すでに濡れている鱗の奥に指を差し入れた。
「……ああっ!?」
「すごく濡れてるけど……狭いな……見せて」
彼は頭を下げると鱗を開き、ピンク色に息づいている秘所を確認した。
「ここは人と変わらないんだね」
「やっ、やっ……」
暴れようとするリリィンの身体を押さえつけ、レイは秘所をペロリと舐める。
「海の水よりは優しい味だな。塩分はある程度取らないといけないよね」
「ひぃっ、やっ、だめっ、だめっ……!」
彼はリリィンの味を確認すると、今度はじっくりと中を舐め始めた。
そんなところをいじられたのは初めてて、しかも舌で舐められているという感覚にリリィンは身悶えた。彼は執拗に彼女の中をほぐすと、彼自身をひくひくと震える秘所にあてがった。
「いくよ……」
「ああっ……」
ずんっ! と一気に突き入れられた彼自身に、リリィンは背をそらせた。
「あああああっっ!?」
「なんて……イイんだっ……!」
レイは苦しそうに叫ぶと、リリィンをきつく抱きしめてずんずんと腰を使った。
「ひっ、あっ、やぁっ……ああんっっ!!」
初めてだというのに、薬のせいかリリィンは中で感じていた。きゅうきゅうとレイ自身を締め上げながら、初めて与えられる快感に乱れに乱れた。
「だめだっ! 止まらない! 気持ち、よすぎるっっ!!」
「あんっ、あんっ……だめっ、だめぇっ……!」
彼の腰の動きはどんどん激しくなりリリィンの中を抉りまくった。それなのに彼女は感じることしかできなくてこれでもかと彼自身を頬張った。
やがて彼が精を放つと、リリィンの鱗は淡い水色から淡いピンク色へと変化した。処女でなくなった証だった。
それから彼らは三日三晩抱き合って過ごした。レイはリリィンの豊満なおっぱいときつい秘所に夢中になった。リリィンもまた初めての交わりがあまりにも気持ちよかったのでレイに逆らわなかった。
けれどリリィンの鱗が淡いピンクから赤くなった時、彼女は現実に立ちかえった。
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