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30.食休み中のはずなのに
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夕飯の後はカヤテとキールだけが残った。
リーたちは今日のところは戻り、部屋の前では他の鬼が警護? みたいなことをするらしい。俺のことなんて警護する必要があるのかな? と少しだけ疑問に思った。
「この時間以降は私はお手伝いのみとなりますので、ジュン様はカヤテ殿にいっぱい愛されてください」
キールがさらりと言う。俺はカーッ! と顔が熱くなるのを感じた。
あ、愛……愛って……。
「ふふ……恥じらう貴方はなんて愛らしいのでしょう」
いちいち抱き寄せられるのもやっぱり恥ずかしい。
「は、離せ、よっ……!」
カヤテ、というかここの者たちはみないちいち俺に触れたがる。天使になったせいか肌の感覚が鋭敏になっているようで、ちょっと触れられただけでなんだか……感じてしまうから触らないでほしいのに。
ウイもこんなに感じやすくなってるのかな……。
ウイに会いたいと思った。会って、いろいろ教えてほしい。
そしたらちゃんと鬼たちの相手をするから。ウイの負担が少しでも減るようにがんばるから。
「ああ、より感じやすくなってしまっているのですね。大丈夫ですよ、いずれ馴染みますから」
カヤテはそう言い、決して離してはくれない。すぐに服を奪われてしまい、一糸まとわぬ姿でカヤテの腕の中に囚われているのが恥ずかしくてたまらなかった。
「服もっ、返せってば……」
「貴方の全てが見たくてたまらないのです。特にこんな……感じやすい貴方はたまらない。全身舐めてずっと啼かせて差し上げたい……」
耳元でエロいことばかり言われて本当に困ってしまう。
「カヤテ殿、食休みは必要ですから」
「わかっています。だから必死で耐えているではないですか」
キールに窘められてカヤテはむっとしたように答えた。
「あっ……」
かぷっと耳たぶを食まれて俺はびくん、と震えた。今はなんだか、もう何をされても感じてしまう。
「そうやって触れていたら全然ジュン様が休めないでしょう」
キールがため息をついた。
「片時も放したくないのですよ」
「あっ、あっ……」
カヤテの手がさわさわと俺の身体に触れる。それもなんか、ただ触るだけじゃなくて触り方がエロいのだ。お尻をなでなでされているだけじゃなくて、尻の間にも触れられたら感じてしまう。
触られたくなくて身じろぐのだけどカヤテの手が追いかけてきて困る。尻穴に触れないでほしい。感じちゃうから。何されてもきっと気持ちよくなってしまうから。
「あっ、あっ、や、だぁ……」
「ああ、なんてかわいいんでしょう。仕事なんか放り出して一日中愛でていたいぐらいです……。明日はまだ休みをいただいていますから、いっぱい抱かせてくださいね」
カヤテはそう言いながら俺を布団に横たえた。
「貴方は布団から出てはいけませんよ? 私の愛しい花嫁なのですから」
「え? え?」
布団はふかふかでそれなりの広さはあるけど布団から出てはいけないってなんなのだろう。布団から自分で出られないということは用を足しにも行けないということではないか。
「な、なん、で……」
「花嫁は夫に抱かれる為の存在なのですから、布団から出てはいけないのです。夫に求められたら四六時中いつでも応えなければなりません」
「え……じゃあ、ウイは……」
「またウイ様ですか?」
カヤテの目が変わっているように見えた。あの目、確かどこかで……。
俺がじっと見ているのを不審に思ったのか、カヤテが首を傾げた。
「ああ……つい本性が出かかってしまいました」
「ほん、しょう、って……」
喉が渇く。饒舌なカヤテがなんだか恐ろしく見えた。
「私は鬼と人との混血なのですが、その人というのも厳密には混血でして。祖先に蛇族がおりましてね……鬼の血のせいかそれらの特徴も出てしまうのですよ」
「そ、そう、なんだ……」
蛇族って確か、執着と嫉妬がすごいって聞いたことがあるような気がするんだけど。
「ですから、貴方がどんなにかわいくないことを言ったとしても決して放しませんから覚悟してくださいね」
「そん、な……」
恐ろしいことを言われているはずなのに胸がきゅんとした。
「あの、さ……」
「なんでしょう?」
「嫉妬とか、しないの……?」
俺は他の鬼にも抱かれるのに。蛇族の血が入っているということは独占欲も強いはずである。カヤテはそれにさらりと答えた。
「もちろん嫉妬しますよ。でも天使さまは私一人では満足されないのですから、私が抱かせてもいいと思う者を用意するしかないではありませんか。ただ、貴方が一番抱かれたいと思う相手が私であれば嬉しいですね」
「ば、ばか、じゃないのか……」
胸の疼きが止まらない。
俺、こんなに惚れっぽかったっけ?
ウイのことは……もちろん好きだけどそれは仲間だからだし。でもカヤテはまだ会ったばかりなのに。
身体の快感に引きずられているのだとしたらどうしたらいいのだろう。
「恋をする者はみなバカになるのです。貴方の愛を得られるのならばいくらでもバカになりましょう」
「あっ……」
首筋に口づけられた。そのままちゅ、ちゅと何度も口づけられる。そのちょっとした刺激にも感じてしまって、俺はまた困ってしまったのだった。
リーたちは今日のところは戻り、部屋の前では他の鬼が警護? みたいなことをするらしい。俺のことなんて警護する必要があるのかな? と少しだけ疑問に思った。
「この時間以降は私はお手伝いのみとなりますので、ジュン様はカヤテ殿にいっぱい愛されてください」
キールがさらりと言う。俺はカーッ! と顔が熱くなるのを感じた。
あ、愛……愛って……。
「ふふ……恥じらう貴方はなんて愛らしいのでしょう」
いちいち抱き寄せられるのもやっぱり恥ずかしい。
「は、離せ、よっ……!」
カヤテ、というかここの者たちはみないちいち俺に触れたがる。天使になったせいか肌の感覚が鋭敏になっているようで、ちょっと触れられただけでなんだか……感じてしまうから触らないでほしいのに。
ウイもこんなに感じやすくなってるのかな……。
ウイに会いたいと思った。会って、いろいろ教えてほしい。
そしたらちゃんと鬼たちの相手をするから。ウイの負担が少しでも減るようにがんばるから。
「ああ、より感じやすくなってしまっているのですね。大丈夫ですよ、いずれ馴染みますから」
カヤテはそう言い、決して離してはくれない。すぐに服を奪われてしまい、一糸まとわぬ姿でカヤテの腕の中に囚われているのが恥ずかしくてたまらなかった。
「服もっ、返せってば……」
「貴方の全てが見たくてたまらないのです。特にこんな……感じやすい貴方はたまらない。全身舐めてずっと啼かせて差し上げたい……」
耳元でエロいことばかり言われて本当に困ってしまう。
「カヤテ殿、食休みは必要ですから」
「わかっています。だから必死で耐えているではないですか」
キールに窘められてカヤテはむっとしたように答えた。
「あっ……」
かぷっと耳たぶを食まれて俺はびくん、と震えた。今はなんだか、もう何をされても感じてしまう。
「そうやって触れていたら全然ジュン様が休めないでしょう」
キールがため息をついた。
「片時も放したくないのですよ」
「あっ、あっ……」
カヤテの手がさわさわと俺の身体に触れる。それもなんか、ただ触るだけじゃなくて触り方がエロいのだ。お尻をなでなでされているだけじゃなくて、尻の間にも触れられたら感じてしまう。
触られたくなくて身じろぐのだけどカヤテの手が追いかけてきて困る。尻穴に触れないでほしい。感じちゃうから。何されてもきっと気持ちよくなってしまうから。
「あっ、あっ、や、だぁ……」
「ああ、なんてかわいいんでしょう。仕事なんか放り出して一日中愛でていたいぐらいです……。明日はまだ休みをいただいていますから、いっぱい抱かせてくださいね」
カヤテはそう言いながら俺を布団に横たえた。
「貴方は布団から出てはいけませんよ? 私の愛しい花嫁なのですから」
「え? え?」
布団はふかふかでそれなりの広さはあるけど布団から出てはいけないってなんなのだろう。布団から自分で出られないということは用を足しにも行けないということではないか。
「な、なん、で……」
「花嫁は夫に抱かれる為の存在なのですから、布団から出てはいけないのです。夫に求められたら四六時中いつでも応えなければなりません」
「え……じゃあ、ウイは……」
「またウイ様ですか?」
カヤテの目が変わっているように見えた。あの目、確かどこかで……。
俺がじっと見ているのを不審に思ったのか、カヤテが首を傾げた。
「ああ……つい本性が出かかってしまいました」
「ほん、しょう、って……」
喉が渇く。饒舌なカヤテがなんだか恐ろしく見えた。
「私は鬼と人との混血なのですが、その人というのも厳密には混血でして。祖先に蛇族がおりましてね……鬼の血のせいかそれらの特徴も出てしまうのですよ」
「そ、そう、なんだ……」
蛇族って確か、執着と嫉妬がすごいって聞いたことがあるような気がするんだけど。
「ですから、貴方がどんなにかわいくないことを言ったとしても決して放しませんから覚悟してくださいね」
「そん、な……」
恐ろしいことを言われているはずなのに胸がきゅんとした。
「あの、さ……」
「なんでしょう?」
「嫉妬とか、しないの……?」
俺は他の鬼にも抱かれるのに。蛇族の血が入っているということは独占欲も強いはずである。カヤテはそれにさらりと答えた。
「もちろん嫉妬しますよ。でも天使さまは私一人では満足されないのですから、私が抱かせてもいいと思う者を用意するしかないではありませんか。ただ、貴方が一番抱かれたいと思う相手が私であれば嬉しいですね」
「ば、ばか、じゃないのか……」
胸の疼きが止まらない。
俺、こんなに惚れっぽかったっけ?
ウイのことは……もちろん好きだけどそれは仲間だからだし。でもカヤテはまだ会ったばかりなのに。
身体の快感に引きずられているのだとしたらどうしたらいいのだろう。
「恋をする者はみなバカになるのです。貴方の愛を得られるのならばいくらでもバカになりましょう」
「あっ……」
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