上 下
209 / 214

207.いっぱい奉仕されてる

しおりを挟む
 今日のHはまさしく奉仕、だったと思う。
 俺がより気持ちよくなるように優しく優しく中をこねられた。あんなHされたらもっと好きになってしまうじゃないか。あんまり気持ちよすぎて、ジャックがイッた時には気をやってしまった。二輪挿しで気を失うことはよくあったけど、誰か一人に抱かれて気をやるのは……そんなになかったと思う。
 目が覚めた時にはジャックが俺の乳首に吸い付いていたし、いつまでも快感が去らなくて困った。

「カイト、大丈夫か?」

 全然心配されてないよな。むしろ俺が感じすぎてイッたことでとても嬉しそうだ。けっこう長い時間中をこねこねされてしまい、俺はイキッぱなし状態になってしまったけどジャックは一度しかイッてない。ジャンもそうだけど、俺を抱きたいって言いながらあんまり性欲処理に使うかんじじゃないんだよな。ただコイツらが遅漏なだけかもしれないけど……。

「ジャックはぁっ、あっ……満足、した?」

 そんなにおっぱい吸うなよぉ。そんなにそんなにちゅうちゅう吸われたら乳首取れちゃうじゃないか。
 なんかおっぱいが出る時ってへんなかんじだ。胸の奥から何かがせり上がってきて、それが乳首から溢れて出てくる。吸われ始めると胸の中から何かが引っ張られるみたいで、それはそれで気持ちいい。でもそれだけじゃなくて、乳首自体も舐め転がされたりするから快感もある。
 ジャックはちゅううっと俺の乳首を吸ってから顔を上げた。

「あぁあんっ……!」
「……そんなにかわいいことを言うな。我慢できなくなるだろう?」
「が、がまんって……」
「できることならカイトの中に一日中入れていたい……何度だって俺の好きな時に抱きたい……」

 カーッとまた全身が熱くなった。

「でも、できるだけ優しくしたいんだ。カイトがいっぱい感じてる姿は本当にかわいいから……」
「ううう……」

 顔の熱が去らなくて困る。そんなこと言われたらもっと抱いてって言いたくなっちゃうじゃないか。でもそんなこと言ったら絶対後悔するし……もう、どうしたらいいんだよぉ。
 俺はとても困ってしまった。
 ジャックはそんな俺に笑むと、また乳首をちゅくちゅくと吸い始めた。

「あっ、あっ、あっ……」
「カイトのおっぱいはおいしい……ずっと飲ませてくれ」

 ずっとって……。
 一生ってことかな?
 そう思ったらまた尻穴がきゅんと収縮した。俺もずっと、ジャックとジャンと一緒にいたいって思う。

「あっ、あっ、あっ……ジャックぅ、好きっ、好きぃっ……! あぁああんっ……!」

 ジャックが一際強く俺の乳首を吸った。だからっ、そんなに吸われたら乳首取れちゃうってばぁ。
 出なくなるまで飲まれたことで、再び勃起してしまったちんちんをまた咥えられてイカされてしまった。もうっ、しすぎだってば。
 ぐったりした俺に洗浄魔法をかけて、ジャックは俺をまた抱きしめた。

「なぁ……」
「なんだ?」
「お前らって、俺のことイカせてばっかだけど……それって楽しいか?」

 よく考えなくても俺ってずっと二人に奉仕されてきたと思う。二輪挿しとかかなりひどいことする奴らではあるけど、前戯はたっぷりされるし、後戯だってしつこいぐらいするし。まぁそれでぐったりしてしまうんだけど、俺を穴として使うかんじじゃない。
 穴っていったら……奴隷商のところでヤられてたことをおぼろげながら思い出した。それでもジャンが俺の体調とかは管理してくれていたから一日に何人もってほどではなかったけど、あの時の俺はまんま穴だったと思う。

「カイトには気持ちよくなって、Hが好きになってほしいからな。俺たちに抱かれるのがもっと好きになって、一日中抱いてって言ってほしい」
「ば、ばかっ……!」

 そんなこと言ったらたいへんなことになるに決まっている。昨日の”お仕置き”は相当たいへんだったし……。

「だが何よりも、カイトが俺たちの愛撫で気持ちよくなってくれることが嬉しいんだ」
「……そんな……」

 俺はすごく恥ずかしくなってジャックの胸に顔を寄せた。

「俺たちの愛撫であられもなく感じているカイトはすごくかわいい。もっともっと感じさせたい……」
「やっ……もう……」

 聞かなきゃよかった。

「カイトのことは抱きたいが、それだけじゃなくていっぱい触れたい。……だめか?」
「い、今はだめっ……」

 そういうの言うのも禁止だ。できることならジャックの口を塞ぎたい。
 ジャックは笑んだ。

「昼食の後ならいいか?」
「う……いい、けど……」

 なんか調子が狂う。
 昼間はジャンもいるのが当たり前だったから、ジャックとずっと二人きりというのもなんか落ち着かない。

「なぁ……ジャンがこんな、昼からいなくなるのって今日ぐらい、だよな?」
「ああ、そのはずだ。明日はいつも通りだと思うぞ」
「そっか」

 俺はジャックの胸に頭をすり寄せた。やっぱりこの腕の中が落ち着くって思う。三十歳の誕生日を迎えるまではこんなことになるなんて思ってもみなかった。一時は絶望してあのまま死んでしまいたいと思ったのに、今は俺よりも二回りぐらい大きい男の腕の中で幸せを感じている。
 へんなの、って思うけど、今のこの状態が俺は嫌いではなかった。
しおりを挟む
感想 40

あなたにおすすめの小説

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

【書籍化確定、完結】私だけが知らない

綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ 目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2024/12/26……書籍化確定、公表 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました

SEKISUI
BL
 ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた  見た目は勝ち組  中身は社畜  斜めな思考の持ち主  なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う  そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される    

いじめっこ令息に転生したけど、いじめなかったのに義弟が酷い。

えっしゃー(エミリオ猫)
BL
オレはデニス=アッカー伯爵令息(18才)。成績が悪くて跡継ぎから外された一人息子だ。跡継ぎに養子に来た義弟アルフ(15才)を、グレていじめる令息…の予定だったが、ここが物語の中で、義弟いじめの途中に事故で亡くなる事を思いだした。死にたくないので、優しい兄を目指してるのに、義弟はなかなか義兄上大好き!と言ってくれません。反抗期?思春期かな? そして今日も何故かオレの服が脱げそうです? そんなある日、義弟の親友と出会って…。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

処理中です...